Love the darkness -3-
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アヴドゥルと再会の約束をしていた無人島で、ポルナレフがまた新手のスタンド使いに襲われた。
土で出来た妹さんとアヴドゥルの偽物に噛みつかれたりしたみたいで怪我だらけだった。
でも、死んだ人を生き返らせたい気持ちは痛いほどわかるよ。そう伝えたらポルナレフは泣いてしまった。涙脆いんだから、ほんと。
「そうかそうか。リカもここまでがんばってきたんだな」
ポルナレフの怪我にダークネスを纏わせて傷口が塞がるまで、私たちは島の小屋で休むことにした。
久しぶりに会えたアヴドゥルに今までの旅の話をしてあげる。
「大変だったんだよ。あちこち触られるしキスまでされて……もうお嫁に行けないよ」
スティーリー・ダンのくそったれな話をしてたらまたムカついてきた。
「くそ野郎が!!私がそこにいたなら我がマジシャンズレッドで焼き尽くしてくれたものを!!!」
(テンションがガチ……)
私よりも勢いよくアヴドゥルがキレてくれたおかげで私の怒りはおさまった。
なんで被害者の私が何も知らない人を宥めなきゃいけないの。
「あの…で、でもね、のりくんと承太郎がやっつけてくれたから、平気だった。承太郎がね、すごいもう…信じられないぐらいボコボコにしてくれたから…うん…なんかそれですごいスッキリしたんだよね。だから大丈夫」
「当然の報いだな。私がいたならさらに我がマジシャンズレッドで消し炭にしてやったものを」
「そんなに怒ってくれてありがとう、アヴドゥル」
「たった10歳の少女に手を出すなどなんて非道な輩だ…!」
プンスカしてるアヴドゥルを苦虫噛み潰したみたいな顔で承太郎が見ていた。
「…てめぇコーヒーを淹れるって言っていたよなぁ花京院。手が止まってるようだがなんでさっきから俺を見てる?何か言いたいことでもあるのかよ」
「いや、ないよ。それより今のうちにリカに色々口止めしといた方がいいんじゃないかい?承太郎…君このままじゃ消し炭にされてしまうんじゃ…」
「なんのことだかわからねーな」
それからジョセフに「お前なんか一回消し炭にされたらいいんじゃ」って言われて唖然としてから押し黙っていた。
ポルナレフは笑いながら痛い痛い言ってるし、何なんだろみんな。
そんな愉快な仲間たちを見てアヴドゥルは楽しそうに微笑んだ。いや、にやりとした(ような気がする)。
「そんな奴のためにお前がお嫁に行けるかどうかなんて心配する必要はないんだぞ、リカ。何なら私がお前の運命の相手を占ってやろう。久しぶりに会ったことだし、ちょうど時間もあることだしな…」
「えっ?ほんとに?やったー!」
何故か静まり返った部屋の中で私だけが喜んで手を叩いていた。だってアヴドゥルの占い当たるんだもん。無くしものとかすぐ見つかるし。
それに…気になるじゃん。運命の相手とかさ。やっぱり。
それに、あのダンのやつのせいで知らない男の人が前より怖くなったのは本当だった。アヴドゥルに占ってもらったらちょっとは自信を取り戻せそう。
ふんふん鼻歌交じりに待つ私の周りは妙な緊張感で包まれていた。
「出来たよ承太郎。コーヒー」
「……。」
「コー!ヒー!」
「ん?ああ」
承太郎は私に背中を向けてるからよくわかんないけど、なんでのりくんはそんなに心配そうな顔してるんだ。
頬杖ついて承太郎の帽子一体型後頭部を眺めている間に、アヴドゥルは手際良くタロットカードをテーブルにセットしていった。
「ふむふむ。出たぞ」
カードをめくるアヴドゥルはやっぱり楽しそう。久々に遊べて私も楽しい。早く結果が知りたくて身を乗り出した。
「お前の将来の恋人について予言しよう。まず彼は堀深く端正な顔立ちをしている」
「端正って何?ハンサムってこと?」
「そうだ。背は高く体は逞しい」
「いい感じだね」
「多くは語らぬが弱きを助ける正義の心と優しさを持っている」
「……。」
「あと意外と根に持つタイプだ」
「そうなの…喧嘩しないようにしなきゃね」
「そして最後に…こだわりがありそれが彼のトレードマークになっていると」
「ふぅん……」
聞いた感じだとほぼパーフェクトな彼氏ができそう!
私はアヴドゥルの予言を頭の中で思い出しながら、ずっと承太郎の後頭部を視界に収めていた。そうしたら、未来の恋人像に何故か承太郎が重なってしまった。だって、トレードマークって…意地でも帽子脱がないでしょ。この人も。
「……それって承太郎みたいな人ってこと?」
「ぶふっ」
「わーははははッ!!ついにやったぞ承太郎が!」
コーヒーを吹き出す承太郎をベッドの上から指差しながら、ポルナレフは爆笑していた。そろそろ傷口塞がったかな。
承太郎は忌々しげに帽子を被り直してこっちを睨んだ。
「てめぇアヴドゥル…人をこけにすんのも大概に」
「そうだったらいいな」
「え?」
「え?」
「え?」
テーブルを拭いてたのりくんと、ジョセフとアヴドゥルが一斉に私に注目した。
だって承太郎みたいな彼氏だったら最高でしょ。みんなに自慢できそ〜。それに優しいし頼り甲斐もあるもんね。
私は未来のことを想像しながらにやついてしまった。
「え〜楽しみ〜!何歳ぐらいで出会うかなー」
「……うそん」
「いるのに…ここにいるのに……!?」
ポルナレフとのりくんがポカン通り越してキョドってるけど気にしない。
「…なんかすまん。承太郎」
アヴドゥルもだった。なんで承太郎に謝るの?
「じゃがリカ!その条件だとわしの可能性もあるよなぁ?なぁ?」
「えーそう?…ジョセフみたいな?……だったとしても嬉しいかな!」
「ほれ見ろ!ざまぁ見さらせ承太郎ーッ。わしでもいいってよー!」
自分を指差してぐいぐい来るジョセフに笑いかけたらめっちゃ頭撫でてくれた。ここぞとばかりに承太郎に絡むジョセフが子供みたいで可愛い。
承太郎はしばらく苦々しげに私たちを見ていたけど、ふと椅子に座り直したら帽子を深く被って「やれやれだぜ」ってため息交じりにつぶやいた。
「勝手に出会ってろよ。そんな奴が本当に現れるんならな」
「…知らないの承太郎?アヴドゥルの占いは絶対当たるんだからね」
「占いなんざ信じねー」
「ケッ」って承太郎は明後日の方向を向いて口元を手で隠したまま黙り込んだ。
私はどうして承太郎がそんなに拗ねているのか分からなくて、ジョセフにされるがまま頭をこねくり回されるのだった。
(あとで承太郎が手ぐしで整えてくれた。)
土で出来た妹さんとアヴドゥルの偽物に噛みつかれたりしたみたいで怪我だらけだった。
でも、死んだ人を生き返らせたい気持ちは痛いほどわかるよ。そう伝えたらポルナレフは泣いてしまった。涙脆いんだから、ほんと。
「そうかそうか。リカもここまでがんばってきたんだな」
ポルナレフの怪我にダークネスを纏わせて傷口が塞がるまで、私たちは島の小屋で休むことにした。
久しぶりに会えたアヴドゥルに今までの旅の話をしてあげる。
「大変だったんだよ。あちこち触られるしキスまでされて……もうお嫁に行けないよ」
スティーリー・ダンのくそったれな話をしてたらまたムカついてきた。
「くそ野郎が!!私がそこにいたなら我がマジシャンズレッドで焼き尽くしてくれたものを!!!」
(テンションがガチ……)
私よりも勢いよくアヴドゥルがキレてくれたおかげで私の怒りはおさまった。
なんで被害者の私が何も知らない人を宥めなきゃいけないの。
「あの…で、でもね、のりくんと承太郎がやっつけてくれたから、平気だった。承太郎がね、すごいもう…信じられないぐらいボコボコにしてくれたから…うん…なんかそれですごいスッキリしたんだよね。だから大丈夫」
「当然の報いだな。私がいたならさらに我がマジシャンズレッドで消し炭にしてやったものを」
「そんなに怒ってくれてありがとう、アヴドゥル」
「たった10歳の少女に手を出すなどなんて非道な輩だ…!」
プンスカしてるアヴドゥルを苦虫噛み潰したみたいな顔で承太郎が見ていた。
「…てめぇコーヒーを淹れるって言っていたよなぁ花京院。手が止まってるようだがなんでさっきから俺を見てる?何か言いたいことでもあるのかよ」
「いや、ないよ。それより今のうちにリカに色々口止めしといた方がいいんじゃないかい?承太郎…君このままじゃ消し炭にされてしまうんじゃ…」
「なんのことだかわからねーな」
それからジョセフに「お前なんか一回消し炭にされたらいいんじゃ」って言われて唖然としてから押し黙っていた。
ポルナレフは笑いながら痛い痛い言ってるし、何なんだろみんな。
そんな愉快な仲間たちを見てアヴドゥルは楽しそうに微笑んだ。いや、にやりとした(ような気がする)。
「そんな奴のためにお前がお嫁に行けるかどうかなんて心配する必要はないんだぞ、リカ。何なら私がお前の運命の相手を占ってやろう。久しぶりに会ったことだし、ちょうど時間もあることだしな…」
「えっ?ほんとに?やったー!」
何故か静まり返った部屋の中で私だけが喜んで手を叩いていた。だってアヴドゥルの占い当たるんだもん。無くしものとかすぐ見つかるし。
それに…気になるじゃん。運命の相手とかさ。やっぱり。
それに、あのダンのやつのせいで知らない男の人が前より怖くなったのは本当だった。アヴドゥルに占ってもらったらちょっとは自信を取り戻せそう。
ふんふん鼻歌交じりに待つ私の周りは妙な緊張感で包まれていた。
「出来たよ承太郎。コーヒー」
「……。」
「コー!ヒー!」
「ん?ああ」
承太郎は私に背中を向けてるからよくわかんないけど、なんでのりくんはそんなに心配そうな顔してるんだ。
頬杖ついて承太郎の帽子一体型後頭部を眺めている間に、アヴドゥルは手際良くタロットカードをテーブルにセットしていった。
「ふむふむ。出たぞ」
カードをめくるアヴドゥルはやっぱり楽しそう。久々に遊べて私も楽しい。早く結果が知りたくて身を乗り出した。
「お前の将来の恋人について予言しよう。まず彼は堀深く端正な顔立ちをしている」
「端正って何?ハンサムってこと?」
「そうだ。背は高く体は逞しい」
「いい感じだね」
「多くは語らぬが弱きを助ける正義の心と優しさを持っている」
「……。」
「あと意外と根に持つタイプだ」
「そうなの…喧嘩しないようにしなきゃね」
「そして最後に…こだわりがありそれが彼のトレードマークになっていると」
「ふぅん……」
聞いた感じだとほぼパーフェクトな彼氏ができそう!
私はアヴドゥルの予言を頭の中で思い出しながら、ずっと承太郎の後頭部を視界に収めていた。そうしたら、未来の恋人像に何故か承太郎が重なってしまった。だって、トレードマークって…意地でも帽子脱がないでしょ。この人も。
「……それって承太郎みたいな人ってこと?」
「ぶふっ」
「わーははははッ!!ついにやったぞ承太郎が!」
コーヒーを吹き出す承太郎をベッドの上から指差しながら、ポルナレフは爆笑していた。そろそろ傷口塞がったかな。
承太郎は忌々しげに帽子を被り直してこっちを睨んだ。
「てめぇアヴドゥル…人をこけにすんのも大概に」
「そうだったらいいな」
「え?」
「え?」
「え?」
テーブルを拭いてたのりくんと、ジョセフとアヴドゥルが一斉に私に注目した。
だって承太郎みたいな彼氏だったら最高でしょ。みんなに自慢できそ〜。それに優しいし頼り甲斐もあるもんね。
私は未来のことを想像しながらにやついてしまった。
「え〜楽しみ〜!何歳ぐらいで出会うかなー」
「……うそん」
「いるのに…ここにいるのに……!?」
ポルナレフとのりくんがポカン通り越してキョドってるけど気にしない。
「…なんかすまん。承太郎」
アヴドゥルもだった。なんで承太郎に謝るの?
「じゃがリカ!その条件だとわしの可能性もあるよなぁ?なぁ?」
「えーそう?…ジョセフみたいな?……だったとしても嬉しいかな!」
「ほれ見ろ!ざまぁ見さらせ承太郎ーッ。わしでもいいってよー!」
自分を指差してぐいぐい来るジョセフに笑いかけたらめっちゃ頭撫でてくれた。ここぞとばかりに承太郎に絡むジョセフが子供みたいで可愛い。
承太郎はしばらく苦々しげに私たちを見ていたけど、ふと椅子に座り直したら帽子を深く被って「やれやれだぜ」ってため息交じりにつぶやいた。
「勝手に出会ってろよ。そんな奴が本当に現れるんならな」
「…知らないの承太郎?アヴドゥルの占いは絶対当たるんだからね」
「占いなんざ信じねー」
「ケッ」って承太郎は明後日の方向を向いて口元を手で隠したまま黙り込んだ。
私はどうして承太郎がそんなに拗ねているのか分からなくて、ジョセフにされるがまま頭をこねくり回されるのだった。
(あとで承太郎が手ぐしで整えてくれた。)