第25章 戦いに終止符を(前編)
セラ
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「ぁ痛って!」
「ん?コケた?」
『えっ?そんなことが?』
無駄だとしても、何もしないよりかは遥かにましだ。距離を開き、ハデスの上半身に向けて頻りに射撃を加えてみる。走行しているにも関わらず、ハデスは誘導性のあるビームを身体から放出。私達に向けて、ダメージを与えんとする。だが、ピット君の機転の利かせでどうにか回避出来ているがどうにも苦しい状況だ。走行しているハデスはいとも問わず、複数の弾を撃って来る。フットワークが軽い。それでいて全身兵器だ。背筋がゾクリとする。なのにどことなくお茶目さは残っているらしく、私達からの射撃に怯み何と転んでしまったらしいハデス。遠距離故に状況把握が出来ず、徐々に距離を狭めて行く。
「んモウ。ケガしたらどーするのよ。」
『?!』
「ハデス!キィーック!!」
そんな折、膝を付いていたハデスが突如上へ勢い良くジャンプした。そうして何処かのヒーローが繰り出しそうなキックを思う存分こちら目掛けて斜めに蹴って来る。間一髪難を逃れるが、あと数秒遅ければ全て吹き飛ばされ変化してしまった地形の如く、私達は一溜りもなかったに違いない。思わず嫌な想像を膨らませ、顔を引き攣らせる。あんな巨体と戦い合っているのに、最小限のダメージで済んでいる。豪運の持ち主としか思えない。パルテナ様の加護のお陰か。
「甘い甘い!」
『あ、あぶなかったぁ……。』
「まだまだなんだろう?」
「そうね。まだ腹ごなし程度……よッ!!」
「逃がすかッ!!」
『高速フォーム!!』
キックを繰り出した後、ハデスは言葉の続きを言い終えたと同時に突如何処かへ飛び去ってしまう。いきなり何を思ったのかは察知出来ない。ハデスの事だ、悪辣な思惑であるのだけは分かる。戦いの最中に離脱するなんてよっぽどだ。悪辣な思惑なのだけは分かったが、上に逃避する意味とは一体。察知は出来ていないものの、不吉な予感がしている。ハデスに追いつき、尚且つ止めなければ後悔してしまいそうな……そんな気がした。不吉な予感で胸を騒つかせながらも真・三種の神器でハデスに追いつくべくフォームを変更して追い掛ける。以前にも話したが、例えるならそう……絶叫マシーンだ。光の戦車も加速させると、危うく四肢がもげてしまいそうな勢いだが、真・三種の神器も引けを取らない。だが、この神器の場合は四肢ではない。首だ。首の骨が持っていかれそうになる。それでいえて、絶叫マシーンだ。お陰で首がガクガクいっている。酷いってものじゃない。こんな姿誰にも見せられまい。よかった……ピット君が前を向いてくれていて。
暗闇が空間を覆う中、私達は加速させてハデスの両足へ追いつく迄に距離が狭まって来ている。一条の光。それは言わずもがな、真・三種の神器だ。
「おぉっ!ついて来ているとはね!」
「さ、す、が、は、真・三種の神器……!」
『し、死にそう……。』
「なんだ、本人たちがもたないの?がんばんなよ。」
相も変わらず異空間の中を移動し、何処かへ向かっているハデス。未だ目的地は不明。意識が遠退きそうになるのを必死に耐えながら、首をガクガクいわせている。そろそろ目的地に到着しないか淡い期待を抱いてみるものの、神器とハデスがまるで競争の如く追い抜いたり追いかけられている時点でその期待は見事に打ち砕かれていた。私は未だにヒロインのポジションらしかぬ立ち振る舞いをしていなくてならないのだ。思わず、涙。こんな醜態を晒しているヒロインなんて然う然ういないだろう。只一つ言えるのは、首の骨が持っていかれないように耐えるしかない。
「戦いの最中に なんで飛び去るんだ?!」
「地上界に向かって、人間どもの国でもひとつ滅ぼしておこうと思ってね。」
「なんだって?!」
『そういう魂胆、ね……。』
ハデスの左足に神器を寄せて、左足に出来た砲台から連射弾を発射して来る。首をガクガクいわせながら、ピット君とハデスとの会話に参加。ハデスの悪辣な思惑がここではっきりする。ハデスは地上界に向かって人間達をどうにかしようと考え、行動していたのだ。こういう場面でもなければいつもの如く熱り立っていたが正直自身の首だけに全神経を集中させている。会話は耳に届いているが、心焉に在らずだ。その代わり、ピット君がハデスからの連射弾をうまく躱しつつ砲台へ片っ端から射撃している。しかも、タメ射撃だ。時折、バリアを張っているが目眩ましにすらならないだろう。
「犠牲者の魂はハデスのエネルギーとなりえるからのう。」
「屍の山で雰囲気盛り上げといてピットくんとセラちゃんを待とうと思っていたのに。まさか追いつけるとは思わなかったよ。ズルいなぁ。」
「ん?コケた?」
『えっ?そんなことが?』
無駄だとしても、何もしないよりかは遥かにましだ。距離を開き、ハデスの上半身に向けて頻りに射撃を加えてみる。走行しているにも関わらず、ハデスは誘導性のあるビームを身体から放出。私達に向けて、ダメージを与えんとする。だが、ピット君の機転の利かせでどうにか回避出来ているがどうにも苦しい状況だ。走行しているハデスはいとも問わず、複数の弾を撃って来る。フットワークが軽い。それでいて全身兵器だ。背筋がゾクリとする。なのにどことなくお茶目さは残っているらしく、私達からの射撃に怯み何と転んでしまったらしいハデス。遠距離故に状況把握が出来ず、徐々に距離を狭めて行く。
「んモウ。ケガしたらどーするのよ。」
『?!』
「ハデス!キィーック!!」
そんな折、膝を付いていたハデスが突如上へ勢い良くジャンプした。そうして何処かのヒーローが繰り出しそうなキックを思う存分こちら目掛けて斜めに蹴って来る。間一髪難を逃れるが、あと数秒遅ければ全て吹き飛ばされ変化してしまった地形の如く、私達は一溜りもなかったに違いない。思わず嫌な想像を膨らませ、顔を引き攣らせる。あんな巨体と戦い合っているのに、最小限のダメージで済んでいる。豪運の持ち主としか思えない。パルテナ様の加護のお陰か。
「甘い甘い!」
『あ、あぶなかったぁ……。』
「まだまだなんだろう?」
「そうね。まだ腹ごなし程度……よッ!!」
「逃がすかッ!!」
『高速フォーム!!』
キックを繰り出した後、ハデスは言葉の続きを言い終えたと同時に突如何処かへ飛び去ってしまう。いきなり何を思ったのかは察知出来ない。ハデスの事だ、悪辣な思惑であるのだけは分かる。戦いの最中に離脱するなんてよっぽどだ。悪辣な思惑なのだけは分かったが、上に逃避する意味とは一体。察知は出来ていないものの、不吉な予感がしている。ハデスに追いつき、尚且つ止めなければ後悔してしまいそうな……そんな気がした。不吉な予感で胸を騒つかせながらも真・三種の神器でハデスに追いつくべくフォームを変更して追い掛ける。以前にも話したが、例えるならそう……絶叫マシーンだ。光の戦車も加速させると、危うく四肢がもげてしまいそうな勢いだが、真・三種の神器も引けを取らない。だが、この神器の場合は四肢ではない。首だ。首の骨が持っていかれそうになる。それでいえて、絶叫マシーンだ。お陰で首がガクガクいっている。酷いってものじゃない。こんな姿誰にも見せられまい。よかった……ピット君が前を向いてくれていて。
暗闇が空間を覆う中、私達は加速させてハデスの両足へ追いつく迄に距離が狭まって来ている。一条の光。それは言わずもがな、真・三種の神器だ。
「おぉっ!ついて来ているとはね!」
「さ、す、が、は、真・三種の神器……!」
『し、死にそう……。』
「なんだ、本人たちがもたないの?がんばんなよ。」
相も変わらず異空間の中を移動し、何処かへ向かっているハデス。未だ目的地は不明。意識が遠退きそうになるのを必死に耐えながら、首をガクガクいわせている。そろそろ目的地に到着しないか淡い期待を抱いてみるものの、神器とハデスがまるで競争の如く追い抜いたり追いかけられている時点でその期待は見事に打ち砕かれていた。私は未だにヒロインのポジションらしかぬ立ち振る舞いをしていなくてならないのだ。思わず、涙。こんな醜態を晒しているヒロインなんて然う然ういないだろう。只一つ言えるのは、首の骨が持っていかれないように耐えるしかない。
「戦いの最中に なんで飛び去るんだ?!」
「地上界に向かって、人間どもの国でもひとつ滅ぼしておこうと思ってね。」
「なんだって?!」
『そういう魂胆、ね……。』
ハデスの左足に神器を寄せて、左足に出来た砲台から連射弾を発射して来る。首をガクガクいわせながら、ピット君とハデスとの会話に参加。ハデスの悪辣な思惑がここではっきりする。ハデスは地上界に向かって人間達をどうにかしようと考え、行動していたのだ。こういう場面でもなければいつもの如く熱り立っていたが正直自身の首だけに全神経を集中させている。会話は耳に届いているが、心焉に在らずだ。その代わり、ピット君がハデスからの連射弾をうまく躱しつつ砲台へ片っ端から射撃している。しかも、タメ射撃だ。時折、バリアを張っているが目眩ましにすらならないだろう。
「犠牲者の魂はハデスのエネルギーとなりえるからのう。」
「屍の山で雰囲気盛り上げといてピットくんとセラちゃんを待とうと思っていたのに。まさか追いつけるとは思わなかったよ。ズルいなぁ。」