Deeply love with the darkness -4-
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「ねーのりくん。もういいよ、そんなに気を遣わなくて」
「え?」
私が2週間ぐらいめそめそしてたからだっていうのは分かってる。
ジョセフがやたらめったら嬉しそうに「承太郎のやつ結婚したらしい」って電話してきて、早1ヶ月。
最初の2週間でやさぐれて家出と放浪を繰り返してたら、そもそも過保護なのりくんがさらに構ってくれるようになった。
(…のりくんって分かる?ディオとの戦いで死にかけたついでに自分が死んだことにして、SPW財団で色々難しいお仕事してる、あの花京院典明だよ。)
「スタンド使いとか矢の調査とかで忙しいんでしょ。私、もう大丈夫だから。…失恋っていうか、約束破られたことは確かにショックだったけど、別に当たり前のことだと思うし…もう1人でも、平気だから」
もともとは年に何度か様子を見に来てくれるだけだったのが、私が調子を崩してから何故か杜王町に滞在し始め、こうして暇を見てはデートに誘い出してくれる。
聞けば今回めでたく私の監視役に就任したらしい。スタンドが悪用された事件ばっかり追っていたから、休暇と思って楽しんでるって笑ってたけど…ほんとかな?
せっかく遊んでくれてるのに断るのは悪い気がして、私は顔をそらしたまま視線だけのりくんを盗み見た。
反対に私をじっと見つめたままののりくんは何か考えてるみたいで、カフェのテラス席でカプチーノのカップを前にテーブルを指でとんとんと叩いている。ご機嫌そうに見えるけど怒ってるようにも見える。
思わず“死神“を倒したときの、『お仕置きの時間だよベイビー』を思い出してしまった。
だって信じられる?のりくんってあの時のまま、色気と男らしさがぐんぐん増して大人になったの。勝てる気しないよ。
「…そうは言われても、君の護衛と監視が今の僕の仕事だからね」
「そうだとしても、一緒に出かけたりご飯食べたりしなくてもいいよって言ってるの!」
「えぇ?こそこそ後ろから様子を盗み見てろってことかい?…僕たちの仲でそれはちょっと寂しいなぁ。ずっと一緒に遊んできたのに」
噛みつこうとする私をさらりとかわすのりくんにぐっと言葉を飲み込んだ。
そうだよ。エジプトの旅の間も、戦いが終わってからも。私たちはずっと仲良しだったもん。
でも、今はここに承太郎がいない。
日本の家で3人で過ごした時間も、2人で見に来てくれた私の運動会も、二度と戻ってこないんだから。
「だって、色々…思い出しちゃうんだもん…」
下を向いて目頭が熱くなってるのを耐えた。のりくんも少しだけ、切なそうに瞳を揺らした。
それから私を見て優しく微笑んでくれたから、なんだかすごく、ほっとした。
「そうだね。…僕も、君たちの家で過ごした時間はかけがえのないものだったと思うよ。けれどここだけの話、僕は時々…君がデパートなんかに僕だけを誘ってくれた時を思い出して、今でも嬉しくなるんだよ」
「……そうなの?」
「うん。ほら、承太郎は女の子のものに興味ないからって」
覚えてる。
新発売の人形とか、ちょっと背伸びしたアクセサリーとか…一緒に見て選んでくれたよね。
「承太郎ありきで僕とも仲良くしてくれてるんだろうって感覚もあったから。2人で遊んだのがすごく嬉しかったんだ」
のりくんがそんなこと言うなんてすごくびっくりした。
そして同時に、私ののりくんへの気持ちが誤解されてるような気がして、気付いたら小さなテーブルを挟んでのりくんに身を乗り出していた。
「私がのりくんといるのに承太郎は関係ないじゃない!承太郎がいなくたって、わたしはのりくんのこと好きになってた!」
急に距離が詰まってのりくんはちょっと引いてたけど、すぐにおかしそうに破顔した。それが高校生のころに戻ったみたいに可愛かったから、なんだか恥ずかしくなって、私はそろそろと椅子に座り直した。気付いたら、私たちの席の周りを行き交う人たちにじろじろと見られている。
「僕もそうさ。別に承太郎がいなくても、君と一緒にいたいんだけど……やっぱり控えた方がいい?」
ひとしきり笑い終わってから、のりくんはテーブルについた私の手を上から握ってそう言ってくれた。あったかくてとても優しい。
私は今まで、のりくんが(たぶん)ジョセフに頼まれてこうして私に付き合ってくれてるんだって思ってたけど……承太郎が余計な心配しなくて済むように私といてくれてるんだと思ってたけど……。
「それから、分かってるとは思うが、僕は幽霊だから」
「え?」
「本当はあの日、ディオに殺されていたんだ…それを引き留めたのは君だ。あの日から僕は、君に取り憑いているんだよ」
「何言ってるの」
「守護霊……にはスタンドがいるから、まぁ…背後霊とでも思っててよ」
「なんか怖いんだけど!」
幽霊なわけないじゃんね。こんなにあったかい手なのに。
のりくんが優しすぎて、とりあえずどうでも良くなってしまった。
「え?」
私が2週間ぐらいめそめそしてたからだっていうのは分かってる。
ジョセフがやたらめったら嬉しそうに「承太郎のやつ結婚したらしい」って電話してきて、早1ヶ月。
最初の2週間でやさぐれて家出と放浪を繰り返してたら、そもそも過保護なのりくんがさらに構ってくれるようになった。
(…のりくんって分かる?ディオとの戦いで死にかけたついでに自分が死んだことにして、SPW財団で色々難しいお仕事してる、あの花京院典明だよ。)
「スタンド使いとか矢の調査とかで忙しいんでしょ。私、もう大丈夫だから。…失恋っていうか、約束破られたことは確かにショックだったけど、別に当たり前のことだと思うし…もう1人でも、平気だから」
もともとは年に何度か様子を見に来てくれるだけだったのが、私が調子を崩してから何故か杜王町に滞在し始め、こうして暇を見てはデートに誘い出してくれる。
聞けば今回めでたく私の監視役に就任したらしい。スタンドが悪用された事件ばっかり追っていたから、休暇と思って楽しんでるって笑ってたけど…ほんとかな?
せっかく遊んでくれてるのに断るのは悪い気がして、私は顔をそらしたまま視線だけのりくんを盗み見た。
反対に私をじっと見つめたままののりくんは何か考えてるみたいで、カフェのテラス席でカプチーノのカップを前にテーブルを指でとんとんと叩いている。ご機嫌そうに見えるけど怒ってるようにも見える。
思わず“死神“を倒したときの、『お仕置きの時間だよベイビー』を思い出してしまった。
だって信じられる?のりくんってあの時のまま、色気と男らしさがぐんぐん増して大人になったの。勝てる気しないよ。
「…そうは言われても、君の護衛と監視が今の僕の仕事だからね」
「そうだとしても、一緒に出かけたりご飯食べたりしなくてもいいよって言ってるの!」
「えぇ?こそこそ後ろから様子を盗み見てろってことかい?…僕たちの仲でそれはちょっと寂しいなぁ。ずっと一緒に遊んできたのに」
噛みつこうとする私をさらりとかわすのりくんにぐっと言葉を飲み込んだ。
そうだよ。エジプトの旅の間も、戦いが終わってからも。私たちはずっと仲良しだったもん。
でも、今はここに承太郎がいない。
日本の家で3人で過ごした時間も、2人で見に来てくれた私の運動会も、二度と戻ってこないんだから。
「だって、色々…思い出しちゃうんだもん…」
下を向いて目頭が熱くなってるのを耐えた。のりくんも少しだけ、切なそうに瞳を揺らした。
それから私を見て優しく微笑んでくれたから、なんだかすごく、ほっとした。
「そうだね。…僕も、君たちの家で過ごした時間はかけがえのないものだったと思うよ。けれどここだけの話、僕は時々…君がデパートなんかに僕だけを誘ってくれた時を思い出して、今でも嬉しくなるんだよ」
「……そうなの?」
「うん。ほら、承太郎は女の子のものに興味ないからって」
覚えてる。
新発売の人形とか、ちょっと背伸びしたアクセサリーとか…一緒に見て選んでくれたよね。
「承太郎ありきで僕とも仲良くしてくれてるんだろうって感覚もあったから。2人で遊んだのがすごく嬉しかったんだ」
のりくんがそんなこと言うなんてすごくびっくりした。
そして同時に、私ののりくんへの気持ちが誤解されてるような気がして、気付いたら小さなテーブルを挟んでのりくんに身を乗り出していた。
「私がのりくんといるのに承太郎は関係ないじゃない!承太郎がいなくたって、わたしはのりくんのこと好きになってた!」
急に距離が詰まってのりくんはちょっと引いてたけど、すぐにおかしそうに破顔した。それが高校生のころに戻ったみたいに可愛かったから、なんだか恥ずかしくなって、私はそろそろと椅子に座り直した。気付いたら、私たちの席の周りを行き交う人たちにじろじろと見られている。
「僕もそうさ。別に承太郎がいなくても、君と一緒にいたいんだけど……やっぱり控えた方がいい?」
ひとしきり笑い終わってから、のりくんはテーブルについた私の手を上から握ってそう言ってくれた。あったかくてとても優しい。
私は今まで、のりくんが(たぶん)ジョセフに頼まれてこうして私に付き合ってくれてるんだって思ってたけど……承太郎が余計な心配しなくて済むように私といてくれてるんだと思ってたけど……。
「それから、分かってるとは思うが、僕は幽霊だから」
「え?」
「本当はあの日、ディオに殺されていたんだ…それを引き留めたのは君だ。あの日から僕は、君に取り憑いているんだよ」
「何言ってるの」
「守護霊……にはスタンドがいるから、まぁ…背後霊とでも思っててよ」
「なんか怖いんだけど!」
幽霊なわけないじゃんね。こんなにあったかい手なのに。
のりくんが優しすぎて、とりあえずどうでも良くなってしまった。
