第3章 ヒュードラーの首(前編)
セラ
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「…ホントだ…。飛びたいと思えば誰でも飛べるんですね。」
「えぇ。飛べないのは貴方ぐらいでしょうね。」
「ガーン。パルテナ様、酷い…」
『パルテナ様、手厳しいですね…今日は。(あれっ?いつも?)』
「そんなつまらない事で傷心している場合じゃないですよ、ピット。リーダーを先に叩くのは良い案だからそれで行きましょう。」
“パルテナ様が言い始めたのに…”
とは言えず、ショックを受けるピット君の肩をポンポンと優しく叩き、慰めながら浮遊するヒュードラーへ飛行ルートを転換させる。
魔物達を引き連れ、エンジェランドに向かう首長龍まで近づいていくとヒュードラーと言う今回計画を実行しようと目論んでいる指揮官を見つめる。先程視線を向けた時は小さくてヒュードラーの姿を余り認識させる事が出来なかったが、改めて見てみると首が三つあるのに気付く。
「ピット!」
「よく来たな!」
「お前を喰ってやる日を楽しみにしていたァ!」
「うわっキモチわる」
『本当、何処かの神話に出て来る怪物みたい。』
…どうやら三つ首ではあるものの、それぞれ性格が相違しているみたいだ。私達が気持ち悪いと断言すると、それぞれ“怒らないから”だとか言っているのが聞こえてきた。気持ち悪い…のは本当の話だ。
「君、セラちゃん…だよね?」
『えっ?!え…えぇ。(うぅ…一番左端の奴に話し掛けられた…)』
「へぇ~良く見ると可愛いね?エンジェランドでデートでもしない?」
『(何ですってぇ?)絶対にお断りします!ってかその前に私が貴方達を浄化してやるんだから!!』
「へぇ…面白い。」
魔物とデートするなんて嫌!デートするのなら相手は優しくて素敵なイケメンじゃないと!それに!エンジェランドを侵攻する様な奴らに良い所なんてある訳がないんだから!
上記の思いが占領していた私は、神器を強く握りしめ目の前の首長龍に啖呵を切る、“絶対浄化してやる”と。余裕な態度を見せているヒュードラーに苛立ちが募り、勝手に戦闘開始してしまう。
『ピット君!早く加勢し…何やってんの?』
「助けて!セラちゃん!パルテナ様が…パルテナ様が…怒ってる!」
『えっ?何で?』
啖呵を切ったものの三対一は少しきつい。ピット君に加勢してもらおうと彼が居る方向を見遣ると…何やら必死に説得する姿が自身の目に映った。
ヒュードラーを倒そうと必死になっていた私はピット君とパルテナ様の会話を聞いておらず、パルテナ様が何故怒っているのか分からずに戸惑いを見せる。完全に…蚊帳の外だ。そうこうしている内に彼女は何か…凄そうな技を光の神殿からぶっ放すと言い切っている。
『あの…パルテナ様、何て名前でしたっけ?その技…』
「パルテナゴージャスダイナマイトキャノンです。チャージ完了次第ぶっ放しますよ。」
『…。いや、本当それだけは止めて下さい。ヒュードラーは私とピット君で何とかしますから!ねっ?!ピット君?!』
「う、うん!努力します!倒します!」
パルテナゴージャス(以下略)そんなもの神殿からぶっ放されでもしたら、ヒュードラーはともかく私達の身も危険に晒されてしまう。はっきり言って冗談じゃない。
パルテナ様が何故怒っているのか…全く持って分からないが、今確実に分かっているのはヒュードラーをさっさと浄化し私達とエンジェランドの安全を確保する事。龍なだけあって口内から炎を吐き出したり、火炎弾を吐き出し私達に攻撃を仕掛けて来る。(時には噛み付いたりとまぁ色々頑張って来るけど)攻撃を素早く躱し、ヒュードラーにダメージを与える。どんな事をしてもパルテナゴージャスなんたらを阻止しなければならない使命が私達に課せられている。
「よしっ!とどめだ!」
「ギャアアア!!他の首が!!やりやがったな!!倒す!!倒す!!ぜーったい倒す!!」
三つの首の内左端と中央の首を次々に落とし、残るは一番右端の少し攻撃的な性格の首のみとなった。首が一つだけになり、攻撃範囲が狭まったが最後に残った首はそれでも私達を倒そうと向かって来る。恐るべき生命力である。
『覚悟しなさい!このおしゃべりナンパ三つ首龍!!』
「ギャアアアアアア!!!!」
『あっ…倒しちゃった。』
二つ首が失くなったとしても健全に動いているのだ、まだまだ元気なのかと思いきや…タイミングを見計らい、攻撃を仕掛けた所、あっという間にヒュードラーの最後の首を倒すことが出来た。これでパルテナキャノンの巻き添えを喰らわなくて済む…この考えが脳裏に過ぎった瞬間、ホッと安堵の溜め息が自然と零れていた。
「えぇ。飛べないのは貴方ぐらいでしょうね。」
「ガーン。パルテナ様、酷い…」
『パルテナ様、手厳しいですね…今日は。(あれっ?いつも?)』
「そんなつまらない事で傷心している場合じゃないですよ、ピット。リーダーを先に叩くのは良い案だからそれで行きましょう。」
“パルテナ様が言い始めたのに…”
とは言えず、ショックを受けるピット君の肩をポンポンと優しく叩き、慰めながら浮遊するヒュードラーへ飛行ルートを転換させる。
魔物達を引き連れ、エンジェランドに向かう首長龍まで近づいていくとヒュードラーと言う今回計画を実行しようと目論んでいる指揮官を見つめる。先程視線を向けた時は小さくてヒュードラーの姿を余り認識させる事が出来なかったが、改めて見てみると首が三つあるのに気付く。
「ピット!」
「よく来たな!」
「お前を喰ってやる日を楽しみにしていたァ!」
「うわっキモチわる」
『本当、何処かの神話に出て来る怪物みたい。』
…どうやら三つ首ではあるものの、それぞれ性格が相違しているみたいだ。私達が気持ち悪いと断言すると、それぞれ“怒らないから”だとか言っているのが聞こえてきた。気持ち悪い…のは本当の話だ。
「君、セラちゃん…だよね?」
『えっ?!え…えぇ。(うぅ…一番左端の奴に話し掛けられた…)』
「へぇ~良く見ると可愛いね?エンジェランドでデートでもしない?」
『(何ですってぇ?)絶対にお断りします!ってかその前に私が貴方達を浄化してやるんだから!!』
「へぇ…面白い。」
魔物とデートするなんて嫌!デートするのなら相手は優しくて素敵なイケメンじゃないと!それに!エンジェランドを侵攻する様な奴らに良い所なんてある訳がないんだから!
上記の思いが占領していた私は、神器を強く握りしめ目の前の首長龍に啖呵を切る、“絶対浄化してやる”と。余裕な態度を見せているヒュードラーに苛立ちが募り、勝手に戦闘開始してしまう。
『ピット君!早く加勢し…何やってんの?』
「助けて!セラちゃん!パルテナ様が…パルテナ様が…怒ってる!」
『えっ?何で?』
啖呵を切ったものの三対一は少しきつい。ピット君に加勢してもらおうと彼が居る方向を見遣ると…何やら必死に説得する姿が自身の目に映った。
ヒュードラーを倒そうと必死になっていた私はピット君とパルテナ様の会話を聞いておらず、パルテナ様が何故怒っているのか分からずに戸惑いを見せる。完全に…蚊帳の外だ。そうこうしている内に彼女は何か…凄そうな技を光の神殿からぶっ放すと言い切っている。
『あの…パルテナ様、何て名前でしたっけ?その技…』
「パルテナゴージャスダイナマイトキャノンです。チャージ完了次第ぶっ放しますよ。」
『…。いや、本当それだけは止めて下さい。ヒュードラーは私とピット君で何とかしますから!ねっ?!ピット君?!』
「う、うん!努力します!倒します!」
パルテナゴージャス(以下略)そんなもの神殿からぶっ放されでもしたら、ヒュードラーはともかく私達の身も危険に晒されてしまう。はっきり言って冗談じゃない。
パルテナ様が何故怒っているのか…全く持って分からないが、今確実に分かっているのはヒュードラーをさっさと浄化し私達とエンジェランドの安全を確保する事。龍なだけあって口内から炎を吐き出したり、火炎弾を吐き出し私達に攻撃を仕掛けて来る。(時には噛み付いたりとまぁ色々頑張って来るけど)攻撃を素早く躱し、ヒュードラーにダメージを与える。どんな事をしてもパルテナゴージャスなんたらを阻止しなければならない使命が私達に課せられている。
「よしっ!とどめだ!」
「ギャアアア!!他の首が!!やりやがったな!!倒す!!倒す!!ぜーったい倒す!!」
三つの首の内左端と中央の首を次々に落とし、残るは一番右端の少し攻撃的な性格の首のみとなった。首が一つだけになり、攻撃範囲が狭まったが最後に残った首はそれでも私達を倒そうと向かって来る。恐るべき生命力である。
『覚悟しなさい!このおしゃべりナンパ三つ首龍!!』
「ギャアアアアアア!!!!」
『あっ…倒しちゃった。』
二つ首が失くなったとしても健全に動いているのだ、まだまだ元気なのかと思いきや…タイミングを見計らい、攻撃を仕掛けた所、あっという間にヒュードラーの最後の首を倒すことが出来た。これでパルテナキャノンの巻き添えを喰らわなくて済む…この考えが脳裏に過ぎった瞬間、ホッと安堵の溜め息が自然と零れていた。