第24章 三つの試練(後編)
セラ
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それはまさに三種の神器でないと浄化不可能なオーンであった。触れたら最後。パルテナ様の加護で途中復帰出来ると思うが、こんな所でヤラレる訳にはいかない。それに、セラちゃんが気がかりであるし、ここはヤラレずに勝ち続けなければならないのだ。本当に彼女は星義な力を持っていると思う。彼女の笑顔を脳裏に思い浮かべた途端、更なるやる気に満ち溢れる感覚に陥る。僕がヤラレてしまったなら、彼女も戦場に復帰出来まい。二人で試練を乗り越えるため、ジグザグに前後運動を繰り返しているオーンにぶつからないように気を配りながら歩みを進めた。
「まわりの宝箱、中身が赤く光ってますよ。」
「え?それはどういう意味ですか?」
「察しが悪いのう。ぜーんぶトラップということじゃあ。」
オーンがジグザグに前後運動を繰り返している隙間を縫って歩き辿り着いた先は、またしても大扉が聳えており周囲の魔物達が大扉を守備していた。自然軍のコロコロ爆弾が周辺に散っている。コロコロ爆弾を一番初めに浄化するのが得策だろう。火が付いている導火線を待つのも浄化出来る手立ての一つであるが僕としては、爆発する前に手っ取り早く浄化するのが好みだ。自分の好きな方法、手っ取り早くコロコロ爆弾を浄化した後広間に出現するは宝箱。これなら掘り出し物の一つでもあるのではと宝箱に接近してみるが、確実にミミッ子であった。ここでミミッ子を倒さなければ先に進めない、単純計算だ。
・・・
『……ハァ……ハァ、こんなかんじでいいの?ディントス。』
「おおっ!上出来じゃ!さすがはセラじゃのう。」
ピット君が試練を受けている傍らで、私はディントスの言う最後のパーツに力を込めている。力の込め方が今ひとつ分からないけれど、取り敢えず両手をかざし念じて最後のパーツに力を込めてディントスから承諾の言葉が出る迄四苦八苦している真っ只中だ。幾ら自分の力が強くなっているとは言え、まるで心臓を掌握されているような……そんな苦しさが己を襲い妙に息苦しい。力を発動させるリスクがあるのは重々承知していたが、いざするとなると自身の生命が絶たれてしまうのではないかと恐怖に戦いてしまう。だが今、漸く力を込めるのに成功した。その反動で最後のパーツがきらきら光り輝いて見える。けれど、ゲームで言うところのHPはゼロに近い。このまま直ぐに戦場へ出陣したとしてもあっさりヤラレてしまうだろう。思わず、背筋が凍て付く。
「セラ、ハナシは聞きましたよ。よくやってくれましたね。まずは礼を言わせてください。」
『……パルテナ様……。』
「私がセラを回復させてあげます。食べものを差し入れておきました。」
『あ、ありがとうございます。』
最後のパーツが光り輝いて、何処かへ飛んでいってしまった、恐らく神器の元へ飛んでいってしまったのだろう。ディントスもあぁ見えて立派な神様である。丹精込めて創っているのか、神器に命が宿っているかのよう。もしかして最後のパーツは何かのエネルギー源なのだろうか。けれど、私は満足している。この力が誰かを泣かせるのではなく、誰かの笑顔を作るきっかけになるのならばとても嬉しい。
『パルテナ様?聞きたいのですが、私の力ってそもそもなんなのです……か……』
「セラ!」
回復はしたのだが、急激な眠気に襲われる。パルテナ様に問い掛けておきたかった質問内容。だが、答えを聞く前に意識を保っていられずそのまま倒れてしまう。倒れた身体を支えてくれたのは、今隣にいるディントスだ。まさか答えを聞く寸前で意識を失うとは誰も予想だにしなかっただろう。突如何の前触れもなく力を消耗させた反動だろうが、天使だって簡単に倒れられるのだと思い知る。気絶しているからなのか、当然二人の会話は耳に届かない。
「パルテナ。ワシも気になるのじゃが、セラの力はいったいなんなのじゃ。おぬしは知っておるのじゃろう。」
「はい。私の見立てではセラの力は……原子核エネルギーによるものだと思うのです。」
「なるほどのう。その力がセラの命を取り巻いているんじゃな。」
「ええ。一時は強大すぎて手をつけられませんでしたが、セラ自身がコントロールできる域まで達しています。エネルギーがセラを護り、セラに服従している印象を受けますが、いまの状態ならばなんとか出来るかもしれません。」
「ワシからも頼む。パルテナ、セラのこと よろしくな。」
「出来るかぎり、やってみます。」
「まわりの宝箱、中身が赤く光ってますよ。」
「え?それはどういう意味ですか?」
「察しが悪いのう。ぜーんぶトラップということじゃあ。」
オーンがジグザグに前後運動を繰り返している隙間を縫って歩き辿り着いた先は、またしても大扉が聳えており周囲の魔物達が大扉を守備していた。自然軍のコロコロ爆弾が周辺に散っている。コロコロ爆弾を一番初めに浄化するのが得策だろう。火が付いている導火線を待つのも浄化出来る手立ての一つであるが僕としては、爆発する前に手っ取り早く浄化するのが好みだ。自分の好きな方法、手っ取り早くコロコロ爆弾を浄化した後広間に出現するは宝箱。これなら掘り出し物の一つでもあるのではと宝箱に接近してみるが、確実にミミッ子であった。ここでミミッ子を倒さなければ先に進めない、単純計算だ。
・・・
『……ハァ……ハァ、こんなかんじでいいの?ディントス。』
「おおっ!上出来じゃ!さすがはセラじゃのう。」
ピット君が試練を受けている傍らで、私はディントスの言う最後のパーツに力を込めている。力の込め方が今ひとつ分からないけれど、取り敢えず両手をかざし念じて最後のパーツに力を込めてディントスから承諾の言葉が出る迄四苦八苦している真っ只中だ。幾ら自分の力が強くなっているとは言え、まるで心臓を掌握されているような……そんな苦しさが己を襲い妙に息苦しい。力を発動させるリスクがあるのは重々承知していたが、いざするとなると自身の生命が絶たれてしまうのではないかと恐怖に戦いてしまう。だが今、漸く力を込めるのに成功した。その反動で最後のパーツがきらきら光り輝いて見える。けれど、ゲームで言うところのHPはゼロに近い。このまま直ぐに戦場へ出陣したとしてもあっさりヤラレてしまうだろう。思わず、背筋が凍て付く。
「セラ、ハナシは聞きましたよ。よくやってくれましたね。まずは礼を言わせてください。」
『……パルテナ様……。』
「私がセラを回復させてあげます。食べものを差し入れておきました。」
『あ、ありがとうございます。』
最後のパーツが光り輝いて、何処かへ飛んでいってしまった、恐らく神器の元へ飛んでいってしまったのだろう。ディントスもあぁ見えて立派な神様である。丹精込めて創っているのか、神器に命が宿っているかのよう。もしかして最後のパーツは何かのエネルギー源なのだろうか。けれど、私は満足している。この力が誰かを泣かせるのではなく、誰かの笑顔を作るきっかけになるのならばとても嬉しい。
『パルテナ様?聞きたいのですが、私の力ってそもそもなんなのです……か……』
「セラ!」
回復はしたのだが、急激な眠気に襲われる。パルテナ様に問い掛けておきたかった質問内容。だが、答えを聞く前に意識を保っていられずそのまま倒れてしまう。倒れた身体を支えてくれたのは、今隣にいるディントスだ。まさか答えを聞く寸前で意識を失うとは誰も予想だにしなかっただろう。突如何の前触れもなく力を消耗させた反動だろうが、天使だって簡単に倒れられるのだと思い知る。気絶しているからなのか、当然二人の会話は耳に届かない。
「パルテナ。ワシも気になるのじゃが、セラの力はいったいなんなのじゃ。おぬしは知っておるのじゃろう。」
「はい。私の見立てではセラの力は……原子核エネルギーによるものだと思うのです。」
「なるほどのう。その力がセラの命を取り巻いているんじゃな。」
「ええ。一時は強大すぎて手をつけられませんでしたが、セラ自身がコントロールできる域まで達しています。エネルギーがセラを護り、セラに服従している印象を受けますが、いまの状態ならばなんとか出来るかもしれません。」
「ワシからも頼む。パルテナ、セラのこと よろしくな。」
「出来るかぎり、やってみます。」