第25章 戦いに終止符を(後編)
セラ
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真・三種の神器は飛翔フォームに変化させ、翼を広げ異空間の中を急いだ。翼の形状はどちらかと言えば蝶の如く。ハデスが胸のドリルで神器を削り取ってしまったが、再起不能に至る程でもなかった。もしあのまま削り取られてしまったなら、私達はこの場に居なかっただろう。まさに、危機一髪。うまく難を逃れた私達は、異空間から地上界へ飛び去ってしまったハデスを追うべくマッハで目的地へ向かっていたのだった。地上界へ向かったのを見ると、ハデスは人間達に必ず危害を加えるつもりで居るのは明らか。人間達を守り切るには討伐するしかないが、甲乙つけがたい戦いに果たして終わりが来るのだろうか。厭、この戦いで全て決するのだろう。しかし、展開が読めない。最初から勝敗の見える戦いなんてないが。それでも皆が皆、同じ思いを抱いているのは確かだった。ピット君がハデスに勝利する希望に満ちた結末を誰もが望んでいる。
異空間の中を猛スピードで突き進み、辿り着いた先は無論地上の街。海が広がり、岬が窺え、家々が立ち並んでいる。人間達が居を構えている時点で、街として繁栄しているのが見て取れる……ハデスが目的を果たすには格好の場所だ。この繁栄している無害な街に居住する人間達の魂を奪取するつもりか。周囲を見回し、ハデスの姿を眼で隈なく捜すが何処にも見当たらない。まさか、この場所ではなかったのか。そう考えた刹那、ナチュレちゃんからの助言が耳に届いた。
「うしろじゃ!」
「来たね……?」
街の風景を背に、半身半損しているハデスへ漸く向き直る。ハデスが背にして余り見えないが、夕刻はどんどん終わりへ迫り宵が闇を連れて来ていた。半損しているハデスは腕組みをしてこちらをじっと見つめている。
「はぁぁぁぁ……。おいしょっと!」
「なんという!」
『足が生えてきちゃった?!』
と思ったら、その場で凌ぎの両足を再生させてしまった。その姿にぎょっとする。即席の両足だなんて、二度と見られたものでもない。破壊しても直ぐに再生する……そんなハデスに対して勝ち目はあるのだろうか。駄目だ、弱気になってはいけない。背後で神VS天使の戦いを見守ってくれている人間達を何としてでも守り通さなければ。私達に……明日はないのだ。
ダメージが思ったよりも受けていた模様。しかし、運良く回復玉がこちらに飛んで来る。そのお陰で身体が回復していくのが分かり胸を撫で下ろす。正直回復玉が無ければどうなっていたか分からなかった。大丈夫、私達はまだ戦える。
「近づいてくる弾は撃ち落として!」
「爆発する弾は撃たないほうがよさげじゃの。」
「やみくもに撃っても撃たなくても勝てませんよ。」
「落とすべき敵弾はどれか、よく考えるのじゃ!」
即席で両足を再生させたハデスは、青い弾と赤い弾を同時に繰り出して来た。パルテナ様とナチュレちゃんが交互に助言して来たが、聞いてみると青い弾と赤い弾のどちらかが撃ち落とせて、反対に当てると爆発する仕掛けになっているそうだ。ダメージを喰らわずにダメージを与えるには爆発する弾を見極める必要がある。非常に厄介だ。適切な助言に偽りは当然ないと来れば、射撃する弾は一体どちらなのだろう。思惑を敢えて述べるならば、ハデスにダメージだけを喰らわせてやりたい。
「セラちゃん。どっちだと思う?」
『……うーん。青かな。』
それには、青か。はたまた赤なのか。攻略していなければ、きっと先へは進めない。ピット君が前方を向いたまま、私に意見を仰いで来た。自信なんて、ない。この返答は、直感に過ぎないのだから。直感に過ぎないが、赤い弾は見るからに爆発してしまいそうな印象を受けた。青い弾が正解なのでは。三方の助言に従いピット君は、青い弾へ照準を合わせ射撃し始めた。返答に根拠がなく自信もなかったが、彼は信じてハデスへと徐々にダメージを与えている。見るからにその判断は正しかった。青い弾を撃ち返し、反撃するピット君。私も彼に習い、射撃ボタンを押す。知っての通り、撃つと爆発する赤い弾を避けつつ。順調にダメージをハデスに蓄積出来ていると思う。その矢先、ハデスが両手でバリアを張って来た。そのバリアはミラー弾で私達が繰り出した射撃を見事に撥ね返すのだと察知した時には遅く、こちら側へ勢い良く向かって来ていた。
何とかぎりぎり躱せたものの、あのミラーを破壊する手立てがない。ここに来て、打つ手なしか。けれど今此処で諦めてしまえば、背後で私達の戦いの行く末を見守っている人間達は危機に晒された挙げ句絶望してしまう。その為に私達は戦っているのに、それでは意義をなくしてしまう……。考えろ、考えるんだ。ハデスのミラー弾を打ち消す手段を。
異空間の中を猛スピードで突き進み、辿り着いた先は無論地上の街。海が広がり、岬が窺え、家々が立ち並んでいる。人間達が居を構えている時点で、街として繁栄しているのが見て取れる……ハデスが目的を果たすには格好の場所だ。この繁栄している無害な街に居住する人間達の魂を奪取するつもりか。周囲を見回し、ハデスの姿を眼で隈なく捜すが何処にも見当たらない。まさか、この場所ではなかったのか。そう考えた刹那、ナチュレちゃんからの助言が耳に届いた。
「うしろじゃ!」
「来たね……?」
街の風景を背に、半身半損しているハデスへ漸く向き直る。ハデスが背にして余り見えないが、夕刻はどんどん終わりへ迫り宵が闇を連れて来ていた。半損しているハデスは腕組みをしてこちらをじっと見つめている。
「はぁぁぁぁ……。おいしょっと!」
「なんという!」
『足が生えてきちゃった?!』
と思ったら、その場で凌ぎの両足を再生させてしまった。その姿にぎょっとする。即席の両足だなんて、二度と見られたものでもない。破壊しても直ぐに再生する……そんなハデスに対して勝ち目はあるのだろうか。駄目だ、弱気になってはいけない。背後で神VS天使の戦いを見守ってくれている人間達を何としてでも守り通さなければ。私達に……明日はないのだ。
ダメージが思ったよりも受けていた模様。しかし、運良く回復玉がこちらに飛んで来る。そのお陰で身体が回復していくのが分かり胸を撫で下ろす。正直回復玉が無ければどうなっていたか分からなかった。大丈夫、私達はまだ戦える。
「近づいてくる弾は撃ち落として!」
「爆発する弾は撃たないほうがよさげじゃの。」
「やみくもに撃っても撃たなくても勝てませんよ。」
「落とすべき敵弾はどれか、よく考えるのじゃ!」
即席で両足を再生させたハデスは、青い弾と赤い弾を同時に繰り出して来た。パルテナ様とナチュレちゃんが交互に助言して来たが、聞いてみると青い弾と赤い弾のどちらかが撃ち落とせて、反対に当てると爆発する仕掛けになっているそうだ。ダメージを喰らわずにダメージを与えるには爆発する弾を見極める必要がある。非常に厄介だ。適切な助言に偽りは当然ないと来れば、射撃する弾は一体どちらなのだろう。思惑を敢えて述べるならば、ハデスにダメージだけを喰らわせてやりたい。
「セラちゃん。どっちだと思う?」
『……うーん。青かな。』
それには、青か。はたまた赤なのか。攻略していなければ、きっと先へは進めない。ピット君が前方を向いたまま、私に意見を仰いで来た。自信なんて、ない。この返答は、直感に過ぎないのだから。直感に過ぎないが、赤い弾は見るからに爆発してしまいそうな印象を受けた。青い弾が正解なのでは。三方の助言に従いピット君は、青い弾へ照準を合わせ射撃し始めた。返答に根拠がなく自信もなかったが、彼は信じてハデスへと徐々にダメージを与えている。見るからにその判断は正しかった。青い弾を撃ち返し、反撃するピット君。私も彼に習い、射撃ボタンを押す。知っての通り、撃つと爆発する赤い弾を避けつつ。順調にダメージをハデスに蓄積出来ていると思う。その矢先、ハデスが両手でバリアを張って来た。そのバリアはミラー弾で私達が繰り出した射撃を見事に撥ね返すのだと察知した時には遅く、こちら側へ勢い良く向かって来ていた。
何とかぎりぎり躱せたものの、あのミラーを破壊する手立てがない。ここに来て、打つ手なしか。けれど今此処で諦めてしまえば、背後で私達の戦いの行く末を見守っている人間達は危機に晒された挙げ句絶望してしまう。その為に私達は戦っているのに、それでは意義をなくしてしまう……。考えろ、考えるんだ。ハデスのミラー弾を打ち消す手段を。
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