Love the darkness -5-
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そのホテルに足を踏み入れたら、すぐにその目立つ色合いを見つけることができた。出会ったあの日と同じ白いワンピースに、朝焼けの空みたいな薄い水色の髪。
この豪華なホテルの中で、そこだけが神秘的に輝いている。
彼女はジョルノから背を向けて、フロントの電話の受話器を今まさに置いたところだった。
「リカ!…さん!」
「ぅわはい!びっくりした!」
大きく肩を跳ねさせてからこっちを向いたリカは驚きに目を大きくしている。
自分で思っていたより大きな声が出てしまい、ジョルノも少し焦った。ホテルマンたちの視線を浴びる。
咄嗟に口を押さえてよかったかもしれない。
数日ぶりに会った彼女は記憶よりも断然可愛くて、もしかしたらここにいるかもしれないとドキドキしていた心臓は今やバクバクいっていたからだ。口から飛び出してきても不思議じゃなかった。
「あのぅ…ご予約のお客様でしょうか?」
「いいんです!私の友人です。私が呼んだんです」
妙齢のホテルの紳士が話しかけてきた後ろからリカはもう駆け寄ってきていた。
僕のことを友人だって。嬉しい。
「左様でしたか。次からはどうぞ先にお申し付けください。歓迎させていただきます」
人の良さそうな笑顔で去る紳士を見送っていたら、入れ替わりでリカの顔が目の前にある。良い匂いはしてくるし頭は真っ白になっていた。
「ジョルノ!なんでここにいるの?偶然?」
「いえ…あの、探したんです。この前送ってったところから、この辺りのホテルを…調べて」
「えー!良くわかったねぇ!」
「すぐわかりました。リカは目立つから…」
「会いたくて?」
「会いたくて」
おうむ返しに頷いてからジョルノは僕は馬鹿じゃないのかと思った。たった一回、一緒にジェラートを食べただけで住んでるところまで調べてやってくるなんて…変なやつと思われても不思議じゃない。
ところがリカは両手を合わせてにこにこしている。
「すごいねぇ!私も会いたかったから嬉しいなぁー」
(うっ……!経験値が!足りていないっ!圧倒的に!!)
自覚はあるのだがこの圧倒的な初恋を前にジョルノは恐れ慄いていた。
彼にとって女子とはうっとおしいものであり、時々ご飯をおごってもらったりお金をすらせていただいたりといった都合の良いだけの存在だったわけで。
きゃーきゃー追いかけられはするもののこちらから追いかけるなんてありえないことだったのだ。
(新婚旅行はどこにしよう……いや、その前に!指輪だ。指輪を探さなくちゃ…!)
ありえなすぎて思考もありえないところまでぶっ飛んでしまっていた。
「元気そうでよかったー。どうする?出かけてご飯でも食べる?ホテルのレストランもおいしいよ」
「えっ、あっいや!違うんです!この前の…ジェラート屋台が」
「うん?」
必死すぎてリカから食事に誘われたのを瞬時に断ってしまうジョルノ(無自覚)。リカはテンパっているジョルノを見て素直に可愛いなーと思っていた。なんか素行は悪かったけど自分より年下だし。スタンド使いかもしれないけどわざわざ探してまた会いにきてくれたんだし。それに、ジェラートおごってくれたし悪い子じゃないよね!
と承太郎が聞いたら頭を抱えてしまいそうな感覚的思考でジョルノを良い人認定してしまう。
「その、新しいフレーバーが出て……リカのことを思い出してしまって……。また、一緒に食べたいななんて思ったら…いてもたってもいられなくなってしまったんです」
「そうだったんだぁ。私もまたあそこのジェラート食べたいなって思ってたの!新しいフレーバーって何?何味??」
「ハニーレモンです」
「絶対おいしいやつじゃん!それじゃあハニーレモンとぉ……グリーンティーかなっ」
「んっ?うぅん………うん…」
また珍しい組み合わせにしようとしている。
以前のジョルノなら、妙なやつだと思って素通りしていた。でも今は。
「えっと…また、4つに…?」
「そうだね!半分こしよー」
そうだ。半分こ…。そんな言葉はついぞ使ったことがない。
誰かと何かを分け合うって、こんなにも…温かい気持ちになるものだったんだな。
(いいか…僕の方がリカが選ぶのと合う味を選べばいい)
ジョルノは自分がこんなにも優しい気持ちになれることに驚いていた。けれど悪い気は全然しなくて、毎日が輝いていてこの世界はなんて素晴らしいんだと本気で思えた。彼女がいてくれたら、ずっとこの世界にいることができる。きっとなんだって出来る。ジョルノの夢も叶ってそこで2人で幸せになろう。広い庭のある白い家に住んで犬を飼おう……。
「ちょっと遅いけど、今から行っちゃう?」
壁掛け時計を覗き込む仕草は悪戯で可愛い。ジョルノはリカの声に現実に帰ってきた。
「いや…店はもう閉まるところだから……明日の朝迎えに来ても?」
「全然良いけど、ジョルノ学校は?」
「(そうだった…)ま、たまには良いじゃないですかさぼったって。ちょうど息抜きしたいと思ってましたし」
「君って悪い子ちゃんだね。でも、ジョルノが良いなら良いよ!朝から遊ぼう!」
「………っ(くそ可愛いんだが!)」
「口開いてるよ」
「?!」
どうやら見惚れていて口が半開きになっていたらしく、リカはなんとジョルノの唇に触れてそれを閉じたのだ。
「いや!えっと、その……開いてましたね…」
「私もけっこう言われるんだぁ」
その時リカは承太郎のことを思い出していたのだが、ジョルノがそれを知る由もなく。胸を押さえてそこを締め上げている恋の病と必死に戦っていた。
この豪華なホテルの中で、そこだけが神秘的に輝いている。
彼女はジョルノから背を向けて、フロントの電話の受話器を今まさに置いたところだった。
「リカ!…さん!」
「ぅわはい!びっくりした!」
大きく肩を跳ねさせてからこっちを向いたリカは驚きに目を大きくしている。
自分で思っていたより大きな声が出てしまい、ジョルノも少し焦った。ホテルマンたちの視線を浴びる。
咄嗟に口を押さえてよかったかもしれない。
数日ぶりに会った彼女は記憶よりも断然可愛くて、もしかしたらここにいるかもしれないとドキドキしていた心臓は今やバクバクいっていたからだ。口から飛び出してきても不思議じゃなかった。
「あのぅ…ご予約のお客様でしょうか?」
「いいんです!私の友人です。私が呼んだんです」
妙齢のホテルの紳士が話しかけてきた後ろからリカはもう駆け寄ってきていた。
僕のことを友人だって。嬉しい。
「左様でしたか。次からはどうぞ先にお申し付けください。歓迎させていただきます」
人の良さそうな笑顔で去る紳士を見送っていたら、入れ替わりでリカの顔が目の前にある。良い匂いはしてくるし頭は真っ白になっていた。
「ジョルノ!なんでここにいるの?偶然?」
「いえ…あの、探したんです。この前送ってったところから、この辺りのホテルを…調べて」
「えー!良くわかったねぇ!」
「すぐわかりました。リカは目立つから…」
「会いたくて?」
「会いたくて」
おうむ返しに頷いてからジョルノは僕は馬鹿じゃないのかと思った。たった一回、一緒にジェラートを食べただけで住んでるところまで調べてやってくるなんて…変なやつと思われても不思議じゃない。
ところがリカは両手を合わせてにこにこしている。
「すごいねぇ!私も会いたかったから嬉しいなぁー」
(うっ……!経験値が!足りていないっ!圧倒的に!!)
自覚はあるのだがこの圧倒的な初恋を前にジョルノは恐れ慄いていた。
彼にとって女子とはうっとおしいものであり、時々ご飯をおごってもらったりお金をすらせていただいたりといった都合の良いだけの存在だったわけで。
きゃーきゃー追いかけられはするもののこちらから追いかけるなんてありえないことだったのだ。
(新婚旅行はどこにしよう……いや、その前に!指輪だ。指輪を探さなくちゃ…!)
ありえなすぎて思考もありえないところまでぶっ飛んでしまっていた。
「元気そうでよかったー。どうする?出かけてご飯でも食べる?ホテルのレストランもおいしいよ」
「えっ、あっいや!違うんです!この前の…ジェラート屋台が」
「うん?」
必死すぎてリカから食事に誘われたのを瞬時に断ってしまうジョルノ(無自覚)。リカはテンパっているジョルノを見て素直に可愛いなーと思っていた。なんか素行は悪かったけど自分より年下だし。スタンド使いかもしれないけどわざわざ探してまた会いにきてくれたんだし。それに、ジェラートおごってくれたし悪い子じゃないよね!
と承太郎が聞いたら頭を抱えてしまいそうな感覚的思考でジョルノを良い人認定してしまう。
「その、新しいフレーバーが出て……リカのことを思い出してしまって……。また、一緒に食べたいななんて思ったら…いてもたってもいられなくなってしまったんです」
「そうだったんだぁ。私もまたあそこのジェラート食べたいなって思ってたの!新しいフレーバーって何?何味??」
「ハニーレモンです」
「絶対おいしいやつじゃん!それじゃあハニーレモンとぉ……グリーンティーかなっ」
「んっ?うぅん………うん…」
また珍しい組み合わせにしようとしている。
以前のジョルノなら、妙なやつだと思って素通りしていた。でも今は。
「えっと…また、4つに…?」
「そうだね!半分こしよー」
そうだ。半分こ…。そんな言葉はついぞ使ったことがない。
誰かと何かを分け合うって、こんなにも…温かい気持ちになるものだったんだな。
(いいか…僕の方がリカが選ぶのと合う味を選べばいい)
ジョルノは自分がこんなにも優しい気持ちになれることに驚いていた。けれど悪い気は全然しなくて、毎日が輝いていてこの世界はなんて素晴らしいんだと本気で思えた。彼女がいてくれたら、ずっとこの世界にいることができる。きっとなんだって出来る。ジョルノの夢も叶ってそこで2人で幸せになろう。広い庭のある白い家に住んで犬を飼おう……。
「ちょっと遅いけど、今から行っちゃう?」
壁掛け時計を覗き込む仕草は悪戯で可愛い。ジョルノはリカの声に現実に帰ってきた。
「いや…店はもう閉まるところだから……明日の朝迎えに来ても?」
「全然良いけど、ジョルノ学校は?」
「(そうだった…)ま、たまには良いじゃないですかさぼったって。ちょうど息抜きしたいと思ってましたし」
「君って悪い子ちゃんだね。でも、ジョルノが良いなら良いよ!朝から遊ぼう!」
「………っ(くそ可愛いんだが!)」
「口開いてるよ」
「?!」
どうやら見惚れていて口が半開きになっていたらしく、リカはなんとジョルノの唇に触れてそれを閉じたのだ。
「いや!えっと、その……開いてましたね…」
「私もけっこう言われるんだぁ」
その時リカは承太郎のことを思い出していたのだが、ジョルノがそれを知る由もなく。胸を押さえてそこを締め上げている恋の病と必死に戦っていた。