第25章 戦いに終止符を(前編)
セラ
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時は満ちた。
パルテナ様から出陣命令が下る。あの後、必死に思い起こすもののまるで該当せずお手上げ状態となってしまう。そんな中での出陣命令は幸いにもそれ等の出来事を一時でも忘れさせてくれた。私達に課せられた使命は、冥府の王討伐これだけなのだ。ゲートへ向かうべく、駆け出す。ゲートからオリハルコン製否真・三種の神器に乗り込み、私達は冥府界へ再度向かう。ゲートへ駆け出している最中、ピット君が走行する後ろ姿が見えた。
「『真・三種の神器!』」
跳躍力をフルに、ふわり浮くピット君。私も彼に習い、ふわり浮いてみる。それは一瞬だった。ふわり浮く私達は、機体が真っ暗闇からぼうっと浮かび上がるのを見る。その拍子に浮かび上がった機体にそっと乗り込んだ。今回は真・三種の神器の大きさに合わせているのか縦長にゲートが開かれる。凄い音を立てて。ゲートが開かれたと同時に真・三種の神器はマッハなスピードで一気に冥府界へ繰り出した。場所が場所だけに冥府の魔物がぞろぞろ居るのが窺える。だが、乗り込んでいる神器の敵ではない。
「ほんとうにこれが最後の戦いになるでしょう。がんばって、ピット!セラ!」「『はいッ!パルテナ様!』」
「わらわも見届けようぞ。」
「『ナチュレ(ちゃん)!』」
「三界をまたにかけた戦いの結末じゃ。見逃せん!」
夕刻。
茜色の空が冥府界をも照らしている。真・三種の神器で冥府に住む魔物達を片っ端から浄化しているが、やはり威力は強大だ。そんな中で耳に届くナチュレちゃんの声。しかし役者は全員揃わず、未だに今回の対戦相手は姿を見せない。冥府界全ての地形がハデスの根城だと言われているし、パルテナ様がハデスの居場所を察知していない筈もなく近辺に潜伏しているのではないかと冷や汗を伝らせている。ナチュレちゃんも見てくれているし、誰もが注視する戦いだ。魔物達を全て浄化し終えて、私達は運悪く行く手を阻んでいた妨害を撥ね退けては先に進む。スピードが速く、未だに移動の際さえもついて行けてはいない。前に鎮座しているピット君は一切そんな様子はなし。羨ましい限りだ。反射で苦笑いを浮かべつつ、何処からハデスが出現するか目を凝らしていればいつの間にか景色はゴツゴツした山々が立ち並んでいるのに気が付いた。まさか、この岩山からハデスが。そんな訳がないだろうと一瞬にして考えを一蹴させたのだが、まさか当たっていただなんて誰が予想したか。
……私だ。
「とうッ!来たな、ピット!セラ!」
「いくぞ!ハデス!」
「ピット!」
「ハデス!」
「ピット!」
「ハデス!」
「ピットォォォォ!」
『(うぅ……コワイ。)』
「ハデ……プシュン!」
「ええー。」
「あ、ゴメンゴメン。とにかく!」
「「『いざ勝負!!』」」
『(ふたりの空気について行けなくなりそ。)』
その予想は大いに当たる。ゴツゴツした岩山から光が四方八方に漏れ出し、次の瞬間冥府の王ハデスが姿を現した。相変わらずの巨体だ。その巨体が今迄とは相違し、何処か……凄みを利かせている気がするのは果たして気のせいか。冷や汗がまたしても伝い、背筋を凍て付かせる。風は強く吹いており、私達が乗り込む神器とハデスを包み込む。まるで、全ての生命が私達の戦いを見届けてくれるかのよう。戦いの前にする何故かお約束展開。そのやり取りを繰り広げた天使と神は、静かに対峙した。段々二人の醸し出す空気について行けなくなりそうだったが、かろうじてそれは回避出来ている。
「ウラー!!」
「オラー!!」
漸く、冥府の王VS天使の戦いが始まりを告げた。神器とハデスのパンチがぶつかり合い、岩山が音を立てて悉く破壊されている。そのぐらいの激突であり、衝撃だ。力と力がぶつかり合い、山は地形を変動させてしまう。経過を言えば、優勢も劣勢もない。強いて挙げるのならば、地形をも揺るがす程のド迫力な戦いだ。最後の戦いでもあるし、私もナチュレちゃん同様傍観者になるべきだったか。いやいや、それでは意味がない。私は、決めたのだ。最後の最後まで何があっても戦い抜く、と。
「いーいマシンに乗ってきたねぇ!」
一度手合わせしているが、ハデスの能力は未知数だ。たった今この瞬間ビームショットを繰り出してきたが、観察中。彼の能力を知るべく、回避に専念している。パルテナ様がこっそり教えてくれたのだが、攻撃を仕掛けるよりもまずは回避に専念し、ハデスの攻撃パターンを知るのも作戦の内だと話してくれた。攻撃は最大の防御とも言うし、ハデスが仕掛けて来た攻撃を相殺させるぐらいならば構わないだろう。相手の能力を知り、次の攻撃に活かす。シンプルであるが、的を射た作戦だろう。
パルテナ様から出陣命令が下る。あの後、必死に思い起こすもののまるで該当せずお手上げ状態となってしまう。そんな中での出陣命令は幸いにもそれ等の出来事を一時でも忘れさせてくれた。私達に課せられた使命は、冥府の王討伐これだけなのだ。ゲートへ向かうべく、駆け出す。ゲートからオリハルコン製否真・三種の神器に乗り込み、私達は冥府界へ再度向かう。ゲートへ駆け出している最中、ピット君が走行する後ろ姿が見えた。
「『真・三種の神器!』」
跳躍力をフルに、ふわり浮くピット君。私も彼に習い、ふわり浮いてみる。それは一瞬だった。ふわり浮く私達は、機体が真っ暗闇からぼうっと浮かび上がるのを見る。その拍子に浮かび上がった機体にそっと乗り込んだ。今回は真・三種の神器の大きさに合わせているのか縦長にゲートが開かれる。凄い音を立てて。ゲートが開かれたと同時に真・三種の神器はマッハなスピードで一気に冥府界へ繰り出した。場所が場所だけに冥府の魔物がぞろぞろ居るのが窺える。だが、乗り込んでいる神器の敵ではない。
「ほんとうにこれが最後の戦いになるでしょう。がんばって、ピット!セラ!」「『はいッ!パルテナ様!』」
「わらわも見届けようぞ。」
「『ナチュレ(ちゃん)!』」
「三界をまたにかけた戦いの結末じゃ。見逃せん!」
夕刻。
茜色の空が冥府界をも照らしている。真・三種の神器で冥府に住む魔物達を片っ端から浄化しているが、やはり威力は強大だ。そんな中で耳に届くナチュレちゃんの声。しかし役者は全員揃わず、未だに今回の対戦相手は姿を見せない。冥府界全ての地形がハデスの根城だと言われているし、パルテナ様がハデスの居場所を察知していない筈もなく近辺に潜伏しているのではないかと冷や汗を伝らせている。ナチュレちゃんも見てくれているし、誰もが注視する戦いだ。魔物達を全て浄化し終えて、私達は運悪く行く手を阻んでいた妨害を撥ね退けては先に進む。スピードが速く、未だに移動の際さえもついて行けてはいない。前に鎮座しているピット君は一切そんな様子はなし。羨ましい限りだ。反射で苦笑いを浮かべつつ、何処からハデスが出現するか目を凝らしていればいつの間にか景色はゴツゴツした山々が立ち並んでいるのに気が付いた。まさか、この岩山からハデスが。そんな訳がないだろうと一瞬にして考えを一蹴させたのだが、まさか当たっていただなんて誰が予想したか。
……私だ。
「とうッ!来たな、ピット!セラ!」
「いくぞ!ハデス!」
「ピット!」
「ハデス!」
「ピット!」
「ハデス!」
「ピットォォォォ!」
『(うぅ……コワイ。)』
「ハデ……プシュン!」
「ええー。」
「あ、ゴメンゴメン。とにかく!」
「「『いざ勝負!!』」」
『(ふたりの空気について行けなくなりそ。)』
その予想は大いに当たる。ゴツゴツした岩山から光が四方八方に漏れ出し、次の瞬間冥府の王ハデスが姿を現した。相変わらずの巨体だ。その巨体が今迄とは相違し、何処か……凄みを利かせている気がするのは果たして気のせいか。冷や汗がまたしても伝い、背筋を凍て付かせる。風は強く吹いており、私達が乗り込む神器とハデスを包み込む。まるで、全ての生命が私達の戦いを見届けてくれるかのよう。戦いの前にする何故かお約束展開。そのやり取りを繰り広げた天使と神は、静かに対峙した。段々二人の醸し出す空気について行けなくなりそうだったが、かろうじてそれは回避出来ている。
「ウラー!!」
「オラー!!」
漸く、冥府の王VS天使の戦いが始まりを告げた。神器とハデスのパンチがぶつかり合い、岩山が音を立てて悉く破壊されている。そのぐらいの激突であり、衝撃だ。力と力がぶつかり合い、山は地形を変動させてしまう。経過を言えば、優勢も劣勢もない。強いて挙げるのならば、地形をも揺るがす程のド迫力な戦いだ。最後の戦いでもあるし、私もナチュレちゃん同様傍観者になるべきだったか。いやいや、それでは意味がない。私は、決めたのだ。最後の最後まで何があっても戦い抜く、と。
「いーいマシンに乗ってきたねぇ!」
一度手合わせしているが、ハデスの能力は未知数だ。たった今この瞬間ビームショットを繰り出してきたが、観察中。彼の能力を知るべく、回避に専念している。パルテナ様がこっそり教えてくれたのだが、攻撃を仕掛けるよりもまずは回避に専念し、ハデスの攻撃パターンを知るのも作戦の内だと話してくれた。攻撃は最大の防御とも言うし、ハデスが仕掛けて来た攻撃を相殺させるぐらいならば構わないだろう。相手の能力を知り、次の攻撃に活かす。シンプルであるが、的を射た作戦だろう。