Love the darkness -5-
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その朝はリカにとって良いものとは言い難かった。
起きた途端、寝汗をたくさんかいていることに気付いたし、そのせいで体が冷えたのか寒気がしていたからだ。
(学校……めんどくさいなぁー…)
それでも承太郎の反対を押し切って、スピードワゴン財団にお金を出してもらっている手前勉強は学生の義務。
ジョルノだって今は学校にいるから遊べないし。
熱めのシャワーで体を温めてから、リカはノロノロと準備をした。今日は遅刻だ。
部屋からロビーへのエレベーターを降りたところで驚いた。
ブチャラティがいる。
扉近くの柱にもたれてこっちを見ていた。リカが降りてきたのをすでに見つけていて、小さく微笑んで手を上げた。
リカは急に、今日という日がとても楽しくなる予感がして足が軽くなった。ブチャラティは紳士的でいつもリカを喜ばせてくれるからだ。
「ブチャラティ!」
小走りに駆け寄りながら呼んだら、ブチャラティは何かに気付いて少しだけ怪訝そうに眉をひそめた。
それから何歩かリカを迎えにきて、にこ、と少し悪戯に笑った。
「おはよう、リカ」
「?」
両手で頬を挟まれた、と思ったら顔の角度を変えられて、こめかみにキスされていた。何が起こったか理解するまでの間はしっかり唇が押し付けられていたし、なんなら温かい舌の感触までわかった。ちゅ、と音を立てて離れる。挨拶にしては濃いキスにリカは少しパニックになっていた。
「…は……え?………え?!」
空気が触れると冷たく感じるそこを手で押さえながら、背後をぱっと振り返る。カウンターにいたスタッフやロビーの宿泊客が一斉に視線を逸らすか隠れるかした。
(見られてる!!!)
襲いかかる現実にやっと恥ずかしさが襲ってきて顔が熱い。
元凶であるブチャラティは相変わらず真近からリカの顔を覗きこんできている。
「今朝はあまり調子が良くないみたいだが……大丈夫か?」
リカとしては調子どころの話ではなく今すぐ逃げ出してしまいたかったが、ブチャラティが冷静なためなんだか大したことじゃないのかもというおかしな方向に脳が記憶を改竄しようとしていた。
「調子って…、ブチャラティが、いきなり変なこと?…するから……」
「……ああ…まぁね…。汗で体調が分かるんだよ。顔もいつもより青白いみたいだし…寝冷えでもしたか?」
「寝冷え……」
ドンピシャで言い当てられて、リカは今朝のことを思い出した。気を付けないと風邪引いちゃうなーと思っていたのだ。
「温かいハーブティーでも飲むといい。組織について話すことがたくさんある」
(いや、どんな特技なの!??)
「…学校なら心配しなくていい。話はつけてあるから」
「え?ほんと?……ありがとう…」
ブチャラティ怖…いや、すごい。いや……やっぱりちょっと怖い。
落ち着き払ったブチャラティに何も言えず、リカはやったー学校さぼれるという僅かな感情について礼を言うほかなかった。
「ストールか何か1枚貸してもらえませんか」
「かしこまりました」
流れるようにホテルのスタッフに注文するブチャラティを呆気に取られたまま眺める。
受け取ったふわふわのストールをリカの肩にかけたところで、ブチャラティがちょっと困ったように苦笑した。
「…そんなに変かな。俺が君にキスをするのは」
なんだかちょっと寂しそうに見えたので、リカは少し焦った。残念そうなブチャラティを見たら何かフォローしなければと情が働いてしまったのだ。
そもそもブチャラティは優しい。
リカの顔色が悪いのも見抜いていたし、こうしてストールをかけて温めようとしてくれてる。そしてこれからほかほかのハーブティーを飲ませてくれるだろう。「寒くないか?」なんて聞きながら…。キスしたのもそうしたらブチャラティには体調がわかるから?だし…。
ふわふわのストールに触れるとほっとして、そのままブチャラティの優しさみたいに思えて笑顔になる。
「……違うの。びっくりしちゃって。彼氏っぽいなって」
「うっ!」
なんか出て行こうとした扉に肩をぶつけてた。
起きた途端、寝汗をたくさんかいていることに気付いたし、そのせいで体が冷えたのか寒気がしていたからだ。
(学校……めんどくさいなぁー…)
それでも承太郎の反対を押し切って、スピードワゴン財団にお金を出してもらっている手前勉強は学生の義務。
ジョルノだって今は学校にいるから遊べないし。
熱めのシャワーで体を温めてから、リカはノロノロと準備をした。今日は遅刻だ。
部屋からロビーへのエレベーターを降りたところで驚いた。
ブチャラティがいる。
扉近くの柱にもたれてこっちを見ていた。リカが降りてきたのをすでに見つけていて、小さく微笑んで手を上げた。
リカは急に、今日という日がとても楽しくなる予感がして足が軽くなった。ブチャラティは紳士的でいつもリカを喜ばせてくれるからだ。
「ブチャラティ!」
小走りに駆け寄りながら呼んだら、ブチャラティは何かに気付いて少しだけ怪訝そうに眉をひそめた。
それから何歩かリカを迎えにきて、にこ、と少し悪戯に笑った。
「おはよう、リカ」
「?」
両手で頬を挟まれた、と思ったら顔の角度を変えられて、こめかみにキスされていた。何が起こったか理解するまでの間はしっかり唇が押し付けられていたし、なんなら温かい舌の感触までわかった。ちゅ、と音を立てて離れる。挨拶にしては濃いキスにリカは少しパニックになっていた。
「…は……え?………え?!」
空気が触れると冷たく感じるそこを手で押さえながら、背後をぱっと振り返る。カウンターにいたスタッフやロビーの宿泊客が一斉に視線を逸らすか隠れるかした。
(見られてる!!!)
襲いかかる現実にやっと恥ずかしさが襲ってきて顔が熱い。
元凶であるブチャラティは相変わらず真近からリカの顔を覗きこんできている。
「今朝はあまり調子が良くないみたいだが……大丈夫か?」
リカとしては調子どころの話ではなく今すぐ逃げ出してしまいたかったが、ブチャラティが冷静なためなんだか大したことじゃないのかもというおかしな方向に脳が記憶を改竄しようとしていた。
「調子って…、ブチャラティが、いきなり変なこと?…するから……」
「……ああ…まぁね…。汗で体調が分かるんだよ。顔もいつもより青白いみたいだし…寝冷えでもしたか?」
「寝冷え……」
ドンピシャで言い当てられて、リカは今朝のことを思い出した。気を付けないと風邪引いちゃうなーと思っていたのだ。
「温かいハーブティーでも飲むといい。組織について話すことがたくさんある」
(いや、どんな特技なの!??)
「…学校なら心配しなくていい。話はつけてあるから」
「え?ほんと?……ありがとう…」
ブチャラティ怖…いや、すごい。いや……やっぱりちょっと怖い。
落ち着き払ったブチャラティに何も言えず、リカはやったー学校さぼれるという僅かな感情について礼を言うほかなかった。
「ストールか何か1枚貸してもらえませんか」
「かしこまりました」
流れるようにホテルのスタッフに注文するブチャラティを呆気に取られたまま眺める。
受け取ったふわふわのストールをリカの肩にかけたところで、ブチャラティがちょっと困ったように苦笑した。
「…そんなに変かな。俺が君にキスをするのは」
なんだかちょっと寂しそうに見えたので、リカは少し焦った。残念そうなブチャラティを見たら何かフォローしなければと情が働いてしまったのだ。
そもそもブチャラティは優しい。
リカの顔色が悪いのも見抜いていたし、こうしてストールをかけて温めようとしてくれてる。そしてこれからほかほかのハーブティーを飲ませてくれるだろう。「寒くないか?」なんて聞きながら…。キスしたのもそうしたらブチャラティには体調がわかるから?だし…。
ふわふわのストールに触れるとほっとして、そのままブチャラティの優しさみたいに思えて笑顔になる。
「……違うの。びっくりしちゃって。彼氏っぽいなって」
「うっ!」
なんか出て行こうとした扉に肩をぶつけてた。