第3章 ヒュードラーの首(後編)
セラ
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パルテナ様が何故怒っていたのか分かった所で、私とピット君は彼女の指示通りおしゃべりナンパ首長龍が先程襲撃していた街に無事降り立った。
「『ズザーッとね!』」
滑り込みで街に降りると、ヒュードラーにやられたのか街の中に存在する建造物が破壊されているのを見受け、反射的に下唇を噛み締める。所々から煙が上がり、人々が大切に守っていた家、思い出すら灰と化していた。
悲惨な状況に立たせてしまった事実、そして人々を恐怖に晒してしまった事実に対し嘖んだのは罪悪感のみ。もう少し発見が早かったら人々を危険に晒したり人々の思い出や大切な街を失わせたりはきっと…しなかっただろう。歩行を進め、街の現状を目の当たりにしてそんな事を考えた。
「やっぱり見当たらない…。」
「警戒なさい。何処に潜んでいるか分からないですから。ヒュードラーに付いて来た冥府軍を浄化しながら首を探すのです。」
『行こう!ピット君!』
「うん!」
「この先広間があります。当然敵もいるでしょう、気をつけて。」
火の手が上がる街の中を行きながらピット君と共にパルテナ様の言う通りに、街に落下したヒュードラーの首を探す。入り組んだ道を少し行くと階段が見える…その階段を駆け昇る。家が立ち並ぶ中に見える人が集う場所…彼女が言っている広間とは此処を差しているのだろうか?
確かに進んでいた道は分岐などしておらず一本道だった。だとするのなら此処が広間と見て間違いないだろう。それを証拠に向かって来るのは冥府軍ポーラヘッド。初めて見る敵である、一定の場所から動かないのが救いだがビームを発射されるのが厄介。分析した所頭部が弱点だった。
『人の姿が全くない…危険を察知して逃げてくれたのかな?』
「そういえば…人の気配も感じない。」
「セラの言う通り、間一髪で避難した様です。」
『良かったぁ…それだけが気がかりでした。』
「お陰で思う存分、ヒュードラーを打ち負かす事が出来ます、ねぇ?ピット?」
「あ…あはは…」
ピット君の渇いた笑いが宙を舞った。人々が間一髪で避難したというパルテナ様の言葉を聞いてホッと胸を撫で下ろした際に聞こえたピット君とパルテナ様の会話、全く話が見えずキョトンとした顔を向けるしかない。
ピット君に問い掛けても“何でもないよ!”と妙に焦った態度。仮に問い質したとしてもきっと答えてくれないのは分かっている…だから敢えて深く追究はしなかった。
ヒュードラーが家や道を破壊した為に家宅の屋根を行く嵌めになる。ピット君に手を引かれ、屋根の上を駆け抜け、辿り着いた先は…分岐している道の真ん中だった。
真っ直ぐ行けば明らかに行き止まり、辺りをキョロキョロ見渡せば家が徒然と立ち並ぶ中に一本の道が存在しているのに気付く。どうやらその道が次へ進む場所へ繋がる様だ。
『あっ!ピット君!見て!何か光ってる!』
「…?…あっ!これは…!!」
『…鍵?』
家と家の間に続く一本道。その一本道に進もうと歩き出した所、何やら光輝いているものを発見する。何が光っていたのか…確かめに近付いてみるとキラキラと輝く鍵を発見する。一体何処の鍵なのだろうか…?
手に取り詳しく眺めてみる、形状からして家の鍵ではなさそうだ。
『誰か落としていっちゃったのかな?』
「一応、持っとくよ。」
結局何の鍵か分からず仕舞いでピット君が謎の鍵を持つ事になった。改めて…私達が見据える一本の道を歩き続ける。
「!下がって!!ピット!!セラ!!」
『?!』
「くそぅ…素早い!」
「相手がこんな不意打ちを繰り返していたら、とても勝てませんね。この先の広間に出なさい、そこで奇跡をつけてあげます。」
「ホ…ホントですか?!助かります!!」
『(何でだろ…物凄く不安…)』
歩行を進めていた所、パルテナ様が突然…私達に下がる様に言い放った。反応が一瞬鈍ってしまったが、何とか後退する…その刹那ヒュードラーが襲い掛かってきた。
せっかく姿を現したのにまた隠れてしまったのか…ヒュードラーが何処に居るのか分からなくなってしまう。悔しさ故に表情を歪めていると、パルテナ様が“この先にある広間に出なさい”と私達に言う。聞けばパルテナ様お得意の奇跡を付けてくれるとの事。
奇跡を付けてくれるのは確かに有り難い…彼女の奇跡には数多く助けられている。だが、広間に出ろと言った彼女の真意が分からない…広間に出ずともここでその奇跡を付けてくれれば良いのに、それをしようとしない。まさか…そういった場所でしか出来ないタイプのものなんだろうか…?隣でピット君は喜んでいたけれど、私は…嫌な予感しかしなかった。
「『ズザーッとね!』」
滑り込みで街に降りると、ヒュードラーにやられたのか街の中に存在する建造物が破壊されているのを見受け、反射的に下唇を噛み締める。所々から煙が上がり、人々が大切に守っていた家、思い出すら灰と化していた。
悲惨な状況に立たせてしまった事実、そして人々を恐怖に晒してしまった事実に対し嘖んだのは罪悪感のみ。もう少し発見が早かったら人々を危険に晒したり人々の思い出や大切な街を失わせたりはきっと…しなかっただろう。歩行を進め、街の現状を目の当たりにしてそんな事を考えた。
「やっぱり見当たらない…。」
「警戒なさい。何処に潜んでいるか分からないですから。ヒュードラーに付いて来た冥府軍を浄化しながら首を探すのです。」
『行こう!ピット君!』
「うん!」
「この先広間があります。当然敵もいるでしょう、気をつけて。」
火の手が上がる街の中を行きながらピット君と共にパルテナ様の言う通りに、街に落下したヒュードラーの首を探す。入り組んだ道を少し行くと階段が見える…その階段を駆け昇る。家が立ち並ぶ中に見える人が集う場所…彼女が言っている広間とは此処を差しているのだろうか?
確かに進んでいた道は分岐などしておらず一本道だった。だとするのなら此処が広間と見て間違いないだろう。それを証拠に向かって来るのは冥府軍ポーラヘッド。初めて見る敵である、一定の場所から動かないのが救いだがビームを発射されるのが厄介。分析した所頭部が弱点だった。
『人の姿が全くない…危険を察知して逃げてくれたのかな?』
「そういえば…人の気配も感じない。」
「セラの言う通り、間一髪で避難した様です。」
『良かったぁ…それだけが気がかりでした。』
「お陰で思う存分、ヒュードラーを打ち負かす事が出来ます、ねぇ?ピット?」
「あ…あはは…」
ピット君の渇いた笑いが宙を舞った。人々が間一髪で避難したというパルテナ様の言葉を聞いてホッと胸を撫で下ろした際に聞こえたピット君とパルテナ様の会話、全く話が見えずキョトンとした顔を向けるしかない。
ピット君に問い掛けても“何でもないよ!”と妙に焦った態度。仮に問い質したとしてもきっと答えてくれないのは分かっている…だから敢えて深く追究はしなかった。
ヒュードラーが家や道を破壊した為に家宅の屋根を行く嵌めになる。ピット君に手を引かれ、屋根の上を駆け抜け、辿り着いた先は…分岐している道の真ん中だった。
真っ直ぐ行けば明らかに行き止まり、辺りをキョロキョロ見渡せば家が徒然と立ち並ぶ中に一本の道が存在しているのに気付く。どうやらその道が次へ進む場所へ繋がる様だ。
『あっ!ピット君!見て!何か光ってる!』
「…?…あっ!これは…!!」
『…鍵?』
家と家の間に続く一本道。その一本道に進もうと歩き出した所、何やら光輝いているものを発見する。何が光っていたのか…確かめに近付いてみるとキラキラと輝く鍵を発見する。一体何処の鍵なのだろうか…?
手に取り詳しく眺めてみる、形状からして家の鍵ではなさそうだ。
『誰か落としていっちゃったのかな?』
「一応、持っとくよ。」
結局何の鍵か分からず仕舞いでピット君が謎の鍵を持つ事になった。改めて…私達が見据える一本の道を歩き続ける。
「!下がって!!ピット!!セラ!!」
『?!』
「くそぅ…素早い!」
「相手がこんな不意打ちを繰り返していたら、とても勝てませんね。この先の広間に出なさい、そこで奇跡をつけてあげます。」
「ホ…ホントですか?!助かります!!」
『(何でだろ…物凄く不安…)』
歩行を進めていた所、パルテナ様が突然…私達に下がる様に言い放った。反応が一瞬鈍ってしまったが、何とか後退する…その刹那ヒュードラーが襲い掛かってきた。
せっかく姿を現したのにまた隠れてしまったのか…ヒュードラーが何処に居るのか分からなくなってしまう。悔しさ故に表情を歪めていると、パルテナ様が“この先にある広間に出なさい”と私達に言う。聞けばパルテナ様お得意の奇跡を付けてくれるとの事。
奇跡を付けてくれるのは確かに有り難い…彼女の奇跡には数多く助けられている。だが、広間に出ろと言った彼女の真意が分からない…広間に出ずともここでその奇跡を付けてくれれば良いのに、それをしようとしない。まさか…そういった場所でしか出来ないタイプのものなんだろうか…?隣でピット君は喜んでいたけれど、私は…嫌な予感しかしなかった。
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