第25章 戦いに終止符を(前編)
セラ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おら!」
「年貢の納めどきだな、冥府の王よ!」
『観念しなさい!』
連射弾を放って来るハデス。この連射弾は射撃を当て相殺させる目的でいたのだが、結局総裁出来ずにスレスレで回避するに至る。総裁出来る攻撃とそうでないものがあって、なかなか判別しにくいものだ。一瞬で見抜き、攻撃するか否かを判断するのも難しい。ピット君が大々的に啖呵を切っているが、それとは相反に地味な操作を強要されている事実に苦笑いを浮かべるしかないのが本音だ。ハデスに本当の狙いを悟られても困るから何も言わないが。これもまた必勝へと繋げる第一歩だとは。口が避けても言えまい。
「ハッ!」
ハデスは、紫色の低速弾を放って来る。両眼一杯に広がり、神器へとゆっくり差し迫る。これは避けようがない。ここで射撃を加えて、相殺出来なければ明らかにダメージを喰らうだろう。幾らオリハルコン製だからと言って、効果は決して永遠ではない。何に対しても、そうだ。ゆっくり私達に差し迫っていた紫色の低速弾は、神器が放った射撃弾に寄って撃ち落とされる。相殺は成功だ。
「このハデスさんをどうにかしようっての?ご冗談を!!」
そう言い放った直後、ハデスはあの巨体で跳躍した。と思えば、勢い良く地形を揺るがせ早々原型を留めていない岩山へパンチを喰らわせた。私達へ向けての攻撃だったのだろうが、軌道が逸れて岩山が見事な迄にへこみ、ひび割れてしまう。それだけに留まらず、勢い余ったお陰で岩山から拳が抜けなくなってしまったらしい。
「あー、抜けなくなっちゃったね。」
『なに、やってるのよ。』
岩山が地面と化した地形に、拳がめり込んでしまったらしく懸命に抜け出そうとしている姿を前に容赦なく攻撃を加える神器。まぁ、私達の意思であるがそれでもダメージを喰らっている様子は見られない。端から見たら、お茶目な行動として片付けられるのだろうがあのパンチを喰らってしまったらダメージだけで済んだかも分からないし、何より破壊力がある。ハデスの攻撃をうまく受け流し、反撃する手立てが果たしてあるのだろうか。厭、弱気になってはいけない。必ず何処かに打開策がある筈だ。それを捜す。
「よいしょっと。では、これなら〜どうだぁッ!!」
『はッ!!』
「いける!いけるぞ!真・三種の神器のマッハダッシュなら!!」
思ったよりも早く地形から抜け出した冥府の王。抜け出したと同時に鋭利な弾がこちら目掛けて向かって来る。攻撃の手数が多い。それでも、こちらだって負けてはいない模様だ。じっくりじっくり、勝利の二文字へと繋げ勝ち取る私達だ。劣勢へ傾きがちに進行しつつあるが、それでも只では転ばない。鋭利な弾を放ち、激しい攻撃が目立つがスルリスルリ躱しているのだ。これは、良い兆候が窺える。四方八方に飛ばしている鋭利な弾を放つハデス。弾が飛んで来る方向を見極め、平然と躱して行くピット君。スピードについて行くのがやっとな私でも分かる。ハデスに追い上げるピット君が。一気に距離を詰め、神器からタメ射撃を喰らわせてみるもののダメージが本の僅かだろう。
「ならこれを……喰らってみるかい?!」
「た、竜巻?!」
『や、ヤバイわ!』
「ピット、セラ、離れて!巻き込まれますよ!!」
こちら側が劣勢なのは変わらない。それでも突破口があるのならば、それに縋りたいのだ。パルテナ様からの助言が届くかもしれないから、耳を傾きつつハデスの反撃に備えていた。然すれば、僅差でハデスが竜巻を起こし大ダメージを狙って来たのだ。このままだと明らかに彼の思惑通りになってしまう。どうにかして回避し、この場をやり過ごさなければ。パルテナ様からの焦った声音が内耳を掠めた時には、竜巻に巻き込まれないように出来る限り遠距離へ広げていた。近付けば、結果は見えている。
竜巻に巻き込まれない微妙な距離感を保ち、何とかぎりぎりで竜巻をやり過ごす。ほっと安堵の溜息を吐き、安心したのも束の間今度は地をも揺らすあの巨体で走行し始めたハデス。驚きの余り、全速力で後退する私達。
「なら こちらから近づいちゃうもんね!!」
「うぉぉぉおッ!!」
『きゃぁぁぁぁッ!!』
「たまにはカラダを動かさなきゃ!!」
「あの巨体でこんなに走れるとは!さすがにはじめて見るわ。」
物凄い迫力だ。しかし、怖気づいてもいられない。距離を思いきり開き、ハデスから追い詰められないように注意を払いながらこの隙に乗じて射撃を喰らわせている。先程回避に専念し、どんな手の内かあわよくばハデスの弱点を知れたら良かったのだが、弱点らしい弱点は発見出来なかった。打って変わって今度は攻撃しているが、ダメージはよもや蓄積出来ているだろう。走行スピードは一向に変わらず、徒競走している。追い付かれてしまえば、ハデスは私達をどうにかしてしまうだろう。ここで追い付かれてしまえば私達に、後はない。
「年貢の納めどきだな、冥府の王よ!」
『観念しなさい!』
連射弾を放って来るハデス。この連射弾は射撃を当て相殺させる目的でいたのだが、結局総裁出来ずにスレスレで回避するに至る。総裁出来る攻撃とそうでないものがあって、なかなか判別しにくいものだ。一瞬で見抜き、攻撃するか否かを判断するのも難しい。ピット君が大々的に啖呵を切っているが、それとは相反に地味な操作を強要されている事実に苦笑いを浮かべるしかないのが本音だ。ハデスに本当の狙いを悟られても困るから何も言わないが。これもまた必勝へと繋げる第一歩だとは。口が避けても言えまい。
「ハッ!」
ハデスは、紫色の低速弾を放って来る。両眼一杯に広がり、神器へとゆっくり差し迫る。これは避けようがない。ここで射撃を加えて、相殺出来なければ明らかにダメージを喰らうだろう。幾らオリハルコン製だからと言って、効果は決して永遠ではない。何に対しても、そうだ。ゆっくり私達に差し迫っていた紫色の低速弾は、神器が放った射撃弾に寄って撃ち落とされる。相殺は成功だ。
「このハデスさんをどうにかしようっての?ご冗談を!!」
そう言い放った直後、ハデスはあの巨体で跳躍した。と思えば、勢い良く地形を揺るがせ早々原型を留めていない岩山へパンチを喰らわせた。私達へ向けての攻撃だったのだろうが、軌道が逸れて岩山が見事な迄にへこみ、ひび割れてしまう。それだけに留まらず、勢い余ったお陰で岩山から拳が抜けなくなってしまったらしい。
「あー、抜けなくなっちゃったね。」
『なに、やってるのよ。』
岩山が地面と化した地形に、拳がめり込んでしまったらしく懸命に抜け出そうとしている姿を前に容赦なく攻撃を加える神器。まぁ、私達の意思であるがそれでもダメージを喰らっている様子は見られない。端から見たら、お茶目な行動として片付けられるのだろうがあのパンチを喰らってしまったらダメージだけで済んだかも分からないし、何より破壊力がある。ハデスの攻撃をうまく受け流し、反撃する手立てが果たしてあるのだろうか。厭、弱気になってはいけない。必ず何処かに打開策がある筈だ。それを捜す。
「よいしょっと。では、これなら〜どうだぁッ!!」
『はッ!!』
「いける!いけるぞ!真・三種の神器のマッハダッシュなら!!」
思ったよりも早く地形から抜け出した冥府の王。抜け出したと同時に鋭利な弾がこちら目掛けて向かって来る。攻撃の手数が多い。それでも、こちらだって負けてはいない模様だ。じっくりじっくり、勝利の二文字へと繋げ勝ち取る私達だ。劣勢へ傾きがちに進行しつつあるが、それでも只では転ばない。鋭利な弾を放ち、激しい攻撃が目立つがスルリスルリ躱しているのだ。これは、良い兆候が窺える。四方八方に飛ばしている鋭利な弾を放つハデス。弾が飛んで来る方向を見極め、平然と躱して行くピット君。スピードについて行くのがやっとな私でも分かる。ハデスに追い上げるピット君が。一気に距離を詰め、神器からタメ射撃を喰らわせてみるもののダメージが本の僅かだろう。
「ならこれを……喰らってみるかい?!」
「た、竜巻?!」
『や、ヤバイわ!』
「ピット、セラ、離れて!巻き込まれますよ!!」
こちら側が劣勢なのは変わらない。それでも突破口があるのならば、それに縋りたいのだ。パルテナ様からの助言が届くかもしれないから、耳を傾きつつハデスの反撃に備えていた。然すれば、僅差でハデスが竜巻を起こし大ダメージを狙って来たのだ。このままだと明らかに彼の思惑通りになってしまう。どうにかして回避し、この場をやり過ごさなければ。パルテナ様からの焦った声音が内耳を掠めた時には、竜巻に巻き込まれないように出来る限り遠距離へ広げていた。近付けば、結果は見えている。
竜巻に巻き込まれない微妙な距離感を保ち、何とかぎりぎりで竜巻をやり過ごす。ほっと安堵の溜息を吐き、安心したのも束の間今度は地をも揺らすあの巨体で走行し始めたハデス。驚きの余り、全速力で後退する私達。
「なら こちらから近づいちゃうもんね!!」
「うぉぉぉおッ!!」
『きゃぁぁぁぁッ!!』
「たまにはカラダを動かさなきゃ!!」
「あの巨体でこんなに走れるとは!さすがにはじめて見るわ。」
物凄い迫力だ。しかし、怖気づいてもいられない。距離を思いきり開き、ハデスから追い詰められないように注意を払いながらこの隙に乗じて射撃を喰らわせている。先程回避に専念し、どんな手の内かあわよくばハデスの弱点を知れたら良かったのだが、弱点らしい弱点は発見出来なかった。打って変わって今度は攻撃しているが、ダメージはよもや蓄積出来ているだろう。走行スピードは一向に変わらず、徒競走している。追い付かれてしまえば、ハデスは私達をどうにかしてしまうだろう。ここで追い付かれてしまえば私達に、後はない。