第23章 決戦!ハデス(前編)
セラ
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私達パルテナ軍の意向は、元々そうであるが一致団結し既に決している。打倒、冥府神ハデス。このスローガンを掲げ、神器を手中にゲートから飛び立とうと絶賛準備中だ。今この瞬間、神器のメンテナンスを行っている。冥府の神を相手にするのだから、きっと苦しい戦いになるだろう。当然何が起こるか分からないし、圧倒的な力の差を見せつけられそうだ。だが、それでも戦わなければならない時がある。それが今だ。これ以上生きものの魂をハデスの機嫌一つでどうにかされてはいけない。完全に魂を冒涜しているハデスを必ずこの神器で倒してみせる。やる気は充分。一人勝手に両手でガッツポーズしつつ神殿内を歩き始める私。察しの通り、メンテナンスは終わったのだ。これならばハデスに充分通用するだろう。ピット君もそろそろゲートへ向かっているだろうか。そんな思いに駆られながら、尚歩行を進める自身は何メートル先に壁に凭れ腕組みして立っている澄まし顔のブラピ君がそこに居るのを眼に映した。何か用でもあるのだろうか。それとも只の休息だったりするのだろうか。だとするならば、邪魔しては悪い。ここは早急に立ち去ろう。そう考え、早歩きした刹那彼にそのままの状態で名前を呼ばれてしまう……
「セラ。」
『……ブラピ君……?』
名を呼ばれ、振り返る。だが、彼は何も話さない。名を呼ばれたと思ったが果たして気のせいか。首を傾げ前を向き、再度歩き始めれば彼の声が確かに耳に届いた。
「……ムリするなよ。」
『……ありがとう。いってきます。』
ぶっきらぼうであったが、その中には優しさが混じっているように感じた。きっと彼なりのエール、のつもりなのだろう。そう思ったら、妙に嬉しくなる。ピット君と同じ気持ちをブラピ君も抱いてくれているのだろうか。微笑を浮かべつつ、また歩き始める。私には皆目見当もつかないが、そうならば喜ばしい。なんとなく、彼とも団結しているみたいに感じられるからだ。普段は反発しているもの同士がこういう場面で協調し合うのはなかなか悪くない。皆それぞれの思いを引き連れて、私達は戦いの場へ向かう。
さぁ、決戦のトキは来た。
ここだけの話にしてほしいのだが私が歩き去った後、気取った態度のブラピ君が頬を赤らめ恥ずかしがっていたらしい。
「三種の神器!!」
『さぁ!いくわよーッ!!』
ゲートから飛ぶ立つために私とピット君は助走をつけている。そして、ゲート付近に設置されている三種の神器が収まっている縦長の箱へ接近したピット君は堂々と蹴っぽって三種の神器を装備。煌めいているディティールにウットリしがちだけれど、扱いが雑なのではないかとも思う。メデューサ戦に引き続き、冥府の神ハデスを相手にするから三種の神器で戦闘するのは頷けるが蹴って箱を開けるのもなかなか荒々しい。それでも気にせず彼は隣でライトアローを駆使し、冥府の魔物等をバッタバタ浄化しに掛かっている。空は橙色。夕刻を指している。雲間から雷を覗かせ、周辺に雷鳴を轟かせているのが聞こえて来る、場面は正にお誂え向きだ。
「いよいよハデス戦です。準備はいいですか?」
『どんとこいです!』
「ゴハンもたくさん食べてきたし バッチリです!」
一度ならず二度迄も訪れているからだろうか。景色は荒れ地が広がる冥府界である。だがやはり、メデューサ戦にて出向いた冥府城へぼルートとは明らかに相違している。ハデスを守備しているのか何なのか敵が多数出現。けれど、三種の神器で装備するピット君の前では準備運動にもならないし、時間稼ぎにもなりえない。私が丹精を込めて作った肉料理をたらふく食べてごはんのおかわり迄していたピット君に怖いものなどある筈もなく返り討ちにしている彼に対して頼もしさを覚えたところだ。
「冥府の神でありながら、魂の尊厳を奪い 地上界や天界に混乱を招くハデス。息づくものたちの安息のため彼を討つことが今回の目的です。天使が神を討つ。とんでもないことですが……あなたがたならできるでしょう。ピット!セラ!」
「『まかせてください!』」
「天のため、地のため、人のため!そして死して行くもののため!僕たちが必ず ハデスを倒します!」
『うん!やってやります!』
誘導性が高いライトアローは、ピット君の放った射撃を悉く敵の元へ届けてくれる。敵に待ち受けている末路は……浄化される、この一点のみだ。それ以外有り得ない。と言ってもその選択肢しか手段を選ばせないだけであるが。あくどいやり方なのは分かっているが、目的遂行ならば敵に情けをかけている場合ではないのだ。普段の私ならばその思いに到達し、実行させていたのでは。と主張する方々もいるだろう。否定は出来ない。実際、見事三種の神器でボコボコにされている魔物達を遠巻きから見つめ、引き攣った顔を浮かべてしまっている。
「セラ。」
『……ブラピ君……?』
名を呼ばれ、振り返る。だが、彼は何も話さない。名を呼ばれたと思ったが果たして気のせいか。首を傾げ前を向き、再度歩き始めれば彼の声が確かに耳に届いた。
「……ムリするなよ。」
『……ありがとう。いってきます。』
ぶっきらぼうであったが、その中には優しさが混じっているように感じた。きっと彼なりのエール、のつもりなのだろう。そう思ったら、妙に嬉しくなる。ピット君と同じ気持ちをブラピ君も抱いてくれているのだろうか。微笑を浮かべつつ、また歩き始める。私には皆目見当もつかないが、そうならば喜ばしい。なんとなく、彼とも団結しているみたいに感じられるからだ。普段は反発しているもの同士がこういう場面で協調し合うのはなかなか悪くない。皆それぞれの思いを引き連れて、私達は戦いの場へ向かう。
さぁ、決戦のトキは来た。
ここだけの話にしてほしいのだが私が歩き去った後、気取った態度のブラピ君が頬を赤らめ恥ずかしがっていたらしい。
「三種の神器!!」
『さぁ!いくわよーッ!!』
ゲートから飛ぶ立つために私とピット君は助走をつけている。そして、ゲート付近に設置されている三種の神器が収まっている縦長の箱へ接近したピット君は堂々と蹴っぽって三種の神器を装備。煌めいているディティールにウットリしがちだけれど、扱いが雑なのではないかとも思う。メデューサ戦に引き続き、冥府の神ハデスを相手にするから三種の神器で戦闘するのは頷けるが蹴って箱を開けるのもなかなか荒々しい。それでも気にせず彼は隣でライトアローを駆使し、冥府の魔物等をバッタバタ浄化しに掛かっている。空は橙色。夕刻を指している。雲間から雷を覗かせ、周辺に雷鳴を轟かせているのが聞こえて来る、場面は正にお誂え向きだ。
「いよいよハデス戦です。準備はいいですか?」
『どんとこいです!』
「ゴハンもたくさん食べてきたし バッチリです!」
一度ならず二度迄も訪れているからだろうか。景色は荒れ地が広がる冥府界である。だがやはり、メデューサ戦にて出向いた冥府城へぼルートとは明らかに相違している。ハデスを守備しているのか何なのか敵が多数出現。けれど、三種の神器で装備するピット君の前では準備運動にもならないし、時間稼ぎにもなりえない。私が丹精を込めて作った肉料理をたらふく食べてごはんのおかわり迄していたピット君に怖いものなどある筈もなく返り討ちにしている彼に対して頼もしさを覚えたところだ。
「冥府の神でありながら、魂の尊厳を奪い 地上界や天界に混乱を招くハデス。息づくものたちの安息のため彼を討つことが今回の目的です。天使が神を討つ。とんでもないことですが……あなたがたならできるでしょう。ピット!セラ!」
「『まかせてください!』」
「天のため、地のため、人のため!そして死して行くもののため!僕たちが必ず ハデスを倒します!」
『うん!やってやります!』
誘導性が高いライトアローは、ピット君の放った射撃を悉く敵の元へ届けてくれる。敵に待ち受けている末路は……浄化される、この一点のみだ。それ以外有り得ない。と言ってもその選択肢しか手段を選ばせないだけであるが。あくどいやり方なのは分かっているが、目的遂行ならば敵に情けをかけている場合ではないのだ。普段の私ならばその思いに到達し、実行させていたのでは。と主張する方々もいるだろう。否定は出来ない。実際、見事三種の神器でボコボコにされている魔物達を遠巻きから見つめ、引き攣った顔を浮かべてしまっている。
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