第3章 ヒュードラーの首(後編)
セラ
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『あっ!この鍵!広間のだったんだ!』
「拾っといて正解だったね。」
広間へと通じる道に魅惑のダンスを踊る冥府軍のガサックを真っ先に浄化し、広間へと進む。魅惑のダンスに対しては苦戦した。
ガサックが踊る度に、視線がガサックに向いてしまい目が離せなくなり…他の魔物達が向かってきても太刀打ち出来ず攻撃を躱すのが精一杯。隙を見てガサックを攻撃、浄化するのに成功したが出来ればもう…戦いたくはない。
「奇跡をお願いします!パルテナ様!!」
「では。」
鍵を開け、広間の出入口に佇み…彼女の奇跡を待つ。…………何やら…………桃色の光に包まれた気がするが……果して気の性か?
「…。何ですか、コレは。」
『…?何の奇跡を付けたんです?パルテナ様?』
「ぐわああ!!!」
「うわああああ!!」
『キャアアア!!』
“パルテナフェロモンの奇跡です。魔物が好む匂いをピットに付けました、効果覿面でしょう?”
…パルテナフェロモンの奇跡とは…
嫌な予感はしていたけれど、まさかここまで最悪な状況に陥るとは思いも寄らなかった。私とピット君は、今懸命に突進して来るヒュードラーを躱しながら攻撃を加えている。はっきり言って全然大丈夫じゃない。私と同様に攻撃を加え、躱すピット君がパルテナ様に“勘弁して下さいよ!”とか何とか言っているのが聞こえて来る…私も彼の意見に賛成だと主張しよう。
「やめて!とめて!やめて!とめて!」
『もうっ本っ当気持ち悪い!』
「どうやらやってきた首は一つだけ。一緒に二つ来たらどうしようかなとか思ってました。」
「そ、それなら最初から止めときましょうよ!やられちゃったらどうするんですかっ!!」
『そうですよ!今の状況、結構きつめですよ!!』
「セラちゃ~~ん!!」
『色んな意味でもね!!』
今更だが、私もパルテナフェロモンの奇跡が付いてしまったかもしれない。何故そう思ったのか…それは…ヒュードラーが先程から私にばかり突っ込んでくるのだ、嫌が応でもそう思ってしまうだろう。神器で応戦してもしぶとくこちらに突進して来る、呆れた表情を浮かべた。
「セラちゃん!」
『?!ピット君?!』
(もしかして……このまま攻撃を……?)
走行している私に…ピット君が名を呼んだ。私が走る前方に彼の姿が目に映る、神器を構え攻撃体勢に入っていた。伊達に私達はパルテナ軍親衛隊長・副隊長をやってきた訳じゃない。ずっと背中合わせに戦って来た…彼がしようとしている行動は何となく分かった。
一か八かの真剣勝負、下手すれば私に攻撃が当たるかもしれない…けれど何故か失敗しない自信があった。何より私はピット君を心の底から信頼している…彼なら必ず成功する…と信じていた。
『ピット君!!』
「今だ!!」
…………やはり作戦は成功した。彼が神器を構え、攻撃を仕掛けた。私は素早く攻撃を躱し距離を取る。急に止まらないヒュードラーはピット君の攻撃を真っ向から受け、そのまま倒れた。
「ふぅ…危なかったぁ…」
『はぁ…ありがとう…ピット君。』
「怪我はない?セラちゃん」
『うん、大丈夫…多分。』
「今度からこの手を使うのは止めときましょうか。」
「『当然ですよ!!』」
ヒュードラーの首を無事浄化出来て、ホッと胸を撫で下ろしたのも束の間…パルテナ様から涼しい顔(を浮かべているだろう)で“パルテナフェロモンの奇跡”を使用するのは止めておこうと提案される。当然の結果だ。何て言ったって私達は半分死にかけたのだ…私にとっては心身共に別の意味でダメージを受けた。気持ち悪い首に全速力で追い掛けられたら誰もがダメージを受けると思う。断言できる。
「…と言うか使う必要がないかもしれません。」
『使う必要がない…?』
「えっ?何ですか?」
「街の外の湖を目指しなさい、そこにもう一匹がいます。」
そんな事を思い、苦笑していると…彼女がもう一匹のヒュードラーを見つけたらしく、街の外の湖を目指せと言う。湖で一体何をしているのか…疑問が残るが、私達はパルテナ様の指示通りに…湖へと静かに歩き始める。
「ここは…井戸の中?」
「このまま先に進みましょう。気をつけて、毒を散蒔くシュルムがいます。遠くから撃つか、打撃で浄化しないと毒を受けますよ。」
『あの動く茸みたいな魔物ですよね?ビジュアルからして毒を持ってそう。』
数キロ歩いた先に、何処かに通じる穴を発見する。向かって来る魔物達を浄化しつつ穴の中に入っていく。…入ればそこは…地下水路と呼称される地に出た。人々が水を使い、生活をする…情景が映し出されそうだ。今は魔物達が占拠してしまっている為人々が生活するのは難しい状況ではあるが、魔物達を浄化し、最後の一匹ヒュードラーを討伐出来たら…また人々は平和に生活出来るだろうか…?私達は信じる事しか出来ない。
「拾っといて正解だったね。」
広間へと通じる道に魅惑のダンスを踊る冥府軍のガサックを真っ先に浄化し、広間へと進む。魅惑のダンスに対しては苦戦した。
ガサックが踊る度に、視線がガサックに向いてしまい目が離せなくなり…他の魔物達が向かってきても太刀打ち出来ず攻撃を躱すのが精一杯。隙を見てガサックを攻撃、浄化するのに成功したが出来ればもう…戦いたくはない。
「奇跡をお願いします!パルテナ様!!」
「では。」
鍵を開け、広間の出入口に佇み…彼女の奇跡を待つ。…………何やら…………桃色の光に包まれた気がするが……果して気の性か?
「…。何ですか、コレは。」
『…?何の奇跡を付けたんです?パルテナ様?』
「ぐわああ!!!」
「うわああああ!!」
『キャアアア!!』
“パルテナフェロモンの奇跡です。魔物が好む匂いをピットに付けました、効果覿面でしょう?”
…パルテナフェロモンの奇跡とは…
嫌な予感はしていたけれど、まさかここまで最悪な状況に陥るとは思いも寄らなかった。私とピット君は、今懸命に突進して来るヒュードラーを躱しながら攻撃を加えている。はっきり言って全然大丈夫じゃない。私と同様に攻撃を加え、躱すピット君がパルテナ様に“勘弁して下さいよ!”とか何とか言っているのが聞こえて来る…私も彼の意見に賛成だと主張しよう。
「やめて!とめて!やめて!とめて!」
『もうっ本っ当気持ち悪い!』
「どうやらやってきた首は一つだけ。一緒に二つ来たらどうしようかなとか思ってました。」
「そ、それなら最初から止めときましょうよ!やられちゃったらどうするんですかっ!!」
『そうですよ!今の状況、結構きつめですよ!!』
「セラちゃ~~ん!!」
『色んな意味でもね!!』
今更だが、私もパルテナフェロモンの奇跡が付いてしまったかもしれない。何故そう思ったのか…それは…ヒュードラーが先程から私にばかり突っ込んでくるのだ、嫌が応でもそう思ってしまうだろう。神器で応戦してもしぶとくこちらに突進して来る、呆れた表情を浮かべた。
「セラちゃん!」
『?!ピット君?!』
(もしかして……このまま攻撃を……?)
走行している私に…ピット君が名を呼んだ。私が走る前方に彼の姿が目に映る、神器を構え攻撃体勢に入っていた。伊達に私達はパルテナ軍親衛隊長・副隊長をやってきた訳じゃない。ずっと背中合わせに戦って来た…彼がしようとしている行動は何となく分かった。
一か八かの真剣勝負、下手すれば私に攻撃が当たるかもしれない…けれど何故か失敗しない自信があった。何より私はピット君を心の底から信頼している…彼なら必ず成功する…と信じていた。
『ピット君!!』
「今だ!!」
…………やはり作戦は成功した。彼が神器を構え、攻撃を仕掛けた。私は素早く攻撃を躱し距離を取る。急に止まらないヒュードラーはピット君の攻撃を真っ向から受け、そのまま倒れた。
「ふぅ…危なかったぁ…」
『はぁ…ありがとう…ピット君。』
「怪我はない?セラちゃん」
『うん、大丈夫…多分。』
「今度からこの手を使うのは止めときましょうか。」
「『当然ですよ!!』」
ヒュードラーの首を無事浄化出来て、ホッと胸を撫で下ろしたのも束の間…パルテナ様から涼しい顔(を浮かべているだろう)で“パルテナフェロモンの奇跡”を使用するのは止めておこうと提案される。当然の結果だ。何て言ったって私達は半分死にかけたのだ…私にとっては心身共に別の意味でダメージを受けた。気持ち悪い首に全速力で追い掛けられたら誰もがダメージを受けると思う。断言できる。
「…と言うか使う必要がないかもしれません。」
『使う必要がない…?』
「えっ?何ですか?」
「街の外の湖を目指しなさい、そこにもう一匹がいます。」
そんな事を思い、苦笑していると…彼女がもう一匹のヒュードラーを見つけたらしく、街の外の湖を目指せと言う。湖で一体何をしているのか…疑問が残るが、私達はパルテナ様の指示通りに…湖へと静かに歩き始める。
「ここは…井戸の中?」
「このまま先に進みましょう。気をつけて、毒を散蒔くシュルムがいます。遠くから撃つか、打撃で浄化しないと毒を受けますよ。」
『あの動く茸みたいな魔物ですよね?ビジュアルからして毒を持ってそう。』
数キロ歩いた先に、何処かに通じる穴を発見する。向かって来る魔物達を浄化しつつ穴の中に入っていく。…入ればそこは…地下水路と呼称される地に出た。人々が水を使い、生活をする…情景が映し出されそうだ。今は魔物達が占拠してしまっている為人々が生活するのは難しい状況ではあるが、魔物達を浄化し、最後の一匹ヒュードラーを討伐出来たら…また人々は平和に生活出来るだろうか…?私達は信じる事しか出来ない。