第2章 魔王とマグナ(後編)
セラ
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金色に輝く満月をバックに魔王の城にゆっくりと降り立った。
「ここが魔王の城…」
「メデューサ復活を前に急ピッチで完成させたみたいですよ。」
『急ピッチで完成させた割には結構頑丈に作られていますね。魔王の城っぽいし、面積も広いし。』
ゆっくりと降り立ち、辺りを見渡してみる。魔王の城と呼ぶのに相応しい程大きくて空気感からしてそれを物語っている。
私達が少し歩行を進めると、薄暗い空間の中に大きな穴が一つだけ存在していた。(その穴から光が見える)どうやら下の階に繋がっているらしく、大穴の中に入り込むのが正しい道順の様だ。
「冥府の魔物を地上に運ぶ前線基地、いわしがいがあるでしょう?」
「えぇ。楽しみでランチに出かけたいぐらいです。」
『(そういう問題なの…?)罠とか仕掛けられていないかな?』
「大丈夫!もし罠とかあっても掻い潜れば良いから!行こう!」
『えっ?!きゃああああ!!』
「取り敢えず一階の大広間に出ましょう。」
正しい道順であったとしても罠がないとは限らない。そう見せかけ、別の場所に道が繋がっているかもしれない。メデューサの配下ならばそれぐらい朝飯前だろう。
一応私は全ての可能性を踏まえ、警戒心を剥き出しに何処かの部屋に繋がる(であろう)大穴を念入りにチェックする。だが、私と共に魔王討伐を命じられた親衛隊長は何処からその自信が来るのか…根拠のない言葉を吐き、私の腕を強制的に引くと問題になっていた大穴の中に身を投じた。
突然の出来事に思考は付いて行かず、大穴の中で叫声だけが響き渡る。パニクる私を他所にパルテナ様の…落ち着いた声が静かに耳に届いた。
「ここがエントランスの様ですね。」
メデューサの配下ならば罠を仕掛けるのも容易だと警戒していたが、全て無駄だったみたいだ。大穴の中に身を投じ、来た場所はエントランスだった。待ち伏せしていたと言わんばかりに冥府軍があちこちに散らばりこちらに攻撃を仕掛けようと向かって来るのが分かる。
「二階の左右にスイッチがあります。」
「“押せ”という事ですね。」
「まぁお約束ですからね。付き合ってあげましょう。」
『そうですね、何もせず通りすぎるよりは全然マシです!ピット君!私は右のスイッチを押すわ!』
「じゃあ僕は左のスイッチを!」
スイッチを私達に押されたくないのか否か…私達の行く手を阻む魔物達。勿論魔物達に行く手を阻まれたとしても強行突破するのが私達な訳で、例の如く射撃と打撃攻撃で浄化しながら歩行を進めていく。ピット君が左のスイッチを押し、私も右のスイッチを押す。
どうやら私達が分担して押した左右のスイッチは、扉を開閉する為のものだったらしい。スイッチを押して、扉を開閉するだなんてそれこそロールプレイングゲームだ。
「二階の中央大扉が開いた様です。大扉を骸骨の様なガニュメデが守っています。」
『うぅ~私、あいつ駄目かも!ピット君、バトンタッチ!』
「えぇっ?!」
「ガニュメデは撃つと反撃して来ます。逆に撃たなければ何もしません、近寄って打撃するか威力の高いダッシュ打撃で浄化すると良いでしょう。」
パルテナ様の助言通り、ピット君はダッシュ打撃でガニュメデを素早く浄化する。(さすが親衛隊長!)あいつの見た目と言い、全てが駄目だと自身の神経が囁いていた。
それが理由でピット君に浄化を任せちゃったけれど私の選択肢は間違っていなかったらしい。(射撃をすると反撃してくるらしいし)ガニュメデが居なくなり、先に進める私達。中央の大扉を抜けた。
「左側には宝物庫があるみたいですよ?」
「んっ?どうして分かるんですか?」
『はっ?!もしやエスパー?!』
「実はセラに隠していた事があって…私、本当はエスパーなんです。…と言うのは冗談で、二人の傍の地形は月桂樹を通じて天界からも確認する事ができます。」
「それはスゴイ!頼りになります!!」
“本当にエスパーかと思った。”
それは口から出さず静かに飲み込んだ。扉から出て直ぐに私達が知り得ない情報を、パルテナ様が提供してくれたものだから本当にビックリした。
パルテナ様が何故情報を提供出来るのか…絡繰りを知って、ホッと安堵の溜め息を漏らした。エスパーだったらどうしようって本気で思った。(確実に笑えない)月桂樹で周辺の地形が分かるのもある種エスパー技だけれど少しロマンチックさを感じる。
「ここが魔王の城…」
「メデューサ復活を前に急ピッチで完成させたみたいですよ。」
『急ピッチで完成させた割には結構頑丈に作られていますね。魔王の城っぽいし、面積も広いし。』
ゆっくりと降り立ち、辺りを見渡してみる。魔王の城と呼ぶのに相応しい程大きくて空気感からしてそれを物語っている。
私達が少し歩行を進めると、薄暗い空間の中に大きな穴が一つだけ存在していた。(その穴から光が見える)どうやら下の階に繋がっているらしく、大穴の中に入り込むのが正しい道順の様だ。
「冥府の魔物を地上に運ぶ前線基地、いわしがいがあるでしょう?」
「えぇ。楽しみでランチに出かけたいぐらいです。」
『(そういう問題なの…?)罠とか仕掛けられていないかな?』
「大丈夫!もし罠とかあっても掻い潜れば良いから!行こう!」
『えっ?!きゃああああ!!』
「取り敢えず一階の大広間に出ましょう。」
正しい道順であったとしても罠がないとは限らない。そう見せかけ、別の場所に道が繋がっているかもしれない。メデューサの配下ならばそれぐらい朝飯前だろう。
一応私は全ての可能性を踏まえ、警戒心を剥き出しに何処かの部屋に繋がる(であろう)大穴を念入りにチェックする。だが、私と共に魔王討伐を命じられた親衛隊長は何処からその自信が来るのか…根拠のない言葉を吐き、私の腕を強制的に引くと問題になっていた大穴の中に身を投じた。
突然の出来事に思考は付いて行かず、大穴の中で叫声だけが響き渡る。パニクる私を他所にパルテナ様の…落ち着いた声が静かに耳に届いた。
「ここがエントランスの様ですね。」
メデューサの配下ならば罠を仕掛けるのも容易だと警戒していたが、全て無駄だったみたいだ。大穴の中に身を投じ、来た場所はエントランスだった。待ち伏せしていたと言わんばかりに冥府軍があちこちに散らばりこちらに攻撃を仕掛けようと向かって来るのが分かる。
「二階の左右にスイッチがあります。」
「“押せ”という事ですね。」
「まぁお約束ですからね。付き合ってあげましょう。」
『そうですね、何もせず通りすぎるよりは全然マシです!ピット君!私は右のスイッチを押すわ!』
「じゃあ僕は左のスイッチを!」
スイッチを私達に押されたくないのか否か…私達の行く手を阻む魔物達。勿論魔物達に行く手を阻まれたとしても強行突破するのが私達な訳で、例の如く射撃と打撃攻撃で浄化しながら歩行を進めていく。ピット君が左のスイッチを押し、私も右のスイッチを押す。
どうやら私達が分担して押した左右のスイッチは、扉を開閉する為のものだったらしい。スイッチを押して、扉を開閉するだなんてそれこそロールプレイングゲームだ。
「二階の中央大扉が開いた様です。大扉を骸骨の様なガニュメデが守っています。」
『うぅ~私、あいつ駄目かも!ピット君、バトンタッチ!』
「えぇっ?!」
「ガニュメデは撃つと反撃して来ます。逆に撃たなければ何もしません、近寄って打撃するか威力の高いダッシュ打撃で浄化すると良いでしょう。」
パルテナ様の助言通り、ピット君はダッシュ打撃でガニュメデを素早く浄化する。(さすが親衛隊長!)あいつの見た目と言い、全てが駄目だと自身の神経が囁いていた。
それが理由でピット君に浄化を任せちゃったけれど私の選択肢は間違っていなかったらしい。(射撃をすると反撃してくるらしいし)ガニュメデが居なくなり、先に進める私達。中央の大扉を抜けた。
「左側には宝物庫があるみたいですよ?」
「んっ?どうして分かるんですか?」
『はっ?!もしやエスパー?!』
「実はセラに隠していた事があって…私、本当はエスパーなんです。…と言うのは冗談で、二人の傍の地形は月桂樹を通じて天界からも確認する事ができます。」
「それはスゴイ!頼りになります!!」
“本当にエスパーかと思った。”
それは口から出さず静かに飲み込んだ。扉から出て直ぐに私達が知り得ない情報を、パルテナ様が提供してくれたものだから本当にビックリした。
パルテナ様が何故情報を提供出来るのか…絡繰りを知って、ホッと安堵の溜め息を漏らした。エスパーだったらどうしようって本気で思った。(確実に笑えない)月桂樹で周辺の地形が分かるのもある種エスパー技だけれど少しロマンチックさを感じる。
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