第25章 戦いに終止符を(後編)
セラ
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あの時から、身体は再生中だったのかもしれない。ハデスの顔にパンチを喰らわせたメデューサの腕が壊れているのに気付く。それだけじゃない、またもパンチを喰らわせハデスへ身体を壊す程のダメージを与えていたが、取っ組み合いでメデューサはハデスから片腕をもぎ取られてしまう。これではメデューサの分が悪い。心の底からメデューサを応援しつつ、戦況を見つめているがメデューサの姿が見るに堪えず、視線を斜め下へずらしてしまう。
「くそッ。力及ばずか。」
『メデューサ……。』
「フン。蘇らせてやった恩も忘れたか。」
両腕を失ってしまったメデューサは、蛇睨みを利かせるが両腕の再生も儘ならず。一瞬で凌ぎの顔を再生させたハデスに手も足も出せない様子で、その場に立ち尽くしている。
「使えないやつめ。」
反撃しようにも両腕を失ったメデューサに成す術もなく。顔を再生させたハデスは、上記の言葉を吐き捨てメデューサへ向けてアッパーカットを繰り出した。その衝撃に堪えられず、メデューサは空中に舞い、姿諸共掻き消えてしまう。
『メデューサ!!』
気が付けば、メデューサを引き止めようと彼女の名を叫んでいた。折角……声だけじゃない、本当の姿での再会を果たしたというのに。碌に再会も喜べず空の彼方へ、私を差し置いて消えてしまったメデューサ。彼女が消えてしまった方向へ手を伸ばす私の肩に自身の手を置き、首を左右に振っては制止するピット君。しかし、感情の下降が激しく急に溢れ出た涙は止められず、彼の胸に勢い良く抱き着いてしまう。
「ハデス……!!」
「飛翔の奇跡!」
「ナチュレ?!」
「なにをボヤッとしておるんじゃ!」
私の肩を抱き寄せながら、ハデスへ睨みを利かすピット君。だが次の瞬間、ナチュレちゃんがピット君の羽翼に飛翔の奇跡を掛けた。と同時に、砲塔を手に思い切り飛翔する。彼が飛び去った姿を見て、我に返った。メデューサが消えてしまった事実は拭い切れない。それだけではなく、悲しみが胸中を過る。だが、戦いの真っ最中だ。いつまでも悲しんでいられない。メデューサの分も、ハデスを打ち倒すしかないのだ。そう考えた刹那、慌ててピット君の後を追いかけ砲塔を共に支える。
「ピット、セラ、パルテナ!!一発で仕留めるんじゃ!」
「!そうか……。チャージの奇跡!ピット、セラ、しばらくの間耐えなさい!!破損した真・三種の神器の砲塔にチャージの奇跡で力をためます。最大まで溜まったら一気に解き放つのです!」
パルテナ様の言葉に顔と顔を見合わせ、力強く首を縦に頷く。ハデスは当然の行動ながらも、手荒な妨害をかましてくる。その名も、ジェノサイドレーザーだ。一発当たったくらいでは耐久力に問題はないと思うが、二発三発喰らってしまえばどうなるだろう。言わずもがな、ヤラレチャッタ、だ。私達が倒れれば、この世の終わりだ。世界は一気に闇に包まれ、ハデスの思い通りになってしまう。まだだ……まだ終わらせる訳にはいかない。力を溜める迄苦しい攻防戦が続く。顔と両手から、強力なレーザービームを三方向へ繰り出すハデス。その隙間を縫って、何とかギリギリの距離を回避している天使二人。最大迄力を溜めるのもなかなか忍耐力を要する。かなり厳しい戦いだ。
実を言うと、三方向ではなかった。何と四方向だったのに今頃気が付く。顔、両手それから腹部からレーザーを放出している。レーザーの隙間が出来るのをじっと待ち、レーザーが当たらない方向を見極めて場を凌ぐのも手だ。力は未だ四分の一程度。それでも順調に溜まって来ている。さぁ、ここからが正念場だ。
レーザー攻撃を地道に躱しながら機会を窺うパルテナ軍か、それともその隙を与えまいと四方向から地獄級の攻撃を次々に繰り出して来る冥府の王ハデスか。
砲塔を共に支えているが故に、回避がうまく行えないのではと思われがちだが意外にもピット君が動く方向は瞬時に分かるのだ。レーザーの行く先を見つめ、彼が動きそうではない方向へ移動してみれば今度は彼が合わせて同方向へ動いてくれる。然う斯うしている内にいつの間にか、力は半分くらい迄溜まったかのように思う。
「おのれぇぇ。チョコチョコと!」
余りにも喰らいつく私達に、ハデスは忌々しいと言わんばかりの声を荒げる。あと、もう少しだ。未だに厳しい状況を強いられているが、レーザーの行く先を見つめ隙間を縫って回避しているのが功を奏しているのか自身の双眸にやっと輝かしい光が宿り始める。
「生きとし生けるものたちよ。死してさまようものたちよ!音にも聞け!刮目せよ!!光の女神パルテナが使い、ピット!」
『光の女神パルテナが使い、セラ!』
「『魂を蹂躙する冥府の神を いまこそ浄化する!!』」
激しく厳しい攻防戦の末、満を持して最大限の力が溜まる。チャンスは一度きりだ。失敗してしまえばもう、後がない。レーザーの隙間を飛行し、ハデスが直撃するど真ん中へゆっくり照準を合わせる。
「くそッ。力及ばずか。」
『メデューサ……。』
「フン。蘇らせてやった恩も忘れたか。」
両腕を失ってしまったメデューサは、蛇睨みを利かせるが両腕の再生も儘ならず。一瞬で凌ぎの顔を再生させたハデスに手も足も出せない様子で、その場に立ち尽くしている。
「使えないやつめ。」
反撃しようにも両腕を失ったメデューサに成す術もなく。顔を再生させたハデスは、上記の言葉を吐き捨てメデューサへ向けてアッパーカットを繰り出した。その衝撃に堪えられず、メデューサは空中に舞い、姿諸共掻き消えてしまう。
『メデューサ!!』
気が付けば、メデューサを引き止めようと彼女の名を叫んでいた。折角……声だけじゃない、本当の姿での再会を果たしたというのに。碌に再会も喜べず空の彼方へ、私を差し置いて消えてしまったメデューサ。彼女が消えてしまった方向へ手を伸ばす私の肩に自身の手を置き、首を左右に振っては制止するピット君。しかし、感情の下降が激しく急に溢れ出た涙は止められず、彼の胸に勢い良く抱き着いてしまう。
「ハデス……!!」
「飛翔の奇跡!」
「ナチュレ?!」
「なにをボヤッとしておるんじゃ!」
私の肩を抱き寄せながら、ハデスへ睨みを利かすピット君。だが次の瞬間、ナチュレちゃんがピット君の羽翼に飛翔の奇跡を掛けた。と同時に、砲塔を手に思い切り飛翔する。彼が飛び去った姿を見て、我に返った。メデューサが消えてしまった事実は拭い切れない。それだけではなく、悲しみが胸中を過る。だが、戦いの真っ最中だ。いつまでも悲しんでいられない。メデューサの分も、ハデスを打ち倒すしかないのだ。そう考えた刹那、慌ててピット君の後を追いかけ砲塔を共に支える。
「ピット、セラ、パルテナ!!一発で仕留めるんじゃ!」
「!そうか……。チャージの奇跡!ピット、セラ、しばらくの間耐えなさい!!破損した真・三種の神器の砲塔にチャージの奇跡で力をためます。最大まで溜まったら一気に解き放つのです!」
パルテナ様の言葉に顔と顔を見合わせ、力強く首を縦に頷く。ハデスは当然の行動ながらも、手荒な妨害をかましてくる。その名も、ジェノサイドレーザーだ。一発当たったくらいでは耐久力に問題はないと思うが、二発三発喰らってしまえばどうなるだろう。言わずもがな、ヤラレチャッタ、だ。私達が倒れれば、この世の終わりだ。世界は一気に闇に包まれ、ハデスの思い通りになってしまう。まだだ……まだ終わらせる訳にはいかない。力を溜める迄苦しい攻防戦が続く。顔と両手から、強力なレーザービームを三方向へ繰り出すハデス。その隙間を縫って、何とかギリギリの距離を回避している天使二人。最大迄力を溜めるのもなかなか忍耐力を要する。かなり厳しい戦いだ。
実を言うと、三方向ではなかった。何と四方向だったのに今頃気が付く。顔、両手それから腹部からレーザーを放出している。レーザーの隙間が出来るのをじっと待ち、レーザーが当たらない方向を見極めて場を凌ぐのも手だ。力は未だ四分の一程度。それでも順調に溜まって来ている。さぁ、ここからが正念場だ。
レーザー攻撃を地道に躱しながら機会を窺うパルテナ軍か、それともその隙を与えまいと四方向から地獄級の攻撃を次々に繰り出して来る冥府の王ハデスか。
砲塔を共に支えているが故に、回避がうまく行えないのではと思われがちだが意外にもピット君が動く方向は瞬時に分かるのだ。レーザーの行く先を見つめ、彼が動きそうではない方向へ移動してみれば今度は彼が合わせて同方向へ動いてくれる。然う斯うしている内にいつの間にか、力は半分くらい迄溜まったかのように思う。
「おのれぇぇ。チョコチョコと!」
余りにも喰らいつく私達に、ハデスは忌々しいと言わんばかりの声を荒げる。あと、もう少しだ。未だに厳しい状況を強いられているが、レーザーの行く先を見つめ隙間を縫って回避しているのが功を奏しているのか自身の双眸にやっと輝かしい光が宿り始める。
「生きとし生けるものたちよ。死してさまようものたちよ!音にも聞け!刮目せよ!!光の女神パルテナが使い、ピット!」
『光の女神パルテナが使い、セラ!』
「『魂を蹂躙する冥府の神を いまこそ浄化する!!』」
激しく厳しい攻防戦の末、満を持して最大限の力が溜まる。チャンスは一度きりだ。失敗してしまえばもう、後がない。レーザーの隙間を飛行し、ハデスが直撃するど真ん中へゆっくり照準を合わせる。