第24章 三つの試練(後編)
セラ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
階段を上り切り、聳え立つ大扉が窺える円形の広間に出た。どうやら広間に存在している敵を一掃し、大扉が開く手順になっているようだ。いつもより少々手こずってしまったが敵を一掃し、大扉の中へ入る。セラちゃんが果てしなく気になるけれど、兎に角今は戦いに集中しよう。彼女からの“がんばって”が今は支えだ。
「これは!フェニックス?!」
「ふぉっふぉっふぉ。火山の不死鳥も、おぬしなんぞにヤラレて災難じゃったのう。」
「これはホンモノのフェニックスなのか ディントスの魔力によるものなのか……。」
「どう調べてもホンモノのようにしか見えないのですが……。」
大扉の中に入るとそこに待ち構えていたのは、一度戦って倒した筈のフェニックスだった。以前戦った際にパルテナ様がまた復活するとおっしゃっていたし、本物の可能性もあるがそれとは相反に偽物の可能性も捨て切れない。だが、能力はあの時と同等だろう。フィールドも以前眼に映した風景に類似している。フィールドの中心には、ジャンプ台が設置されていた。つまりはあの時と同じ戦闘で倒せとの意思表示だ。四方八方に散って、フェニックスからの火炎ブレスをジャンプ台で回避しつつ攻撃を加えダメージを蓄積させて行く。
「フン。女神ごときに看破されるほど落ちぶれておらんわい。」
「あ、ということはディントス様が創られたものなのですね。」
「ン……?ふぉっふぉっふぉ。これは参ったのう。アタマさすっちゃおうかのう。」
「もしや、テレているのかな……。」
『そうみたいだよ。』
「クチは災いの元じゃな。開くとも開かずとも。」
フェニックスはソニックウェーブを放ち、その翼で炎を纏い突進して来る。やはり攻撃パターンは変化なしだ。パターンが読めれば回避しやすいってもの。ジャンプ台を大いに活用し、頭部を狙いはたまた足の指を重点的に攻撃を加える。気のせいか。ディントスが創ったコピーのフェニックスはなかなか手強く感じている。以前もそうだと思うが、何より動きに隙がない。ここにセラちゃんが居てくれれば、連携攻撃も可能となるのだが生憎彼女は未だディントスの傍にいる。気付かなかったが、極々当たり前に彼女を頼ってしまった。彼女が傍に居てくれれば、これ以上にポテンシャルさえ上がる気がしている。彼女は一体、ディントスとどんな話をしているのだろう。それだけが気がかりだ。・・・
『ピット君の対戦相手……?私が……?』
衝撃的内容が宙を舞った。ディントスはあろうことか私をピット君の対戦相手に選んだのだ。話を深く掘り下げれば、私がとある人達と共にピット君を追い詰めろとのこと。しかし、話はそれだけでは終わらない。
「あともうひとつ、協力してほしいのじゃが……。おぬしの力をこれに込めてほしいのじゃよ。」
『これは……?』
「最後のパーツじゃ。これで完全に完成する。」
『でも、どうして私が?』
「おぬしにしかできないことだからじゃよ。それには多少のリスクがあるが、やってくれるか?」
ディントスは突如、見ても良く分からない部品を取り出し私にしか出来ないのだと静かに諭した。この部品に、私の力を込める。話の流れからして、私の中に存在している力を言っているのだろう。この力があれば、確かにハデスを倒せるかもしれない。そんなのは誰でも分かる。けれど、不安は募ってしまう。何故ならばこの力を発動させれば世界が破滅してしまうし、何より私の命が危険に晒されてしまうのだ。恐怖心がないと言えば、嘘になる。以前メデューサが混沌の遣いから自分を守備する目的で発動させたと私に話してくれた際力のコントロールが出来たのだろうと言っていた。幼き自分が出来なかったのを、今の自分ならば徐々に強くなっているし出来るかもしれない。考えてもみなかった。この強大な力が誰かのために使用できるかもしれない可能性だなんて、微塵も。エゴイズムから形成されているような力がハデスの討伐に使用される。喜ばしいことこの上ない。ならば、私の答えなんて当に決している。
『おねがい!ディントス!』
・・・
「ふたたび鎮圧!!」
「ごめんなさいね。」
少々苦戦した気もするが、聖鳥フェニックスを打倒した。まだまだ序盤に過ぎないが、地道に進んで行こう。
「関門突破ッ!!」
「左から先に進めますよ。」
フェニックスを打ち倒し、更なる階段を上るべくパルテナ様の助言にあった通り左方向から進路を変更し、歩き始める。目の前はたまた階段の先々には様々な軍の敵が相も変わらず入り乱れている。それ迄は良いのだが、階段の果てに見覚えのある……可能ならば出逢いたくはないシルエットが。
「オーン!」
「当たると即ヤラレチャッタ、ですよ。」
「即ヤラレッチャッタですよ〜とな。面白いのう。何語じゃ?!」
「用語みたいなものです。あまりツッコまないでください。」
「と、とにかくオーンは“回避”して避けますね、ハイ。」
『(ピット君もがんばってるんだから、私もがんばらなくっちゃ!)』
「これは!フェニックス?!」
「ふぉっふぉっふぉ。火山の不死鳥も、おぬしなんぞにヤラレて災難じゃったのう。」
「これはホンモノのフェニックスなのか ディントスの魔力によるものなのか……。」
「どう調べてもホンモノのようにしか見えないのですが……。」
大扉の中に入るとそこに待ち構えていたのは、一度戦って倒した筈のフェニックスだった。以前戦った際にパルテナ様がまた復活するとおっしゃっていたし、本物の可能性もあるがそれとは相反に偽物の可能性も捨て切れない。だが、能力はあの時と同等だろう。フィールドも以前眼に映した風景に類似している。フィールドの中心には、ジャンプ台が設置されていた。つまりはあの時と同じ戦闘で倒せとの意思表示だ。四方八方に散って、フェニックスからの火炎ブレスをジャンプ台で回避しつつ攻撃を加えダメージを蓄積させて行く。
「フン。女神ごときに看破されるほど落ちぶれておらんわい。」
「あ、ということはディントス様が創られたものなのですね。」
「ン……?ふぉっふぉっふぉ。これは参ったのう。アタマさすっちゃおうかのう。」
「もしや、テレているのかな……。」
『そうみたいだよ。』
「クチは災いの元じゃな。開くとも開かずとも。」
フェニックスはソニックウェーブを放ち、その翼で炎を纏い突進して来る。やはり攻撃パターンは変化なしだ。パターンが読めれば回避しやすいってもの。ジャンプ台を大いに活用し、頭部を狙いはたまた足の指を重点的に攻撃を加える。気のせいか。ディントスが創ったコピーのフェニックスはなかなか手強く感じている。以前もそうだと思うが、何より動きに隙がない。ここにセラちゃんが居てくれれば、連携攻撃も可能となるのだが生憎彼女は未だディントスの傍にいる。気付かなかったが、極々当たり前に彼女を頼ってしまった。彼女が傍に居てくれれば、これ以上にポテンシャルさえ上がる気がしている。彼女は一体、ディントスとどんな話をしているのだろう。それだけが気がかりだ。・・・
『ピット君の対戦相手……?私が……?』
衝撃的内容が宙を舞った。ディントスはあろうことか私をピット君の対戦相手に選んだのだ。話を深く掘り下げれば、私がとある人達と共にピット君を追い詰めろとのこと。しかし、話はそれだけでは終わらない。
「あともうひとつ、協力してほしいのじゃが……。おぬしの力をこれに込めてほしいのじゃよ。」
『これは……?』
「最後のパーツじゃ。これで完全に完成する。」
『でも、どうして私が?』
「おぬしにしかできないことだからじゃよ。それには多少のリスクがあるが、やってくれるか?」
ディントスは突如、見ても良く分からない部品を取り出し私にしか出来ないのだと静かに諭した。この部品に、私の力を込める。話の流れからして、私の中に存在している力を言っているのだろう。この力があれば、確かにハデスを倒せるかもしれない。そんなのは誰でも分かる。けれど、不安は募ってしまう。何故ならばこの力を発動させれば世界が破滅してしまうし、何より私の命が危険に晒されてしまうのだ。恐怖心がないと言えば、嘘になる。以前メデューサが混沌の遣いから自分を守備する目的で発動させたと私に話してくれた際力のコントロールが出来たのだろうと言っていた。幼き自分が出来なかったのを、今の自分ならば徐々に強くなっているし出来るかもしれない。考えてもみなかった。この強大な力が誰かのために使用できるかもしれない可能性だなんて、微塵も。エゴイズムから形成されているような力がハデスの討伐に使用される。喜ばしいことこの上ない。ならば、私の答えなんて当に決している。
『おねがい!ディントス!』
・・・
「ふたたび鎮圧!!」
「ごめんなさいね。」
少々苦戦した気もするが、聖鳥フェニックスを打倒した。まだまだ序盤に過ぎないが、地道に進んで行こう。
「関門突破ッ!!」
「左から先に進めますよ。」
フェニックスを打ち倒し、更なる階段を上るべくパルテナ様の助言にあった通り左方向から進路を変更し、歩き始める。目の前はたまた階段の先々には様々な軍の敵が相も変わらず入り乱れている。それ迄は良いのだが、階段の果てに見覚えのある……可能ならば出逢いたくはないシルエットが。
「オーン!」
「当たると即ヤラレチャッタ、ですよ。」
「即ヤラレッチャッタですよ〜とな。面白いのう。何語じゃ?!」
「用語みたいなものです。あまりツッコまないでください。」
「と、とにかくオーンは“回避”して避けますね、ハイ。」
『(ピット君もがんばってるんだから、私もがんばらなくっちゃ!)』