第6章 黒いピット(後編)
セラ
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「いいよ。好きにすればいい。俺は誰かに仕えるなんてまっぴらだ。この翼で自由に生きる!」
「羨ましいけど、羨ましくないッ!!」
痛みに表情を歪めたブラピ君を私は見逃さなかった。それを言うのならピット君もダメージを受け、それを庇いながらブラピ君に向かっていっている。
「セラ」
『!パルテナ様!』
「大丈夫でしたか?何も変なことはされてませんか?」
『?……はい!大丈夫です!なんともありません!』
「……セラに何かあったらと不安で不安で仕方がありませんでした。間に合ってよかった……」
『パルテナ様……』
「ピットのサポート、引き続きお願いしますね!」
『はい!任せてください!あ…言い忘れたことが……。私もパルテナ様の慈愛を尊敬しています。貴女の任務を全うできることを誇りに思います。パルテナ様の力になりたいと思っているのはピット君だけじゃありません。私も同じです』
「セラ……」
ピット君同様、パルテナ様もまた私を心配してくれた。嬉しさ故に笑顔になる私。私達は本当に互いが互いを信頼し、支え合い、助け合っている。今までいろんな出来事を経て、培ってきた私達の絆は上辺だけじゃないってこと…今、この瞬間思い知っている。心の中が温かくなるのを感じながら、上空からピット君をサポートするため配置につく。ピット君とブラピ君は、自分が持ち合わせている力を全て尽力している。神器同士は未だに搗ち合い、激しい衝撃を生んでいる。思わずゴクリと唾を飲み、勝負の行く末を見守る私。
『ピット君、頑張って!』
「セラちゃん」
「……セラ……」
「今だ!」
いつの間にか、ピット君を声援していた。互角に渡り合っていたと思っていたが、ブラピ君に素早い動きで攻撃され回避に専念していたピット君。明らかにピット君が押されていた。我慢できずにお腹の底から声を張り上げていた私に対して嬉々とするピット君。反対に悲しそうな表情を纏うブラピ君。またしても隙ができる彼にピット君は、決してその瞬間を見逃さなかった。ブラピ君の攻撃の手が止まると、回避していた両足でダッシュを計り、勢いをつけてブラピ君の懐に渾身の打撃攻撃を加える。スローモーションのようにブラピ君が倒れる光景を目撃した。
「勝った!」
「まだ終わらんぞ!」
『ピット君!!』
地に倒れるブラピ君。だが、彼はすぐさま体勢を整える。跪き、辛そうな彼の表情。飛行して空中から勝負の行く末を見守っていた私は、ピット君が勝利したと分かった途端彼の傍へ静かに着地した。
「このぐらいで許してやるよ……!」
「待てッ!」
ピット君から受けたダメージが思ったよりも大きかったらしく、彼は捨て台詞を吐いてそのまま遥か上空へと飛び去ってしまった。ターゲットが飛び去ってしまっては今回の任務を続行するのは不可能。悔しそうに拳を握りしめるピット君とは裏腹に、ブラピ君が浄化されずに内心安堵する私。ピット君とパルテナ様には悪いが、これで良かったと思っている。そんな私達の複雑な思いが交差する中、パルテナ様の優しい声が耳に届いた。
「もう追いかけられませんね。ピット……セラ……。いろいろありがとう」
天から光が降り注いで、私達二人は静かに光の神殿に帰還した。今はまだ無理かもしれないけれど、いずれ彼と分かり会える日が来るといいな。彼と笑い会える日が来るといいな。そんな思いを抱きながら、私は次のお勤めのために夕食の準備を始めた。
(To be continued…)
皆様、お待たせいたしました!皆様が待ちに待ったブラックピット編!如何だったでしょうか?この章をプレイしている時に「あぁいう展開にしようかな」「こういう展開ならば納得できるのではないか」等など考えながらその威力を執筆力に活かした訳です。活かせているかどうかはまぁ別としても管理人自身も気に入った流れになってホッとしています。なんて言ったって原作通りですから内容に矛盾が生じてしまうと今後の流れに影響が出てしまうのですよ。なんとかなって良かったです。何しろ破壊衝動が暴走している彼に、ヒロインをどう絡ませるべきなのか頭を捻りました。ピット君自身、ヒロインに行為を寄せてはいるが、ブラピがその反対の感情をヒロインに抱いていたら面白いのかもしれないが夢小説なのでそれでは皆様に納得してもらえますまい。考えに考えた結果、ヒロインに抱くのは恋心からくる怒りの感情。普段ピット君はヒロインにあまり頼ってもらえない事実に不満を抱いていた。自分は頼ってほしいのに頼ってもらえない、挙げ句の果てにはヒロインが自分以外の存在と何処かへ行ってしまうのではないかと不安を抱いていたその象徴としてブラックピットがピット君の代わりに代弁しあんな行動に出てしまったという裏設定を設けてみました。ブラピがピット君のマイナスな心なのであれば、ヒロインに対して引け目を感じていた部分もあったかもしれない。なぁんて妄想が止まらずに。つらつらと長く語ってしまってごめんなさい。しかし、止まりませんでした。どうしてもこの話だけは思い入れが強くなる(笑)
ここまで読んで下さってありがとうございました!
by虹
「羨ましいけど、羨ましくないッ!!」
痛みに表情を歪めたブラピ君を私は見逃さなかった。それを言うのならピット君もダメージを受け、それを庇いながらブラピ君に向かっていっている。
「セラ」
『!パルテナ様!』
「大丈夫でしたか?何も変なことはされてませんか?」
『?……はい!大丈夫です!なんともありません!』
「……セラに何かあったらと不安で不安で仕方がありませんでした。間に合ってよかった……」
『パルテナ様……』
「ピットのサポート、引き続きお願いしますね!」
『はい!任せてください!あ…言い忘れたことが……。私もパルテナ様の慈愛を尊敬しています。貴女の任務を全うできることを誇りに思います。パルテナ様の力になりたいと思っているのはピット君だけじゃありません。私も同じです』
「セラ……」
ピット君同様、パルテナ様もまた私を心配してくれた。嬉しさ故に笑顔になる私。私達は本当に互いが互いを信頼し、支え合い、助け合っている。今までいろんな出来事を経て、培ってきた私達の絆は上辺だけじゃないってこと…今、この瞬間思い知っている。心の中が温かくなるのを感じながら、上空からピット君をサポートするため配置につく。ピット君とブラピ君は、自分が持ち合わせている力を全て尽力している。神器同士は未だに搗ち合い、激しい衝撃を生んでいる。思わずゴクリと唾を飲み、勝負の行く末を見守る私。
『ピット君、頑張って!』
「セラちゃん」
「……セラ……」
「今だ!」
いつの間にか、ピット君を声援していた。互角に渡り合っていたと思っていたが、ブラピ君に素早い動きで攻撃され回避に専念していたピット君。明らかにピット君が押されていた。我慢できずにお腹の底から声を張り上げていた私に対して嬉々とするピット君。反対に悲しそうな表情を纏うブラピ君。またしても隙ができる彼にピット君は、決してその瞬間を見逃さなかった。ブラピ君の攻撃の手が止まると、回避していた両足でダッシュを計り、勢いをつけてブラピ君の懐に渾身の打撃攻撃を加える。スローモーションのようにブラピ君が倒れる光景を目撃した。
「勝った!」
「まだ終わらんぞ!」
『ピット君!!』
地に倒れるブラピ君。だが、彼はすぐさま体勢を整える。跪き、辛そうな彼の表情。飛行して空中から勝負の行く末を見守っていた私は、ピット君が勝利したと分かった途端彼の傍へ静かに着地した。
「このぐらいで許してやるよ……!」
「待てッ!」
ピット君から受けたダメージが思ったよりも大きかったらしく、彼は捨て台詞を吐いてそのまま遥か上空へと飛び去ってしまった。ターゲットが飛び去ってしまっては今回の任務を続行するのは不可能。悔しそうに拳を握りしめるピット君とは裏腹に、ブラピ君が浄化されずに内心安堵する私。ピット君とパルテナ様には悪いが、これで良かったと思っている。そんな私達の複雑な思いが交差する中、パルテナ様の優しい声が耳に届いた。
「もう追いかけられませんね。ピット……セラ……。いろいろありがとう」
天から光が降り注いで、私達二人は静かに光の神殿に帰還した。今はまだ無理かもしれないけれど、いずれ彼と分かり会える日が来るといいな。彼と笑い会える日が来るといいな。そんな思いを抱きながら、私は次のお勤めのために夕食の準備を始めた。
(To be continued…)
皆様、お待たせいたしました!皆様が待ちに待ったブラックピット編!如何だったでしょうか?この章をプレイしている時に「あぁいう展開にしようかな」「こういう展開ならば納得できるのではないか」等など考えながらその威力を執筆力に活かした訳です。活かせているかどうかはまぁ別としても管理人自身も気に入った流れになってホッとしています。なんて言ったって原作通りですから内容に矛盾が生じてしまうと今後の流れに影響が出てしまうのですよ。なんとかなって良かったです。何しろ破壊衝動が暴走している彼に、ヒロインをどう絡ませるべきなのか頭を捻りました。ピット君自身、ヒロインに行為を寄せてはいるが、ブラピがその反対の感情をヒロインに抱いていたら面白いのかもしれないが夢小説なのでそれでは皆様に納得してもらえますまい。考えに考えた結果、ヒロインに抱くのは恋心からくる怒りの感情。普段ピット君はヒロインにあまり頼ってもらえない事実に不満を抱いていた。自分は頼ってほしいのに頼ってもらえない、挙げ句の果てにはヒロインが自分以外の存在と何処かへ行ってしまうのではないかと不安を抱いていたその象徴としてブラックピットがピット君の代わりに代弁しあんな行動に出てしまったという裏設定を設けてみました。ブラピがピット君のマイナスな心なのであれば、ヒロインに対して引け目を感じていた部分もあったかもしれない。なぁんて妄想が止まらずに。つらつらと長く語ってしまってごめんなさい。しかし、止まりませんでした。どうしてもこの話だけは思い入れが強くなる(笑)
ここまで読んで下さってありがとうございました!
by虹
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