第24章 三つの試練(後編)
セラ
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変にトラウマを植え付けられてしまい、そのショックでげんなりしている。私は途中参加だからさっきのは別にして、まだまだ余裕はあるけれど隣の彼はどうだろう。かれこれ三つか四つ五つぐらい試練を受けている。そろそろ疲労が垣間見えてもおかしくはない。心配になってチラリと盗み見てみたが、そんな様子は一切窺えないのだ。さすが、と言わんばかりか。感服するばかりである。あんなに激戦を繰り広げても、音を上げないとは。
「なかなかやるのう。」
「さぁ、試練はあとひとつ!」
『(あれ?私の計算違いかなぁ?)』
「わかったわかった。じゃぁ、神器を授けよう。ホレ。」
「あれ?妙にあっさり。」
「これが、“真・三種の神器”じゃ!!」
「ちょっと待て!」
『やっぱり、ステキ……。』
それだけではなく、寧ろ軌道に乗っている気がしてならない。この状況では、ピット君が優勢していると言っても過言ではないだろう。そろそろラスボスで、神器神ディントスが出現し戦闘開始になるお約束展開が訪れるのだと思っていたのだがまさかの“真・三種の神器”を授けてくれる素振りを見せた挙げ句、私達と戦わせる急展開に発展し目を大きく見開かせる。いつの間にか、フィールドもそれ用に変化しており何とも開けた状態でこざっぱりしているではないか。戦いやすいフィールドだ。フィールドに“真・三種の神器”が出現する最早一大イベント。しかも話の流れからして煌びやかに戦闘態勢へ入った真・三種の神器と戦わなければ試練を乗り越えられないし、神器も手に入らないしで悩む暇もない強制ルートだ。うっとりするボディであるのは認める。だが、最初からディントスはラスボスを真・三種の神器に選んでいたのだろうと思う。まさか、こうなろうとは誰が予期したか。真・三種の神器はフィールドの側面から既に私達天使二人を見下ろしている。少々相違するが、まるで最後の審判だ。真・三種の神器を私達が使いこなすのに相応するかどうか戦って判断する意。そんな気がしてならない。隣のピット君は異論を唱えるべく声を荒げていたが、聞き入れてもらえず静かに戦闘が開始してしまった。
「くそッ!まさに試練!!」
『この試練を乗り越えなくちゃ、なんともならないね!』
「スピードも!パワーも!!いままでの三種の神器とは大違いじゃろ?どんなもんじゃい。オリハルコン製じゃぞ?」
「それは頼もしい!」
『(金属よね?金属のハナシなのよね?)』
突っ込み所満載であるが、取り敢えず置いておいて戦闘に集中しよう。真・三種の神器は側面に位置し、私達を見下ろしながら火炎弾を分散して来る。四方八方に散っている私達には、その攻撃は当たらない。戦うのだから当然攻撃を当てなければ意味がない。が攻撃を当てて破壊してしまったら。そう考えると、攻撃しても良いものなのか懸念してしまう。余計な心配は不要だろうがどうしても脳裏に過ってしまう。今はまだ、真・三種の神器がどういう攻撃を繰り出して来るのか。探っている状態にある。今迄のボスは、否ピット君が殆んど討ち倒してしまったからどういう対処法を講じたのかは詳しく知らないが、私も戦った経歴のあるボスばかりだそうだ。自ずとどうすれば討ち倒せてしまうのか身体が覚えているだろう。だが今目の前にしている真・三種の神器の戦闘能力も攻撃方法すら未知数だ。探り探りでいかなければ、突破口も見えて来ない。
「うーん。」
「あ、パルテナ様!よくぞご無事で。」
『心配したんですよ。』
「なんだか、寝てしまったみたいです。」
「え?!そんな珍しいことが。」
「ディントス様のしわざですね。」「おーっふぉっふぉっふぉっ!!バレたか!!」
真・三種の神器を撹乱させる目的で、四方八方に散る天使二人。肩から青い散弾を放つ神器。四方八方に散っている私達にその攻撃は当たる筈もな……いかと高を括ってしまったけれどたった今、ピット君が少々ダメージを喰らってしまう。苦笑いを浮かべつつ気を取り直して、オリハルコン製へ遠距離戦を仕掛けてみる。そんな折、パルテナ様からの意識を取り戻す声が両耳に届く。何事もなかったかの様子で安心する私達。聞けば、寝てしまったそう。彼女がお勤めで眠ってしまうケースは万に一つ有りはしない。女神様として責務を全うされているお方だ。そう言った部分に私達は恭敬しているのだ。誰かさんに似て頑張り屋な女神様なのだから、眠ってしまうなんて俄に信じ難い。だが、ディントスならばそれも可能らしい。先程出て来た紛いものパルテナ様を動かし、信憑性を持たせるために彼女の意識を操作しただなんてディントスに不可能な事柄はないのか。オリハルコン製に射撃の照準を合わせ、ディントスに恐れ入っている。
「遠隔地からパルテナ様を眠らせることができるなんて……。この戦いもたわむれに過ぎないって感じだろうか。ディントス、おそるべしだなぁ。」
「なかなかやるのう。」
「さぁ、試練はあとひとつ!」
『(あれ?私の計算違いかなぁ?)』
「わかったわかった。じゃぁ、神器を授けよう。ホレ。」
「あれ?妙にあっさり。」
「これが、“真・三種の神器”じゃ!!」
「ちょっと待て!」
『やっぱり、ステキ……。』
それだけではなく、寧ろ軌道に乗っている気がしてならない。この状況では、ピット君が優勢していると言っても過言ではないだろう。そろそろラスボスで、神器神ディントスが出現し戦闘開始になるお約束展開が訪れるのだと思っていたのだがまさかの“真・三種の神器”を授けてくれる素振りを見せた挙げ句、私達と戦わせる急展開に発展し目を大きく見開かせる。いつの間にか、フィールドもそれ用に変化しており何とも開けた状態でこざっぱりしているではないか。戦いやすいフィールドだ。フィールドに“真・三種の神器”が出現する最早一大イベント。しかも話の流れからして煌びやかに戦闘態勢へ入った真・三種の神器と戦わなければ試練を乗り越えられないし、神器も手に入らないしで悩む暇もない強制ルートだ。うっとりするボディであるのは認める。だが、最初からディントスはラスボスを真・三種の神器に選んでいたのだろうと思う。まさか、こうなろうとは誰が予期したか。真・三種の神器はフィールドの側面から既に私達天使二人を見下ろしている。少々相違するが、まるで最後の審判だ。真・三種の神器を私達が使いこなすのに相応するかどうか戦って判断する意。そんな気がしてならない。隣のピット君は異論を唱えるべく声を荒げていたが、聞き入れてもらえず静かに戦闘が開始してしまった。
「くそッ!まさに試練!!」
『この試練を乗り越えなくちゃ、なんともならないね!』
「スピードも!パワーも!!いままでの三種の神器とは大違いじゃろ?どんなもんじゃい。オリハルコン製じゃぞ?」
「それは頼もしい!」
『(金属よね?金属のハナシなのよね?)』
突っ込み所満載であるが、取り敢えず置いておいて戦闘に集中しよう。真・三種の神器は側面に位置し、私達を見下ろしながら火炎弾を分散して来る。四方八方に散っている私達には、その攻撃は当たらない。戦うのだから当然攻撃を当てなければ意味がない。が攻撃を当てて破壊してしまったら。そう考えると、攻撃しても良いものなのか懸念してしまう。余計な心配は不要だろうがどうしても脳裏に過ってしまう。今はまだ、真・三種の神器がどういう攻撃を繰り出して来るのか。探っている状態にある。今迄のボスは、否ピット君が殆んど討ち倒してしまったからどういう対処法を講じたのかは詳しく知らないが、私も戦った経歴のあるボスばかりだそうだ。自ずとどうすれば討ち倒せてしまうのか身体が覚えているだろう。だが今目の前にしている真・三種の神器の戦闘能力も攻撃方法すら未知数だ。探り探りでいかなければ、突破口も見えて来ない。
「うーん。」
「あ、パルテナ様!よくぞご無事で。」
『心配したんですよ。』
「なんだか、寝てしまったみたいです。」
「え?!そんな珍しいことが。」
「ディントス様のしわざですね。」「おーっふぉっふぉっふぉっ!!バレたか!!」
真・三種の神器を撹乱させる目的で、四方八方に散る天使二人。肩から青い散弾を放つ神器。四方八方に散っている私達にその攻撃は当たる筈もな……いかと高を括ってしまったけれどたった今、ピット君が少々ダメージを喰らってしまう。苦笑いを浮かべつつ気を取り直して、オリハルコン製へ遠距離戦を仕掛けてみる。そんな折、パルテナ様からの意識を取り戻す声が両耳に届く。何事もなかったかの様子で安心する私達。聞けば、寝てしまったそう。彼女がお勤めで眠ってしまうケースは万に一つ有りはしない。女神様として責務を全うされているお方だ。そう言った部分に私達は恭敬しているのだ。誰かさんに似て頑張り屋な女神様なのだから、眠ってしまうなんて俄に信じ難い。だが、ディントスならばそれも可能らしい。先程出て来た紛いものパルテナ様を動かし、信憑性を持たせるために彼女の意識を操作しただなんてディントスに不可能な事柄はないのか。オリハルコン製に射撃の照準を合わせ、ディントスに恐れ入っている。
「遠隔地からパルテナ様を眠らせることができるなんて……。この戦いもたわむれに過ぎないって感じだろうか。ディントス、おそるべしだなぁ。」