Love the darkness -3-
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「あーー……あっつい……」
のろのろと自分の部屋から出てきた私は、早朝から刺激強めの日差しを浴びながら廊下を歩いて台所にやってきた。
休みだからゆっくり寝てだらだらしようと思ってたのに。
日本の夏ほんと暑くてジメジメしすぎ。
でも、休みだからこんな早くからアイス食べてやるもんね。
そして二度寝しよう。最高だわ。
汗ばんで顔に髪がひっついてるのを剥がしながら冷蔵庫の前でしゃがみ込み、1番下の冷凍庫を開けた。冷気が上がってきて、当たったところが気持ち良い。
「どれにしようかな」
大きな冷凍庫の一角にアイスコーナーがある。
広い空条家はこの暑いのにエアコンが付いてない部屋もある。私の部屋は付いてない。承太郎の部屋には最近付けた。そろそろ本格的に受験シーズンだからってホリーさんが言ってたけど、私的には格差が出来て面白くない。文句言ってたら色んなアイスを買ってもらえたのだ。
しばらくはアイス天国なのよ。承太郎に「太っても知らねぇぞ」って言われたのでじゃあ承太郎にはあげないって言ったら喧嘩になった。
結構悩んで、スプーン洗うのがめんどくさいことに気付いた。そしたらパピコがいいよね。
ちょうど手を伸ばそうとしたらのっしのっし足音がしてきたので顔を上げた。
「承太郎も起きたの?」
「暑かった」
「エアコンあるのに?」
「夜は扇風機で充分だろ」
開けたドアにそのまま寄りかかってる承太郎は明らかに眠そうだった。
目も半分くらいしか開いてないし寝癖だしよれよれの部屋着に手を突っ込んでお腹のところを掻いている。
だらしないなぁと思っても私も似たようなもんなので言えないです。
「承太郎もアイス食べる?」
「朝っぱらからアイス食うのか。虫歯になっても知らねぇぞ」
出た。承太郎の小姑のような『〜なっても知りませんよ』シリーズが。意外とねちねち言ってくるよねほんと。
「子供扱いしないでよね」
「……。」
じとっと睨み上げたら黙って見返してきた。
何よ。言いたいことあるなら言いなさいよ!かかってこいよ!とは仕返しが怖いので言わない。(スタープラチナで全部の髪を逆毛にされるなど。)
「パピコ半分食べる?」
また背中にのっしのっし聞こえたので近付いてきたのが分かった。
冷凍庫のふちを掴んでる私の手の上から大きな手が重なって掴んできたのでちょっと驚いた。
私も大きくなってるはずなのに、承太郎の手が重なったら私のは全然見えなくなる。
しゃがみ込んで私の背中越しにアイスを覗き込んでいるようだ。
冷凍庫と承太郎に挟まれて身動き取れない。重いような重くないような。でもぴったり背中にくっ付かれてるので体温ですごく暑い。
お腹にも腕が回ってきてぎゅっとされた。
何これ。冷凍庫ずっと開いてるんだけど。
そう言って逃れる前に耳元に擦り寄られてぞくってなって固まってしまった。
な、なんか……承太郎の方見れないし、体がどきどきするんだけど……。
「なぁ」
普段よりさらに低くて小さい声だったのに、ものすごく、体の芯まで響いてくるみたい。
「お前、いつまで子供なんだよ」
「……??…?」
首のところに唇が当たったと思ったら、やっぱりぎゅう、と拘束されてて苦しいぐらいだった。重なってた手もいつの間にか指が絡んで握り込まれている。
べたべたしてるのなんかいつものことなのに、なんでかわかんないけど今は少し怖い。
「ちょ、ちょっと……ぁ」
変な声出ちゃった。
首のとこ鼻でこすってすんすんしてくるから!ぞぞぞぞってくすぐったくなって訳わかんない!
そして私は決めた。
今から承太郎をダークネスで攻撃すると。このくっついてるところの影全部でこの大男を押し退けてやる!
「あらぁ〜承太郎?リカ?起きてるの??」
突然声をかけられて私も承太郎も同時にぎくぅ!となった。承太郎がここまでびっくりするのも珍しい。ホリーさんがいつの間にか来ていたみたい。全然、気が付いていなかった。
とにかく、唐突に空気が壊れたのがわかって私は急いでパピコを掴んで立ち上がった。
「暑いからアイス食べるの」
「それはいいわねぇ〜!うぅん、グッドアイディ〜アっ!!」
ウインクと共にぐっと親指を立ち上がらせるホリーさん見たらものすごく平和な気分になった。承太郎はというと冷凍庫の前に座り込んでなんだかがっくしなっている。そんなの私の方が訳わかんなくて疲れたわっ!
「せっかくみんな早起きしたんだから、どこか遠くに出かけましょうか!」
と嬉しそうに手を叩くホリーさんに承太郎が「うるせー誰が行くか」といつもの調子で悪態をついている。
立ち上がった承太郎と入れ替わりで、ホリーさんが鼻歌混じりに冷蔵庫から食材を取り出し始めるのを見ながら、寝起きで良くそんなに動けるなぁと普通に感心した。
「リカ。それ半分ずつって話だったな、うぐっ」
悪びれもなく手を出してくる承太郎のお腹にパピコをずどどどと連続で突き刺してやった。
怒るかと思ったら刺されたお腹を押さえて黙ってテーブルについただけだった。
反省しろ、ほんとに!
