第2章 魔王とマグナ(後編)
セラ
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「お前が魔王ガイナスか!!」
「パルテナの使い達だな。それと…マグナ。」
「待たせたな、今日は息の根止めてやるぜ。」
『えっ?知り合い?』
先程気まずい空気が流れていたなんて想像が出来ないぐらいに、真剣な表情を浮かべ私達は魔王ガイナスと対峙した。ガイナスを初めて見受ける私は威圧感に圧倒される。
甲冑に身を包み、魔力が全身から滲み出ているのが分かる。当たり前の事を言うが…魔王としての存在感は絶大だ。
マグナさんとガイナスが知り合いだった、その事実を知り驚愕する。目を丸くしたのは私とピット君。ガイナスに向かい直接攻撃を加えるマグナさん、私は勿論ピット君も攻撃を遠距離から仕掛ける。正直話がトントン拍子に進んでいる気がする。
「三人がかりとは…お前らしいな。」
「最近不景気でね。社員三名なら少ない方だろ?」
マグナさんがガイナスとぶつかり合う…遠方で二人が戦う姿を見、余りの白熱ぶりに我を忘れて魅入る。
動きに全く隙がないのだ。そのぐらいマグナさんはガイナスの力に付いて行っている。魔物と互角以上に戦う彼ならば納得出来るが。
「ちょっと調べてきました。マグナとガイナスは元々親友だった様です。」
「えっ?」
「同じチームメンバーで魔物の討伐をする傭兵部隊だったとか。」
パルテナ様の声に我に返り、慌ててガイナスの背後に回り射撃する。射撃攻撃をガイナスに向けながら、パルテナ様は私達に驚くべき事実を打ち明けた。(今日は何だか驚いてばかりだ)
「心の弱さにつけ込まれたガイナスが魔物に乗っ取られて魔王化した様です。」
「それにしては平然と戦ってますね。親友ならもっと…。」
『(もしかしてガイナスを倒そうとしていたのはその親友を救う為…?)』
やはり彼の目的は賞金ではないんじゃないか…?パルテナ様の話を聞いて益々そう思った、彼は只親友の為にガイナスを倒そうと必死で戦っているんじゃないか?魔王化してしまった親友を助ける為に。
その思考に行き着いた時には“マグナさんの親友を助けたい”この一心に駆られていた。悲しい事に彼は幼子を失っていた。あの広い背中には色んなものを背負っている…私達は想像するしか出来ないが、せめてせめて彼の思いを無事に遂げてあげたい。
勿論これはマグナさん本人から聞いた心中ではない…何故なら彼は飽くまで賞金目的と言い張ったからだ。
それを見越しても、最後までその話に乗っかるべきだと思う。共同戦線というものは一時的であっても相手を信用しなければできない業でしょう?
…
ガイナスは余裕なる態度を見せていたが、戦い始めた頃に比べ少しずつではあるが、疲労が蓄積しているのか…動きが鈍くなっている様に見えた。
「…女神パルテナの使い…セラ、メデューサ様から話は聞いている。お前を冥界に送り込む様に…とな。」
『!!?(避けられない…!!)』
蓄積しているのが窺えたが、ガイナスが突然攻撃の矛先を変え、私に向かってきた。突然で私の反応は大きく鈍る。
もの凄いスピードで攻撃してくるガイナスを避けるのでさえ困難で、咄嗟に目を瞑る。
…だが…
『…?…ピット君?!』
「…ぐ…ぅ……!」
想像した痛みは全く来なかった。不審に思い、恐る恐る目を開けると…そこにはピット君が狙杖ハードナックルで迎え撃っているのが見えた。私を必死に守ろうとする姿勢…心の中がきゅうと締め付けられる。
「セラには指一本触れさせません!下がりなさい!ピット!流星の奇跡!!」
「ぐわああああああっ!!!!!」
『…パ…パルテナ様…』
「おいおい、こんな展開ってアリかよ?」
「パルテナ様…さすがです。」
パルテナ様の奇跡のお陰で私達は無事にガイナスを浄化するのに成功する。ガイナスは浄化され、禍禍しい魔力が消え力を失ったガイナスは静かに倒れ込んだ。
「本当…待たせちまったな。」
『…マグナさん…』
「パルテナ様…」
「気にする事はありません。これによって多くの人達が助かりました。それに…まだ微かに息はあるみたいですよ?」
「『本当ですか?!』」
「回収します。」
心の底から思った、“よかった”って。
ガイナスは倒され、人々は助かり、マグナさんも親友さんも救われた。これ以上安心出来るものなどない。
「パルテナの使い達だな。それと…マグナ。」
「待たせたな、今日は息の根止めてやるぜ。」
『えっ?知り合い?』
先程気まずい空気が流れていたなんて想像が出来ないぐらいに、真剣な表情を浮かべ私達は魔王ガイナスと対峙した。ガイナスを初めて見受ける私は威圧感に圧倒される。
甲冑に身を包み、魔力が全身から滲み出ているのが分かる。当たり前の事を言うが…魔王としての存在感は絶大だ。
マグナさんとガイナスが知り合いだった、その事実を知り驚愕する。目を丸くしたのは私とピット君。ガイナスに向かい直接攻撃を加えるマグナさん、私は勿論ピット君も攻撃を遠距離から仕掛ける。正直話がトントン拍子に進んでいる気がする。
「三人がかりとは…お前らしいな。」
「最近不景気でね。社員三名なら少ない方だろ?」
マグナさんがガイナスとぶつかり合う…遠方で二人が戦う姿を見、余りの白熱ぶりに我を忘れて魅入る。
動きに全く隙がないのだ。そのぐらいマグナさんはガイナスの力に付いて行っている。魔物と互角以上に戦う彼ならば納得出来るが。
「ちょっと調べてきました。マグナとガイナスは元々親友だった様です。」
「えっ?」
「同じチームメンバーで魔物の討伐をする傭兵部隊だったとか。」
パルテナ様の声に我に返り、慌ててガイナスの背後に回り射撃する。射撃攻撃をガイナスに向けながら、パルテナ様は私達に驚くべき事実を打ち明けた。(今日は何だか驚いてばかりだ)
「心の弱さにつけ込まれたガイナスが魔物に乗っ取られて魔王化した様です。」
「それにしては平然と戦ってますね。親友ならもっと…。」
『(もしかしてガイナスを倒そうとしていたのはその親友を救う為…?)』
やはり彼の目的は賞金ではないんじゃないか…?パルテナ様の話を聞いて益々そう思った、彼は只親友の為にガイナスを倒そうと必死で戦っているんじゃないか?魔王化してしまった親友を助ける為に。
その思考に行き着いた時には“マグナさんの親友を助けたい”この一心に駆られていた。悲しい事に彼は幼子を失っていた。あの広い背中には色んなものを背負っている…私達は想像するしか出来ないが、せめてせめて彼の思いを無事に遂げてあげたい。
勿論これはマグナさん本人から聞いた心中ではない…何故なら彼は飽くまで賞金目的と言い張ったからだ。
それを見越しても、最後までその話に乗っかるべきだと思う。共同戦線というものは一時的であっても相手を信用しなければできない業でしょう?
…
ガイナスは余裕なる態度を見せていたが、戦い始めた頃に比べ少しずつではあるが、疲労が蓄積しているのか…動きが鈍くなっている様に見えた。
「…女神パルテナの使い…セラ、メデューサ様から話は聞いている。お前を冥界に送り込む様に…とな。」
『!!?(避けられない…!!)』
蓄積しているのが窺えたが、ガイナスが突然攻撃の矛先を変え、私に向かってきた。突然で私の反応は大きく鈍る。
もの凄いスピードで攻撃してくるガイナスを避けるのでさえ困難で、咄嗟に目を瞑る。
…だが…
『…?…ピット君?!』
「…ぐ…ぅ……!」
想像した痛みは全く来なかった。不審に思い、恐る恐る目を開けると…そこにはピット君が狙杖ハードナックルで迎え撃っているのが見えた。私を必死に守ろうとする姿勢…心の中がきゅうと締め付けられる。
「セラには指一本触れさせません!下がりなさい!ピット!流星の奇跡!!」
「ぐわああああああっ!!!!!」
『…パ…パルテナ様…』
「おいおい、こんな展開ってアリかよ?」
「パルテナ様…さすがです。」
パルテナ様の奇跡のお陰で私達は無事にガイナスを浄化するのに成功する。ガイナスは浄化され、禍禍しい魔力が消え力を失ったガイナスは静かに倒れ込んだ。
「本当…待たせちまったな。」
『…マグナさん…』
「パルテナ様…」
「気にする事はありません。これによって多くの人達が助かりました。それに…まだ微かに息はあるみたいですよ?」
「『本当ですか?!』」
「回収します。」
心の底から思った、“よかった”って。
ガイナスは倒され、人々は助かり、マグナさんも親友さんも救われた。これ以上安心出来るものなどない。