Love the darkness -3-
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「ねぇ、見て!あそこ。子供がいっぱい遊んでる。私あの子たちにも聞いてくるね」
「待てリカ」
ジョセフの念写を頼りにディオの館を探していた。
何度街の人に首を横に振られたかわからない。みんな疲れてるし、焦りともどかしさでプレッシャーは大きくなってきてる。
小高い丘の上で子供たちが集まって遊んでいるのを見つけて、私は館の写真を持ったままそっちに走り出そうとした。のを、承太郎に止められた。私の肩を掴む力は案外強い。
「行くなら一緒にだ。1人になるんじゃねぇ」
「え?…こんな目つき悪い巨大なお兄さんが来たら、みんな怖がっちゃうでしょ…聞いてくるぐらいなら1人でできるもん。私に任せて」
「……言っておくがな」
むすっとしてる承太郎の後ろでポルナレフが声を出さずに笑ってた。
なんでよ。子供相手なら子供が1番いいじゃない?怖がらせたら答えるものも答えてくれなくなっちゃいそうだし。
「ディオの館はこのカイロに確かにあるぜ。つまり、残る敵もここで俺たちを待ち構えてるってことだ。お前は敵のスタンド使いと2人きりになりたいのか?」
「……手分けして探して、敵と会う前に館を見つけたらいいんじゃないの?」
遠くでサッカーしてる子供たちがきゃっきゃっと笑う声がかすかに聞こえる。私は焦っていた。焦っていたし、承太郎に「お前は1人じゃ勝てない」って言われたみたいで悔しかった。対等な仲間だって、まだ認めてもらえてない気がして。
じとっと睨んだら承太郎も睨み返してきた。怖……怖くないもん。
「ねぇ、私もう行くね。のんびり観光みたくみんなで街を回ってる暇なんてないでしょ?急がなきゃ……ホリーさんが死んじゃうんだよ。私、絶対嫌だからね」
目を逸らさずにそう言うと、肩の大きな手が一瞬強張った。私はその手を掴んで離させた。ぽいっと浮いた自分の手を見つめて承太郎はイラついたみたいに唇を噛んだ。
「てめー、聞き分けのねぇこと言ってんじゃあねぇぞ。1人になるなと言ってるだろうが!」
「なんなの?あそこの子達に聞いてくるだけだよ!手分けした方が普通にいいでしょ!」
「……2人とも、何を揉めとるんじゃ……目立つことはやめなさい」
「だいたい、あのガキどもが館を知っているとは思えねぇぜ。行っても無駄足になるだろうよ」
なだめようとするジョセフを無視してまだつっかかってくる。あったまきた!もう!
一緒にいるのが嫌になってしまって、私は承太郎から一歩下がった。
「決めつけるのやめてよ。承太郎が私のことを決めるのはやめて!どうするのあの子たちが館の場所知ってたら!絶対後悔するんだからね!」
「おい待て!」
承太郎がまた手を伸ばして捕まえようとしてきたので、それより先にくるりと背を向けて走り出した。ダークネスのパワーでうさぎみたいに速いんだから!
すぐに距離が開いて、私は気分が良くて承太郎を少しだけ振り返った。べーっと舌を出して仕返ししてやる。
「絶対、後悔するから!」
立ち尽くしてた承太郎を置いてすぐにお店から外に出た。なんか、息が詰まってたみたいに大きく呼吸を繰り返してた。