第4章 死神の視線(前編)
セラ
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『…?パルテナ様?辺り一面に何やら赤い光の様なものが見えるのですが…』
「あの赤い光は?」
「もしかして…………死神達の目?!」
「こりゃあ大変だ!!」
『えっ?そうなの?』
…苦笑を浮かべていると、視線の何キロか先に何やら赤い光の様なものが無数に散らばっているのを発見する。一体あれは何なのか…正体を探ろうとパルテナ様に問い掛けてみた所、死神の目である事が判明する。彼女の返答に慌てる素振りを見せるピット君、だが私は冥府軍の幹部や配下を余り良く知らない為きょとんとした顔を見せる。死神も災厄の邪神パンドーラも…何処の誰なのか分かっていないに等しい。ピット君に死神に見られると何故大変なのか…説明を求める。
彼は私に説明してくれた、死神に見られるとどうなるのか…先程彼が言っていた言葉の意味を漸く理解した気がした。
「何とか避ける所は………あそこしかない!」
辺り一面に赤い光が見える、その赤い光の正体は死神達の目線だった。私達の姿が捉えられ侵入者と認識されたのか、前方から子死神と呼称される敵が私達に攻撃を仕掛けて来る。…確かに子死神を呼ばれるのは厄介だ、只でさえメデューサが放ったであろう敵が大勢いるのにこれ以上敵の軍勢が増えるのは私達が不利になるばかり。隣で冥府軍を順調に浄化している彼ならば絶対に言うだろう、かかって来いと。だが今から死神の本拠地に乗り込み死神を浄化しなければならない…出来るのなら余計な事に体力を磨り減らしたくはない。パルテナ様の指示は相変わらず的確だと感心するばかりだ、死神達の目線を避ける為ドクロの口の形を彷彿させる穴の中へ…入って行く。
「この谷間を突っ切れば死神砦に辿り着けます!しかし狭くて危険ですね、飛翔の奇跡も余り持ちません。」
「いや、これは燃えるシチュエーションですよ!この谷間を突っ切りましょう!!フルスピードで!!セラちゃん…行けるよね?」
『えぇ、大丈夫よ。』
「やっぱり男の子ですね…ピット。でも私もそのつもりでした。飛ばしますよ!!セラ!無理は…なさらないで下さいね!!」
『はいっ!!』
死神砦に通じる谷間を障害物を躱しながら飛行する。彼女の言う通り飛行する範囲が狭い、下手すればバランスを崩しダメージを受けてしまう可能性も大いに有り得る。慎重に行こうと経路に気を遣う、障害物を避けながら迫り来る敵を討つ。飛翔の奇跡が羽根に宿っていた時期は経路の操作は全てパルテナ様に任せていた。こういう時飛翔の奇跡が妙に恋しくなる…溜め息が自然に零れ出た。
「パルテナ様!聞きたい事があったんですが…」
「何でしょう?ピット」
「セラちゃん、今回飛翔の奇跡…付いてませんよね?」
『あっ!それ!私も思ってました!やっぱりピット君も気付いてた?』
「うん、何となくそうかな~って」
反撃する手は止めずに、ピット君は私の代わりに彼女に問い掛けてくれた。私は確かにピット君とは違い自由に飛べる。けれどツインベロス戦もガイナス戦も飛翔の奇跡を羽根に宿し、居城に乗り込んでいた。しかし今回は宿さずに私は通常通り飛翔している。彼が疑問に思うのも無理はない。私も…疑問に思っていた所だ、何時切り出そうか思案していたぐらいである。
「勿論、今回も飛翔の奇跡を宿そうと思いましたがセラはピットと違い自由に飛べますし、毎回毎回付けるのはどうなのかな~って思いまして…今度から状況に合わせて付ける様にしますね?因みに…前回のヒュードラー戦においては一応飛翔の奇跡は付けておりました。」
『…そうだったんですか。ヒュードラー倒すのに夢中で全然気が付きませんでした。』
「良い事ですよ?セラ。最近セラは本当に強くなってますね、この調子で今回も頑張って下さい!」
『はいっ!』
「……あれっもしかして僕、忘れられてる?」
パルテナ様から事の真相を聞き、納得した表情を浮かべる。隣で私達の会話を聞き流していたピット君が眉間に少し皺を寄せたのが分かったが…そこは敢えて触れない事にする。ピット君だけがパルテナ様を好きな訳じゃないんだから、私だってパルテナ様の事負けないくらい大好きなんだから!!という思いが大いに勝っていたのも理由の内に入っている。
…脳裏に自分の思考を巡らせていると、パルテナ様が突如叫んだ。
「あれは突風?!耐えて!!」
「うぐぅっ!!」
『キャアァ!!』
強い風に覆われ、バランスを崩しそうになるが慌てて体勢を整える。パルテナ様の瞬時の対応のお陰で強風に負けずに掻い潜れた。もしかしたら吹き飛ばされていたかもしれない。
「突風を受けるだけならラッキーです。毒や酸でも混ぜられたらどうしようもなかった事でしょう。」
『そうですね、今のは避けようがなかったし。』
「メデューサならやりかねないですね……!」
「あの赤い光は?」
「もしかして…………死神達の目?!」
「こりゃあ大変だ!!」
『えっ?そうなの?』
…苦笑を浮かべていると、視線の何キロか先に何やら赤い光の様なものが無数に散らばっているのを発見する。一体あれは何なのか…正体を探ろうとパルテナ様に問い掛けてみた所、死神の目である事が判明する。彼女の返答に慌てる素振りを見せるピット君、だが私は冥府軍の幹部や配下を余り良く知らない為きょとんとした顔を見せる。死神も災厄の邪神パンドーラも…何処の誰なのか分かっていないに等しい。ピット君に死神に見られると何故大変なのか…説明を求める。
彼は私に説明してくれた、死神に見られるとどうなるのか…先程彼が言っていた言葉の意味を漸く理解した気がした。
「何とか避ける所は………あそこしかない!」
辺り一面に赤い光が見える、その赤い光の正体は死神達の目線だった。私達の姿が捉えられ侵入者と認識されたのか、前方から子死神と呼称される敵が私達に攻撃を仕掛けて来る。…確かに子死神を呼ばれるのは厄介だ、只でさえメデューサが放ったであろう敵が大勢いるのにこれ以上敵の軍勢が増えるのは私達が不利になるばかり。隣で冥府軍を順調に浄化している彼ならば絶対に言うだろう、かかって来いと。だが今から死神の本拠地に乗り込み死神を浄化しなければならない…出来るのなら余計な事に体力を磨り減らしたくはない。パルテナ様の指示は相変わらず的確だと感心するばかりだ、死神達の目線を避ける為ドクロの口の形を彷彿させる穴の中へ…入って行く。
「この谷間を突っ切れば死神砦に辿り着けます!しかし狭くて危険ですね、飛翔の奇跡も余り持ちません。」
「いや、これは燃えるシチュエーションですよ!この谷間を突っ切りましょう!!フルスピードで!!セラちゃん…行けるよね?」
『えぇ、大丈夫よ。』
「やっぱり男の子ですね…ピット。でも私もそのつもりでした。飛ばしますよ!!セラ!無理は…なさらないで下さいね!!」
『はいっ!!』
死神砦に通じる谷間を障害物を躱しながら飛行する。彼女の言う通り飛行する範囲が狭い、下手すればバランスを崩しダメージを受けてしまう可能性も大いに有り得る。慎重に行こうと経路に気を遣う、障害物を避けながら迫り来る敵を討つ。飛翔の奇跡が羽根に宿っていた時期は経路の操作は全てパルテナ様に任せていた。こういう時飛翔の奇跡が妙に恋しくなる…溜め息が自然に零れ出た。
「パルテナ様!聞きたい事があったんですが…」
「何でしょう?ピット」
「セラちゃん、今回飛翔の奇跡…付いてませんよね?」
『あっ!それ!私も思ってました!やっぱりピット君も気付いてた?』
「うん、何となくそうかな~って」
反撃する手は止めずに、ピット君は私の代わりに彼女に問い掛けてくれた。私は確かにピット君とは違い自由に飛べる。けれどツインベロス戦もガイナス戦も飛翔の奇跡を羽根に宿し、居城に乗り込んでいた。しかし今回は宿さずに私は通常通り飛翔している。彼が疑問に思うのも無理はない。私も…疑問に思っていた所だ、何時切り出そうか思案していたぐらいである。
「勿論、今回も飛翔の奇跡を宿そうと思いましたがセラはピットと違い自由に飛べますし、毎回毎回付けるのはどうなのかな~って思いまして…今度から状況に合わせて付ける様にしますね?因みに…前回のヒュードラー戦においては一応飛翔の奇跡は付けておりました。」
『…そうだったんですか。ヒュードラー倒すのに夢中で全然気が付きませんでした。』
「良い事ですよ?セラ。最近セラは本当に強くなってますね、この調子で今回も頑張って下さい!」
『はいっ!』
「……あれっもしかして僕、忘れられてる?」
パルテナ様から事の真相を聞き、納得した表情を浮かべる。隣で私達の会話を聞き流していたピット君が眉間に少し皺を寄せたのが分かったが…そこは敢えて触れない事にする。ピット君だけがパルテナ様を好きな訳じゃないんだから、私だってパルテナ様の事負けないくらい大好きなんだから!!という思いが大いに勝っていたのも理由の内に入っている。
…脳裏に自分の思考を巡らせていると、パルテナ様が突如叫んだ。
「あれは突風?!耐えて!!」
「うぐぅっ!!」
『キャアァ!!』
強い風に覆われ、バランスを崩しそうになるが慌てて体勢を整える。パルテナ様の瞬時の対応のお陰で強風に負けずに掻い潜れた。もしかしたら吹き飛ばされていたかもしれない。
「突風を受けるだけならラッキーです。毒や酸でも混ぜられたらどうしようもなかった事でしょう。」
『そうですね、今のは避けようがなかったし。』
「メデューサならやりかねないですね……!」