第24章 三つの試練(前編)
セラ
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太陽の角度が西へ下がり、白と橙色のグラデーションを彩っている空が茜色と紫色へと変色し始めている最中、今度は冥府軍や自然軍だけに留まらず、いよいよオーラム軍迄再登場して来た。明らかにハデスやナチュレちゃんの所為ではない。まさかとは思うが、会話の中に何度も登場したディントスなる人物が関係しているのか。いつもと何ら変わらず、浄化しに掛かるがピット君も違和感が生まれたらしくパルテナ様に問い掛けている。三人で首を捻ってみるが、答えは見つかりそうもない。と言いたい所だが、先程も少し話したように答えは喉迄出て来ている。
順調に魔物達を一掃し、真っ直ぐ空の中を突っ切っていたら突然景色が闇の中に包まれてしまう。あんなに美しい景色が目の前に広がっていたのに、打って変わっての真っ暗闇にギョッとする。まさかいきなり夜になってしまった訳じゃあるまいし。きっと、誰かが故意的にしたのだろう。その誰かに該当するのはたった一人しかいない。
「おーふぉっふぉっふぉっ!!よく来たのう、パルテナ。そして小間使いたちよ!」
ディントス張本人だ。パルテナ様がそうするメリットは勿論生まれない。ここで戦闘フィールドを自分好みに変える。仮にも神様だし、そのぐらいの芸当はお茶の子さいさいだろう。出逢ったばかりで良く知りもしないが。正直想像上で話をしている。
「えーっと……。ディン……なんだっけ。」
「ディントスじゃ!」
「ディントス様。経緯はご存じのようですね。」
『(ただのおじいさんって印象しかない……。)』
それでいてピット君に一発で名前を覚えてもらえない人物。話に耳を傾けている現段階では、ただのおじいさんって印象しか抱けず疑っているのでは決してないのだが、この人物が本当に数多の神器を作り上げ三種の神器迄も手掛けたのだろうか。口振りで人物を判断するのは良くないと耳にするが、いまいちピンと来ず俄には信じられない。目の前に差し迫る魔物等を浄化しつつ、そんな考えに至る。
「人間のためにハデスを討伐したいんじゃな。」
「その通りです。」
『(話が早いわね。)』
「ハ!おろかなことを。ホンキか。若いもんはええのう。じゃが、それが面白い!ワシのところまでたどりつければ 協力してやらないまでもないぞ。」
『(下げてるんだか、上げてるんだか。)』
察知能力が長けているおじいさんに昇格した。もしかして、私達が手中に治めている神器から何らかの情報が伝達されている。のだったらまさにスゴ技としか言いようがない。下手したら神器と会話が出来たり。厭、何も難しい所業ではない。手をかざしてみたら、神器の気持ちが手に取るように分かるとか出来そう。そういうシーンを本で読んだりしたし、有り得ないとはきっぱり言い切れないだろう。またしても想像上で話をしているが。でももし、そんな試みが出来るのであれば会話の内容も実につまらないと思うが一言二言でも神器達が日頃どう思い感じ取っているのか。或いは、戦闘のアドバイスも授けてくれるかもしれない。……お説教になりそうな気がしてきた。
「ディントスの住みかが見えてきました。」
「これは空中ドーム……!?」
『趣味がいいね、ディントスって。』
様々な思いが交差していたのもあって真っ暗闇な状況だったりで見落としがちであったが、遠距離からずっと円球の何かが宙にぽぅっと浮かんでいたのだ。神器達と会話してみたいだなんて勝手に考えて、一人で盛り上がっていたから殆んど眼中になかったのが正解である。段々パルテナ様曰くディントスの住みか……円球の何かへ向けて距離を狭めて行く。球体が回転しては、私達が侵入させてくれるかの如く入り口を見つけやすくしてくれる。球体の外は、何故か透明で中の様子が窺えた。これでは何かのカプセルではないか。赤と白のボール……厭、なんでもない。
「おおっ!なんだ ここはッ?!」
『スゴーイ!中はゼンゼン違うのね!』
「外観と廊下の長さがかみ合いませんね。」
飛行の軌道を変えて、入り口からゆっくり中へ侵入して行く。侵入するなり、私達は驚愕の余り声を張り上げた。球体の中に確かに入り込んだ筈なのだが、記憶違いなのか何なのか長い長い廊下がずっと続いているのだ。あの球体にこの長廊下、違和感を覚えてしまうのは至極当然だろう。球体の中にも懲りずに魔物達。どうやら魔物達を差し向けているのは、冥府軍でも自然軍でもない模様だ。
「そして、この冥府軍や自然軍は……。」
「むろん、ワシが作ったダミーじゃ。じゃが、このぐらいは序の口!こんなもんでヘコたれては冥府の神は倒せんぞ。」
『やっぱりそうだったのね!』
どうやらディントスが作り出したもの達らしい。
順調に魔物達を一掃し、真っ直ぐ空の中を突っ切っていたら突然景色が闇の中に包まれてしまう。あんなに美しい景色が目の前に広がっていたのに、打って変わっての真っ暗闇にギョッとする。まさかいきなり夜になってしまった訳じゃあるまいし。きっと、誰かが故意的にしたのだろう。その誰かに該当するのはたった一人しかいない。
「おーふぉっふぉっふぉっ!!よく来たのう、パルテナ。そして小間使いたちよ!」
ディントス張本人だ。パルテナ様がそうするメリットは勿論生まれない。ここで戦闘フィールドを自分好みに変える。仮にも神様だし、そのぐらいの芸当はお茶の子さいさいだろう。出逢ったばかりで良く知りもしないが。正直想像上で話をしている。
「えーっと……。ディン……なんだっけ。」
「ディントスじゃ!」
「ディントス様。経緯はご存じのようですね。」
『(ただのおじいさんって印象しかない……。)』
それでいてピット君に一発で名前を覚えてもらえない人物。話に耳を傾けている現段階では、ただのおじいさんって印象しか抱けず疑っているのでは決してないのだが、この人物が本当に数多の神器を作り上げ三種の神器迄も手掛けたのだろうか。口振りで人物を判断するのは良くないと耳にするが、いまいちピンと来ず俄には信じられない。目の前に差し迫る魔物等を浄化しつつ、そんな考えに至る。
「人間のためにハデスを討伐したいんじゃな。」
「その通りです。」
『(話が早いわね。)』
「ハ!おろかなことを。ホンキか。若いもんはええのう。じゃが、それが面白い!ワシのところまでたどりつければ 協力してやらないまでもないぞ。」
『(下げてるんだか、上げてるんだか。)』
察知能力が長けているおじいさんに昇格した。もしかして、私達が手中に治めている神器から何らかの情報が伝達されている。のだったらまさにスゴ技としか言いようがない。下手したら神器と会話が出来たり。厭、何も難しい所業ではない。手をかざしてみたら、神器の気持ちが手に取るように分かるとか出来そう。そういうシーンを本で読んだりしたし、有り得ないとはきっぱり言い切れないだろう。またしても想像上で話をしているが。でももし、そんな試みが出来るのであれば会話の内容も実につまらないと思うが一言二言でも神器達が日頃どう思い感じ取っているのか。或いは、戦闘のアドバイスも授けてくれるかもしれない。……お説教になりそうな気がしてきた。
「ディントスの住みかが見えてきました。」
「これは空中ドーム……!?」
『趣味がいいね、ディントスって。』
様々な思いが交差していたのもあって真っ暗闇な状況だったりで見落としがちであったが、遠距離からずっと円球の何かが宙にぽぅっと浮かんでいたのだ。神器達と会話してみたいだなんて勝手に考えて、一人で盛り上がっていたから殆んど眼中になかったのが正解である。段々パルテナ様曰くディントスの住みか……円球の何かへ向けて距離を狭めて行く。球体が回転しては、私達が侵入させてくれるかの如く入り口を見つけやすくしてくれる。球体の外は、何故か透明で中の様子が窺えた。これでは何かのカプセルではないか。赤と白のボール……厭、なんでもない。
「おおっ!なんだ ここはッ?!」
『スゴーイ!中はゼンゼン違うのね!』
「外観と廊下の長さがかみ合いませんね。」
飛行の軌道を変えて、入り口からゆっくり中へ侵入して行く。侵入するなり、私達は驚愕の余り声を張り上げた。球体の中に確かに入り込んだ筈なのだが、記憶違いなのか何なのか長い長い廊下がずっと続いているのだ。あの球体にこの長廊下、違和感を覚えてしまうのは至極当然だろう。球体の中にも懲りずに魔物達。どうやら魔物達を差し向けているのは、冥府軍でも自然軍でもない模様だ。
「そして、この冥府軍や自然軍は……。」
「むろん、ワシが作ったダミーじゃ。じゃが、このぐらいは序の口!こんなもんでヘコたれては冥府の神は倒せんぞ。」
『やっぱりそうだったのね!』
どうやらディントスが作り出したもの達らしい。