第24章 三つの試練(後編)
セラ
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ピット君の独り言が聞こえてきた気がしたが、その意見には激しく同意する。唯一、非の打ち所がない人物かもしれない。明らかに敵に回したくはない人物である。本当に良かったと思う。本来悪役が思いつく策略にまるで興味を示さない性格で。ディントスが本気を出したら、この世界は簡単に闇へ飲まれては末路を辿っていただろう。
「あぶない、ピット!!セラ!!」
そんな考えを余儀なくされている中で、突如フィールドの地面が赤く光り輝き始めた。何が始まるのだろう。そう思うや否や、パルテナ様からの焦りが混じった声が内耳に届く。と同時に、ピット君が私の手を引き全速力で中央地点から向かって左側に駆け出し始めた。何が引き起こっているのか、最悪にも思考が追い付かない。それでもこの場から逃走しなければ。神経が囁いた気がした。
「や、ヤバかった……!」
『いまのが当たったら、ひとたまりもなかったわ……。』
左側の端にどうにか移動を終え、事の成り行きを見守る。オリハルコン製は、赤く輝き始めたフィールドに向けて強力なレーザーを放って来たのだ。あれに喰らったら一溜りもなかっただろう。確実にヤラレチャッタだ。威力が強力過ぎて背筋は凍て付き、冷や汗が顎にかけて伝う。ピット君が機転を利かせて、全速力で駆け出さなければレーザーの餌食になっていたに違いない。
「どうじゃ!このパワー!どうじゃ!」
『きょ、強力すぎるわよー!!』
「うーん……。ひとつ間違えたら破壊神になってしまいますね。」
「だから戦士たちを試すんじゃ!神器を運用するに足るワザと心を持っているかどうかをな。」
ディントスの言い分は一理ある。神器を使いこなす力量の持ち主かどうか。そのための試練。これぞ、己との試練。そういうの、大好きだ。まさに燃えるシチュエーションである。ディントスを納得させるには、真・三種の神器を倒す他にはない。先程の強力レーザーが来ないのを祈りつつ、またも四方八方に散り反撃を開始する。左側から右側に移動してみたが、強力レーザーの反動でフィールドの地形が悪い方向に変化していた。思わず、引き攣った笑み。やはり、あのレーザーに当たってしまったら一貫の終わりであった。危ない、危ない。
「さすがに手強い……!」
『ホントにダメージを受けているのかな。』
「敵弾に回避を多用せず 横への走行でかわしたらどうかしら?そのままローリングする先を狙って横ダッシュ射撃です!」
パルテナ様の助言を耳から脳に留め、カクカク動くオリハルコン製に向けてダッシュ射撃を喰らわせてみる。普段の射撃よりもダッシュ射撃は威力が高め。基本中の基本だが、ついつい忘れがちだ。戦闘の動きに意識して取り入れつつ、多大なるダメージを狙う。私達から見たら、巨体で浮遊しているオリハルコン製へ双方からダッシュ射撃を喰らわせている状態だ。巨体だからか照準に狂いなく、弾が撃てるってもの。オリハルコン製は回避しつつも射撃の餌食になっており、うまく切り出せないでいる。そろそろ先程に撃たれた強力レーザーでも放出して来るかと身構えたが、そんな素振りも見せない。どうやら、あれ一撃だったらしいのだ。そうと分かれば、こちらのものだ。あんなに苦戦を強いられていた私達に勝利と言う名の二文字が見え隠れしている気がしてならない。厭、これは確実だ。縦方向にレーザーを放ち、薙ぎ払われ凡ミスで喰らったとしても気にしない。再度態勢を立て直し、またも次の攻撃に繋げる。喰らわせるは、ダッシュ射撃のみだ。どちらが先に伸びてしまうのか、段々と根比べと化している。なかなか耐久力があるオリハルコン製。威力が高いダッシュ射撃を喰らわせているのにも関わらず、なかなかに粘っている。
「ゲットだぜ!」
『やったわぁ!ってやっぱそっち?』
「おおっ、見事じゃ!!」
と思っていたのだが、ピット君からの横ダッシュ射撃に耐え切れずオリハルコン製は力を失くし、その場に置かれた状態となる。ディントスが住む居住がボールの形をしており、どうしても彷彿していたがそれはピット君も抱いていた模様だ。
「うぉぉぉぉ!!これはスゴイ!!」
『め、目が回りそう……。』
そんな考察もありながらも、真・三種の神器を試運転すべく乗り込んだ天使二人。以前の三種の神器は当たり前に一人専用であった。今回もそうだろうと胸中を過らせていたのだが、何とディントスの粋な計らいで私の座席もきちんと用意されていたのだ。ピット君の後ろ席だ、思わず純粋に瞳を爛々と輝かせ、喜びを露にしつつ彼の後ろ席へ身軽に乗り込む私。神器の中はどれもこれも目を引かれる程魅力的な装置で一杯だった。試運転も兼ねて、ピット君の操作でカクカクに宙を移動しているが意外にも激しい動きであり楽しむ一方で三半規管がヤラレている私には気分が悪くてしょうがない。
「あぶない、ピット!!セラ!!」
そんな考えを余儀なくされている中で、突如フィールドの地面が赤く光り輝き始めた。何が始まるのだろう。そう思うや否や、パルテナ様からの焦りが混じった声が内耳に届く。と同時に、ピット君が私の手を引き全速力で中央地点から向かって左側に駆け出し始めた。何が引き起こっているのか、最悪にも思考が追い付かない。それでもこの場から逃走しなければ。神経が囁いた気がした。
「や、ヤバかった……!」
『いまのが当たったら、ひとたまりもなかったわ……。』
左側の端にどうにか移動を終え、事の成り行きを見守る。オリハルコン製は、赤く輝き始めたフィールドに向けて強力なレーザーを放って来たのだ。あれに喰らったら一溜りもなかっただろう。確実にヤラレチャッタだ。威力が強力過ぎて背筋は凍て付き、冷や汗が顎にかけて伝う。ピット君が機転を利かせて、全速力で駆け出さなければレーザーの餌食になっていたに違いない。
「どうじゃ!このパワー!どうじゃ!」
『きょ、強力すぎるわよー!!』
「うーん……。ひとつ間違えたら破壊神になってしまいますね。」
「だから戦士たちを試すんじゃ!神器を運用するに足るワザと心を持っているかどうかをな。」
ディントスの言い分は一理ある。神器を使いこなす力量の持ち主かどうか。そのための試練。これぞ、己との試練。そういうの、大好きだ。まさに燃えるシチュエーションである。ディントスを納得させるには、真・三種の神器を倒す他にはない。先程の強力レーザーが来ないのを祈りつつ、またも四方八方に散り反撃を開始する。左側から右側に移動してみたが、強力レーザーの反動でフィールドの地形が悪い方向に変化していた。思わず、引き攣った笑み。やはり、あのレーザーに当たってしまったら一貫の終わりであった。危ない、危ない。
「さすがに手強い……!」
『ホントにダメージを受けているのかな。』
「敵弾に回避を多用せず 横への走行でかわしたらどうかしら?そのままローリングする先を狙って横ダッシュ射撃です!」
パルテナ様の助言を耳から脳に留め、カクカク動くオリハルコン製に向けてダッシュ射撃を喰らわせてみる。普段の射撃よりもダッシュ射撃は威力が高め。基本中の基本だが、ついつい忘れがちだ。戦闘の動きに意識して取り入れつつ、多大なるダメージを狙う。私達から見たら、巨体で浮遊しているオリハルコン製へ双方からダッシュ射撃を喰らわせている状態だ。巨体だからか照準に狂いなく、弾が撃てるってもの。オリハルコン製は回避しつつも射撃の餌食になっており、うまく切り出せないでいる。そろそろ先程に撃たれた強力レーザーでも放出して来るかと身構えたが、そんな素振りも見せない。どうやら、あれ一撃だったらしいのだ。そうと分かれば、こちらのものだ。あんなに苦戦を強いられていた私達に勝利と言う名の二文字が見え隠れしている気がしてならない。厭、これは確実だ。縦方向にレーザーを放ち、薙ぎ払われ凡ミスで喰らったとしても気にしない。再度態勢を立て直し、またも次の攻撃に繋げる。喰らわせるは、ダッシュ射撃のみだ。どちらが先に伸びてしまうのか、段々と根比べと化している。なかなか耐久力があるオリハルコン製。威力が高いダッシュ射撃を喰らわせているのにも関わらず、なかなかに粘っている。
「ゲットだぜ!」
『やったわぁ!ってやっぱそっち?』
「おおっ、見事じゃ!!」
と思っていたのだが、ピット君からの横ダッシュ射撃に耐え切れずオリハルコン製は力を失くし、その場に置かれた状態となる。ディントスが住む居住がボールの形をしており、どうしても彷彿していたがそれはピット君も抱いていた模様だ。
「うぉぉぉぉ!!これはスゴイ!!」
『め、目が回りそう……。』
そんな考察もありながらも、真・三種の神器を試運転すべく乗り込んだ天使二人。以前の三種の神器は当たり前に一人専用であった。今回もそうだろうと胸中を過らせていたのだが、何とディントスの粋な計らいで私の座席もきちんと用意されていたのだ。ピット君の後ろ席だ、思わず純粋に瞳を爛々と輝かせ、喜びを露にしつつ彼の後ろ席へ身軽に乗り込む私。神器の中はどれもこれも目を引かれる程魅力的な装置で一杯だった。試運転も兼ねて、ピット君の操作でカクカクに宙を移動しているが意外にも激しい動きであり楽しむ一方で三半規管がヤラレている私には気分が悪くてしょうがない。