Love the darkness -3-
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なんだか楽しい夢を見ていた。
珍しく夢だってはっきり自覚できた夢。
いつぶりだろう、明るくてハッピーな遊園地にいて、優雅に回るコーヒーカップの中で紅茶を飲んでいた。
「良い天気だなぁ〜。バイオレンスな旅の途中だなんて思えない…」
「こ、紅茶の味はどうだい?」
そばには5歳児ぐらいの大きさのピエロがいる。
体を黒いマントですっぽり覆っていた。
今飲んでるおいしい紅茶も彼が出してくれたのだ。
「すっごくおいしい!ありがとう」
「えへっ、えへへへへへ…君の願いならなんだって叶えてあげるよぉ」
もじもじしててにや〜っとしてるからちょっと引いたけど、夢だからそりゃなんでも叶うよねって納得した。
「なんでもかぁ…あ、それじゃあゴディバのアイス食べたい」
「アイス好きなんだぁ〜へへへへへ」
ボン、と煙と一緒に私の頭より大きいチョコアイスが飛び出てきて、私はめちゃくちゃ喜んだ。のりくんにも食べさせてあげたいなー。
「他には何かあるかい?君はいつまでだってここにいていいんだよ。僕がなんだって叶えてあげるよ」
「…なんでそんなに良くしてくれるの?」
「そりゃあ……君のことが、好きだから…可愛いし、優しいし……初恋ってやつさ」
「うふふっ、お姉さんは先におばちゃんになっちゃうよ?」
「いじわる言わないでよ〜」
いじけるそぶりのピエロくんは可愛かった。
話していてふと思いついたので、どうせ夢だし何となく話してみることにする。
「私、早く大きくなりたいな」
「大きく?成長するってこと?いいねそれ!」
何歳ぐらいに?って前のめりに聞いてくるピエロくん。どうやらできるみたい。
アイスを食べるのをやめて、テーブルに頬杖つきながら物思いにふけった。
「………17歳、とか」
そしたら承太郎とのりくんと同い年だ。
仲良し3人トリオで同じ高校に行ってたかもね。
現実じゃ絶対に叶わないもん。私はみんなと比べて……全然子供だから。
戦いでは守られるし、混ぜてもらえない話だってある。最近それが悔しくもあった。
「おやすいごようさ。ラリホー!」
「?!」
気楽なかけ声と共にみるみる体が膨らんできた。
「待って待って!苦しい…っ」
慌てて服のボタンを一つ開けて、破れなかったことにほっとした。
変化がおさまって両手を表裏にしてみたり、大きくなった胸やおしりを触って確認してから、ピエロくんの方を見た。
「………どう?」
「かっ、かっ、可愛い〜ん!それにスケベだ!!」
「鏡ちょうだい」
顔の前に出てきた浮いてる鏡で見てみたら、自分で言うのもなんだけど大人っぽくてイイ感じ。
これなら承太郎と並んでても違和感ないかな。
そんなことが頭に浮かんでなんだか照れた。
いや別に、承太郎と並んでなくていいんだけど…年代違うし。
でも、時々信じられないぐらいに深い瞳で見てくるから。承太郎だけが、他のみんなと何かが違うんだよ。ちょっと怖いぐらい。
この姿を見せたらあんまり見れないびっくり顔が見れるかな。
想像したら楽しくなった。
「夢の中だしいいよねー!ピエロくんも一緒にあそぼ」
立ち上がってくるりと回ってみる。何故服は大きくならずパツパツなのかは分からないけどまぁいいわ。どーせ私しかいないし。
ピエロくんは心ここにあらずといった感じでふへへへと笑っている。
「お姉さんはここで待ってて。ちょっと野暮用があるからさぁ〜。さっさと片付けてくるから、それからゆっくりデートしようよ」
「用?(夢の中で?)……う、うん。いいけど……戻ってきてね。1人じゃつまんないから」
戸惑いながら頷くと、ピエロくんはまた「ラリホ〜♪」とご機嫌で飛び上がり、そのままどこかに行ってしまった。
出鼻を挫かれた気分でコーヒーカップにもう一度座る。
「なんか変なピエロだな〜。てゆーかなんでピエロ?私あんまり好きじゃないんだけど……。私の夢なら猫とかが出てきたらいいのにぃー!…なんっか変なんだよね〜」
変……ちょっと考え込んだら寝る前ののりくんの様子を思い出した。頭良くていつも冷静で穏やかなのりくんがあんなになっちゃうのも変だよねー…。
考え出したら不安になってしまって、私はピエロくんを待つのをやめてその場を駆け出した。
「あっ!!」
しばらく走って辺りを見回ってみたら、案の定マントで体を覆ったピエロがいる(子供じゃない)!
しかも奴の近くでのりくん以外のみんなが変なことになっていた!
「ちょっとやめなさいよ!!いくら私の夢の中だからってひどい!ストレス溜まってるのかもしれないけど!」
「「「??!」」」
とりあえずダークネスでポルナレフの柱に絡まってしまった髪と承太郎の鎖をちぎってピエロからみんなを庇うように立ち塞がった。
「バッ、バカな!夢の中にスタンドは持ち込めないはず…!?」
「じゃあ夢じゃないじゃん!スタンド攻撃されてるじゃん!!」
騙されてたのに一気に腹が立ってきた。
「いや、夢なんだ!俺たちは今眠っていて夢を見ている状態…こいつは夢を操るスタンドなんだぁーーッ!!」
ポルナレフの解説を聞きながら私はまたダークネスを操って空中に展開させた。こいつ痛い目合わせてやる!
大量に汗をかいて慌ててるピエロを睨みあげる。
「何もしてないと思われがちな私ですけど!みんなが風邪ひかないように寝てるときの体温調節とか!寝てるときに襲われても大丈夫なようにガードしてたり!夜はダークネスで常にみんなを優しく包み込んであげてるんで!寝てるとか夢の中とか関係ないし!」
「それじゃぁやっぱり!お前はリカなんだなぁ?!」
やったー!って感じのポルナレフに続いてジョセフが「Oh, my god!」って驚いてた。
あ、やば……。
そーいえば大きくなってるんだった!
ぷかぷかダークネスを浮かべたままそろりと後ろを振り返ったら、ばちっと承太郎と目が合ってしまった。承太郎は離れてても分かるぐらいに目を大きくして驚いてた。
「………!」
マジ無言怖いんですけど!!
「隙ありぃ!」
「きゃあっ!?」
狼狽えてたらお腹にボヨンって雲が激突してきて後ろに吹っ飛ばされた。柔らかかったので問題ない。むしろ軌道上にいた承太郎が私を受け止めてごろごろと一緒に受け身を取ったってことの方が大問題だった。また上に乗っちゃってるんだけどいつもよりだいぶ顔の距離が近い…!それに出るとこ出てるから密着具合が!大人の体ってスケベだなぁ!!
「気ぃ抜くな。殺されるぞ」
「ご、ごめん…」
「お前本当にリカか?」
「そそそそーなの!ほらピエロくんがなんでも叶えてくれるっていうから私も17歳だったらみんなといても違和感ないよねーとか思ってなんとなく!別にいつも混ぜてもらえなくて寂しいとか思ってるわけじゃな」
慌てすぎて口から言い訳が溢れる私の頬が承太郎の大きな手で包まれた。反対の手はさりげなく私の腰を引き寄せている。
それからあの溺れそうになる深い瞳でこれでもかっていうぐらい私の両目を覗き込んでくる。
顔が固定されてて逃げられない中じわじわ距離がなくなってきて…。
(怖怖怖怖っっ!!?)
「こらぁぁあ!!!イチャイチャしてんじゃねーぞぉぉ!!」
ピエロが怒って大きな鎌を振り回してきた。
けど、それは私たちには届かない。
ハイエロファントがピエロの背後に回り込んでいて、奴の首をがしっと絞めていたからだった!これはもはや勝ち確。
奥のコーヒーカップに座ってるのりくんは品格があり余裕があり優雅だった。
「さぁ、お仕置きの時間だよベイビー」
「のりくんやっぱりめっちゃかっこいいな」
感激する私の後頭部を承太郎がぺし!とはたいた。
「ふぅぅ〜〜。なんかどっと疲れた……」
「無理もない。今までにいないタイプのスタンドだったから…」
「でも、のりくんの怪我が治って良かった」
「ふふ、ありがとう」
戦いが終わり、翌朝のりくんはすっきりご機嫌で、1番に起きてベビーフードをぐつぐつと煮ていた。
料理も出来るのかぁ〜。のりくん絶対良い旦那さんになるな。
「そうだリカ。僕の腕の傷のことは適当に知らないってごまかしてくれないか?みんなは夢のスタンドのことは忘れてしまうし、相手は赤ちゃんだ。わざわざ言うこともあるまい」
「え、うん。いいよ」
「それにあの子、リカには攻撃しなかったしね」
確かに。…なんか私のこと初恋だとかなんとか…。それに、やっぱり赤ちゃんだし、面倒見てるときめっちゃ可愛かったもんなぁ…。
「それはそれで反省はしてもらうけどね」
ふふふふふ、と意味深に笑い続けるのりくん。不気味だ。まぁあの赤ちゃんには苦労させられたから仕方ないね。
「私も手伝う」
2人で魔女のようにぐつぐつ鍋をかき混ぜていると、記憶喪失の残る3人がうなされながら起き始めた。何にも覚えてないのにすごく疲れてるのと嫌な気分になってるのがおもしろくて笑ってしまいそうになる。
「何か嫌な夢でも見たのかい?」
「いや…だが今朝はあまり寝た気がしねぇな…」
様子を見に行ったのりくんに答えながら承太郎が顔を上げて私を見た。私は巨大化ハプニングを誤魔化すために刺さる視線を無視して鍋をかき混ぜていた。
「……何か良いもんを見た気がするんだがな」
「ああ、それじゃあ良い夢だ」
「いや……?」
首を捻るばかりの承太郎にのりくんがめっちゃ笑ってた。
(だから怖いって……)
見ないでよ、そんなに。
珍しく夢だってはっきり自覚できた夢。
いつぶりだろう、明るくてハッピーな遊園地にいて、優雅に回るコーヒーカップの中で紅茶を飲んでいた。
「良い天気だなぁ〜。バイオレンスな旅の途中だなんて思えない…」
「こ、紅茶の味はどうだい?」
そばには5歳児ぐらいの大きさのピエロがいる。
体を黒いマントですっぽり覆っていた。
今飲んでるおいしい紅茶も彼が出してくれたのだ。
「すっごくおいしい!ありがとう」
「えへっ、えへへへへへ…君の願いならなんだって叶えてあげるよぉ」
もじもじしててにや〜っとしてるからちょっと引いたけど、夢だからそりゃなんでも叶うよねって納得した。
「なんでもかぁ…あ、それじゃあゴディバのアイス食べたい」
「アイス好きなんだぁ〜へへへへへ」
ボン、と煙と一緒に私の頭より大きいチョコアイスが飛び出てきて、私はめちゃくちゃ喜んだ。のりくんにも食べさせてあげたいなー。
「他には何かあるかい?君はいつまでだってここにいていいんだよ。僕がなんだって叶えてあげるよ」
「…なんでそんなに良くしてくれるの?」
「そりゃあ……君のことが、好きだから…可愛いし、優しいし……初恋ってやつさ」
「うふふっ、お姉さんは先におばちゃんになっちゃうよ?」
「いじわる言わないでよ〜」
いじけるそぶりのピエロくんは可愛かった。
話していてふと思いついたので、どうせ夢だし何となく話してみることにする。
「私、早く大きくなりたいな」
「大きく?成長するってこと?いいねそれ!」
何歳ぐらいに?って前のめりに聞いてくるピエロくん。どうやらできるみたい。
アイスを食べるのをやめて、テーブルに頬杖つきながら物思いにふけった。
「………17歳、とか」
そしたら承太郎とのりくんと同い年だ。
仲良し3人トリオで同じ高校に行ってたかもね。
現実じゃ絶対に叶わないもん。私はみんなと比べて……全然子供だから。
戦いでは守られるし、混ぜてもらえない話だってある。最近それが悔しくもあった。
「おやすいごようさ。ラリホー!」
「?!」
気楽なかけ声と共にみるみる体が膨らんできた。
「待って待って!苦しい…っ」
慌てて服のボタンを一つ開けて、破れなかったことにほっとした。
変化がおさまって両手を表裏にしてみたり、大きくなった胸やおしりを触って確認してから、ピエロくんの方を見た。
「………どう?」
「かっ、かっ、可愛い〜ん!それにスケベだ!!」
「鏡ちょうだい」
顔の前に出てきた浮いてる鏡で見てみたら、自分で言うのもなんだけど大人っぽくてイイ感じ。
これなら承太郎と並んでても違和感ないかな。
そんなことが頭に浮かんでなんだか照れた。
いや別に、承太郎と並んでなくていいんだけど…年代違うし。
でも、時々信じられないぐらいに深い瞳で見てくるから。承太郎だけが、他のみんなと何かが違うんだよ。ちょっと怖いぐらい。
この姿を見せたらあんまり見れないびっくり顔が見れるかな。
想像したら楽しくなった。
「夢の中だしいいよねー!ピエロくんも一緒にあそぼ」
立ち上がってくるりと回ってみる。何故服は大きくならずパツパツなのかは分からないけどまぁいいわ。どーせ私しかいないし。
ピエロくんは心ここにあらずといった感じでふへへへと笑っている。
「お姉さんはここで待ってて。ちょっと野暮用があるからさぁ〜。さっさと片付けてくるから、それからゆっくりデートしようよ」
「用?(夢の中で?)……う、うん。いいけど……戻ってきてね。1人じゃつまんないから」
戸惑いながら頷くと、ピエロくんはまた「ラリホ〜♪」とご機嫌で飛び上がり、そのままどこかに行ってしまった。
出鼻を挫かれた気分でコーヒーカップにもう一度座る。
「なんか変なピエロだな〜。てゆーかなんでピエロ?私あんまり好きじゃないんだけど……。私の夢なら猫とかが出てきたらいいのにぃー!…なんっか変なんだよね〜」
変……ちょっと考え込んだら寝る前ののりくんの様子を思い出した。頭良くていつも冷静で穏やかなのりくんがあんなになっちゃうのも変だよねー…。
考え出したら不安になってしまって、私はピエロくんを待つのをやめてその場を駆け出した。
「あっ!!」
しばらく走って辺りを見回ってみたら、案の定マントで体を覆ったピエロがいる(子供じゃない)!
しかも奴の近くでのりくん以外のみんなが変なことになっていた!
「ちょっとやめなさいよ!!いくら私の夢の中だからってひどい!ストレス溜まってるのかもしれないけど!」
「「「??!」」」
とりあえずダークネスでポルナレフの柱に絡まってしまった髪と承太郎の鎖をちぎってピエロからみんなを庇うように立ち塞がった。
「バッ、バカな!夢の中にスタンドは持ち込めないはず…!?」
「じゃあ夢じゃないじゃん!スタンド攻撃されてるじゃん!!」
騙されてたのに一気に腹が立ってきた。
「いや、夢なんだ!俺たちは今眠っていて夢を見ている状態…こいつは夢を操るスタンドなんだぁーーッ!!」
ポルナレフの解説を聞きながら私はまたダークネスを操って空中に展開させた。こいつ痛い目合わせてやる!
大量に汗をかいて慌ててるピエロを睨みあげる。
「何もしてないと思われがちな私ですけど!みんなが風邪ひかないように寝てるときの体温調節とか!寝てるときに襲われても大丈夫なようにガードしてたり!夜はダークネスで常にみんなを優しく包み込んであげてるんで!寝てるとか夢の中とか関係ないし!」
「それじゃぁやっぱり!お前はリカなんだなぁ?!」
やったー!って感じのポルナレフに続いてジョセフが「Oh, my god!」って驚いてた。
あ、やば……。
そーいえば大きくなってるんだった!
ぷかぷかダークネスを浮かべたままそろりと後ろを振り返ったら、ばちっと承太郎と目が合ってしまった。承太郎は離れてても分かるぐらいに目を大きくして驚いてた。
「………!」
マジ無言怖いんですけど!!
「隙ありぃ!」
「きゃあっ!?」
狼狽えてたらお腹にボヨンって雲が激突してきて後ろに吹っ飛ばされた。柔らかかったので問題ない。むしろ軌道上にいた承太郎が私を受け止めてごろごろと一緒に受け身を取ったってことの方が大問題だった。また上に乗っちゃってるんだけどいつもよりだいぶ顔の距離が近い…!それに出るとこ出てるから密着具合が!大人の体ってスケベだなぁ!!
「気ぃ抜くな。殺されるぞ」
「ご、ごめん…」
「お前本当にリカか?」
「そそそそーなの!ほらピエロくんがなんでも叶えてくれるっていうから私も17歳だったらみんなといても違和感ないよねーとか思ってなんとなく!別にいつも混ぜてもらえなくて寂しいとか思ってるわけじゃな」
慌てすぎて口から言い訳が溢れる私の頬が承太郎の大きな手で包まれた。反対の手はさりげなく私の腰を引き寄せている。
それからあの溺れそうになる深い瞳でこれでもかっていうぐらい私の両目を覗き込んでくる。
顔が固定されてて逃げられない中じわじわ距離がなくなってきて…。
(怖怖怖怖っっ!!?)
「こらぁぁあ!!!イチャイチャしてんじゃねーぞぉぉ!!」
ピエロが怒って大きな鎌を振り回してきた。
けど、それは私たちには届かない。
ハイエロファントがピエロの背後に回り込んでいて、奴の首をがしっと絞めていたからだった!これはもはや勝ち確。
奥のコーヒーカップに座ってるのりくんは品格があり余裕があり優雅だった。
「さぁ、お仕置きの時間だよベイビー」
「のりくんやっぱりめっちゃかっこいいな」
感激する私の後頭部を承太郎がぺし!とはたいた。
「ふぅぅ〜〜。なんかどっと疲れた……」
「無理もない。今までにいないタイプのスタンドだったから…」
「でも、のりくんの怪我が治って良かった」
「ふふ、ありがとう」
戦いが終わり、翌朝のりくんはすっきりご機嫌で、1番に起きてベビーフードをぐつぐつと煮ていた。
料理も出来るのかぁ〜。のりくん絶対良い旦那さんになるな。
「そうだリカ。僕の腕の傷のことは適当に知らないってごまかしてくれないか?みんなは夢のスタンドのことは忘れてしまうし、相手は赤ちゃんだ。わざわざ言うこともあるまい」
「え、うん。いいよ」
「それにあの子、リカには攻撃しなかったしね」
確かに。…なんか私のこと初恋だとかなんとか…。それに、やっぱり赤ちゃんだし、面倒見てるときめっちゃ可愛かったもんなぁ…。
「それはそれで反省はしてもらうけどね」
ふふふふふ、と意味深に笑い続けるのりくん。不気味だ。まぁあの赤ちゃんには苦労させられたから仕方ないね。
「私も手伝う」
2人で魔女のようにぐつぐつ鍋をかき混ぜていると、記憶喪失の残る3人がうなされながら起き始めた。何にも覚えてないのにすごく疲れてるのと嫌な気分になってるのがおもしろくて笑ってしまいそうになる。
「何か嫌な夢でも見たのかい?」
「いや…だが今朝はあまり寝た気がしねぇな…」
様子を見に行ったのりくんに答えながら承太郎が顔を上げて私を見た。私は巨大化ハプニングを誤魔化すために刺さる視線を無視して鍋をかき混ぜていた。
「……何か良いもんを見た気がするんだがな」
「ああ、それじゃあ良い夢だ」
「いや……?」
首を捻るばかりの承太郎にのりくんがめっちゃ笑ってた。
(だから怖いって……)
見ないでよ、そんなに。