Love the darkness -3-
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巨大化した『女教皇』の歯をスタープラチナが叩き折ってその口から脱出し、私たちは7メートル上の海面に無事生還した。
重たい服を引きずってみんなで砂浜までたどり着いて、ようやく休むことが出来た。
「承太郎、こっち来て……頭見せて」
『女教皇』に切り裂かれたジョセフとのりくんの傷口は潜水艦で先にダークネスで塞いであったけど、海中で襲われた承太郎の怪我は絶対痛いだろう。だって…海水ひたひただし。怪我に塩塗り込んだら痛いんだよね?
とりあえず近くの岩場に承太郎を座らせて後ろから怪我の手当を始めた。
「おい…女が倒れているぞ」
離れたところに誰か倒れてるのをジョセフが見つけた。あれだけボコボコにされたんだから再起不能に決まってる。それでも「美人かブスか見てくる」なんて、ポルナレフはほんと女の子大好きだなー。
呆れつつ私もちょっと気になっていた。あれだけみんなから口説かれた『女教皇』の本体さん…とんでもない顔してたらぶっちゃけウケる。
だってみんなからあれだけ口説かれてたのに。声で美人認定されてあれだけ口説かれてたのに(3回目)。
「もう充分だろ。どんだけびしゃびしゃにすんだよ」
「あ、ごめん…痛かった?」
「全然」
ポルナレフの方に気を取られてたから延々と承太郎の怪我した頭にミネラルウォーターをぶっかけていた。
眉間にめっちゃ皺寄せてるからたぶん痩せ我慢してるんだろーな…突っ込むのはやめとこう。
髪の毛を避けてダークネスを傷口に貼り付けながら、やっぱりミドラーさんの顔が気になる。
「ねぇっ、ポルナレフ!その人どう?可愛い?」
「ノーコメントだ!つーか歯が全部折れてっから見ても仕方ねーよ!」
「あ、そうかぁ……なんだつまんない…」
「敵の顔がそんなに重要か?」
手当が終わってさっそく帽子を被り直してる承太郎が怪訝そうに私を見上げた。
今回ばかりはけっこう重要なのよ。
私は彼女の口の中で聞いたみんなの口説き文句を思い出した。ちょっともう耐えきれそうにない。
「…承太郎は見に行かないの?恋に落ちるかもよ?…ふっ、あっは!」
うくくと笑ってると、他のみんなも間を置いてからうぷぷぅと笑い始めた。戦いの緊張が解けたのかどんどん面白くなってくる。
「あはは、ほんと…みんな何なの。あのへったくそなナンパ!声で分かるわけないじゃん美人とか!オードリーヘップバーンとか!」
「いや〜、良い案だと思ったんだけどなぁ」
「めっちゃ良かったよ。あんなセリフ承太郎が…、あははっ」
「だってあの女、承太郎が好みだっつーからよー」
「うんうん!完全にときめいてたもんね!」
ポルナレフとお腹を抑えてヒーヒー言ってたら、「やっぱわしも見てこよう」ってジョセフがわざわざミドラーを見に行った。そして「オーノォオー!!」ってショックを受けてた。分かってたくせにほんと悪趣味。これだからジョセフが好きなのよ。それで余計に笑ってたらふと視線を感じて下を見た。承太郎が見るからに「何がそんなにおもしろいんだ…」って感じのドン引きした目でこっちを見ていた。
「ねぇねぇ、承太郎の好みってどんな人?」
いじりすぎたのを誤魔化すために後ろからドーンと背中に乗って顔を覗き込む。
今度は「うげぇ」って苦々しい顔で視線を逸らされた。さっきから気持ちが全部顔に出てるのよ。なんでそんなにわかりやすいの。
「マジでうるせーな。どーだっていいだろそんなこと」
「……。」
「………。」
じーっと横顔を見つめた。見返してくる流し目の承太郎は濡れてるのもあってかとってもセクシーだった。
ミドラーも承太郎のことタイプだったのかもしれないけど、私も承太郎がとってもかっこいいことはちゃんとわかってるんだからね。
だから承太郎が何にも知らないあんな女に殺されなくて良かったって心底思ってる。
『女教皇』の歯でつぶされたと思ったときは本当に息するの忘れるくらい焦ったから…無事で嬉しい気持ちが溢れてぎゅうって背中から抱きしめた。
「…私だったら、『あなたみたいな人が好き』って言うよ」
「!」
「そうしたらもっとモテるよ〜」
ぎょっとしてる承太郎を尻目に面白くてたまらない私はニヤニヤしたままポルナレフに顔を上げた。
「だよね?」
「ああ、マジでそうだぜ承太郎!『好きかも』じゃねぇ!『好きだ』って言わなきゃなーッ!!」
「………ふっ」
「「…ふっ?」」
なんか笑ったぞ…。
嫌な予感がした私とポルナレフは顔を見合わせた。
「よし。リカ、ポルナレフ…ちょっとそこに並べ」
「えっ?えっ?」
「なんで?ナンデデスカ?」
私たちを順番に指差して、承太郎は自分の前に並ぶように促してきた。
すっごい嫌。すごい嫌な予感がする。
戸惑ってる私たちをよそに立ち上がると、承太郎の肩らへんからはスタープラチナのムキムキの腕と拳が浮き上がっていた。ゆらりと殺気を放つ承太郎。
……これ殴られるやつじゃん!!!
「最近ちぃと気が緩んでるみたいだなぁ。そんなだから全員仲良く敵に飲み込まれたりするんだぜ。一度思い出してもらおうか…危機感ってやつをよ…!」
「無理ですごめんなさいぃぃぃ!!!」
「だーっ!?悪かった承太郎ーッ!柄でもないこと言わせて悪かったぁぁーッ!!」
「……オラァッ!」
「きゃああああ!」
「ひぃぃぃぃ!!」
すでに逃げ始めていた私たちを承太郎は普通に追いかけてきた。
波打ち際を延々追いかけっこする私たちをよそに、ジョセフとアヴドゥルが「やっとエジプトついたなぁ」「ジェット機ならすぐだったのに」なんて会話をほのぼのしてて、呑気にしてないで助けてよって思った。
重たい服を引きずってみんなで砂浜までたどり着いて、ようやく休むことが出来た。
「承太郎、こっち来て……頭見せて」
『女教皇』に切り裂かれたジョセフとのりくんの傷口は潜水艦で先にダークネスで塞いであったけど、海中で襲われた承太郎の怪我は絶対痛いだろう。だって…海水ひたひただし。怪我に塩塗り込んだら痛いんだよね?
とりあえず近くの岩場に承太郎を座らせて後ろから怪我の手当を始めた。
「おい…女が倒れているぞ」
離れたところに誰か倒れてるのをジョセフが見つけた。あれだけボコボコにされたんだから再起不能に決まってる。それでも「美人かブスか見てくる」なんて、ポルナレフはほんと女の子大好きだなー。
呆れつつ私もちょっと気になっていた。あれだけみんなから口説かれた『女教皇』の本体さん…とんでもない顔してたらぶっちゃけウケる。
だってみんなからあれだけ口説かれてたのに。声で美人認定されてあれだけ口説かれてたのに(3回目)。
「もう充分だろ。どんだけびしゃびしゃにすんだよ」
「あ、ごめん…痛かった?」
「全然」
ポルナレフの方に気を取られてたから延々と承太郎の怪我した頭にミネラルウォーターをぶっかけていた。
眉間にめっちゃ皺寄せてるからたぶん痩せ我慢してるんだろーな…突っ込むのはやめとこう。
髪の毛を避けてダークネスを傷口に貼り付けながら、やっぱりミドラーさんの顔が気になる。
「ねぇっ、ポルナレフ!その人どう?可愛い?」
「ノーコメントだ!つーか歯が全部折れてっから見ても仕方ねーよ!」
「あ、そうかぁ……なんだつまんない…」
「敵の顔がそんなに重要か?」
手当が終わってさっそく帽子を被り直してる承太郎が怪訝そうに私を見上げた。
今回ばかりはけっこう重要なのよ。
私は彼女の口の中で聞いたみんなの口説き文句を思い出した。ちょっともう耐えきれそうにない。
「…承太郎は見に行かないの?恋に落ちるかもよ?…ふっ、あっは!」
うくくと笑ってると、他のみんなも間を置いてからうぷぷぅと笑い始めた。戦いの緊張が解けたのかどんどん面白くなってくる。
「あはは、ほんと…みんな何なの。あのへったくそなナンパ!声で分かるわけないじゃん美人とか!オードリーヘップバーンとか!」
「いや〜、良い案だと思ったんだけどなぁ」
「めっちゃ良かったよ。あんなセリフ承太郎が…、あははっ」
「だってあの女、承太郎が好みだっつーからよー」
「うんうん!完全にときめいてたもんね!」
ポルナレフとお腹を抑えてヒーヒー言ってたら、「やっぱわしも見てこよう」ってジョセフがわざわざミドラーを見に行った。そして「オーノォオー!!」ってショックを受けてた。分かってたくせにほんと悪趣味。これだからジョセフが好きなのよ。それで余計に笑ってたらふと視線を感じて下を見た。承太郎が見るからに「何がそんなにおもしろいんだ…」って感じのドン引きした目でこっちを見ていた。
「ねぇねぇ、承太郎の好みってどんな人?」
いじりすぎたのを誤魔化すために後ろからドーンと背中に乗って顔を覗き込む。
今度は「うげぇ」って苦々しい顔で視線を逸らされた。さっきから気持ちが全部顔に出てるのよ。なんでそんなにわかりやすいの。
「マジでうるせーな。どーだっていいだろそんなこと」
「……。」
「………。」
じーっと横顔を見つめた。見返してくる流し目の承太郎は濡れてるのもあってかとってもセクシーだった。
ミドラーも承太郎のことタイプだったのかもしれないけど、私も承太郎がとってもかっこいいことはちゃんとわかってるんだからね。
だから承太郎が何にも知らないあんな女に殺されなくて良かったって心底思ってる。
『女教皇』の歯でつぶされたと思ったときは本当に息するの忘れるくらい焦ったから…無事で嬉しい気持ちが溢れてぎゅうって背中から抱きしめた。
「…私だったら、『あなたみたいな人が好き』って言うよ」
「!」
「そうしたらもっとモテるよ〜」
ぎょっとしてる承太郎を尻目に面白くてたまらない私はニヤニヤしたままポルナレフに顔を上げた。
「だよね?」
「ああ、マジでそうだぜ承太郎!『好きかも』じゃねぇ!『好きだ』って言わなきゃなーッ!!」
「………ふっ」
「「…ふっ?」」
なんか笑ったぞ…。
嫌な予感がした私とポルナレフは顔を見合わせた。
「よし。リカ、ポルナレフ…ちょっとそこに並べ」
「えっ?えっ?」
「なんで?ナンデデスカ?」
私たちを順番に指差して、承太郎は自分の前に並ぶように促してきた。
すっごい嫌。すごい嫌な予感がする。
戸惑ってる私たちをよそに立ち上がると、承太郎の肩らへんからはスタープラチナのムキムキの腕と拳が浮き上がっていた。ゆらりと殺気を放つ承太郎。
……これ殴られるやつじゃん!!!
「最近ちぃと気が緩んでるみたいだなぁ。そんなだから全員仲良く敵に飲み込まれたりするんだぜ。一度思い出してもらおうか…危機感ってやつをよ…!」
「無理ですごめんなさいぃぃぃ!!!」
「だーっ!?悪かった承太郎ーッ!柄でもないこと言わせて悪かったぁぁーッ!!」
「……オラァッ!」
「きゃああああ!」
「ひぃぃぃぃ!!」
すでに逃げ始めていた私たちを承太郎は普通に追いかけてきた。
波打ち際を延々追いかけっこする私たちをよそに、ジョセフとアヴドゥルが「やっとエジプトついたなぁ」「ジェット機ならすぐだったのに」なんて会話をほのぼのしてて、呑気にしてないで助けてよって思った。