第2章 魔王とマグナ(後編)
セラ
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賞金目当てだろうと何だろうと魔王討伐する目的は同じ。私達は、突如出逢ったこの男と行動を共にする事にした。
パルテナ様は罠ではないと言っているし、魔王がどれだけ強大なのか想像するしかないが、もしかしたらキツい戦いになるかもしれない。(城を構え、冥府の軍勢を投入するぐらいだから相当の実力者だろう)
先が読めないこの戦い…でも一つだけ確かに分かっている事がある…“絶対に負けられない、人々の為に。”
「俺はマグナ、よろしくな。どうせ無駄だろうが背中から撃って来るなよ!」
「『保障はしませんが、努力します。』」
男の名はマグナ。下手すれば私達よりも強いのではないかと思ってしまう程実力を持っている。
ここの階に留まり戦っている…少なくともあの岩山を越え、軍勢で戦っている冥府軍を打ち負かした事実に繋がる。賞金狙いとは言え、強さやタフさは本物だ。
「ここから先は基本、お前等に付いて行く事にするぜ。背中は任せとけ。」
共同戦線を一時的に組んだ私とピット君。“背中は任せとけ”彼の言葉に頷き、素直に背中を委ねた。(本当はピット君の背中を陣取るのは私の役目だけど)今居るのは、何処かの部屋に繋がるエレベーター前。
エレベーターに乗ろうと歩行を進めていた私達、だが、エレベーターに乗る直前何かのスイッチに触れクエスチョンマークを飛ばしたの束の間、そのスイッチはどうやら冥府の魔物を呼び寄せるトラップだったらしく、私達はたちまち魔物達に囲まれる。
スムーズに魔王ガイナスの元へ行かせてくれない辺り、やはり冥府軍だなと苦笑を浮かべる。かなりの戦力となるマグナさんと共同戦線を組んだ私達は、結構なスピードで次々と魔物を浄化して行く。
背後を取られてもマグナさんがサポートしてくれるから先程までと比較して戦闘が楽になっている気がする。
「しかしパルテナ様、マグナは恐ろしく強いですね。」
「人間の中では最強クラスでしょうね。」
『単なる賞金稼ぎの様ですが…』
「品行方正な勇者ではないけれど、その方が安心できます。」
「『そうなんですか?』」
「人間は欲望で動いてますから。釣られる餌が分かりやすい方がいざという時に問題にならないものです。」
間近でマグナさんの戦いぶりを見て、感心の念を抱いたのは言わずもがな私達。こんなにも強いのにも関わらず、人々の為や街や村の為ではなく賞金目的なのが残念でならないが、パルテナ様は人々の為にと魔王ガイナスを倒す勇者よりも賞金目的で魔王を倒す賞金稼ぎの方が安心出来ると言う。
勇者が魔王を倒して、魔王が幽閉していたお姫様を救い出し二人は永遠に…なんて話は良くあるが、現実はどうもうまくいかないらしい。(少々複雑な心境ではある。)
「何だ?神さんとお話し中か。ならこう伝えてくれ、このくそったれな世界をありがとうってな!」
「前言撤回。この人何か考えてますね、」
『「…?」』
私とピット君は互いにクエスチョンマークを頭上に散りばめた。と言うのもマグナさんの言葉にパルテナ様が疑心の言葉を言われたからだ。何故その様な事を言われたのか…私達は分からずにキョトンとするのみだった。
…
いよいよガイナスの間が近付いているのが分かる。頂上へと続く一本の道、エレベーターに乗り辿り着いた先は今いる場所だった、何度も何度もトラップに惑わされてきたが、この部屋にトラップは仕掛けられていないと見た。
『あの、マグナさん…一つ聞きたい事があるんですが…』
「…何だ?」
『貴方が魔王ガイナスを倒そうとする理由は…本当に賞金の為ですか?』
「!何故そう思う…?」
『何となくですけど…私達みたく誰かを救おうとしているんじゃないですか?』
ずっと心に留めていた微かな疑問。突然だし、突拍子もない事ではあるが戦っていて思ったのだ。“本当に賞金目的なのか?”と。確証もない、本人が否定すればそれ迄だ。
「俺は奴に懸けられた賞金の額を見てここまで来た。他に何の理由もねぇな。」
『そうですか。』
しれっとしながら私の質問に答えてくれたマグナさん。やはり私の思い過ごしだったのか…何も言えず押し黙る私。
私やマグナさんを交互に見遣り、何も口出しせず次第に下を俯かせたのは言わずもがなピット君で。今から人々を苦しめている悪の元凶魔王ガイナスがいると思われる間へと進むのに、気まずい空気が流れる。
気まずい空気を醸し出した張本人なのにも関わらずこの空気感に耐えられないのは矛盾してるだろうか…?
「…得物の調子はチェックしとけよ。」
私やピット君の少し先を歩いていたマグナさんが一言、私達に振り返らず投げ掛けたのが聞こえた。
パルテナ様は罠ではないと言っているし、魔王がどれだけ強大なのか想像するしかないが、もしかしたらキツい戦いになるかもしれない。(城を構え、冥府の軍勢を投入するぐらいだから相当の実力者だろう)
先が読めないこの戦い…でも一つだけ確かに分かっている事がある…“絶対に負けられない、人々の為に。”
「俺はマグナ、よろしくな。どうせ無駄だろうが背中から撃って来るなよ!」
「『保障はしませんが、努力します。』」
男の名はマグナ。下手すれば私達よりも強いのではないかと思ってしまう程実力を持っている。
ここの階に留まり戦っている…少なくともあの岩山を越え、軍勢で戦っている冥府軍を打ち負かした事実に繋がる。賞金狙いとは言え、強さやタフさは本物だ。
「ここから先は基本、お前等に付いて行く事にするぜ。背中は任せとけ。」
共同戦線を一時的に組んだ私とピット君。“背中は任せとけ”彼の言葉に頷き、素直に背中を委ねた。(本当はピット君の背中を陣取るのは私の役目だけど)今居るのは、何処かの部屋に繋がるエレベーター前。
エレベーターに乗ろうと歩行を進めていた私達、だが、エレベーターに乗る直前何かのスイッチに触れクエスチョンマークを飛ばしたの束の間、そのスイッチはどうやら冥府の魔物を呼び寄せるトラップだったらしく、私達はたちまち魔物達に囲まれる。
スムーズに魔王ガイナスの元へ行かせてくれない辺り、やはり冥府軍だなと苦笑を浮かべる。かなりの戦力となるマグナさんと共同戦線を組んだ私達は、結構なスピードで次々と魔物を浄化して行く。
背後を取られてもマグナさんがサポートしてくれるから先程までと比較して戦闘が楽になっている気がする。
「しかしパルテナ様、マグナは恐ろしく強いですね。」
「人間の中では最強クラスでしょうね。」
『単なる賞金稼ぎの様ですが…』
「品行方正な勇者ではないけれど、その方が安心できます。」
「『そうなんですか?』」
「人間は欲望で動いてますから。釣られる餌が分かりやすい方がいざという時に問題にならないものです。」
間近でマグナさんの戦いぶりを見て、感心の念を抱いたのは言わずもがな私達。こんなにも強いのにも関わらず、人々の為や街や村の為ではなく賞金目的なのが残念でならないが、パルテナ様は人々の為にと魔王ガイナスを倒す勇者よりも賞金目的で魔王を倒す賞金稼ぎの方が安心出来ると言う。
勇者が魔王を倒して、魔王が幽閉していたお姫様を救い出し二人は永遠に…なんて話は良くあるが、現実はどうもうまくいかないらしい。(少々複雑な心境ではある。)
「何だ?神さんとお話し中か。ならこう伝えてくれ、このくそったれな世界をありがとうってな!」
「前言撤回。この人何か考えてますね、」
『「…?」』
私とピット君は互いにクエスチョンマークを頭上に散りばめた。と言うのもマグナさんの言葉にパルテナ様が疑心の言葉を言われたからだ。何故その様な事を言われたのか…私達は分からずにキョトンとするのみだった。
…
いよいよガイナスの間が近付いているのが分かる。頂上へと続く一本の道、エレベーターに乗り辿り着いた先は今いる場所だった、何度も何度もトラップに惑わされてきたが、この部屋にトラップは仕掛けられていないと見た。
『あの、マグナさん…一つ聞きたい事があるんですが…』
「…何だ?」
『貴方が魔王ガイナスを倒そうとする理由は…本当に賞金の為ですか?』
「!何故そう思う…?」
『何となくですけど…私達みたく誰かを救おうとしているんじゃないですか?』
ずっと心に留めていた微かな疑問。突然だし、突拍子もない事ではあるが戦っていて思ったのだ。“本当に賞金目的なのか?”と。確証もない、本人が否定すればそれ迄だ。
「俺は奴に懸けられた賞金の額を見てここまで来た。他に何の理由もねぇな。」
『そうですか。』
しれっとしながら私の質問に答えてくれたマグナさん。やはり私の思い過ごしだったのか…何も言えず押し黙る私。
私やマグナさんを交互に見遣り、何も口出しせず次第に下を俯かせたのは言わずもがなピット君で。今から人々を苦しめている悪の元凶魔王ガイナスがいると思われる間へと進むのに、気まずい空気が流れる。
気まずい空気を醸し出した張本人なのにも関わらずこの空気感に耐えられないのは矛盾してるだろうか…?
「…得物の調子はチェックしとけよ。」
私やピット君の少し先を歩いていたマグナさんが一言、私達に振り返らず投げ掛けたのが聞こえた。