第3章 ヒュードラーの首(前編)
セラ
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「やりましたよ!パルテナ様!」
『ピット君!何っその我が物顔?!』
「いいえ、まだです!落ちた首を追いなさい!」
『お二方、華麗にスルーなさいますか。』
最終的にヒュードラーに止めを刺したのは言わずもがなこの私。なのにも関わらずいかにもピット君が自分を倒したと言わんばかりの表情でパルテナ様に報告するものだからついついツッコミを入れてしまった。(うぅ…キャラじゃないのに…)しかもあろう事かスルーまでされてしまう、妙に置いてけぼり感。
『良いもん!ピット君もパルテナ様も知らないもん!カレーに大量の香辛料入れちゃうもん!』
「じょ…冗談だよ!セラちゃん!」
「そうですよ!セラ!貴方をスルーする筈ないじゃないですか!…あらっ?エンジェランドを襲った冥府軍が撤退を始めています。」
『作戦成功ですね。』
私が拗ねるポーズを見せると、ピット君もパルテナ様も焦りながら弁解して来る。戦いの真っ最中なのに何やってんだと言われるかもしれないが、私にとっては大事な事。まぁ二人が本気でしている訳じゃないのは分かっているけれど少し大袈裟にしてみた。でもこれは愛情の裏返し、ピット君とパルテナ様が誰よりも大好きだから試す様な事をしちゃうんだ。
「しかし二つのヒュードラーの首は健在です。また悪い事に近くに人々の街がありますね。」
「えぇっ?!マジですか?!」
『人々の街が…。何とかしなくちゃ!!』
意地が悪い自分に内心苦笑を浮かべていると、パルテナ様から嬉しい知らせが入る。ヒュードラーが倒されたと勘違いしたのか否か…冥府軍が撤退を始めているらしい。
また25年前みたいに冥府軍の手によってエンジェランドが侵略されずに済んで良かった、はたまた安堵の溜め息。だが予断は許さない状況に変わりなかった…一難去ってまた一難なんて言葉が存在するが、確実に今当て嵌まるだろう。
エンジェランドの侵略を諦めてくれたらしいが、メデューサは人を忌み嫌っている…人々の街に手を出さない筈がない。復活し、私達の目の前に現れた時ですら人の街を襲うと言っていたぐらいだ。例え、メデューサが直接手を下さなくても直々の部下であるヒュードラーが人の街を襲わない確証など何処にもない。
「……と…えーっと……」
『!!ピット君!!あそこ!!街がヒュードラーに襲われてる!!』
「うわぁ!大変だ!!」
「首だけの癖に素早いですね、直ぐに追いかけましょう。」
ヒュードラーの姿をやっと捉える。街を襲わない確証なんて何処にもなかったけれど、こうも嫌な予感が的中してしまいのも考えものである。
ヒュードラーはやはり街を襲っていた…首のみで機敏に動ける訳がないと高を括っていたが、侮っていた様だ。これ以上奴らの好き勝手にさせてはいけない…私達はここで完全にヒュードラーを討伐する必要がある。
「あれ…?ヒュードラーの姿が見当たりませんね。」
『嘘っ?!さっきまで街を襲っている姿が見えてたのに!!』
「あんな巨体で何処に隠れたのかしら…?とにかく街に降りてみましょう。」
街上空まで降り立ち、街全体を見渡してみると…先程まで確かに街を襲っていたヒュードラーの首達の姿がないのに気付く。
…どうやら何処かに身を潜めたらしい…
“街に降りてみましょう”パルテナ様の言葉に首を縦に頷きながら滑空姿勢を取った。
『街に降りる前に一つ聞いても良いですか?』
「…何ですか?セラ?」
『さっきは何でヒュードラーに対して怒ってたんですか?』
「セラがヒュードラーにナンパされたからです。セラをナンパするなんて百億光年早いですよ?そして…セラとデートして良いのは私と…………ピットだけです。」
『…あっそうですか。』
「(パルテナ様の気持ち…分かる気がするなぁ…僕もセラちゃんがナンパされた時イラッと来ちゃったし。)」
……パルテナ様が怒ってた理由だけは、無事に解明されました。
(To be continued)
少しだけオリジナル要素を取り入れてみました。天使様は果して人々の恋を応援するのでしょうか…?何だかシスターの様な任務ですな。
『ピット君!何っその我が物顔?!』
「いいえ、まだです!落ちた首を追いなさい!」
『お二方、華麗にスルーなさいますか。』
最終的にヒュードラーに止めを刺したのは言わずもがなこの私。なのにも関わらずいかにもピット君が自分を倒したと言わんばかりの表情でパルテナ様に報告するものだからついついツッコミを入れてしまった。(うぅ…キャラじゃないのに…)しかもあろう事かスルーまでされてしまう、妙に置いてけぼり感。
『良いもん!ピット君もパルテナ様も知らないもん!カレーに大量の香辛料入れちゃうもん!』
「じょ…冗談だよ!セラちゃん!」
「そうですよ!セラ!貴方をスルーする筈ないじゃないですか!…あらっ?エンジェランドを襲った冥府軍が撤退を始めています。」
『作戦成功ですね。』
私が拗ねるポーズを見せると、ピット君もパルテナ様も焦りながら弁解して来る。戦いの真っ最中なのに何やってんだと言われるかもしれないが、私にとっては大事な事。まぁ二人が本気でしている訳じゃないのは分かっているけれど少し大袈裟にしてみた。でもこれは愛情の裏返し、ピット君とパルテナ様が誰よりも大好きだから試す様な事をしちゃうんだ。
「しかし二つのヒュードラーの首は健在です。また悪い事に近くに人々の街がありますね。」
「えぇっ?!マジですか?!」
『人々の街が…。何とかしなくちゃ!!』
意地が悪い自分に内心苦笑を浮かべていると、パルテナ様から嬉しい知らせが入る。ヒュードラーが倒されたと勘違いしたのか否か…冥府軍が撤退を始めているらしい。
また25年前みたいに冥府軍の手によってエンジェランドが侵略されずに済んで良かった、はたまた安堵の溜め息。だが予断は許さない状況に変わりなかった…一難去ってまた一難なんて言葉が存在するが、確実に今当て嵌まるだろう。
エンジェランドの侵略を諦めてくれたらしいが、メデューサは人を忌み嫌っている…人々の街に手を出さない筈がない。復活し、私達の目の前に現れた時ですら人の街を襲うと言っていたぐらいだ。例え、メデューサが直接手を下さなくても直々の部下であるヒュードラーが人の街を襲わない確証など何処にもない。
「……と…えーっと……」
『!!ピット君!!あそこ!!街がヒュードラーに襲われてる!!』
「うわぁ!大変だ!!」
「首だけの癖に素早いですね、直ぐに追いかけましょう。」
ヒュードラーの姿をやっと捉える。街を襲わない確証なんて何処にもなかったけれど、こうも嫌な予感が的中してしまいのも考えものである。
ヒュードラーはやはり街を襲っていた…首のみで機敏に動ける訳がないと高を括っていたが、侮っていた様だ。これ以上奴らの好き勝手にさせてはいけない…私達はここで完全にヒュードラーを討伐する必要がある。
「あれ…?ヒュードラーの姿が見当たりませんね。」
『嘘っ?!さっきまで街を襲っている姿が見えてたのに!!』
「あんな巨体で何処に隠れたのかしら…?とにかく街に降りてみましょう。」
街上空まで降り立ち、街全体を見渡してみると…先程まで確かに街を襲っていたヒュードラーの首達の姿がないのに気付く。
…どうやら何処かに身を潜めたらしい…
“街に降りてみましょう”パルテナ様の言葉に首を縦に頷きながら滑空姿勢を取った。
『街に降りる前に一つ聞いても良いですか?』
「…何ですか?セラ?」
『さっきは何でヒュードラーに対して怒ってたんですか?』
「セラがヒュードラーにナンパされたからです。セラをナンパするなんて百億光年早いですよ?そして…セラとデートして良いのは私と…………ピットだけです。」
『…あっそうですか。』
「(パルテナ様の気持ち…分かる気がするなぁ…僕もセラちゃんがナンパされた時イラッと来ちゃったし。)」
……パルテナ様が怒ってた理由だけは、無事に解明されました。
(To be continued)
少しだけオリジナル要素を取り入れてみました。天使様は果して人々の恋を応援するのでしょうか…?何だかシスターの様な任務ですな。
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