第2章 魔王とマグナ(前編)
セラ
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(恋なんて甘いものではなく、只単に魅入っただけなのかもしれないが)
勘違いだと自身に言い聞かせ、首を横に振りながら付近まで迫っていた魔物達を素早く浄化する。(もう少し浄化が遅かったらダメージを受けていた)
隣で同等に魔物を浄化していたピット君は私を見るなり、首を傾げたのが見える。(どうやら私の不審な行動に対し、何が起きたのか状況を察知出来なかったのだろう)パルテナ様に至っては全てお見通しなのかくすくすと笑む声が聞こえた。(うぅ…何だか恥ずかしい…)
『?!きゃあ!!何なの?!』
「うわっ!この稲妻も冥府軍の攻撃ですか?!」
「他にいないですよね。」
「すみません、当たり前の事聞いちゃいましたね。セラちゃん!大丈夫?!」
『な…何とか…』
パルテナ様は全てお見通しみたいだし、恥ずかしいやら何やらの複雑な感情が自分の中に蠢く中、突然暗かった空から一筋の光が自分の目に映し出され、反射的に身じろぐ。
光の正体は電光、どうやら冥府軍が私達に対し、攻撃として仕掛けて来た様なのだ。そういう所さえ抜け目がない冥府軍、ある意味で色んな意味で尊敬の念を向ける。
…だが…
『このままでは私達が丸焼きになっちゃいます!!』
「味見したい所だけど…逃げますよ!」
「美味しくないですよ!多分!」
『多分じゃなくて絶対だよ!ピット君!』
冥府軍の攻撃に簡単にヤられる私達ではない、稲妻をギリギリで躱しながら攻撃から逃れるのに成功。例の如く私の真っ白な翼にも“飛翔の奇跡”が宿っている。
奇跡のお陰で天使の丸焼きにされず、回避できたが飛べるにも関わらず奇跡に頼っているだなんて示しがつかない…複雑な心境ではある。「雲のトンネルですね!」
「このまま降下して地上に向かいます。冥府軍の追撃にも注意して下さい。」
『あーあ…これが晴れ空だったら、さぞかし絶景だったでしょうに。』
私が呟いた独り言はピット君にもパルテナ様の耳にもしっかりと届いていた。パルテナ様は“そうですねぇ”なんて言いながら苦笑を混じえ、ピット君も“確かに!”と同意の言葉を並べる。
“何だ…二人共、頭の片隅では同じ事を思ってたんだ”なぁんて思ったのも束の間、目障りな冥府軍が付近に迫ってきて呆れにも似た溜め息を吐きながらコメットエッジを強く握りしめた。(全く…心休まる時間もない)
雲のトンネルを抜けると、魔王が住居するのにうってつけの岩山が徒然と並んでいた。まだ魔王の居城に辿り着いてはいないが、着実に魔王の城が近付いているのが窺える。
「人間はこの岩山を越えて、魔王の元に向かうんですよね。」
「“僕はひとっ飛びですけどね~”なんて言いたげな口調ですね。」
「いや…それは…その…。」
『(思ったのね、そして思ったのね…ピット君。)』
「飛ばせて頂いて感謝であります!!」
「分かればよろしい。」
「恐悦至極であります!!」
“そして負けるのね?ピット君”
とは言えず、上記の思いは発言せずに喉へと飲み込んだ。はっきり言って悪いが、ピット君はパルテナ様に口で勝った前例がない。
上司と部下の関係であるから…が最大の理由だし、パルテナ様を慕っているからだって分かるが同僚の…(私はピット君よりも後にパルテナ軍に入ったから本当は彼は私の先輩になる)私にさえ口で勝てた事はない。
パルテナ軍中心にエンジェランドに住まう女性(天使)は男性よりも遥かに強い…のかもしれない。もしかしたら、ピット君に限って…なのかもしれないけれど否定は出来ない。
「ここから下に降りてみましょう。」
パルテナ様の指示により、徒然と並ぶ岩山の隙間から入れるポイントがあり、ゆっくりと下へ降り立つ。
勘違いだと自身に言い聞かせ、首を横に振りながら付近まで迫っていた魔物達を素早く浄化する。(もう少し浄化が遅かったらダメージを受けていた)
隣で同等に魔物を浄化していたピット君は私を見るなり、首を傾げたのが見える。(どうやら私の不審な行動に対し、何が起きたのか状況を察知出来なかったのだろう)パルテナ様に至っては全てお見通しなのかくすくすと笑む声が聞こえた。(うぅ…何だか恥ずかしい…)
『?!きゃあ!!何なの?!』
「うわっ!この稲妻も冥府軍の攻撃ですか?!」
「他にいないですよね。」
「すみません、当たり前の事聞いちゃいましたね。セラちゃん!大丈夫?!」
『な…何とか…』
パルテナ様は全てお見通しみたいだし、恥ずかしいやら何やらの複雑な感情が自分の中に蠢く中、突然暗かった空から一筋の光が自分の目に映し出され、反射的に身じろぐ。
光の正体は電光、どうやら冥府軍が私達に対し、攻撃として仕掛けて来た様なのだ。そういう所さえ抜け目がない冥府軍、ある意味で色んな意味で尊敬の念を向ける。
…だが…
『このままでは私達が丸焼きになっちゃいます!!』
「味見したい所だけど…逃げますよ!」
「美味しくないですよ!多分!」
『多分じゃなくて絶対だよ!ピット君!』
冥府軍の攻撃に簡単にヤられる私達ではない、稲妻をギリギリで躱しながら攻撃から逃れるのに成功。例の如く私の真っ白な翼にも“飛翔の奇跡”が宿っている。
奇跡のお陰で天使の丸焼きにされず、回避できたが飛べるにも関わらず奇跡に頼っているだなんて示しがつかない…複雑な心境ではある。「雲のトンネルですね!」
「このまま降下して地上に向かいます。冥府軍の追撃にも注意して下さい。」
『あーあ…これが晴れ空だったら、さぞかし絶景だったでしょうに。』
私が呟いた独り言はピット君にもパルテナ様の耳にもしっかりと届いていた。パルテナ様は“そうですねぇ”なんて言いながら苦笑を混じえ、ピット君も“確かに!”と同意の言葉を並べる。
“何だ…二人共、頭の片隅では同じ事を思ってたんだ”なぁんて思ったのも束の間、目障りな冥府軍が付近に迫ってきて呆れにも似た溜め息を吐きながらコメットエッジを強く握りしめた。(全く…心休まる時間もない)
雲のトンネルを抜けると、魔王が住居するのにうってつけの岩山が徒然と並んでいた。まだ魔王の居城に辿り着いてはいないが、着実に魔王の城が近付いているのが窺える。
「人間はこの岩山を越えて、魔王の元に向かうんですよね。」
「“僕はひとっ飛びですけどね~”なんて言いたげな口調ですね。」
「いや…それは…その…。」
『(思ったのね、そして思ったのね…ピット君。)』
「飛ばせて頂いて感謝であります!!」
「分かればよろしい。」
「恐悦至極であります!!」
“そして負けるのね?ピット君”
とは言えず、上記の思いは発言せずに喉へと飲み込んだ。はっきり言って悪いが、ピット君はパルテナ様に口で勝った前例がない。
上司と部下の関係であるから…が最大の理由だし、パルテナ様を慕っているからだって分かるが同僚の…(私はピット君よりも後にパルテナ軍に入ったから本当は彼は私の先輩になる)私にさえ口で勝てた事はない。
パルテナ軍中心にエンジェランドに住まう女性(天使)は男性よりも遥かに強い…のかもしれない。もしかしたら、ピット君に限って…なのかもしれないけれど否定は出来ない。
「ここから下に降りてみましょう。」
パルテナ様の指示により、徒然と並ぶ岩山の隙間から入れるポイントがあり、ゆっくりと下へ降り立つ。