Love the darkness -3-
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空条家にお世話になることになって、アメリカにいた時よりも部屋が広くなった。
日本の家ってほんとに独特よね。なんか畳の自然っぽい匂いするし、部屋に鍵もかからないし。
(……寝れない。)
寝返りを打って考える。なんか下が硬い。
そう。独特の極め付けはこの布団ってやつ。
地べたに直接敷いてるの。床にくっついて寝るなんて初めてだからものすごい違和感…。
いや、旅の野宿で地面では寝てたけど。それはキャンプみたいで楽しかったのよ。
それ以外はベッドでしか寝たことないから、私。
(承太郎もう寝たかな……)
隙間風を感じて少し身を縮めた。
鍵もそうだけど、ふすまもなんか……全体的に密閉度低くない?
風で天井がみしりと音を立てたので、反射的に仰向けになって上を見た。
豆電球だけちょっと光ってて、あとは真っ暗。
頭空っぽにしなきゃと思って見ていたら、天井の影が急に人の形に見えてきた。
「………。」
頭の中がぐるぐるしてる。
耐えきれなくなったので、とにかく起き上がって部屋から出ることにした。
「こっちだったかな…?」
自分の周りだけダークネスで闇を薄くしながら長い廊下を歩いていく。
旅に出る前お泊まりしてたけど、ぶっちゃけ間取りとかもう忘れてる。寝れなかったらいつでも来てねって言ってくれたホリーさんの部屋は近いはずだけど、病み上がりだからあんまり迷惑かけられないし。
「リカ」
きょろきょろしてたら少し遠くから名前を呼ばれた。
承太郎の声だったからすごくほっとして声のした方を見たんだけど、目の前の影に一瞬で誰かが現れたので驚いて体が硬直してしまう。
「てめー今何時だと思ってんだ。ガキは部屋から出るんじゃねぇ」
「……ん」
「?」
承太郎だった。
ほんとびっくりしすぎて全身からへなへな力が抜けて、私はそのままその場にしゃがみ込んでしまった。
だって、ねぇ。
ディオかと思ったのよ。本当に一瞬。
天井にもいたんだから。
瞬きと一緒に現れるなんて…絶対にディオだと思った。
「…?おい、リカ」
姿勢を低くした承太郎の手が伸びてきて、私は反射的にそれを避けてすぐに立ち上がった。
ここにいるのは承太郎なのに、ディオに捕まる気がして触られたくなかった。
「ごめんね大丈夫」
舌打ちが聞こえてきたのですぐ謝った。だって私、承太郎に会いたくて、部屋を探していたんだもん。
見上げる承太郎は不満爆発してそうに眉間に皺を寄せていた。じっと探るように私のこと見て、嫌な感じ。
「……何をうろうろしてやがる」
「あのね部屋が分からなくなっちゃったの」
「…そうかい。ずいぶん歩いてきたな」
「トイレに起きたのよ」
「反対側だぜ」
「暗くて分かんない」
「明るくすりゃいいだろーが」
なんか承太郎がイライラしてる感じがして、私もだんだん気が立ってきた。
「だって夜なのに明るかったら変でしょ!」
「今更だな」
やれやれと息をついて、承太郎は私を追い抜いて歩き始めた。
怖いので自然と後ろをついて行く。ぽわんぽわんとダークネスが私たちの周りの影を少しずつ薄くした。
「ど、どこ行くの?」
「?だから、トイレだろ」
「…別に、行きたくない。」
「はぁ??」
部屋にいるのが怖くてここまで来たのに、なんで来た道を引き返さなきゃいけないのよ。トイレまで行ったとしても、そのあと早く寝ろって言われるに決まってるじゃない!
そっち行きたくない。部屋にディオがいるの!
そう言えたらよかった。
でも言えない。天井の影がディオに見えて怖かったなんて、ちっちゃい子供じゃないんだし。
でもね、あの時だって。目が覚めたら目の前にディオがいたの。嬉しそうに、私をどこかに連れて行こうとしてた。それで私は、懐かしくて安心して、あの人と戦えなかったの。
あの時私がディオを攻撃できてたら、私たちの旅の結末は、何か違ったかもしれないのに。
「……承太郎は、なんで起きてるの?」
じっと見つめてくる視線に、私は咄嗟にごまかさなきゃと感じて服の端をぎゅうと握り込んでいた。
…言えない。ディオの話なんかしたら、また心配させるもん。
「…何かあったのか」
「なんにもないよ」
「俺が起きてるのは、誰かさんが1人でいるのが怖くてまだ起きてるんじゃないかと思っていたからだぜ」
「あのね天井の影がディオに見えるの」
「………。」
早口に白状したら、承太郎は呆気に取られたのか完全に動きを止めていた。
承太郎が優しすぎて全然我慢できなかったじゃない。
1人になったら怖いのよ。
知らない間にみんな死んじゃってるかもしれないでしょ。…承太郎が、大怪我してるかもしれないでしょ。
「あの野郎をぶっ倒したとき、お前もそこにいたはずだろ」
「うん…」
「太陽の光で消えていくのも一緒に見た」
「うん…」
「それに野郎が執着していたのは、お前にじゃあないぜ」
「わかってるけど…」
もにょもにょ返事してたら、ため息つきながら承太郎がまた私に一歩近いてきた。
しゃがみ込んで、下からそっと私の腕を捕まえる。大きな手はやっぱり温かい。
「…お前…そんなんじゃどこにも行けなくなっちまうぞ」
すごく優しかったけど、どこか呆れてるみたいな、小さな子にしょうがないやつだなって言ってるみたいな穏やかな声だった。
旅が終わって、ジョセフがスピードワゴン財団のスペシャリストさんたちに私のケアをさせてくれたけど、あの戦いのこと、残酷な光景をいつでも鮮明に思い出せる。
離れたくないの。
いつでも一緒に戦えるように、怪我してもすぐに治せるようにそばにいたいの。
「俺は構わねーがな」
少し力を込めて引っ張られて、私はすぐに承太郎の腕の中にいた。やっぱりすごく安心して、涙が浮いてた目をぎゅっと閉じて承太郎の首に抱きついた。
いつか私が独り立ちできるようになるまで、今はこの家にいなさいって…ジョセフはそう言っていた。私の将来を心配してくれてるジョセフのためにも、早く元気にならなきゃいけない。
「どこにも行けないなんて、…困る…」
力いっぱい抱きついてたからどんな顔してるかわかんないけど、承太郎はうくくってちょっと笑ってた。私は落ち込んでるのに、なんで嬉しそうなのよ。
「なぁリカ。一つ分かってることがあるんだが……あの時俺が勝てたのは、俺たちが一緒にいたからだぜ」
「…そうなの?」
「ああ」
少し体を離すと、承太郎は私を抱っこしてから立ち上がった。持ち上げられた時に顔を突き合わせたら、承太郎はグリーンの瞳を子供みたいに輝かせて私を見てた。自信に溢れてて、でも夢みてるようでもあった。
…変なの。私なんかいなくたって、承太郎は強いのに。いっぱい敵と戦って、1人でやっつけてきたじゃない。
でも、そう言ってもらえたら…すごく嬉しい。
「一緒にいりゃあどこにでも行ける」
「私、独り立ちしなきゃなの。ジョセフに怒られるよ」
「言わしときゃいいんだよ。生い先短いじじいにはな。」
「ねぇ、ほんとに怒られるよ」
一緒に笑ったら怖いのがどこかに飛んでっちゃったみたいだった。
「というわけでだ、ひとまずお前の部屋の天井にいるディオをぶっ飛ばしに行くか」
私を抱え直してのしのしと歩いていく承太郎につかまった。なんだかすごくご機嫌そうな足取りだった。
まだ少し不安だったけど、部屋について電気を付けたら天井はただの天井だったし、当たり前のように承太郎が私の布団に入っちゃったから、一緒に寝ることになった私はかなり快眠出来たのだった。
「…え?リカの部屋が広すぎて贅沢だから、部屋を変えて欲しい?あなたの隣に??……そーねぇぇぇ、困ったわぁぁ。パパにあなたたちの部屋をできるだけ離すように言われているのよぉ!見つかったらパパきっとすごく怒るわぁ〜」
「……あのクソじじい」
低すぎてホリーさんに聞こえないぐらいの声で承太郎が悪口言ってた。
日本の家ってほんとに独特よね。なんか畳の自然っぽい匂いするし、部屋に鍵もかからないし。
(……寝れない。)
寝返りを打って考える。なんか下が硬い。
そう。独特の極め付けはこの布団ってやつ。
地べたに直接敷いてるの。床にくっついて寝るなんて初めてだからものすごい違和感…。
いや、旅の野宿で地面では寝てたけど。それはキャンプみたいで楽しかったのよ。
それ以外はベッドでしか寝たことないから、私。
(承太郎もう寝たかな……)
隙間風を感じて少し身を縮めた。
鍵もそうだけど、ふすまもなんか……全体的に密閉度低くない?
風で天井がみしりと音を立てたので、反射的に仰向けになって上を見た。
豆電球だけちょっと光ってて、あとは真っ暗。
頭空っぽにしなきゃと思って見ていたら、天井の影が急に人の形に見えてきた。
「………。」
頭の中がぐるぐるしてる。
耐えきれなくなったので、とにかく起き上がって部屋から出ることにした。
「こっちだったかな…?」
自分の周りだけダークネスで闇を薄くしながら長い廊下を歩いていく。
旅に出る前お泊まりしてたけど、ぶっちゃけ間取りとかもう忘れてる。寝れなかったらいつでも来てねって言ってくれたホリーさんの部屋は近いはずだけど、病み上がりだからあんまり迷惑かけられないし。
「リカ」
きょろきょろしてたら少し遠くから名前を呼ばれた。
承太郎の声だったからすごくほっとして声のした方を見たんだけど、目の前の影に一瞬で誰かが現れたので驚いて体が硬直してしまう。
「てめー今何時だと思ってんだ。ガキは部屋から出るんじゃねぇ」
「……ん」
「?」
承太郎だった。
ほんとびっくりしすぎて全身からへなへな力が抜けて、私はそのままその場にしゃがみ込んでしまった。
だって、ねぇ。
ディオかと思ったのよ。本当に一瞬。
天井にもいたんだから。
瞬きと一緒に現れるなんて…絶対にディオだと思った。
「…?おい、リカ」
姿勢を低くした承太郎の手が伸びてきて、私は反射的にそれを避けてすぐに立ち上がった。
ここにいるのは承太郎なのに、ディオに捕まる気がして触られたくなかった。
「ごめんね大丈夫」
舌打ちが聞こえてきたのですぐ謝った。だって私、承太郎に会いたくて、部屋を探していたんだもん。
見上げる承太郎は不満爆発してそうに眉間に皺を寄せていた。じっと探るように私のこと見て、嫌な感じ。
「……何をうろうろしてやがる」
「あのね部屋が分からなくなっちゃったの」
「…そうかい。ずいぶん歩いてきたな」
「トイレに起きたのよ」
「反対側だぜ」
「暗くて分かんない」
「明るくすりゃいいだろーが」
なんか承太郎がイライラしてる感じがして、私もだんだん気が立ってきた。
「だって夜なのに明るかったら変でしょ!」
「今更だな」
やれやれと息をついて、承太郎は私を追い抜いて歩き始めた。
怖いので自然と後ろをついて行く。ぽわんぽわんとダークネスが私たちの周りの影を少しずつ薄くした。
「ど、どこ行くの?」
「?だから、トイレだろ」
「…別に、行きたくない。」
「はぁ??」
部屋にいるのが怖くてここまで来たのに、なんで来た道を引き返さなきゃいけないのよ。トイレまで行ったとしても、そのあと早く寝ろって言われるに決まってるじゃない!
そっち行きたくない。部屋にディオがいるの!
そう言えたらよかった。
でも言えない。天井の影がディオに見えて怖かったなんて、ちっちゃい子供じゃないんだし。
でもね、あの時だって。目が覚めたら目の前にディオがいたの。嬉しそうに、私をどこかに連れて行こうとしてた。それで私は、懐かしくて安心して、あの人と戦えなかったの。
あの時私がディオを攻撃できてたら、私たちの旅の結末は、何か違ったかもしれないのに。
「……承太郎は、なんで起きてるの?」
じっと見つめてくる視線に、私は咄嗟にごまかさなきゃと感じて服の端をぎゅうと握り込んでいた。
…言えない。ディオの話なんかしたら、また心配させるもん。
「…何かあったのか」
「なんにもないよ」
「俺が起きてるのは、誰かさんが1人でいるのが怖くてまだ起きてるんじゃないかと思っていたからだぜ」
「あのね天井の影がディオに見えるの」
「………。」
早口に白状したら、承太郎は呆気に取られたのか完全に動きを止めていた。
承太郎が優しすぎて全然我慢できなかったじゃない。
1人になったら怖いのよ。
知らない間にみんな死んじゃってるかもしれないでしょ。…承太郎が、大怪我してるかもしれないでしょ。
「あの野郎をぶっ倒したとき、お前もそこにいたはずだろ」
「うん…」
「太陽の光で消えていくのも一緒に見た」
「うん…」
「それに野郎が執着していたのは、お前にじゃあないぜ」
「わかってるけど…」
もにょもにょ返事してたら、ため息つきながら承太郎がまた私に一歩近いてきた。
しゃがみ込んで、下からそっと私の腕を捕まえる。大きな手はやっぱり温かい。
「…お前…そんなんじゃどこにも行けなくなっちまうぞ」
すごく優しかったけど、どこか呆れてるみたいな、小さな子にしょうがないやつだなって言ってるみたいな穏やかな声だった。
旅が終わって、ジョセフがスピードワゴン財団のスペシャリストさんたちに私のケアをさせてくれたけど、あの戦いのこと、残酷な光景をいつでも鮮明に思い出せる。
離れたくないの。
いつでも一緒に戦えるように、怪我してもすぐに治せるようにそばにいたいの。
「俺は構わねーがな」
少し力を込めて引っ張られて、私はすぐに承太郎の腕の中にいた。やっぱりすごく安心して、涙が浮いてた目をぎゅっと閉じて承太郎の首に抱きついた。
いつか私が独り立ちできるようになるまで、今はこの家にいなさいって…ジョセフはそう言っていた。私の将来を心配してくれてるジョセフのためにも、早く元気にならなきゃいけない。
「どこにも行けないなんて、…困る…」
力いっぱい抱きついてたからどんな顔してるかわかんないけど、承太郎はうくくってちょっと笑ってた。私は落ち込んでるのに、なんで嬉しそうなのよ。
「なぁリカ。一つ分かってることがあるんだが……あの時俺が勝てたのは、俺たちが一緒にいたからだぜ」
「…そうなの?」
「ああ」
少し体を離すと、承太郎は私を抱っこしてから立ち上がった。持ち上げられた時に顔を突き合わせたら、承太郎はグリーンの瞳を子供みたいに輝かせて私を見てた。自信に溢れてて、でも夢みてるようでもあった。
…変なの。私なんかいなくたって、承太郎は強いのに。いっぱい敵と戦って、1人でやっつけてきたじゃない。
でも、そう言ってもらえたら…すごく嬉しい。
「一緒にいりゃあどこにでも行ける」
「私、独り立ちしなきゃなの。ジョセフに怒られるよ」
「言わしときゃいいんだよ。生い先短いじじいにはな。」
「ねぇ、ほんとに怒られるよ」
一緒に笑ったら怖いのがどこかに飛んでっちゃったみたいだった。
「というわけでだ、ひとまずお前の部屋の天井にいるディオをぶっ飛ばしに行くか」
私を抱え直してのしのしと歩いていく承太郎につかまった。なんだかすごくご機嫌そうな足取りだった。
まだ少し不安だったけど、部屋について電気を付けたら天井はただの天井だったし、当たり前のように承太郎が私の布団に入っちゃったから、一緒に寝ることになった私はかなり快眠出来たのだった。
「…え?リカの部屋が広すぎて贅沢だから、部屋を変えて欲しい?あなたの隣に??……そーねぇぇぇ、困ったわぁぁ。パパにあなたたちの部屋をできるだけ離すように言われているのよぉ!見つかったらパパきっとすごく怒るわぁ〜」
「……あのクソじじい」
低すぎてホリーさんに聞こえないぐらいの声で承太郎が悪口言ってた。
