Love the darkness -3-
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そんなにあの娘を返して欲しいか。
貴様の考えていることは手に取るようにわかるぞ、承太郎。
あの娘と出会ったことを運命だと思ったろう。
一挙手一投足に惹かれそこに在るだけで幸福だと感じている。あの娘のためならなんでも出来ると思っているな。このディオを倒すことも……。
何も知らずに健気なことだ。
貴様はあの娘をこのディオのところまで運んできただけに過ぎない。ジョセフも、貴様も、利用されていたんだよ。
リカ・ウィンチェスター。
この俺のために生まれた娘。
姿形も魂もそのままに俺を求めてここまでやってきた…。その証拠に連れ去った俺を攻撃せずに心を開いてくれたよ。
どんなに貴様がジョースターお得意の愛とやらを注いでも、あいつが求めるのはこのディオただ1人…。貴様らのくだらぬ正義感や誇りなど、俺たちには全く関係がないのだ。貴様らジョースターがこの俺の行いにいくら憤っても、あの娘には関係がない。
すでに魂が俺を選んでいるのだ。
あの娘の魂は……永遠に俺のものだ。
「ディオ。」
その名を呼ぶな。
暗闇の中目を覚ました。
服が汗で湿っているし、呼吸は荒れている。
反射的に手が動いて探してしまう。この部屋は自分の部屋で自分以外誰もいないのに。
鮮明に夢に見るディオの姿と声。
それを現実として受け入れてしまいそうになる。真実のように感じてしまう。
どれだけ想いを注いでもそれらは全て素通りして、その心には永遠に奴がいるのではないだろうか。
不安になることなど何もないはずなのに。
その意思で、作り上げた絆で、ここにいることを選んだはずだ。
まだ夢と現実の区別が曖昧で、振り払うように体を起こした。
もしかして、もういなくなっているんじゃあないかと思ってしまった。
そんなわけない、今はもうここが安心できる居場所で、これからもずっとここにいる。
離れたくないと言ってくれたんだ。何度も重ねた手の温かさは嘘じゃない。
でももし、いなかったら?
朝になって部屋がもぬけの空だったら?
耐えられるわけがない。たった1人の生き甲斐なんだ。
気付いたら部屋を出ていた。
ああ本当に、こういうとき部屋同士を離されているのが恨めしい。
歩いているはずなのに現実味がない。住み慣れた我が家なのに知らない闇の中にいるようだ。
その中で、ディオの言葉と痛みが蘇ってくる。
このまま姿を見れなかったら自分は死んでしまうんじゃあないか。
あの時もそうだった。
あの闇を吸う鯨が現れなければきっと負けていた。
早く、この目に映さないと。
一緒にいないと、きっと。
「リカ。」
体がこわばっていたのか思いのほか大きく戸が開いた。
月明かりの下、布団の中で確かに眠っている。
それでも夢かもしれないと思い早足に側に寄った。
まだ足りないと感じて上から抱き込んだ。
もっと近くにいきたかったので、顔を寄せて首元に齧り付いたところで大きな海色の目が開いた。
「……重いんだけど。」
起こされて機嫌が悪いので睨まれている。
その目で良いので永遠に見ていて欲しい。
「ちょうど近くを通りがかったんでな。また眠れていないんじゃあないかと思ったんだが…」
「寝てたよ」
「そうみたいだな」
起こして悪かった。
自分でも情けないほど小さな声が出た。
立ち上がって背を向けたら動いた音と気配がする。
「承太郎。」
「ん?」
「…今から部屋に戻るの寒いでしょ…。風邪ひいちゃうよ…」
片手で布団をめくって寝ぼけ眼で見上げている。一緒に寝て良いということだろう。
布団に入って今度は横から抱きしめた。答えるように身を寄せてくれるとまるで慰められているように感じてしまう。きっと何も知らないのに。いや、分からないけど何かに気付いているのかもしれない。
この温かさと香りに包まれたら安心してしまって、すぐに睡魔が襲ってくる。
一緒にいないと強くいられないんだと言ったらどう思うのだろうか。
「おやすみなさい、承太郎。」
ディオではなく、いつもその名を呼んでいると良い。
