最終章
セラ
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いつもの微笑みを浮かべてパルテナ様は、衝撃的内容を口にする。この力で狙われるのが日常茶飯事であり、嫌気が差していた時期もあった。確かに、こんな力……さっさと無くなってしまえばいいと願っていたが何もマイナス要素ばかりではなく、プラスに捉えられる箇所がなかったとも言い切れない。現に私はこの力に三度ぐらい助けられている。一度目は、タナトスに連れ去られそうになった時。まぁあれは、最終的に連れ去られてしまった訳だが。二度目は、混沌の遣いに乗っ取られそうになった時。三度目は、ディントスにこの力を抽出した時。いずれにせよ、どれも全部力の消費が激しく眠りに就いてしまったがそれでも何とかなっている。あれだけ脅かされていたのに、不思議にも世界を破滅させた前歴もない。その力を何とか出来るやもしれない希望の光が見え隠れしている。この手に乗っからない手はない。問題点を挙げるならば、私の力をどうにかしようものならそれなりのリスクが必ず伴うだろう。という予測。冷や汗が自身の額から一滴伝い、更なる緊張感が増す。
「セラにとって、悪いハナシではないハズです。セラの力はあなたの生命と連動している。それなりにリスクがあるでしょう。そこで、考えました。あなたの命を絶やさずに力をどうにかする方法を。」
『その方法とは……?』
「“封印の奇跡”を使います。その力をなくすのではなく、封じ込めれば永遠に力は発動されません。」
『その奇跡で、普通の天使に戻れるんですね。』
「えぇ、おそらくは……。」
『おねがいします、パルテナ様。』
恐怖感がないと言えば、嘘になる。しかし、このままでもいられない。意を決して、パルテナ様の話に乗っかる決断をする。この決断が果たして吉と出るか、凶と出るか。下手したら、エンジェランドもこの神殿も跡形もなく吹っ飛んでしまうかもしれない。一概には言えないが。彼女だって相当悩んだだろう。それでも私に提案してくれた。ここは、パルテナ様に賭けるべきだ。自分の意志は程良く固まったが、私は一つ彼女に問い掛けていない事柄があった。そう、“私の力は一体何なのか”。この力の本質だ。ディントス戦の際、問い掛けようにも眠りに就いてしまい聞くに聞けなくなってしまった疑問だ。耳を傾ければ、パルテナ様はおっしゃった。
「セラの力は、原子核エネルギーに寄るものです。」
『原子核、エネルギーですか。』
「そうです。幼きセラは、力をコントロール出来ずにいましたが いまのセラならだいじょうぶ。きっとうまくいきます。」
原子核エネルギー、言葉で説明されてもいまいちピンと来ないが兎に角使い道を間違えれば誰をも破滅へと追い込むのだけは良く分かった。その力をなくすのではなく、封印し、二度と使用出来なくする。はっきり言って、自身が望んでいた結末とは違うもののそれでもあの悩んでいた時期とは綺麗さっぱりおさらば出来るのだからまだ、ましと言えるだろう。これで、ピット君とブラピ君と何ら変わらない天使へと生まれ変わるのだ。
この思いを胸中に宿していたのだが、いつの間にやら眠気が襲って来た。急激な眠気だ。こんな大事な局面で眠気に負けてはならない。意気込んで両眼をかっぽり開いていたのだが、あと少しの所で打ち勝てず次第に瞼は閉じられ、私は意識を手放した。
・・・
「ダレだ?おれを呼び起こすのは。」
「あなたが……セラの中に秘めた力ですね。」
内なる力を封印する……我ながら大それた行動に出たものだ。幾らセラの為とはいえ思い切った決断であると自嘲気味に笑う。しかし、こうでもしなければいつまでも経ってもセラを普通の天使にしてあげられない。そればかりか、リスクを伴うと来ている。だが、25年以上前私達が見えない影に隠れて泣いていたあの姿をもう二度と見たくはないのだ。何もしてあげられない、自分の不甲斐なさに何度苛立ちを募らせたか分からない。あんな思いもしたくないし、セラの涙する姿だって見たくはない……思えばあの頃から、セラを守るのに全力を尽くそうと心に誓ったのだ。セラが悲しむのならば、敵であろうと味方であろうとも容赦はしない。しかし問題が一つ、ある。この力とたった今、具現化させコンタクトを取り説得しようとしているのだが、私の要求に応じなければどうしてくれよう。有無を言わず、奇跡を発動させようか。冷静で的確な判断を下すのには自信があるが、もしもの場合は強行突破を決め込もう。セラが関わると、冷静さで失われそうで怖い。
「だったら、なんだって言うんだ。おれも、あんたのことを知ってるぜ。女神様だろう?セラが尽くしている幸せモノだ。」
「セラにとって、悪いハナシではないハズです。セラの力はあなたの生命と連動している。それなりにリスクがあるでしょう。そこで、考えました。あなたの命を絶やさずに力をどうにかする方法を。」
『その方法とは……?』
「“封印の奇跡”を使います。その力をなくすのではなく、封じ込めれば永遠に力は発動されません。」
『その奇跡で、普通の天使に戻れるんですね。』
「えぇ、おそらくは……。」
『おねがいします、パルテナ様。』
恐怖感がないと言えば、嘘になる。しかし、このままでもいられない。意を決して、パルテナ様の話に乗っかる決断をする。この決断が果たして吉と出るか、凶と出るか。下手したら、エンジェランドもこの神殿も跡形もなく吹っ飛んでしまうかもしれない。一概には言えないが。彼女だって相当悩んだだろう。それでも私に提案してくれた。ここは、パルテナ様に賭けるべきだ。自分の意志は程良く固まったが、私は一つ彼女に問い掛けていない事柄があった。そう、“私の力は一体何なのか”。この力の本質だ。ディントス戦の際、問い掛けようにも眠りに就いてしまい聞くに聞けなくなってしまった疑問だ。耳を傾ければ、パルテナ様はおっしゃった。
「セラの力は、原子核エネルギーに寄るものです。」
『原子核、エネルギーですか。』
「そうです。幼きセラは、力をコントロール出来ずにいましたが いまのセラならだいじょうぶ。きっとうまくいきます。」
原子核エネルギー、言葉で説明されてもいまいちピンと来ないが兎に角使い道を間違えれば誰をも破滅へと追い込むのだけは良く分かった。その力をなくすのではなく、封印し、二度と使用出来なくする。はっきり言って、自身が望んでいた結末とは違うもののそれでもあの悩んでいた時期とは綺麗さっぱりおさらば出来るのだからまだ、ましと言えるだろう。これで、ピット君とブラピ君と何ら変わらない天使へと生まれ変わるのだ。
この思いを胸中に宿していたのだが、いつの間にやら眠気が襲って来た。急激な眠気だ。こんな大事な局面で眠気に負けてはならない。意気込んで両眼をかっぽり開いていたのだが、あと少しの所で打ち勝てず次第に瞼は閉じられ、私は意識を手放した。
・・・
「ダレだ?おれを呼び起こすのは。」
「あなたが……セラの中に秘めた力ですね。」
内なる力を封印する……我ながら大それた行動に出たものだ。幾らセラの為とはいえ思い切った決断であると自嘲気味に笑う。しかし、こうでもしなければいつまでも経ってもセラを普通の天使にしてあげられない。そればかりか、リスクを伴うと来ている。だが、25年以上前私達が見えない影に隠れて泣いていたあの姿をもう二度と見たくはないのだ。何もしてあげられない、自分の不甲斐なさに何度苛立ちを募らせたか分からない。あんな思いもしたくないし、セラの涙する姿だって見たくはない……思えばあの頃から、セラを守るのに全力を尽くそうと心に誓ったのだ。セラが悲しむのならば、敵であろうと味方であろうとも容赦はしない。しかし問題が一つ、ある。この力とたった今、具現化させコンタクトを取り説得しようとしているのだが、私の要求に応じなければどうしてくれよう。有無を言わず、奇跡を発動させようか。冷静で的確な判断を下すのには自信があるが、もしもの場合は強行突破を決め込もう。セラが関わると、冷静さで失われそうで怖い。
「だったら、なんだって言うんだ。おれも、あんたのことを知ってるぜ。女神様だろう?セラが尽くしている幸せモノだ。」