✴︎本編✴︎
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ジョルノがポルポの入団試験を受けることになったので、応援しに行こうと思う。
「ジョルノ!ねぇ、大丈夫?!」
「うわぁぁっ!?あ!リカ!」
私はライターもらった時点で倒して火を消しちゃって、その場でスタンドとの戦いが始まったから…ジョルノはどうだったんだろうって焦ってた。
刑務所から出てきたとたんに飛び付くように声をかけたの。
ジョルノは信じられないぐらいびっくりしてた。持っているお花をもう片方の手で包み込むようにして大事に持っている。
「あ、危ない…!!」
「ライターもらった?!」
「うああ!近すぎる!これ!!この花がライターなんだ!!」
「えっ」
言われてみれば、近いおかげでお花の先っちょからちょっと煙が出てるのが見えた。
ジョルノは赤いのか青いのかよく分からない顔で私からお花を隠すように体を捻る。
私はさっそくジョルノに危ない橋を渡らせそうになったのを反省した。(まぁポルポさんのスタンドは私が秒で倒すけど。)
「ご、ごめん……心配で、つい。…焦っちゃった」
「良いんですよ」
ライターに影響が出ないように出来る限り小声で話す。距離がぐっと縮まって嬉しそうに微笑むジョルノの瞳に私が映りこんだ。
「僕のためにそうやって来てくれたことが嬉しい」
「うん。でね、そのライター、私のダークネスで守ってあげるよ。明日まで、ずっと守ってあげる」
「……。」
私はジョルノからすぐにライターに視線を移した。ジョルノは少しつまらなさそうにしていた。
「何?」
「いえ…。その、リカ…。ずっと守るって、……24時間僕に付き合うつもりですか?」
「え、当たり前でしょ?どこか静かなところで2人で過ごしたらいいじゃない。ライターはダークネスに入れといて……」
「……静かなところで……?…僕らだけで……??」
「そうよ。火が消えたら困るでしょ?」
「………。」
ジョルノはぐっと顔に力を込めて、私を見つめたまま動かなくなる。よほど何かを考えているようだった。
よく分からないから私もきょとんと見返した。
ジジ…とライターの火がジョルノのお花を少し焼く音がする。
「いえ……リカ。いいんです。この試験は僕だけでやるべきだ。その……集中しなくちゃあならないから…」
「でもダークネスに入れとけば」
「誰かの手を借りたのがポルポの耳に入れば、不合格になるかもしれない」
「ああ…確かに?」
納得できるような、できないような。
顎に指を当てて唸る私にジョルノはくすりと笑ってくれた。
「明日は両手を空けて会いに行くから、待っててよ」
そうしてくるりと私に背を向けて人を避けて歩いていく。
確かにジョルノなら火を消さずに明日まで守りきることができるだろう。
私は期待と不安を抱えたまま彼の背中を見送った。
……はずだったけど、それから1時間ぐらいして、私はジョルノの学校の敷地に足を踏み入れていた。
あのあとジョルノがライターを受け取ったことをブチャラティに報告したんだけど。
『奴の能力があれば、24時間ライターの火を守ることは容易だろう。万が一出来なければ……そこまでの奴だったということだ』
そう言われて、どんどん心配になってきた。ジョルノ自身とゴールドエクスペリエンスのことを信用してるけど、もし万が一が起きてしまったら。
ブチャラティには関わるのを止められたけど、ジョルノを守るのは私だって思ってしまったら、すぐにその場を駆け出していた。
「ジョルノ!!康一くんッ!!」
校舎の裏でやっと2人を見つけ、ついでにポルポのスタンドも見つけた私は早かった。
ジョルノの手から血が滴り落ちてるのを見て、怒りで頭の中が真っ白になってしまった。
「ダークネスッッ!!」
とにかく周りの影と、ついでに黒い部分は全部吸収して手のひらの上に丸く凝縮させた。
ポルポのスタンドは太陽の光を浴びて酷く苦しんでいる。
逃げ込もうとしていた地面のひび割れの影がなくなり、隠れることができないからだ。
すぐにゴールドエクスペリエンスがラッシュを叩き込んでポルポのスタンドは消滅してしまった。
「リカさん!あなたまでどうしてここに…?!」
安堵と狼狽えてるのと両方みたいな康一くんの声。でも私はジョルノが怪我してるのが心配で答える余裕もなかった。
ほっとしたような穏やかな目で私を見つめるジョルノにすぐに駆け寄る。
「ごめんねジョルノ…!なんで私、一緒にいなかったんだろう……!私がいたらジョルノに怪我なんかさせなかったのに…っ」
すぐに手を取って傷口を内側からダークネスで塞いだ。手には穴が開いていた。私の手にも血が付いたけど、温かくて少し安心した。
なんでいつも、彼らがこんなに傷付かなきゃいけないんだろう。普通に幸せになってほしいだけなのに。
みんなそう。正義のために平気で自分を犠牲にする。
塞いだ傷を上から撫でていたら、気持ちが昂りすぎてじわりと涙が浮いてきた。
でも、それが溢れる前にジョルノが指で目尻をぬぐってくれた。
怪我してないその手も血のついた私の手に重ねて握り込む。ふと見上げたらすごく幸せそうにこっちを見つめているから、私も目が離せなくなった。
「それがいい。一緒にいよう、リカ。僕らが一緒にいれば、どんな困難も乗り越えられるって気がしてくる。それに、僕はずいぶんあなたを心配させてしまうみたいだから」
「ジョルノが怪我するのが嫌なの」
「その時は、今みたいに傷を塞いでくれるんでしょ?」
ぐ、と繋いだ手を引き寄せられて、私はいつも深く輝くこのグリーンの瞳に素直に頷いてしまう。
でも今日は私とジョルノの間に壁ができた。ジョルノから頭ひとつ分ほど視線を落とす。
康一くんだ。
「言っとくけどさぁジョルノ・ジョバーナ!!この人とどうにかなろうなんて思ってんならとんだ思い上がりだからなッ!」
私を背にかばってジョルノに指を突きつける姿は鬼気迫っていた。
「日本に彼女を待ってる人たちがいるんだ!彼女には10年来の恋人だっているッ!」
「…?」
何それ。誰?
……あ承太郎か。
承太郎への想いが家族としてなのか恋人としてなのか今だによく分からない。康一くんが誇らしげに声を張ってもいまいちぴんとこなかった。
「それに!僕の親友だって、まだフられたわけじゃあないんだ!お前に割り込む隙なんてないんだからなッ!!」
「……。」
捲し立てる康一くんに対してジョルノは落ち着いていた。何か自信の現れなのか、背筋をしゃんと伸ばして堂々としている。
「…でもそれは、日本での話だろ?僕には関係ない」
「……え???」
「今ここにいる、僕とリカには関係がない。」
あまりに爽やかに言い放つものだから、康一くんは唖然として口をぱくぱく動かすだけでそこから言葉は出てこなかった。
さっさと落ちていたライターを拾うジョルノを見送って、信じられないって顔で私を見つめる。
私はあえてその視線に気付かないふりをした。
あとから承太郎に電話されそうになった。
(危ない、マジで。)
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