Love the darkness -3-
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「はっ!」
目を覚まして反射的にがばりと起き上がった。
知らない部屋のベッドの上。
波の音と揺れてる感覚があるから、船の中なんだろう。
冷静になったら色々と思い出してきた。
倒れてカーテンで締め付けられてる最中、承太郎が敵のstrengthの猿に鉄拳制裁してるところ。勝ったのを見届けて気を失っちゃったんだ。きっと。
(…っ、あの猿〜〜〜〜っ!!触ってきやがってぇぇぇ……!!!)
〈darkness〉で生き残った水兵さんたちと密入国?のお姉ちゃんを守ってたけど、部屋の影が少なくて敵わなくて。
あの気持ち悪い猿!私を捕まえて触ってきた!
太ももや胸元に感覚が残っててまだ気持ち悪い。気持ち悪いし…、猿は大きくて重くて怖かった。
承太郎がこなかったら水兵さんもお姉ちゃんも殺されてた。悔しい。
じわりと浮かんでくる涙をふいてたらガチャって部屋のドアが開いた。
びっくりして身構えたら承太郎だった。手にオレンジを持ってる。私を見てちょっとだけ目を大きくしてた。
「起きたか。…どこか痛むか?」
「ううん…大丈夫」
近づいてきてベッド脇に座ると、オレンジを私に差し出してきた。
「ジジィから差し入れだ。あと30分ほどで着くそうだ」
「うん…ありがとう、承太郎……助けてくれて」
受け取りながらたぶんオレンジを持ってきたのにジョセフは関係ないだろうって感じた。私と何か話すことを探してくれたんだろうって。何気に気を遣ってくれてるもんね、いつも。
指が少し触れ合ってオレンジは私たちの間に落ちた。
拾おうと思ったけど承太郎がやっぱりじっと私を見てたので目がそらせなかった。でもやっとこの沈黙にも慣れてきた気がする。承太郎は私が思うよりきっとたくさんのことを考えながら接してくれてるんだろうな。
「………お前があそこにいなかったら、水兵たちも、あの女の子も…俺が行く前に全員死んでたはずだ。お前はよくやったよ」
ずっと自分を責めてたから、褒められて緊張の糸が切れた。なんて返したらいいかわからなくてまた泣きそうになってたら、承太郎は私の胸のところの湿布をちょっと剥がして様子を見るようにした。猿に触られてあざになっていた。
「これなら綺麗に治りそうだ」
元通り湿布を貼って上から優しく撫でてくれた。褒められたのと、労わってもらえたのが嬉しすぎて反射的に承太郎に抱きついた。
「……。」
承太郎は何も言わずに私の背中に大きな手を置いた。温かくて安心して怖かった気持ちが消えていく。タバコの匂いに混ざって承太郎の香りがして落ち着いた。私もみんなのこと、もっと助けたいな。
「オレンジ、食べる」
承太郎の服で浮いてた涙をぬぐってから離れようとしたら、改めて腕が脇の下から背中に回って引き寄せられた。苦しかったけど嬉しかったから私もぎゅうって抱きついた。
ガチャってドアがまた開いたけどすぐに体勢は変えられず。
「あっ」
のりくんが来てた。
こっちを見てちょっと汗をかいている。承太郎と顔を合わせて不自然なぐらいに目を泳がせた。
「えー……リカが起きたなら良かった。安心したよ。それじゃ、まぁ…あとは任せる。ごゆっくり」
「待てよ花京院。何か気を遣わなきゃならねぇところに見えたか?ごゆっくりってのはどーいう意味だ?てめー俺がここに入ってくとこを見てたよなぁ?」
「好奇心で来たもののちょっと動揺してしまった。すまない」
「謝ってんじゃねーぞ。入ってくればいいだろうが…来たんならよー」
「ははは。お見舞いを忘れたから飲み物でも取ってくるよ。リカ、炭酸飲むかい?」
「お水がいい」
なぜだかトゲトゲしてる承太郎を笑顔でかわしてのりくんは去っていった。
「うっとおしい野郎だぜ」
「そんなこと言っちゃ駄目。友達でしょ?」
体に手を回したまま顔を覗き込んだら、承太郎はちょっと上から下まで視線を泳がせてから珍しく顔をそらした。
それから帽子を深くかぶりなおして小さく舌打ちする。
なんで急にすねちゃったのかな。のりくんが戻ってくるまで承太郎はそんな感じでむすっとしたまま、ベッドのふちに座り込んでいた。
目を覚まして反射的にがばりと起き上がった。
知らない部屋のベッドの上。
波の音と揺れてる感覚があるから、船の中なんだろう。
冷静になったら色々と思い出してきた。
倒れてカーテンで締め付けられてる最中、承太郎が敵のstrengthの猿に鉄拳制裁してるところ。勝ったのを見届けて気を失っちゃったんだ。きっと。
(…っ、あの猿〜〜〜〜っ!!触ってきやがってぇぇぇ……!!!)
〈darkness〉で生き残った水兵さんたちと密入国?のお姉ちゃんを守ってたけど、部屋の影が少なくて敵わなくて。
あの気持ち悪い猿!私を捕まえて触ってきた!
太ももや胸元に感覚が残っててまだ気持ち悪い。気持ち悪いし…、猿は大きくて重くて怖かった。
承太郎がこなかったら水兵さんもお姉ちゃんも殺されてた。悔しい。
じわりと浮かんでくる涙をふいてたらガチャって部屋のドアが開いた。
びっくりして身構えたら承太郎だった。手にオレンジを持ってる。私を見てちょっとだけ目を大きくしてた。
「起きたか。…どこか痛むか?」
「ううん…大丈夫」
近づいてきてベッド脇に座ると、オレンジを私に差し出してきた。
「ジジィから差し入れだ。あと30分ほどで着くそうだ」
「うん…ありがとう、承太郎……助けてくれて」
受け取りながらたぶんオレンジを持ってきたのにジョセフは関係ないだろうって感じた。私と何か話すことを探してくれたんだろうって。何気に気を遣ってくれてるもんね、いつも。
指が少し触れ合ってオレンジは私たちの間に落ちた。
拾おうと思ったけど承太郎がやっぱりじっと私を見てたので目がそらせなかった。でもやっとこの沈黙にも慣れてきた気がする。承太郎は私が思うよりきっとたくさんのことを考えながら接してくれてるんだろうな。
「………お前があそこにいなかったら、水兵たちも、あの女の子も…俺が行く前に全員死んでたはずだ。お前はよくやったよ」
ずっと自分を責めてたから、褒められて緊張の糸が切れた。なんて返したらいいかわからなくてまた泣きそうになってたら、承太郎は私の胸のところの湿布をちょっと剥がして様子を見るようにした。猿に触られてあざになっていた。
「これなら綺麗に治りそうだ」
元通り湿布を貼って上から優しく撫でてくれた。褒められたのと、労わってもらえたのが嬉しすぎて反射的に承太郎に抱きついた。
「……。」
承太郎は何も言わずに私の背中に大きな手を置いた。温かくて安心して怖かった気持ちが消えていく。タバコの匂いに混ざって承太郎の香りがして落ち着いた。私もみんなのこと、もっと助けたいな。
「オレンジ、食べる」
承太郎の服で浮いてた涙をぬぐってから離れようとしたら、改めて腕が脇の下から背中に回って引き寄せられた。苦しかったけど嬉しかったから私もぎゅうって抱きついた。
ガチャってドアがまた開いたけどすぐに体勢は変えられず。
「あっ」
のりくんが来てた。
こっちを見てちょっと汗をかいている。承太郎と顔を合わせて不自然なぐらいに目を泳がせた。
「えー……リカが起きたなら良かった。安心したよ。それじゃ、まぁ…あとは任せる。ごゆっくり」
「待てよ花京院。何か気を遣わなきゃならねぇところに見えたか?ごゆっくりってのはどーいう意味だ?てめー俺がここに入ってくとこを見てたよなぁ?」
「好奇心で来たもののちょっと動揺してしまった。すまない」
「謝ってんじゃねーぞ。入ってくればいいだろうが…来たんならよー」
「ははは。お見舞いを忘れたから飲み物でも取ってくるよ。リカ、炭酸飲むかい?」
「お水がいい」
なぜだかトゲトゲしてる承太郎を笑顔でかわしてのりくんは去っていった。
「うっとおしい野郎だぜ」
「そんなこと言っちゃ駄目。友達でしょ?」
体に手を回したまま顔を覗き込んだら、承太郎はちょっと上から下まで視線を泳がせてから珍しく顔をそらした。
それから帽子を深くかぶりなおして小さく舌打ちする。
なんで急にすねちゃったのかな。のりくんが戻ってくるまで承太郎はそんな感じでむすっとしたまま、ベッドのふちに座り込んでいた。