第6章 黒いピット(前編)
セラ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「貴様等、パンドーラを倒したそうだな」
「楽勝!楽勝!」
『と、当然よ!(本当は少しやばかったけれど)』
「そういえば、ブラックピットの飛翔の奇跡って…」
「あの羽根の邪気、パンドーラの残存魔力だろう」
「良く分かったな。伊達に冥府のボスじゃないぜ」
全部分かっている口振りが何かむかつく!むっとした顔をしながら、片っ端から向かって来る冥府軍を浄化する。私がむっとしているだなんて露知らず、メデューサ、ブラックピット君を交えた会話は進行して行く。
「パルテナ、お前の中途半端な奇跡と違って、半永久的に効くだろうぞ」
「まぁ、それは羨ましい事です」
「パ、パルテナ様は悪くないぞ!」
『そうよ!飛べないピット君が悪いの!』
「セラちゃん…酷い……」
『あ…つい…』
つい本音が言葉として思い切り出ていた。思わず照れ笑い。ピット君が私の隣で項垂れている姿が見える。だって、ブラックピット君がパンドーラから魔力を貰わなかったら、彼もまた飛べなかった訳だし!それは事実な訳だし!少し言い過ぎちゃった…かな?少し反省しながら岩山を越えて、向かって来る魔物の攻撃をするりと躱しつつ浄化する。
「効果が永遠と言う事はいずれ振り切られる、と言う事かも」
「飛翔の奇跡は5分しか持たないですもんね」
「燃費が悪くてごめんなさいね」
『燃費?』
「あっ申し訳ありません、パルテナ様。そんなつもりでは」
「エコを考えつつ、行きますよ」
『それは大事ですね!』
其処らに浮遊している魔物達を浄化し、ブラックピット君を再度追撃する為、彼の足取りを追う。岩と岩の間を潜り抜け、私とピット君はブラックピット君の姿を両眼に捉える。彼と私達の間に数キロメートル程間隔が空いている。その距離を埋めようと私達二人は、ブラックピット君に接近して行く。ピット君が射撃でブラックピット君に照準を合わせ、攻撃を加えていたが私は攻撃を加えようとはしなかった。
「ブラックピットが!」
「ザンザに…!」
『取り付いた…!』
「ほう…!なかなかやる」
覚悟を決めなくちゃ駄目みたい。なんて言っておきながら、未だその覚悟は私の心の中で揺らいでいる。たとえ、心や風貌が相違していてもピット君と瓜二つなのは変え難い事実。どうしても情が移ってしまう。私情を挟んではいけないと分かっていても、今回ばかりは気持ちの整理がうまくいかない。神器を強く握りしめていると、ピット君とパルテナ様が声を荒げた。視線の先は勿論彼。驚愕すべき光景、ブラックピット君が魔物ザンザに取り付いたのだ。取り付いたと思ったら、ザンザを使い、ビーム光線を私達目掛けて発射して来る。岩影に隠れ、攻撃を避けながら浄化するタイミングを見計らう。タイミングを見計らいながら、様子を窺っていると攻撃する手が止まった。“今だ!!”ザンザ目掛け射撃・近付いて打撃を繰り出す私とピット君。ザンザは立ち所に浄化され、ブラックピット君はザンザから離れ、岩山を抜けて行くのが見えた。
『あれは…』
「神殿の廃墟でしょうか?」
彼を追って、岩山を抜けると……前方に何かの建造物が姿を現した。神殿の廃墟だと…パルテナ様は言う。
「降りてみましょう」
きっと、ブラックピット君は此の場所に降り立っただろう。私達も、後に続く様に神殿の廃墟に降り立つ姿勢を取る。
「では、冥府軍も投入しておこう」
「余計な事を!!」
メデューサからいらないプレゼントを貰う事実に苦笑いを浮かべながら、私達はゆっくりと神殿の廃墟に降り立った。
(To be continued)
「楽勝!楽勝!」
『と、当然よ!(本当は少しやばかったけれど)』
「そういえば、ブラックピットの飛翔の奇跡って…」
「あの羽根の邪気、パンドーラの残存魔力だろう」
「良く分かったな。伊達に冥府のボスじゃないぜ」
全部分かっている口振りが何かむかつく!むっとした顔をしながら、片っ端から向かって来る冥府軍を浄化する。私がむっとしているだなんて露知らず、メデューサ、ブラックピット君を交えた会話は進行して行く。
「パルテナ、お前の中途半端な奇跡と違って、半永久的に効くだろうぞ」
「まぁ、それは羨ましい事です」
「パ、パルテナ様は悪くないぞ!」
『そうよ!飛べないピット君が悪いの!』
「セラちゃん…酷い……」
『あ…つい…』
つい本音が言葉として思い切り出ていた。思わず照れ笑い。ピット君が私の隣で項垂れている姿が見える。だって、ブラックピット君がパンドーラから魔力を貰わなかったら、彼もまた飛べなかった訳だし!それは事実な訳だし!少し言い過ぎちゃった…かな?少し反省しながら岩山を越えて、向かって来る魔物の攻撃をするりと躱しつつ浄化する。
「効果が永遠と言う事はいずれ振り切られる、と言う事かも」
「飛翔の奇跡は5分しか持たないですもんね」
「燃費が悪くてごめんなさいね」
『燃費?』
「あっ申し訳ありません、パルテナ様。そんなつもりでは」
「エコを考えつつ、行きますよ」
『それは大事ですね!』
其処らに浮遊している魔物達を浄化し、ブラックピット君を再度追撃する為、彼の足取りを追う。岩と岩の間を潜り抜け、私とピット君はブラックピット君の姿を両眼に捉える。彼と私達の間に数キロメートル程間隔が空いている。その距離を埋めようと私達二人は、ブラックピット君に接近して行く。ピット君が射撃でブラックピット君に照準を合わせ、攻撃を加えていたが私は攻撃を加えようとはしなかった。
「ブラックピットが!」
「ザンザに…!」
『取り付いた…!』
「ほう…!なかなかやる」
覚悟を決めなくちゃ駄目みたい。なんて言っておきながら、未だその覚悟は私の心の中で揺らいでいる。たとえ、心や風貌が相違していてもピット君と瓜二つなのは変え難い事実。どうしても情が移ってしまう。私情を挟んではいけないと分かっていても、今回ばかりは気持ちの整理がうまくいかない。神器を強く握りしめていると、ピット君とパルテナ様が声を荒げた。視線の先は勿論彼。驚愕すべき光景、ブラックピット君が魔物ザンザに取り付いたのだ。取り付いたと思ったら、ザンザを使い、ビーム光線を私達目掛けて発射して来る。岩影に隠れ、攻撃を避けながら浄化するタイミングを見計らう。タイミングを見計らいながら、様子を窺っていると攻撃する手が止まった。“今だ!!”ザンザ目掛け射撃・近付いて打撃を繰り出す私とピット君。ザンザは立ち所に浄化され、ブラックピット君はザンザから離れ、岩山を抜けて行くのが見えた。
『あれは…』
「神殿の廃墟でしょうか?」
彼を追って、岩山を抜けると……前方に何かの建造物が姿を現した。神殿の廃墟だと…パルテナ様は言う。
「降りてみましょう」
きっと、ブラックピット君は此の場所に降り立っただろう。私達も、後に続く様に神殿の廃墟に降り立つ姿勢を取る。
「では、冥府軍も投入しておこう」
「余計な事を!!」
メデューサからいらないプレゼントを貰う事実に苦笑いを浮かべながら、私達はゆっくりと神殿の廃墟に降り立った。
(To be continued)
3/3ページ