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朝。珍しく一緒に家を出た。
『朝課外』っていうのを『フケた』らしい。
承太郎が玄関を私の後ろから出てくるの、変な感じ。
あくびなんてしてる。
昨日の夜遅くまで一緒にスゴロクやってたせいだ。
「やぁ、リカ。おはよう。承太郎も」
「おはようのりくん」
大きな家の門を出てすぐのりくんと出会った。
承太郎は門の鍵をかけてから嫌そうに振り返る。
「こんな時間に登校とは珍しいな」
「今日の朝課外、『自習』だろう?どうせ教室も騒がしいだろうし、出なくてもいいかと思って」
朝からリカに会えるなんてラッキーだ。とのりくんが笑った。心がほんわかして私も笑顔になっちゃう。のりくんに『君に会えてラッキー』って言われたら、きっとみんな嬉しくなっちゃうね。
「のりくんも放課後うちでスゴロクする?」
「スゴロクか。いいね。もしかしたら小学校以来かもしれない」
「花京院」
なんだか苦いもの食べたみたいな顔して承太郎がのりくんを見つめてる。
「確か昨日もうちに来ていたよな」
「そうだね」
「一昨日もいたぜ」
「そうだけど」
「1日飛んでその前の日もいた」
「そうだっけ?」
「もう少し遠慮するだろーが。普通」
「…じゃあ今日は手土産を持っていこうかな」
「そっ、………もういい」
「(そ?)承太郎も昨日2人でスゴロクしても面白くないって言ってたじゃない」
「ところが3人でも面白くないのが承太郎なのさ」
「変なの。」
「決めた。今日来てもうちには入れねぇ。花京院、てめぇは出禁だ」
「変なこと言ってる」
「変。」
「てめぇら学校じゃなくて病院送りにしてやろうか」
承太郎がオラオラオーラをかもしながら拳を握り始めたので私たちは同時に黙った。
そしたら背後からドタバタと騒がしい足音が聞こえてくる。
振り向いて見つけた人物に今度は私が思い切り顔をしかめた。
「おっ、リカじゃねーか!デカ女!」
「朝からうるさい!デカくない!」
「巨人〜!」
いっっっつも絡んでくるクラスの男子だった。
だいたいこいつ含めて4、5人で登下校している。地区が一緒でルートが一緒だと誰かしらと出会うからね。
「おはようございまーす」
「あ、どうも…おはようございます」
友達がのりくんに礼儀正しく挨拶してる横で、私はいつものウザ絡みに遭っていた。
「お前昨日の放課後金魚の餌やり忘れてただろ!可哀想だったから俺が入れといてやったぜ!」
「昼休みにあげたの!」
「今日の図工ボンドいるけど持ってきたのかよ!」
「持ってるわよ!ちゃんと連絡帳に書いてたから!」
「お前今日日直だろ!さっさと行かねーと準備間に合わなくても知らねーからな!」
「もーいちいちうるさい!ほんっとうるさい!しつこい!」
口喧嘩してたら後ろからくすくす笑い声が聞こえてきたから振り向いた。
のりくんが微笑ましい感じでこっちを見てる。
「なんか…言い方は乱暴だけど…面倒見の良さそうな彼ですね」
「……。」
隣の承太郎は呆れたみたいにちょっとだけ視線を空に向けた。「めんどくせぇな」って顔に書いてある。
「ふーん。あっそ!巨人のくせにスカートなんかはいて似合わねーのっ」
「きゃあっ!?」
足元を腕ですくわれスカートの裾が舞った。
咄嗟に押さえて睨みつける。
「やめてって言ってるでしょ!怒るからねほんと!」
「もーやめなってー!相手にされてないのわかんないのぉ?」
さっきのりくんに挨拶してた友達が味方してくれた。
「好きだからいじわるするとかぁ、低学年じゃないんだから〜」
「はぁ?!好きなわけねーじゃんこんな巨人!」
「こっち来ないで!」
ニヤニヤしてる友達にムキになったのか、またちょっと体勢を低くしてスカートに手を伸ばしてくる。
最悪!何よりお決まりの小学生のノリをのりくんと承太郎に見られたのがつらい!
今日は余計に許せなくて、こっちもちょっとダークネスで仕返ししてやろうかと思ったぐらい。
とりあえず特別おっきい高校生(承太郎)を盾にしようとささっとスカートを押さえながら後退りで逃げてたら。
『ーーーースタープラチナ『ザ・ワールド』ッ!!』
「「えっ」」
聞き慣れた呼び声とスタンドが発動する音に私とのりくんは驚いて動きを止めた。
その一瞬で目の前の男子が消え、背後からばっしゃんと水の音。
振り返ると、大きめの水たまりの中にいたずら男子の両足が浸かっていた。
昨日の夜……雨、降ってたからね……。
「やだちょっとぉ!何してんの後藤〜!」
友達の声にテンポ遅れで我に帰る後藤。きょろきょろとしたあと顔色を悪くして、自分の両頬を押さえた。
「いや…えっ?俺……えっ?えっ??」
「靴びしょびしょじゃん!」
「うっ、うわぁぁあああ??!」
さらば後藤。パニック状態で来た道を逃げ帰る彼を私は唖然と見送った。
「何してんのあいつぅ〜!リカ日直でしょ?先に行っていいよ!」
「あ、うん…ありがと……」
後藤を追いかけて友達も引き返していく。
結局家を出たときと同じ、私と承太郎とのりくんだけがここにずっと留まっている。友達が道を曲がって見えなくなってから、私は承太郎をくるりと振り向いた。目を合わせてくれない。
「……承太郎…あいつに何かした…?」
「………さて。何のことだか」
どう考えても何かしてるのに何もなかったことにしようとしている!
なんだかぞっとしてしまって私は救いを求めて勢いよくのりくんの顔を見上げた。
「の、のりくん!」
「いやぁ、僕は何も見ていないから…気付いたらあの子が水たまりにはまっていて驚いた」
つんとしてる承太郎の隣でのりくんはおかしそうにくすくす笑っていて、ついには承太郎の肩をぽんぽんと叩き始めた。
出たぁ。また私だけ蚊帳の外みたいなこの感じ…。高校生ずるい。
「ねぇ、なんなの?何がどうなってるの」
「どうなってると思う?」
「スタープラチナがとんでもなく早くなったんでしょ。違う?そうでしょ?」
元々スピード自慢だったから、エジプトの旅でパワーアップしたんだよね。見えないぐらい速いからすごい。瞬間移動したみたい。
承太郎とのりくんはしばらく顔を見合わせていただけで、何も答えてくれなかった。
肩をすくめるのりくんを見て、承太郎は眉間にしわを寄せてしまう。
「やれやれだぜ」
挙げ句私を上から下まで眺めてから深々ため息をつく始末。なぁんだ。やっぱり何も教えてくれないの。
「ねー承太郎」
「そろそろ行くぜ。リカ、お前日直とか言っていたな」
「あ、そうか」
反射的に2人を追い越してその場で駆け足。ランドセルについてるクジラのキーホルダーがチャラチャラと音を立てた。
「早く早く!置いていくからね!」
でもその前に。
そのまま走って承太郎のところに戻る。
「よくわかんないけど、ありがと!」
私を見下ろす承太郎はちょっと目を大きくして止まった後、ふふんって得意げにしてから歩き始めた。
1人で遊びながら歩いてたらうっとおしいって怒られた。学校着いて余裕で日直の仕事は間に合った。
ついでに後藤と友達もギリギリ朝礼に間に合った。
「…まだ教えてあげないんですか。『時間を止めているんだ』って」
「……。」
「ディオと同じ能力だと知ったら…怖がらせてしまうから?」
「………別に。そう使うもんでもないからな」
「そう、…え?だって君、ついさっき使、え?……いや、うん……なんでもない…」
別れ際に盗み見たら、のりくんがずっとおろおろしてて笑っちゃった。
そしたら承太郎とばっちり目が合ったので、びっくりしてなんか逃げてしまった。
『朝課外』っていうのを『フケた』らしい。
承太郎が玄関を私の後ろから出てくるの、変な感じ。
あくびなんてしてる。
昨日の夜遅くまで一緒にスゴロクやってたせいだ。
「やぁ、リカ。おはよう。承太郎も」
「おはようのりくん」
大きな家の門を出てすぐのりくんと出会った。
承太郎は門の鍵をかけてから嫌そうに振り返る。
「こんな時間に登校とは珍しいな」
「今日の朝課外、『自習』だろう?どうせ教室も騒がしいだろうし、出なくてもいいかと思って」
朝からリカに会えるなんてラッキーだ。とのりくんが笑った。心がほんわかして私も笑顔になっちゃう。のりくんに『君に会えてラッキー』って言われたら、きっとみんな嬉しくなっちゃうね。
「のりくんも放課後うちでスゴロクする?」
「スゴロクか。いいね。もしかしたら小学校以来かもしれない」
「花京院」
なんだか苦いもの食べたみたいな顔して承太郎がのりくんを見つめてる。
「確か昨日もうちに来ていたよな」
「そうだね」
「一昨日もいたぜ」
「そうだけど」
「1日飛んでその前の日もいた」
「そうだっけ?」
「もう少し遠慮するだろーが。普通」
「…じゃあ今日は手土産を持っていこうかな」
「そっ、………もういい」
「(そ?)承太郎も昨日2人でスゴロクしても面白くないって言ってたじゃない」
「ところが3人でも面白くないのが承太郎なのさ」
「変なの。」
「決めた。今日来てもうちには入れねぇ。花京院、てめぇは出禁だ」
「変なこと言ってる」
「変。」
「てめぇら学校じゃなくて病院送りにしてやろうか」
承太郎がオラオラオーラをかもしながら拳を握り始めたので私たちは同時に黙った。
そしたら背後からドタバタと騒がしい足音が聞こえてくる。
振り向いて見つけた人物に今度は私が思い切り顔をしかめた。
「おっ、リカじゃねーか!デカ女!」
「朝からうるさい!デカくない!」
「巨人〜!」
いっっっつも絡んでくるクラスの男子だった。
だいたいこいつ含めて4、5人で登下校している。地区が一緒でルートが一緒だと誰かしらと出会うからね。
「おはようございまーす」
「あ、どうも…おはようございます」
友達がのりくんに礼儀正しく挨拶してる横で、私はいつものウザ絡みに遭っていた。
「お前昨日の放課後金魚の餌やり忘れてただろ!可哀想だったから俺が入れといてやったぜ!」
「昼休みにあげたの!」
「今日の図工ボンドいるけど持ってきたのかよ!」
「持ってるわよ!ちゃんと連絡帳に書いてたから!」
「お前今日日直だろ!さっさと行かねーと準備間に合わなくても知らねーからな!」
「もーいちいちうるさい!ほんっとうるさい!しつこい!」
口喧嘩してたら後ろからくすくす笑い声が聞こえてきたから振り向いた。
のりくんが微笑ましい感じでこっちを見てる。
「なんか…言い方は乱暴だけど…面倒見の良さそうな彼ですね」
「……。」
隣の承太郎は呆れたみたいにちょっとだけ視線を空に向けた。「めんどくせぇな」って顔に書いてある。
「ふーん。あっそ!巨人のくせにスカートなんかはいて似合わねーのっ」
「きゃあっ!?」
足元を腕ですくわれスカートの裾が舞った。
咄嗟に押さえて睨みつける。
「やめてって言ってるでしょ!怒るからねほんと!」
「もーやめなってー!相手にされてないのわかんないのぉ?」
さっきのりくんに挨拶してた友達が味方してくれた。
「好きだからいじわるするとかぁ、低学年じゃないんだから〜」
「はぁ?!好きなわけねーじゃんこんな巨人!」
「こっち来ないで!」
ニヤニヤしてる友達にムキになったのか、またちょっと体勢を低くしてスカートに手を伸ばしてくる。
最悪!何よりお決まりの小学生のノリをのりくんと承太郎に見られたのがつらい!
今日は余計に許せなくて、こっちもちょっとダークネスで仕返ししてやろうかと思ったぐらい。
とりあえず特別おっきい高校生(承太郎)を盾にしようとささっとスカートを押さえながら後退りで逃げてたら。
『ーーーースタープラチナ『ザ・ワールド』ッ!!』
「「えっ」」
聞き慣れた呼び声とスタンドが発動する音に私とのりくんは驚いて動きを止めた。
その一瞬で目の前の男子が消え、背後からばっしゃんと水の音。
振り返ると、大きめの水たまりの中にいたずら男子の両足が浸かっていた。
昨日の夜……雨、降ってたからね……。
「やだちょっとぉ!何してんの後藤〜!」
友達の声にテンポ遅れで我に帰る後藤。きょろきょろとしたあと顔色を悪くして、自分の両頬を押さえた。
「いや…えっ?俺……えっ?えっ??」
「靴びしょびしょじゃん!」
「うっ、うわぁぁあああ??!」
さらば後藤。パニック状態で来た道を逃げ帰る彼を私は唖然と見送った。
「何してんのあいつぅ〜!リカ日直でしょ?先に行っていいよ!」
「あ、うん…ありがと……」
後藤を追いかけて友達も引き返していく。
結局家を出たときと同じ、私と承太郎とのりくんだけがここにずっと留まっている。友達が道を曲がって見えなくなってから、私は承太郎をくるりと振り向いた。目を合わせてくれない。
「……承太郎…あいつに何かした…?」
「………さて。何のことだか」
どう考えても何かしてるのに何もなかったことにしようとしている!
なんだかぞっとしてしまって私は救いを求めて勢いよくのりくんの顔を見上げた。
「の、のりくん!」
「いやぁ、僕は何も見ていないから…気付いたらあの子が水たまりにはまっていて驚いた」
つんとしてる承太郎の隣でのりくんはおかしそうにくすくす笑っていて、ついには承太郎の肩をぽんぽんと叩き始めた。
出たぁ。また私だけ蚊帳の外みたいなこの感じ…。高校生ずるい。
「ねぇ、なんなの?何がどうなってるの」
「どうなってると思う?」
「スタープラチナがとんでもなく早くなったんでしょ。違う?そうでしょ?」
元々スピード自慢だったから、エジプトの旅でパワーアップしたんだよね。見えないぐらい速いからすごい。瞬間移動したみたい。
承太郎とのりくんはしばらく顔を見合わせていただけで、何も答えてくれなかった。
肩をすくめるのりくんを見て、承太郎は眉間にしわを寄せてしまう。
「やれやれだぜ」
挙げ句私を上から下まで眺めてから深々ため息をつく始末。なぁんだ。やっぱり何も教えてくれないの。
「ねー承太郎」
「そろそろ行くぜ。リカ、お前日直とか言っていたな」
「あ、そうか」
反射的に2人を追い越してその場で駆け足。ランドセルについてるクジラのキーホルダーがチャラチャラと音を立てた。
「早く早く!置いていくからね!」
でもその前に。
そのまま走って承太郎のところに戻る。
「よくわかんないけど、ありがと!」
私を見下ろす承太郎はちょっと目を大きくして止まった後、ふふんって得意げにしてから歩き始めた。
1人で遊びながら歩いてたらうっとおしいって怒られた。学校着いて余裕で日直の仕事は間に合った。
ついでに後藤と友達もギリギリ朝礼に間に合った。
「…まだ教えてあげないんですか。『時間を止めているんだ』って」
「……。」
「ディオと同じ能力だと知ったら…怖がらせてしまうから?」
「………別に。そう使うもんでもないからな」
「そう、…え?だって君、ついさっき使、え?……いや、うん……なんでもない…」
別れ際に盗み見たら、のりくんがずっとおろおろしてて笑っちゃった。
そしたら承太郎とばっちり目が合ったので、びっくりしてなんか逃げてしまった。