Love the darkness -3-
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「うわぁ〜!でかでかポッキー!ありがとう、ジョセフぅ!」
「お前が好きだと言っておったからのぉ〜わっはっはぁ!」
ジョセフが久しぶりに空条家に遊びに来た。
自分のスーツケースと別にアメリカのお土産をたっぷり持ってきてくれた。
日本のお菓子ってほんとに美味しくて大好きだけど、アメリカのでっかくて甘ったるいお菓子も大好き!
巨大なポッキー(もどき)やマシュマロを前にはしゃぐ私にジョセフはそれはご機嫌そうに笑っていた。
「ココアいっぱい作ろう!マシュマロ浮かべて飲みたいぃぃ!」
「作ってあげるわね!パパは…コーヒーで良いかしら?」
「おお、頼んだぞホリー」
ジョセフの面影のある笑顔でホリーさんが台所に姿を消して、私とジョセフはおしゃべりを始めた。
話しながらでかでかポッキーの袋を開けて一本かじる。チョコたっぷりで甘くてプレッツェルがしょっぱくておいしい!
にこにこ見守ってくれるジョセフといるとほんとに幸せ。
ポッキー二口目で玄関のドアが開く音がして、すぐに承太郎が来た。
「じじぃ…もう着いてたのか」
「なんじゃ承太郎〜帰ってくるのがちと早すぎんか?もっと部活とかせぇよ」
勉強ちゃんとやっとるか?海洋大学に行くとか言っとるそうじゃのぉ〜
と立て続けにコメントされて承太郎は見るからにめんどくさそう。
「こりゃ落ち着くまで時間がかかりそうだな。先に着替えてくるぜ」
2人のやりとりをポッキー食べながら見ていたら、自分の部屋に行くと思ってた承太郎がおもむろに私の目の前にかがんで顔を近づけてきた。
私が咥えてたポッキーを反対側からがぶっとかじって10センチぐらい折ってしまったのだ。
びっくりしたのと、またやられた!というショックで私は承太郎を睨み付ける。
「盗らないでよ!新しいの食べて!」
しかも持つ部分をかじられたのでポッキーをもったらチョコが溶けて指に付く。おのれ…。
ポッキーがりがりしながら上から見下ろされたら煽られてるとしか思えないんだけど!
「昨日体重計に乗って太ったとかわめいてた奴が食うもんとは思えねぇな」
「うぎぎぎぎ」
火花を散らしてるとホリーさんが戻ってきて私たちの顔を見比べた。
「あらあら承太郎。リカに意地悪しないの!どうしていつもリカの食べ物を盗るのよ〜」
パパもなんとか言ってやって〜とのほほんとパスするホリーさん。それで私はそういえばジョセフが全然喋ってないことに気付いた。
みんなで一斉にジョセフを見たら、ジョセフは口をぽかんと開けていたけど段々とわなわな震え始め、そしていきなり立ち上がって承太郎に指を突きつけた。
「ちょっと待てぇぇえ!!お前らぁ!何毎度お馴染みみたいな空気出しとるんじゃあ!!貴様承太郎!自分が何したか分かっとるのか!ポッキーで良くないけど良かった気になるわ!!わしの角度から見たら、お前完全にしとったぞ!!心臓止まるかと思ったじゃろ!!!」
「??……しとっ、た……?」
「何とぼけとるんだ貴様ぁ!!」
「あまりはしゃぐと本当に心臓止まっちまうぜ、じじぃ」
「お前のせいだわ!!」
ジョセフ急にどうしたんだろ…。
とりあえず指に付いたチョコをティッシュで拭きつつ見ていたら、ホリーさんが大きなカップのココアを私の前に置いてくれた。
「2人とも仲良しで嬉しいわぁ〜。さ、私たちはマシュマロココアいただきましょう!私もこれ大好きなのよねぇ〜っ」
めっちゃ良い匂いする!
ホリーさんのココアは濃くて最高なの。お礼を言ってから私は自分のとホリーさんのに大きなマシュマロを2個ずつ入れた。
「「甘ぁ〜〜いっっ」」
うふふあははと女子2人で楽しんでたら、承太郎は結局部屋に行くのを諦めたらしい。「汚ねぇのはあんたの心の方だぜクソじじぃがよ」とオラつきながら私の隣にどっかり座り込んだ。
「やれやれだぜ。こりゃあもうボケてるのかもしれねぇな」
「えっそうなの?」
「ボケる予定ないっつの!!」
これだから若いモンはぁ〜〜!と怒ってるジョセフにため息吐きながら、承太郎が私のココアのカップを奪った。視線は憐れむようにジョセフに向いたままココアを飲んで嫌そうに眉間に皺を寄せる。めちゃくちゃ甘いもんねそれ。
「あっ!!ほれ見ろ!今同じとこから飲んだぞ!!ぜっったい確信犯じゃあ!信じられんっ!」
「パパもコーヒーあるわよ」
「そういうことじゃあないっ!」
「え…?それなら…ココア、飲む…?」
「ちっがぁーう!ホリィィイ!!だからわし言ったじゃろ!承太郎があんまりリカに構わんようにしろと!!」
「良いじゃない。仲良しなんだから。ご近所さんにも仲良し兄妹で羨ましいって言われるのよ」
「こいつら赤の他人だよ?!!」
天然のホリーさんと永遠にツッコミを入れるジョセフのコントが始まった。こちらも毎度お馴染みの光景ではある。
「なぁリカ。戸棚のせんべい取ってきてくれ」
「うぃ」
口直しを要求する承太郎に円盤型のお煎餅を取ってきて手渡した。
承太郎は何が面白いのか自分のママとおじいちゃんが私たちのことで喧嘩してるのをぼけっと観察している。袋を破ってお煎餅を咥えた瞬間を狙い、私はがばりと突如承太郎に飛びついた。
実はずっと仕返しのチャンスを狙っていたのだ!
ぱり、と小気味良い音がして、承太郎のほとんど真横から3分の1ほどおせんべいを掠め取ることに成功した!
「はぁ?」
思いっきり顔をしかめる承太郎に見せつけるようにぼりぼりと目の前でおせんべいを噛み締める。と同時に大きな手が私の両頬を挟み込みむにゅうと唇を尖らせた。
「何しやがるてめぇ」
「んむむむむ」
「出せよ。人のもん盗るのは泥棒だぜ」
承太郎は執拗におせんべい持ってない方の手でむにむにと私のほっぺたをこねくり回してくる。やたらと大真面目な顔して迫ってきてるけど、自分のこと棚に上げすぎじゃない?!
「はへふはへはいへひょ!」
(出せるわけないでしょ!って言ったの。)
「………。」
数秒見つめ合った後、ついに根負けした承太郎がぶはって息を噴き出して笑い始めた。
ソファの背もたれに突っ伏してうぐうぐ言いつつ大きい体を揺らしてる。絶対笑ってる。
「ねーちょっと承太郎!なんで?!笑いすぎだって!」
「顔が」
「ねえええええ!!」
足に乗ってゆさゆさ承太郎の体を揺さぶってたら、少し遠くから大きな咳払いが聞こえてきたのでそっちを見た。承太郎もやっと気付いたみたいで私と同じくジョセフを見た。
あ、この顔知ってる。
「承太郎、リカ。…ちょっと来なさい」
怒られるやつじゃん。
