第3章 ヒュードラーの首(後編)
セラ
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「もう一匹のヒュードラーは湖で胴体を再生中のようです。」
「まさか…また三ッ首龍になってしまうとか?」
『うっ…それはそれで嫌…』
「焦る必要はありません。確実に前に進みましょう。」
パルテナ様の言葉に私とピット君は力強く首を縦に頷き、神器を強く握りしめ向かって来る魔物達を浄化していく。以前パルテナ様が言った“冥府の魔物にとっては地下の方が居心地が良いのかも?”という言葉がふと…脳裏を過ぎった。
…
「冥府軍の待ち伏せです!」
急に魔物達に囲まれた。地下水路から階段を駆け昇り…入り組んだ道を行くと広間程の面積はないが、少々広い道に出た所パルテナ様の叫声が耳に届いた。背中合わせに魔物達を見つめる私とピット君…だが、全く持ってピンチだとは思わない…寧ろ一気に来てくれて有り難いぐらいだ。探す手間が省けた。
「ふっふっふ それは違いますよ、パルテナ様。僕等が攻め倒してやるんです!行くよ!セラちゃん!」
『うん!浄化されたい者は前に出なさい!!』
余裕とも取れる笑みを浮かべながら、四方に散る。魔物達の目を攪乱する作戦に出た、走行スピードを上昇させ、目にも止まらぬ速さで攻撃を加える。魔物達は私達のスピードに付いて行けず、反撃出来ぬままダメージを受けそのまま倒れていく。的確な判断を下せたと思う。倒れていく魔物を見つめていた視線を彼に向ければ…私の視線に気付いたのか、顔を赤く染めながら嬉しそうに笑ってくれた。
「いよいよヒュードラーの居場所が近い様です、準備は良いですか?」
『……行きましょ。』
胴体を再生中の最後の一匹ヒュードラーが居る湖…木々達が生い茂る中に悠々と泳いでいるヒュードラーの姿が目に映る。
「二番目の首を倒した様だな。」
「楽勝だね!」
「いよいよ本気を出す時が来た様だな…覚悟しろ!ピット!セラ!」
『望む所!!』
先手を打ったのはヒュードラーだった。
口内から吐き出した火炎弾が私達目掛けて向かって来る。素早い動きで見事に躱し、反撃するがぎりぎりの所で水に潜られてしまう。ヒュードラーにとって湖全体がテリトリーになっている、比較的こちらが不利な状態にある。
「水に潜ったか!!」
『(何とか…ヒュードラーを水の中から引っ張り出す方法はないかしら…?)…んっ?あれは…?』
攻撃を躱された挙げ句、水中からヒュードラーの鱗が発射される。飛んで来る鱗を打ち落としつつ、どうにかヒュードラーを水中から引っ張り出す方法はないか?と色々思考を巡らせる。水中に攻撃したとしても、全く意味を成さないだろう。今の状況を打破する最高の作戦はないだろうか…?
『(もしかして!!)』
「セラちゃん…?」
ピット君が怪訝そうな顔を浮かべ、私を見つめたのが分かったが構わず神器を水上で浮遊する虫に狙いを定め、打った。するとヒュードラーが水中から突如陸へと上がった。……そう。水上で浮遊していたのは爆裂虫、私が打ち落とした事で物凄い爆発が水中で起こり、ヒュードラーは驚愕したからか陸に飛び上がって来たのだ。もしかしてとは思ったが、自身の予想がここまで的中すると鼻高々になってしまう。何て言ったってヒュードラーの攻略が出来たのだから。
『ピット君!今よ!早くヒュードラーに攻撃を!』
「ボッコボコにしてやる!」
引きずり出したヒュードラーに攻撃をするピット君、だが直ぐにヒュードラーは巨体を水中に隠してしまう。水中から尾を出し、打撃を繰り返す。躱すのが精一杯だ。
「『躱しにくい!!』」
「ギリギリまで引き付けてから回避するしかないでしょうか。」
「あっ!また爆裂虫が!」
『打ち落とすわ!鱗弾には気をつけて!ピット君!』
見事な連携プレーと言っても過言ではないかもしれない。パルテナ様がアドバイスをし、私が向かって来る敵を除外する為射撃で打ち落とし、陸に上がるヒュードラーをピット君が打撃攻撃。互いを信頼していなければ成し得ない至難の業、25年間ずっと一緒にいた…色んな困難を乗り越えてきた、笑い合った、支え合った…その月日は決して嘘偽りのない宝物。何にも代えられない自分達だけのもの。戦闘中に何を考えているんだと言われても仕方ないが、何気ない事がどうしようもなく嬉しかった。
「セラちゃん!危ない!!」
『……えっ?……キャア!!』
「セラちゃん!」
「セラ!」
「まさか…また三ッ首龍になってしまうとか?」
『うっ…それはそれで嫌…』
「焦る必要はありません。確実に前に進みましょう。」
パルテナ様の言葉に私とピット君は力強く首を縦に頷き、神器を強く握りしめ向かって来る魔物達を浄化していく。以前パルテナ様が言った“冥府の魔物にとっては地下の方が居心地が良いのかも?”という言葉がふと…脳裏を過ぎった。
…
「冥府軍の待ち伏せです!」
急に魔物達に囲まれた。地下水路から階段を駆け昇り…入り組んだ道を行くと広間程の面積はないが、少々広い道に出た所パルテナ様の叫声が耳に届いた。背中合わせに魔物達を見つめる私とピット君…だが、全く持ってピンチだとは思わない…寧ろ一気に来てくれて有り難いぐらいだ。探す手間が省けた。
「ふっふっふ それは違いますよ、パルテナ様。僕等が攻め倒してやるんです!行くよ!セラちゃん!」
『うん!浄化されたい者は前に出なさい!!』
余裕とも取れる笑みを浮かべながら、四方に散る。魔物達の目を攪乱する作戦に出た、走行スピードを上昇させ、目にも止まらぬ速さで攻撃を加える。魔物達は私達のスピードに付いて行けず、反撃出来ぬままダメージを受けそのまま倒れていく。的確な判断を下せたと思う。倒れていく魔物を見つめていた視線を彼に向ければ…私の視線に気付いたのか、顔を赤く染めながら嬉しそうに笑ってくれた。
「いよいよヒュードラーの居場所が近い様です、準備は良いですか?」
『……行きましょ。』
胴体を再生中の最後の一匹ヒュードラーが居る湖…木々達が生い茂る中に悠々と泳いでいるヒュードラーの姿が目に映る。
「二番目の首を倒した様だな。」
「楽勝だね!」
「いよいよ本気を出す時が来た様だな…覚悟しろ!ピット!セラ!」
『望む所!!』
先手を打ったのはヒュードラーだった。
口内から吐き出した火炎弾が私達目掛けて向かって来る。素早い動きで見事に躱し、反撃するがぎりぎりの所で水に潜られてしまう。ヒュードラーにとって湖全体がテリトリーになっている、比較的こちらが不利な状態にある。
「水に潜ったか!!」
『(何とか…ヒュードラーを水の中から引っ張り出す方法はないかしら…?)…んっ?あれは…?』
攻撃を躱された挙げ句、水中からヒュードラーの鱗が発射される。飛んで来る鱗を打ち落としつつ、どうにかヒュードラーを水中から引っ張り出す方法はないか?と色々思考を巡らせる。水中に攻撃したとしても、全く意味を成さないだろう。今の状況を打破する最高の作戦はないだろうか…?
『(もしかして!!)』
「セラちゃん…?」
ピット君が怪訝そうな顔を浮かべ、私を見つめたのが分かったが構わず神器を水上で浮遊する虫に狙いを定め、打った。するとヒュードラーが水中から突如陸へと上がった。……そう。水上で浮遊していたのは爆裂虫、私が打ち落とした事で物凄い爆発が水中で起こり、ヒュードラーは驚愕したからか陸に飛び上がって来たのだ。もしかしてとは思ったが、自身の予想がここまで的中すると鼻高々になってしまう。何て言ったってヒュードラーの攻略が出来たのだから。
『ピット君!今よ!早くヒュードラーに攻撃を!』
「ボッコボコにしてやる!」
引きずり出したヒュードラーに攻撃をするピット君、だが直ぐにヒュードラーは巨体を水中に隠してしまう。水中から尾を出し、打撃を繰り返す。躱すのが精一杯だ。
「『躱しにくい!!』」
「ギリギリまで引き付けてから回避するしかないでしょうか。」
「あっ!また爆裂虫が!」
『打ち落とすわ!鱗弾には気をつけて!ピット君!』
見事な連携プレーと言っても過言ではないかもしれない。パルテナ様がアドバイスをし、私が向かって来る敵を除外する為射撃で打ち落とし、陸に上がるヒュードラーをピット君が打撃攻撃。互いを信頼していなければ成し得ない至難の業、25年間ずっと一緒にいた…色んな困難を乗り越えてきた、笑い合った、支え合った…その月日は決して嘘偽りのない宝物。何にも代えられない自分達だけのもの。戦闘中に何を考えているんだと言われても仕方ないが、何気ない事がどうしようもなく嬉しかった。
「セラちゃん!危ない!!」
『……えっ?……キャア!!』
「セラちゃん!」
「セラ!」