第2章 魔王とマグナ(前編)
セラ
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と言ってもまだ目的地の城には到達していないのだが。
「地下の空洞の様です。」
『岩山にもこんな場所があるんですね…』
「こんな所でも冥府軍は元気だなぁ」
「冥府の魔物にとっては地下の方が居心地が良いのかも?」
『…なるほど。』
「納得です!ジメジメしちゃってもう!」
衰えない魔物達、神器を装備する私達の手は休まる暇等ない。岩山から地下に降り立ったのにも関わらず冥府軍は…空中よりも動きが活発になっている気がする。
パルテナ様の…“地下の方が居心地が良いのかも?”に納得した表情を浮かべたのは私達だ。冥府軍を蹴散らしながら空洞の先を少し行くと魔物ダ・イーの姿が現れる。
突如現れたからか反応が鈍る。いつ何処に敵が出現するか分からない状況下油断は出来ない…いつ何時も。慎重に浮遊しながら、ピット君と私は棘に当たらぬ様ダ・イーを浄化した。地下の空洞を潜り抜け、岩と岩の間をスイスイと通り抜ける。後方から巨大な魔物ホエーラが襲ってきたとしても何のその。パルテナ様の奇跡のお陰で、飛行ルートは彼女がコントロールしてくれる為、私もピット君も射撃や回避に専念出来、集中する事が出来る。
ホエーラの攻撃、つまり言えば口内から他の魔物を吐きだし、私達に攻撃して来ているのだけど私達しか通れない様な岩のトンネルを抜ければ、後方数メートルを付いて来ていたホエーラは自身の巨体が逆に弱点となってしまったのか…岩のトンネルを抜けられず仕舞いとなってしまった。
『…何とか回避出来たみたいね。』
「そうだね。」
何とか回避出来、自然に安堵の溜め息が口から零れ出ていた。あんなに巨体の魔物さえ、冥府軍はいとも簡単に生産してしまうのか…さすがメデューサと言った所か…。
「二人共!安心するのはまだ早いですよ!魔王ガイナスの居城は直ぐそこです。」
『あっそうでした、つい…。でも、居城なんて何処にも…』
「そうですよ!目の前には壁が…!!」
「垂直に越えますよ。ぶつからない様に!!セラ!ピットの手をしっかりと握っていて下さい!」
『えっ…?!あっはい!!』
パルテナ様に忠告され、素直にピット君の手をギュッと握る。瞬間、ピット君の顔が赤く染まった気がしたが、いきなりか飛行スピードが上昇しそれ所ではなくなってしまう。
「うおおおおっ!!じ…Gがかかる!!」
「かなりの高さですが、一気に越えていきます!」
『(早くも…死にそう…)』
重力加速度や風圧等で目も開けられない状態になってしまったからだ。前髪は乱れ、額に風圧と言う名の攻撃がバシバシと襲って来る。
垂直に越えてる性で早くも死にそうになるが、何とか持ち堪える。堪えてはいるもののかなり厳しい飛行ルートである。ハードと言うか、何と言うか…今から討伐しに行くのにこれだけで“ヤラレチャッタ”になってしまいそうだ。
「…はあっ…これは?!」
『や…やっと越えられた…死ぬかと思った…んっ?あ…人々が…』
「魔王ガイナスを倒しに来た人間達と冥府軍との戦いです。」
『…酷い…。』
やっとの思いで壁を垂直に越える。壁を越えて見たものは冥府軍と魔王を倒しに来た人々との戦いだった。人々は自分達の住む街や村の平和を守る為に…冥府軍はそれを阻止し、魔王ガイナスの城へと近づけない為に。
本心は戦ってほしくない。戦ったとしてもそこから何かが生まれる訳でもないし、残るのは仲間を失う悲しみ、永遠に刻まれる傷だけ。でも戦わないと誰かを守られないのも事実、だから人々は勝利という希望に掛けて冥府軍に向かって行くんだ。
冥府軍に押され気味の人達、ピット君は加勢して助けようと試みるが飛翔の奇跡のデメリットを指摘され、ピット君の声が段々と小さくなっていく。
「人々に加勢している余裕はありません、ここは一気に大将を狙います。城の中まで送りますからそこから魔王ガイナスを浄化なさい。ガイナスを討てば冥府の軍勢も立ち去るでしょう。」
『!じゃあ、ガイナスを倒せば人々も助かるんですね?!』
「恐らくは…。セラ、ピット、くれぐれもお願いします。」
「了解です。天使の力お見せしましょう。」
『絶対、人々を救ってみせます!』
魔王ガイナスを浄化すれば、きっと人々は助かる。その思いだけを胸に私とピット君は魔王の城に乗り込んだ。
(To be continued)
「地下の空洞の様です。」
『岩山にもこんな場所があるんですね…』
「こんな所でも冥府軍は元気だなぁ」
「冥府の魔物にとっては地下の方が居心地が良いのかも?」
『…なるほど。』
「納得です!ジメジメしちゃってもう!」
衰えない魔物達、神器を装備する私達の手は休まる暇等ない。岩山から地下に降り立ったのにも関わらず冥府軍は…空中よりも動きが活発になっている気がする。
パルテナ様の…“地下の方が居心地が良いのかも?”に納得した表情を浮かべたのは私達だ。冥府軍を蹴散らしながら空洞の先を少し行くと魔物ダ・イーの姿が現れる。
突如現れたからか反応が鈍る。いつ何処に敵が出現するか分からない状況下油断は出来ない…いつ何時も。慎重に浮遊しながら、ピット君と私は棘に当たらぬ様ダ・イーを浄化した。地下の空洞を潜り抜け、岩と岩の間をスイスイと通り抜ける。後方から巨大な魔物ホエーラが襲ってきたとしても何のその。パルテナ様の奇跡のお陰で、飛行ルートは彼女がコントロールしてくれる為、私もピット君も射撃や回避に専念出来、集中する事が出来る。
ホエーラの攻撃、つまり言えば口内から他の魔物を吐きだし、私達に攻撃して来ているのだけど私達しか通れない様な岩のトンネルを抜ければ、後方数メートルを付いて来ていたホエーラは自身の巨体が逆に弱点となってしまったのか…岩のトンネルを抜けられず仕舞いとなってしまった。
『…何とか回避出来たみたいね。』
「そうだね。」
何とか回避出来、自然に安堵の溜め息が口から零れ出ていた。あんなに巨体の魔物さえ、冥府軍はいとも簡単に生産してしまうのか…さすがメデューサと言った所か…。
「二人共!安心するのはまだ早いですよ!魔王ガイナスの居城は直ぐそこです。」
『あっそうでした、つい…。でも、居城なんて何処にも…』
「そうですよ!目の前には壁が…!!」
「垂直に越えますよ。ぶつからない様に!!セラ!ピットの手をしっかりと握っていて下さい!」
『えっ…?!あっはい!!』
パルテナ様に忠告され、素直にピット君の手をギュッと握る。瞬間、ピット君の顔が赤く染まった気がしたが、いきなりか飛行スピードが上昇しそれ所ではなくなってしまう。
「うおおおおっ!!じ…Gがかかる!!」
「かなりの高さですが、一気に越えていきます!」
『(早くも…死にそう…)』
重力加速度や風圧等で目も開けられない状態になってしまったからだ。前髪は乱れ、額に風圧と言う名の攻撃がバシバシと襲って来る。
垂直に越えてる性で早くも死にそうになるが、何とか持ち堪える。堪えてはいるもののかなり厳しい飛行ルートである。ハードと言うか、何と言うか…今から討伐しに行くのにこれだけで“ヤラレチャッタ”になってしまいそうだ。
「…はあっ…これは?!」
『や…やっと越えられた…死ぬかと思った…んっ?あ…人々が…』
「魔王ガイナスを倒しに来た人間達と冥府軍との戦いです。」
『…酷い…。』
やっとの思いで壁を垂直に越える。壁を越えて見たものは冥府軍と魔王を倒しに来た人々との戦いだった。人々は自分達の住む街や村の平和を守る為に…冥府軍はそれを阻止し、魔王ガイナスの城へと近づけない為に。
本心は戦ってほしくない。戦ったとしてもそこから何かが生まれる訳でもないし、残るのは仲間を失う悲しみ、永遠に刻まれる傷だけ。でも戦わないと誰かを守られないのも事実、だから人々は勝利という希望に掛けて冥府軍に向かって行くんだ。
冥府軍に押され気味の人達、ピット君は加勢して助けようと試みるが飛翔の奇跡のデメリットを指摘され、ピット君の声が段々と小さくなっていく。
「人々に加勢している余裕はありません、ここは一気に大将を狙います。城の中まで送りますからそこから魔王ガイナスを浄化なさい。ガイナスを討てば冥府の軍勢も立ち去るでしょう。」
『!じゃあ、ガイナスを倒せば人々も助かるんですね?!』
「恐らくは…。セラ、ピット、くれぐれもお願いします。」
「了解です。天使の力お見せしましょう。」
『絶対、人々を救ってみせます!』
魔王ガイナスを浄化すれば、きっと人々は助かる。その思いだけを胸に私とピット君は魔王の城に乗り込んだ。
(To be continued)
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