Love the darkness -3-
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『おっとお嬢ちゃん!お前はここに残りな!じゃなけりゃ今すぐ右手を車に轢かせるぞぉ?』
ダンっていう卑怯なスタンド使いにそう言われて、身動きが取れなくなった。
だって、ジョセフの左手は義手なんだよ?
あいつが右手を砕いたら、奴のスタンドで繋がってるジョセフの右手まで……。
そんなの絶対に駄目。
「リカ!今からでもいい。影に入って逃げな。こいつは俺が相手をする」
「駄目……できない……だってエンヤ婆が、あんなにされたのに……!」
ジョセフが人質に取られてるんだよ。承太郎も分かってるのか悔しそうに歯軋りしていた。
「嬢ちゃんの方が賢そうじゃあないか。子供ってのは本能でわかるんだろうなぁ〜!本物の強者ってやつがよぉ〜〜!!」
ぐい、と顎を持たれて上を向かされる。じろじろ舐めるように見られて気持ち悪い。
「は、離して…」
避けたくて身を捩ったら急に頬を叩かれた。よろけた私を承太郎が支えてくれる。私の肩を掴む手は震えてて、ダンを睨みつける眼光には怒りが滲み出ていた。
「てめぇ……」
「ずいぶんな美人だが躾のなってねぇガキだなぁ。いい機会だからこの俺が色々と教えてやるよ」
にやにやしてる目の前の男に、とんでもなく嫌な予感がした。
そしてその予感は的中した。ママも良く言ってたもの。女の勘は当たるんだって。
ダンの奴はジョセフの体内にスタンドを取り付かせて優位に立ってるのを良いことに、ハイエロファントに頭を割られてスタープラチナにとんでもないラッシュを喰らわされるまで私と承太郎をたくさん虐めた。
「大丈夫?承太郎!」
吹っ飛んで壁に打ち付けられたダンの奴を少し目に焼き付けてから(ざまぁみろー!)、承太郎のところに駆け寄った。
ひらひらと承太郎が書き溜めていたツケの領収書が舞っている。
すぐに人が集まってくるだろうからもたもたしてられないし、早くジョセフの無事を確認したいけど…たくさん殴られていた承太郎はさすがに疲れたのか息を吐いてからその場に座り込んだ。
「ああ。なんともない」
「怪我見せて…」
「俺はなんともない。怪我なんか大した問題じゃねぇ」
早く止血しないと。承太郎の頭に手を伸ばしたら、腕を掴まれてダークネスを出すのを止められた。そのまま引っ張られて承太郎の上に倒れ込んでしまう。
太い両腕に強く包まれて、抵抗なんて出来なかった。
「……すまねぇ」
耳元で小さくそう言われて、ああやっぱり私って酷いことされたんだってどんどん自覚が湧いて涙が勝手に溢れてきた。
あいつの足の間に座らされたのも体を触られたのもあちこちキスされたのもほんとに気持ちが悪かった。止めに入った承太郎がまた殴られるからそれも怖くて。
口にもされる直前にハイエロファントが頭かち割ってくれてほんとに良かった。のりくんに早くお礼が言いたい。のりくん最高。
「…承太郎も、ありがとう…あいつをやっつけてくれて。ほんとすっきりした…ありがとう…!」
「…っ」
承太郎の前でベタベタされるのほんとに嫌だった。まだあいつの感覚が残ってるみたいで気持ち悪かったから、私も全力で承太郎にしがみついた。重なってると安心する。同じ男の人でも全然違うなぁ。
承太郎は顔の角度を変えて私のこめかみあたりに唇を押し付けてから、私の頭に手を添えて自分の肩口に乗せて落ち着いた。
「ああ。やっつけてやったぜ。安心しな…これからもああいうクソ野郎は俺が全員ぶちのめしてやるからよ」
「うん…」
承太郎はきっと本当にそうしてくれるだろう。
安心して目を閉じたら、涙はすぐにおさまった。承太郎の大きな手が私の頭を優しく撫で付けていた。
「あ、承太郎!リカ!無事でよか」
「のりくんのりくんありがとうのりくんほんとに最高のりくん大好き!!!」
「えぇ?……え、えぇ??」
「うわぁぁぁぁぁん!!!」
「なんっ、ええぇ??」
「愛しい〜〜〜!!」
「これは……承太郎、一体何が…」
「…。」
「顔こわっ!?」
人ってあんなに無になるんだ…ってのりくんはしばらく怯えてた。