最終章
セラ
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『星がキレイだね、ピット君。』
「ぅ、うん。」
鍛錬中であった彼を無理やり外へと引っ張り出した。星からパワーを貰いたかった訳ではないのだが、夜風を肌で感じつつも星々から見守ってもらう中で気持ちを伝えるのも悪くないと思ったのだ。良案か、どうかは何とも言い難い。士気を高める上では重要だと主張する。
『ピット君。私ね、あれから考えたの。ピット君にどういうキモチでいるのか。』
「うん。」
『仲間だとか相棒だとか、それは変わらない。私達はいつもそうして戦って来たんだもん。』
「そう、だよね。(いまさら、そういう目で見れないって言いたいのか。)」
ピット君に告げられた気持ちと自身が抱いている気持ち。明らかにそれは噛み合っていなかった。その誤差は、どう埋めるべきなのか。まるで分からず、さ迷っていた。しかし、それは仕方がない。だって、その誤差は埋めようがないのだから。どう足掻いたって相違する感情だ。いきなり、別の感情に変換は出来ない。友情から恋情に変化するパターンは然程用意されていないのだと勝手に持論を持ち込む。けれど、自身が抱いている気持ちに別の要素が新たに加わったならどうだろう。それは時として、化学反応以上の変化を起こさないだろうか。つまり、は仲間でもあり相棒でもある。それとは他に……誰かと仲睦まじくなってほしくはない負の感情。それでいて、本心。私は内に秘めていた想いに気付かなかっただけなのだ。ナチュレちゃんの譬え話に対してなのに、あの時感じた相違する感覚。あれが、全てである。
『でも、気づいたの。とあるひとの助言でね。私のほんとうのキモチが。』
「ほんとうの、キモチ?」
『そう。私も、ピット君が好き。』
「!」
『大好きだよ。······あとね?ピット君にずっと伝えたかったんだけど、“キミのそばでキミが守る未来を見てみたいんだ。この先どうなるかパルテナ様もわからないけど、できるなら一緒に過ごしたいな”。』
今迄の戦いがきっかけで気付けずに居たがやっと分かった。近くに居すぎて分からなかったが……。私は、ピット君が好きだ。友達として相棒として、それだけじゃない。別の感情、恋的な好きとして彼を見つめている。離れ難いのは、ブラピ君からあんなに誘われても首を縦に頷かなかったのはこれ等も理由の内に入っているのではないか。それに、彼へ以前から伝えたかった言葉の羅列もそういう感情から来るものだとしたら私は気付かない間に抱いていたのかもしれない。ずっとずっと、仲間や相棒だからこそだと思っていたのだが全く違っていただなんて…今更な気もするが、そう考えたとしても納得できるのは明らかに心境の変化だろう。少々頬を赤らめてピット君に想いの丈を伝え、笑みを浮かべた。気恥ずかしくなりながらも目の前の彼に伝えられて嬉しく思う。
「セラちゃん…………ウソじゃない?」
『うん。』
「夢じゃない?」
『うん。』
「ぃやったぁぁぁぁッ!!」
私に何度か確認した後、ピット君の表情はみるみる輝きが増し仕舞には私の身体を軽々しく抱き上げてしまった。彼の喜びが直に伝達されるかのようだ。抱き上げていた姿勢から抱きかかえる姿勢へと変化させ、彼の首に両腕を回し抱き着く。たった今この瞬間、とても幸せだ。きっとピット君も同じ気持ちを抱いているだろう。互いの感情が手に取るように分かる気がしたし、仮に目の前で敵軍が私達を取り囲んだとしても悉く撥ね退けられる…そんな自身さえ漲っていた。これが恋や愛なんだね。
満点の星空が私達を祝福してくれる、そんな最中身を寄せ合う天使二人。こんな時間がずっと続けばいいな。そんな思いに駆られながら、ピット君に微笑みを向ける。何を思ったのか、ピット君がガチガチになりながらもぎこちなくでありながら私のおでこにキスを落とした。この時は、どういう意図でこんな行動を起こしたのかまるで分からず首を傾げていたのは言う迄もなく。そのキスは、愛しさが募る愛情表現なのだと気付いたのは更に二日ぐらい経過した後であった。状況を全て理解した際に、私の顔は誰が見ても紅葉の如く真っ赤だったそう。ピット君に“してやられた”と思ったのは、この時が最初で最後である。
(End)
漸く全てのお話がここで書き終わりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか?管理人は、と言いますと達成感でたった今この瞬間脱力している真っ最中でございます。山あり谷あり(?)で書き始めてから何ヶ月、何年と経過して終わりが余りにも見えず筆を止めた時期もありました。ですが皆様の優しい眼差しを受け“書き上げたい”思いを胸に今日まで筆を握って参りました。長い年月お待たせして申し訳ありません。様々な思いが胸中を過りますがやはり、感無量この一言に尽きます。それもこれも長い年月ふらっと立ち寄ってくださった皆様のお陰です。本当に本当にありがとうございました。感謝の気持ちで一杯です。原作がいかに偉大で愛されているのか痛感している今日この頃。そんなこんなで暇つぶしがてらまたふらっと来てくだされば嬉しく思います。では。
by虹
「ぅ、うん。」
鍛錬中であった彼を無理やり外へと引っ張り出した。星からパワーを貰いたかった訳ではないのだが、夜風を肌で感じつつも星々から見守ってもらう中で気持ちを伝えるのも悪くないと思ったのだ。良案か、どうかは何とも言い難い。士気を高める上では重要だと主張する。
『ピット君。私ね、あれから考えたの。ピット君にどういうキモチでいるのか。』
「うん。」
『仲間だとか相棒だとか、それは変わらない。私達はいつもそうして戦って来たんだもん。』
「そう、だよね。(いまさら、そういう目で見れないって言いたいのか。)」
ピット君に告げられた気持ちと自身が抱いている気持ち。明らかにそれは噛み合っていなかった。その誤差は、どう埋めるべきなのか。まるで分からず、さ迷っていた。しかし、それは仕方がない。だって、その誤差は埋めようがないのだから。どう足掻いたって相違する感情だ。いきなり、別の感情に変換は出来ない。友情から恋情に変化するパターンは然程用意されていないのだと勝手に持論を持ち込む。けれど、自身が抱いている気持ちに別の要素が新たに加わったならどうだろう。それは時として、化学反応以上の変化を起こさないだろうか。つまり、は仲間でもあり相棒でもある。それとは他に……誰かと仲睦まじくなってほしくはない負の感情。それでいて、本心。私は内に秘めていた想いに気付かなかっただけなのだ。ナチュレちゃんの譬え話に対してなのに、あの時感じた相違する感覚。あれが、全てである。
『でも、気づいたの。とあるひとの助言でね。私のほんとうのキモチが。』
「ほんとうの、キモチ?」
『そう。私も、ピット君が好き。』
「!」
『大好きだよ。······あとね?ピット君にずっと伝えたかったんだけど、“キミのそばでキミが守る未来を見てみたいんだ。この先どうなるかパルテナ様もわからないけど、できるなら一緒に過ごしたいな”。』
今迄の戦いがきっかけで気付けずに居たがやっと分かった。近くに居すぎて分からなかったが……。私は、ピット君が好きだ。友達として相棒として、それだけじゃない。別の感情、恋的な好きとして彼を見つめている。離れ難いのは、ブラピ君からあんなに誘われても首を縦に頷かなかったのはこれ等も理由の内に入っているのではないか。それに、彼へ以前から伝えたかった言葉の羅列もそういう感情から来るものだとしたら私は気付かない間に抱いていたのかもしれない。ずっとずっと、仲間や相棒だからこそだと思っていたのだが全く違っていただなんて…今更な気もするが、そう考えたとしても納得できるのは明らかに心境の変化だろう。少々頬を赤らめてピット君に想いの丈を伝え、笑みを浮かべた。気恥ずかしくなりながらも目の前の彼に伝えられて嬉しく思う。
「セラちゃん…………ウソじゃない?」
『うん。』
「夢じゃない?」
『うん。』
「ぃやったぁぁぁぁッ!!」
私に何度か確認した後、ピット君の表情はみるみる輝きが増し仕舞には私の身体を軽々しく抱き上げてしまった。彼の喜びが直に伝達されるかのようだ。抱き上げていた姿勢から抱きかかえる姿勢へと変化させ、彼の首に両腕を回し抱き着く。たった今この瞬間、とても幸せだ。きっとピット君も同じ気持ちを抱いているだろう。互いの感情が手に取るように分かる気がしたし、仮に目の前で敵軍が私達を取り囲んだとしても悉く撥ね退けられる…そんな自身さえ漲っていた。これが恋や愛なんだね。
満点の星空が私達を祝福してくれる、そんな最中身を寄せ合う天使二人。こんな時間がずっと続けばいいな。そんな思いに駆られながら、ピット君に微笑みを向ける。何を思ったのか、ピット君がガチガチになりながらもぎこちなくでありながら私のおでこにキスを落とした。この時は、どういう意図でこんな行動を起こしたのかまるで分からず首を傾げていたのは言う迄もなく。そのキスは、愛しさが募る愛情表現なのだと気付いたのは更に二日ぐらい経過した後であった。状況を全て理解した際に、私の顔は誰が見ても紅葉の如く真っ赤だったそう。ピット君に“してやられた”と思ったのは、この時が最初で最後である。
(End)
漸く全てのお話がここで書き終わりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか?管理人は、と言いますと達成感でたった今この瞬間脱力している真っ最中でございます。山あり谷あり(?)で書き始めてから何ヶ月、何年と経過して終わりが余りにも見えず筆を止めた時期もありました。ですが皆様の優しい眼差しを受け“書き上げたい”思いを胸に今日まで筆を握って参りました。長い年月お待たせして申し訳ありません。様々な思いが胸中を過りますがやはり、感無量この一言に尽きます。それもこれも長い年月ふらっと立ち寄ってくださった皆様のお陰です。本当に本当にありがとうございました。感謝の気持ちで一杯です。原作がいかに偉大で愛されているのか痛感している今日この頃。そんなこんなで暇つぶしがてらまたふらっと来てくだされば嬉しく思います。では。
by虹
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