Love the darkness -3-
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目が覚めたら妹に殺されそうになってた。
可哀想に。
震える手でナイフを握りしめて。
ずっと私が羨ましかったんだって。
双子なのに、私は病気で何ひとつ手に入れられないのに、あんたが少し笑うとみんな何もかも与えてしまう。パパとママもきっと、私がいなければ良かったって思ってたに違いない。
ディオ様だけが私に気付いてくれた。私を自由にしてくれた。なのに……結局またあんたなの?…これ以上、ディオ様まで…奪われてたまるものか!
(………いたっ……)
痛いよ、すっごく。
ずっと助けたかった妹と戦わなくちゃいけなくなるなんて思ってなかった。
やっぱり、あなたはもう吸血鬼にされていたのね。だから病気が治って体が自由に……。
(謝りたかったのに……一緒に、帰りたかったのに!)
血も涙も止まらないよ。承太郎に会いたい。
(いた……!ディオ…!)
館を逃げ出して暗くなった街に出たら、あちこちめちゃくちゃになっていた。
たくさん人が倒れていて、辺りは血の海になっている。混乱する人たちとパトカーのサイレンとが響いていた。
建物の屋根の上にいて良かったかもしれない。この光景を遠くから見てるだけで怖くて体の震えが止まらない。
でも行かなきゃって思った。さっきからディオの周りをキラキラ緑の光が散っている。
「来るなリカッ!!君を巻き込んでしまう!」
塔のてっぺんでのりくんが怒鳴った。彼が目を怪我してからずっと会っていなかったので、再会できて嬉しいのと同時にぞくって背中に寒気が走った。まさか1人でディオと戦ってるの…?
そう気付いた瞬間、私は叫んでいた。
「ディオ!!やめてッ!!!」
のりくんが1人でいたのは何か策があったからに違いない。けど、私は何故か、直感でディオには勝てないって確信していた。
瞬きもしていなかったのに、気付いたらのりくんの体がすごい速さで吹っ飛ばされている。ハイエロファントの触手もズタズタに断ち切られていた。
轟音を立てて貯水タンクに叩きつけられたのりくんはピクリとも動かない。
あんな大きなタンクがベコリと凹んで水が吹き出している。その衝撃の大きさにまた体が震えた。
「く…ジョナサンめ……あの声に反応したか……。つくづく邪魔をしてくれる」
ディオは自分の腕を回しながら忌々しげに舌打ちをした。
ジョナサンって…ジョセフのおじいちゃんだよね…?何故かわからないけど、その名前を聞いたら体の震えが止まって動けるようになった。なんだかとても……懐かしいような気がする…。
きらりと緑の光がまた走って、柱時計を攻撃した。その爆発音に我に帰る。ぼーっとしてる場合じゃないのに。
私はダークネスを足場にして空中を蹴り、すぐにのりくんのところに走った。
「やめろリカ!行くんじゃあないッ!!」
「逃げてジョセフ!」
背中に声をかける前に、ジョセフはすでに迫り来るディオから距離を取るため屋根からハーミットパープルで飛び降りていた。
それをディオが追いかけて行ったのを見届けてから、私はのりくんのところに辿り着いた。
「のりくん!のりくんしっかりしてっ!!」
ダークネスで優しく降ろしてから、凹んでいる肋骨のところを体の中から補強した。きっと折れた骨がいろんなところに刺さってる。のりくんはか細く息をしてるけど、口からも血を吐いているし死んじゃうと思った。
ぽろぽろ泣きながら怪我を全部ダークネスで塞ぎ続けた。
「……リカ……ッ」
「のりくん待って!待っててね絶対助けるから!息して!死なないで…!」
ごほごほと血を吐くのりくん。私は泣きながらすぐにビルの下に降りてフロントから電話を奪った。スピードワゴン財団に電話して助けを呼んでから、すぐにのりくんの所に戻る。
「すぐに助けが来るから…大丈夫だからね…!」
苦しそうに血を吐くのを見ているしかできないなんて。
のりくんは苦しそうだけどどこか微笑んでるようにも見えた。ゆっくりと震える手を持ち上げて私の頬に触れると、どこか遠く…ジョセフとディオが消えて行った方を指差した。
「…行くんだ、リカ……承太郎の、ところ、に」
「そんなの出来ない!のりくんのこと1人にしたくない…っ」
「君たち、は……一緒に、いるんだ……君が、いれば……承太郎は、…きっと…」
「のりくん!」
ぶるぶると指差していた手が落ちて、のりくんは両目を閉じた。
急いで呼吸と心臓の音を確かめる。弱々しいけどちゃんと生きてる。でも、今にも死んじゃいそうなのりくんを置いていくなんてすごく辛い。
「……。」
涙を拭いて立ち上がった。
私を見つめるのりくんの目には後悔なんてなかった。
ディオを倒さなくちゃ。みんなそのためにここまで来たんだから。胸が引き裂かれそうに痛いけれど。
スピードワゴン財団の人たちがすぐに見つけてくれるように、のりくんの周りの暗いのを削り取って明るくしておいた。
(行かなきゃ……承太郎のところに…)
またズキンと心臓と頭が痛んだ。
私はのりくんの言葉を心の中で何度も繰り返しながら、ダークネスを伝って夜の街を駆けた。
可哀想に。
震える手でナイフを握りしめて。
ずっと私が羨ましかったんだって。
双子なのに、私は病気で何ひとつ手に入れられないのに、あんたが少し笑うとみんな何もかも与えてしまう。パパとママもきっと、私がいなければ良かったって思ってたに違いない。
ディオ様だけが私に気付いてくれた。私を自由にしてくれた。なのに……結局またあんたなの?…これ以上、ディオ様まで…奪われてたまるものか!
(………いたっ……)
痛いよ、すっごく。
ずっと助けたかった妹と戦わなくちゃいけなくなるなんて思ってなかった。
やっぱり、あなたはもう吸血鬼にされていたのね。だから病気が治って体が自由に……。
(謝りたかったのに……一緒に、帰りたかったのに!)
血も涙も止まらないよ。承太郎に会いたい。
(いた……!ディオ…!)
館を逃げ出して暗くなった街に出たら、あちこちめちゃくちゃになっていた。
たくさん人が倒れていて、辺りは血の海になっている。混乱する人たちとパトカーのサイレンとが響いていた。
建物の屋根の上にいて良かったかもしれない。この光景を遠くから見てるだけで怖くて体の震えが止まらない。
でも行かなきゃって思った。さっきからディオの周りをキラキラ緑の光が散っている。
「来るなリカッ!!君を巻き込んでしまう!」
塔のてっぺんでのりくんが怒鳴った。彼が目を怪我してからずっと会っていなかったので、再会できて嬉しいのと同時にぞくって背中に寒気が走った。まさか1人でディオと戦ってるの…?
そう気付いた瞬間、私は叫んでいた。
「ディオ!!やめてッ!!!」
のりくんが1人でいたのは何か策があったからに違いない。けど、私は何故か、直感でディオには勝てないって確信していた。
瞬きもしていなかったのに、気付いたらのりくんの体がすごい速さで吹っ飛ばされている。ハイエロファントの触手もズタズタに断ち切られていた。
轟音を立てて貯水タンクに叩きつけられたのりくんはピクリとも動かない。
あんな大きなタンクがベコリと凹んで水が吹き出している。その衝撃の大きさにまた体が震えた。
「く…ジョナサンめ……あの声に反応したか……。つくづく邪魔をしてくれる」
ディオは自分の腕を回しながら忌々しげに舌打ちをした。
ジョナサンって…ジョセフのおじいちゃんだよね…?何故かわからないけど、その名前を聞いたら体の震えが止まって動けるようになった。なんだかとても……懐かしいような気がする…。
きらりと緑の光がまた走って、柱時計を攻撃した。その爆発音に我に帰る。ぼーっとしてる場合じゃないのに。
私はダークネスを足場にして空中を蹴り、すぐにのりくんのところに走った。
「やめろリカ!行くんじゃあないッ!!」
「逃げてジョセフ!」
背中に声をかける前に、ジョセフはすでに迫り来るディオから距離を取るため屋根からハーミットパープルで飛び降りていた。
それをディオが追いかけて行ったのを見届けてから、私はのりくんのところに辿り着いた。
「のりくん!のりくんしっかりしてっ!!」
ダークネスで優しく降ろしてから、凹んでいる肋骨のところを体の中から補強した。きっと折れた骨がいろんなところに刺さってる。のりくんはか細く息をしてるけど、口からも血を吐いているし死んじゃうと思った。
ぽろぽろ泣きながら怪我を全部ダークネスで塞ぎ続けた。
「……リカ……ッ」
「のりくん待って!待っててね絶対助けるから!息して!死なないで…!」
ごほごほと血を吐くのりくん。私は泣きながらすぐにビルの下に降りてフロントから電話を奪った。スピードワゴン財団に電話して助けを呼んでから、すぐにのりくんの所に戻る。
「すぐに助けが来るから…大丈夫だからね…!」
苦しそうに血を吐くのを見ているしかできないなんて。
のりくんは苦しそうだけどどこか微笑んでるようにも見えた。ゆっくりと震える手を持ち上げて私の頬に触れると、どこか遠く…ジョセフとディオが消えて行った方を指差した。
「…行くんだ、リカ……承太郎の、ところ、に」
「そんなの出来ない!のりくんのこと1人にしたくない…っ」
「君たち、は……一緒に、いるんだ……君が、いれば……承太郎は、…きっと…」
「のりくん!」
ぶるぶると指差していた手が落ちて、のりくんは両目を閉じた。
急いで呼吸と心臓の音を確かめる。弱々しいけどちゃんと生きてる。でも、今にも死んじゃいそうなのりくんを置いていくなんてすごく辛い。
「……。」
涙を拭いて立ち上がった。
私を見つめるのりくんの目には後悔なんてなかった。
ディオを倒さなくちゃ。みんなそのためにここまで来たんだから。胸が引き裂かれそうに痛いけれど。
スピードワゴン財団の人たちがすぐに見つけてくれるように、のりくんの周りの暗いのを削り取って明るくしておいた。
(行かなきゃ……承太郎のところに…)
またズキンと心臓と頭が痛んだ。
私はのりくんの言葉を心の中で何度も繰り返しながら、ダークネスを伝って夜の街を駆けた。