第24章 三つの試練(後編)
セラ
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「よしッ!!」
セラちゃんの力に纏わる話をパルテナ様とディントスが繰り広げているとは露知らず、僕はミミッ子に苦戦を強いられていたのだが何とか全浄化して開かれる大扉の中へと突入した。
「おおッ?!自然軍幹部、剛力のロッカ!!」
「……。」
「相変わらず無口だなぁ。」
「知っておろうが、弱点はおケツじゃぞ。」
大扉の中に待ち受けていたのは何と、自然軍幹部剛力のロッカだった。口を閉ざしており、幹部の割には話さない。本来の素質、そのままだ。右に左に移動しては、以前戦った際に繰り出して来たローリングタックルを見舞って来る。しかもその動きにはなかなかのキレがあり、回避に専念している真っ最中だ。回避に専念しつつも、弱点である背後に回りオシリに向けて打撃を喰らわせている。オシリ以外に攻撃を加えたとしても高が知れているだろう。大いに予想出来るので、回避しながら弱点を狙う。
「ディントス様、ひとりで最強軍も作れてしまうのではありませんか?」
「ンなもん興味ないわい。それに、敵の制作にはピットとセラの体験を借りておるのよ。」
「僕たちが対峙したのを再現しているのか!!」「それもたぶん 瞬時に。」
「ある意味、ハデスより恐ろしい。」
「……。」
「それにしてもロッカは無口だなぁ。」
剛力のロッカとの戦闘は別に良いのだが、一つだけ違和感がある。そう、察しの通りセラちゃんだ。少しの間離れているのに、何故か傍にいてくれるような……そんな安心感があった。一人で戦っているのに、まるで共に戦ってくれているかのような安定だ。僕をそんな心情に支配させてくれる人物も然う然ういないだろう。僕はそのお陰で平静さを保ち、戦っていけるのだ。でも僕の耳に届いていた彼女の心強い応援が耳に届かない状態にある。疑問に思い、堪らずディントスに問い掛けるが彼女は別の試練を受けているのだそうだ。少なからず彼の声音に焦りが混じっている気さえするのは果たして気のせいか。ロッカからの攻撃、ロッカウィップを距離を取ってうまく躱しながら、反撃の機会を窺う。ディントスだけではない。パルテナ様からも妙に落ち着かない様子が伝達される。何があったのか知らないが、二人の態度に僕は首を傾げるしか方法が見つからなかった。二人にとってそれは興味がそれたのだと思ったのか安堵の溜息をついて胸を撫で下ろし安心していたらしい。
「勝利 ふたたび!」
「ま、朝メシ前じゃろ?」
「さぁ、次が最後ですよ。」
ロッカからの攻撃をひらひら躱し、弱点のオシリをつけ狙っていたら勝利の道が開かれた。ダメージが蓄積されたオシリに耐えられずロッカはそのまま地に倒れてしまった。大扉の道から元の道に戻れば階段の行く先々で待ち構えている敵達。目の前に立ち塞がるのは、オーラム軍ドーズだ。
「うわッ。巨体に似合わない速さ。」
「タイクツせんじゃろう?」
巨体で空中を浮遊しているきのこ型のドーズ。巨体なのにも関わらず、カクカク素早く左右に動いている。これではなかなか照準が定まらず。攻撃するのも困難だ。マンネリ化を防ぐ分には良いのだが、なかなかに手こずっている。狙いを定めて、ドーズを撃ち落とすべく射撃を加える。のだが、素早い動きで何と……躱されてしまった。ディントスの言う通り、刺激があって退屈しなさそうだ。カクカク動く素早さを見切り、打撃で一気に畳み掛ける。然すればドーズは耐久力を失い、忽ち浄化されて行った。それだけには留まらず千木千木に襲い掛かってくるオーラム軍。
「またジャマをするかッ!!」「手厚い歓迎がしみるじゃろう?」
僕の行く手を阻み、向かって来るオーラム軍を退け一気に階段を駆け上ったのは良いが……今度は広間にてオーラム軍だけではなく、懐かしい星賊達迄もが登場して来る始末。星賊だからとて侮ってはいけない。ああ見えてヤツらはパワーがあるのだ。広間全体を使い、僕を追い詰めようと動く星賊とオーラム軍。こうして戦っている間でもセラちゃんが気になって仕方がない。彼女は大丈夫だろうか。もしかして、あの大扉の向こうにセラちゃんが待っていてくれているのでは。自然とそんな考えに至ってしまった。
「開けドアー!」
大分時間を取られてしまったが、囲まれてしまった状況を打破し広間にいる敵全員を打ち果たした僕は、次のボスが待ち構えている開かれた大扉から中へ入るべく歩みを進めた。最後と言う名に相応する敵だろうか。何はともあれ、最後のボスを討ち果たすべく神器を構える。
「クラーケン!」
最後のボスもまた見覚えがあり、戦った経歴のある敵であった。ウニョウニョと動く触手が甲板に張り付き、以前と同じく弱点である頭部を隠している。僕が今立っている甲板も見つめている風景でさえも何処かで見覚えがあった。これぞまさにあの時と同じだ。
セラちゃんの力に纏わる話をパルテナ様とディントスが繰り広げているとは露知らず、僕はミミッ子に苦戦を強いられていたのだが何とか全浄化して開かれる大扉の中へと突入した。
「おおッ?!自然軍幹部、剛力のロッカ!!」
「……。」
「相変わらず無口だなぁ。」
「知っておろうが、弱点はおケツじゃぞ。」
大扉の中に待ち受けていたのは何と、自然軍幹部剛力のロッカだった。口を閉ざしており、幹部の割には話さない。本来の素質、そのままだ。右に左に移動しては、以前戦った際に繰り出して来たローリングタックルを見舞って来る。しかもその動きにはなかなかのキレがあり、回避に専念している真っ最中だ。回避に専念しつつも、弱点である背後に回りオシリに向けて打撃を喰らわせている。オシリ以外に攻撃を加えたとしても高が知れているだろう。大いに予想出来るので、回避しながら弱点を狙う。
「ディントス様、ひとりで最強軍も作れてしまうのではありませんか?」
「ンなもん興味ないわい。それに、敵の制作にはピットとセラの体験を借りておるのよ。」
「僕たちが対峙したのを再現しているのか!!」「それもたぶん 瞬時に。」
「ある意味、ハデスより恐ろしい。」
「……。」
「それにしてもロッカは無口だなぁ。」
剛力のロッカとの戦闘は別に良いのだが、一つだけ違和感がある。そう、察しの通りセラちゃんだ。少しの間離れているのに、何故か傍にいてくれるような……そんな安心感があった。一人で戦っているのに、まるで共に戦ってくれているかのような安定だ。僕をそんな心情に支配させてくれる人物も然う然ういないだろう。僕はそのお陰で平静さを保ち、戦っていけるのだ。でも僕の耳に届いていた彼女の心強い応援が耳に届かない状態にある。疑問に思い、堪らずディントスに問い掛けるが彼女は別の試練を受けているのだそうだ。少なからず彼の声音に焦りが混じっている気さえするのは果たして気のせいか。ロッカからの攻撃、ロッカウィップを距離を取ってうまく躱しながら、反撃の機会を窺う。ディントスだけではない。パルテナ様からも妙に落ち着かない様子が伝達される。何があったのか知らないが、二人の態度に僕は首を傾げるしか方法が見つからなかった。二人にとってそれは興味がそれたのだと思ったのか安堵の溜息をついて胸を撫で下ろし安心していたらしい。
「勝利 ふたたび!」
「ま、朝メシ前じゃろ?」
「さぁ、次が最後ですよ。」
ロッカからの攻撃をひらひら躱し、弱点のオシリをつけ狙っていたら勝利の道が開かれた。ダメージが蓄積されたオシリに耐えられずロッカはそのまま地に倒れてしまった。大扉の道から元の道に戻れば階段の行く先々で待ち構えている敵達。目の前に立ち塞がるのは、オーラム軍ドーズだ。
「うわッ。巨体に似合わない速さ。」
「タイクツせんじゃろう?」
巨体で空中を浮遊しているきのこ型のドーズ。巨体なのにも関わらず、カクカク素早く左右に動いている。これではなかなか照準が定まらず。攻撃するのも困難だ。マンネリ化を防ぐ分には良いのだが、なかなかに手こずっている。狙いを定めて、ドーズを撃ち落とすべく射撃を加える。のだが、素早い動きで何と……躱されてしまった。ディントスの言う通り、刺激があって退屈しなさそうだ。カクカク動く素早さを見切り、打撃で一気に畳み掛ける。然すればドーズは耐久力を失い、忽ち浄化されて行った。それだけには留まらず千木千木に襲い掛かってくるオーラム軍。
「またジャマをするかッ!!」「手厚い歓迎がしみるじゃろう?」
僕の行く手を阻み、向かって来るオーラム軍を退け一気に階段を駆け上ったのは良いが……今度は広間にてオーラム軍だけではなく、懐かしい星賊達迄もが登場して来る始末。星賊だからとて侮ってはいけない。ああ見えてヤツらはパワーがあるのだ。広間全体を使い、僕を追い詰めようと動く星賊とオーラム軍。こうして戦っている間でもセラちゃんが気になって仕方がない。彼女は大丈夫だろうか。もしかして、あの大扉の向こうにセラちゃんが待っていてくれているのでは。自然とそんな考えに至ってしまった。
「開けドアー!」
大分時間を取られてしまったが、囲まれてしまった状況を打破し広間にいる敵全員を打ち果たした僕は、次のボスが待ち構えている開かれた大扉から中へ入るべく歩みを進めた。最後と言う名に相応する敵だろうか。何はともあれ、最後のボスを討ち果たすべく神器を構える。
「クラーケン!」
最後のボスもまた見覚えがあり、戦った経歴のある敵であった。ウニョウニョと動く触手が甲板に張り付き、以前と同じく弱点である頭部を隠している。僕が今立っている甲板も見つめている風景でさえも何処かで見覚えがあった。これぞまさにあの時と同じだ。