第22章 焼け落ちた羽根(後編)
セラ
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色々思案を練っていたら、パンドーラが口から爆弾を放出して来た。これは、使えるのでは。何せ前回のパンドーラ線に於いても、パンドーラが放出する爆弾を打撃で打ち返し反射してダメージを与え勝利へと繋げたのだ。幽体のパンドーラには、一番効果的ではないかと思う。物理攻撃ではあるが、適切な方法である。そうと決まれば行動あるのみ。ブラピ君に向けて接近戦を仕掛けているパンドーラ。爆弾を放出したその瞬間が反撃のチャンス。今は……火炎弾を放ち、彼の多大なるダメージを狙っているみたいだがうまく躱しているブラピ君には無意味に等しい。やはり彼もまた、戦い慣れしている。とばっちりを喰らわずに私もカニ歩きでパンドーラへ距離を狭めて行く。ここはタイミングが大事だ。ブラピ君に気を取られているからか、立ち回りも楽に感じる。決して彼を囮にする訳ではないのだがパンドーラに注視されていないからか幾分狙いやすい。パンドーラの弱点とも言えるだろう。弱点を衝くのも立派な戦術。彼女が爆弾を放ったのが分かった。カニ歩きで狭めていた距離感ならばパンドーラへ充分攻撃が届く。無数に散らばる爆弾を打撃で撥ね返し、パンドーラへ向ける。爆発したと同時に地へ倒れるパンドーラ。どうやら、多大なダメージを与えられたらしい。反撃がそのまま来るか。そう思い、身構えていたのだがパンドーラはむくりと起き上がり
「クッ……てごわいねェ。ならば!」
泉の中へ思いきり入り浸ってしまう。巻きもどしの泉に入って何を復活させたいのだろうか。まさか、耐久力なのか。そんな考えを余儀なくされた頃合い、泉の中からパンドーラは現れた。その姿は以前の姿を保ったものではなく、まるで別人と化していたのだ。
「「『えええええっ!!』」」
「そんなの、アリか?!」
誰もが驚愕の声を上げる中、高笑いするパンドーラ。
「あーっはっはっは。見た?このパンドーラさまの美貌。カラダを持てるなんて、なんてひさしぶりだろう!」
見るからに別人なのだが本人だと言い張るパンドーラ。正直、俄には信じ難い。疑いの眼を向けているものの、パンドーラを彷彿させる装飾を施している上では張本人だと言ってもおかしくはないのだろうが余りにも衝撃的で戦闘中なのにも関わらず唖然としている。そんな最中、両手が誰かの両手に寄って強く握られる感触。誰が、私の両手を強く握ったのだろうか。強く握り包み込んでくれている張本人はこちらを真っ直ぐ見つめ、片時も目を逸らさない。突然の出来事に反応が遅れてしまったが、真っ直ぐ向き直りその人物の両眼を真っ直ぐ見つめる。この場に居るのは敵対するパンドーラ、私とブラピ君だけだ。こんな行動を起こすのは一人しか居ない。そう、ブラピ君だ。熱い視線を私に注ぎ、誰一人として介入させない雰囲気を作り、はっきり言い放った。
「俺は目の前にどんなオンナが現れてもセラだけだからな。」
『う、うん……?ありがとう……?(さっきからわからないハナシばっかりだなぁ。)っていまはそんな場合じゃないよ!ブラピ君!』
「俺の心はすでにセラのモノだ。」
『それはもういいから!』
推察できない言葉の羅列に困惑する私。パンドーラも何を思ったのかハート型の弾を放って来ている。幸いにも攻撃は当たらない。その思惑でさえ察しできない私は、首を傾げるのみ。暫し、見つめ合っていたのだろうか。ハート型の弾を無数に放っていたパンドーラから戦闘の催促を求める声が上がる。はっと我に返る二人。慌てて戦闘モードに入ったがブラピ君の表情は何処か嬉々としていた。
「まいった。女として負けた感。」
『ナチュレちゃんはそのままでもじゅうぶんカワイイよ!』
「人に歴史ありですね……。」
「あぁ、声帯があるっていいねぇ!」
「そういえば、けだるい口調が直ってますね。」
「アレはアレで好きだったんじゃがのう。」
まさかこんな早い段階で再戦する羽目になろうとは思いも寄らなかった。幽体だったパンドーラは巻きもどしの泉で身体を取り戻し、私とブラピ君の前に立ちはだかる。中間の距離を保ち、状況を優勢にしていたが目の前のパンドーラに関してはまるで無知。能力さえも分からない状態だ。一つ分かるのはパンドーラだけに宝箱を設置したり悪戯心が読み取れる細工をしている事実。二つの箱が設置されているのを見るとどちらかが当たりなのだろう。だが、ブラピ君は宝箱に興味を示した様子はなくパンドーラへ接近戦を持ち掛けている。パルテナ様からの助言をこっそり聞いたのだが、どうやらパンドーラへ距離を狭め打撃を喰らわせるのが一番最適策らしい。パンドーラはワープを使用して別の地点に移動出来るそうだが、ワープした地点に透かさずダッシュ出来れば道は開けるそうだ。なかなか高い運動能力を有するが、私もブラピ君もその点に関しては問題ないだろう。
「クッ……てごわいねェ。ならば!」
泉の中へ思いきり入り浸ってしまう。巻きもどしの泉に入って何を復活させたいのだろうか。まさか、耐久力なのか。そんな考えを余儀なくされた頃合い、泉の中からパンドーラは現れた。その姿は以前の姿を保ったものではなく、まるで別人と化していたのだ。
「「『えええええっ!!』」」
「そんなの、アリか?!」
誰もが驚愕の声を上げる中、高笑いするパンドーラ。
「あーっはっはっは。見た?このパンドーラさまの美貌。カラダを持てるなんて、なんてひさしぶりだろう!」
見るからに別人なのだが本人だと言い張るパンドーラ。正直、俄には信じ難い。疑いの眼を向けているものの、パンドーラを彷彿させる装飾を施している上では張本人だと言ってもおかしくはないのだろうが余りにも衝撃的で戦闘中なのにも関わらず唖然としている。そんな最中、両手が誰かの両手に寄って強く握られる感触。誰が、私の両手を強く握ったのだろうか。強く握り包み込んでくれている張本人はこちらを真っ直ぐ見つめ、片時も目を逸らさない。突然の出来事に反応が遅れてしまったが、真っ直ぐ向き直りその人物の両眼を真っ直ぐ見つめる。この場に居るのは敵対するパンドーラ、私とブラピ君だけだ。こんな行動を起こすのは一人しか居ない。そう、ブラピ君だ。熱い視線を私に注ぎ、誰一人として介入させない雰囲気を作り、はっきり言い放った。
「俺は目の前にどんなオンナが現れてもセラだけだからな。」
『う、うん……?ありがとう……?(さっきからわからないハナシばっかりだなぁ。)っていまはそんな場合じゃないよ!ブラピ君!』
「俺の心はすでにセラのモノだ。」
『それはもういいから!』
推察できない言葉の羅列に困惑する私。パンドーラも何を思ったのかハート型の弾を放って来ている。幸いにも攻撃は当たらない。その思惑でさえ察しできない私は、首を傾げるのみ。暫し、見つめ合っていたのだろうか。ハート型の弾を無数に放っていたパンドーラから戦闘の催促を求める声が上がる。はっと我に返る二人。慌てて戦闘モードに入ったがブラピ君の表情は何処か嬉々としていた。
「まいった。女として負けた感。」
『ナチュレちゃんはそのままでもじゅうぶんカワイイよ!』
「人に歴史ありですね……。」
「あぁ、声帯があるっていいねぇ!」
「そういえば、けだるい口調が直ってますね。」
「アレはアレで好きだったんじゃがのう。」
まさかこんな早い段階で再戦する羽目になろうとは思いも寄らなかった。幽体だったパンドーラは巻きもどしの泉で身体を取り戻し、私とブラピ君の前に立ちはだかる。中間の距離を保ち、状況を優勢にしていたが目の前のパンドーラに関してはまるで無知。能力さえも分からない状態だ。一つ分かるのはパンドーラだけに宝箱を設置したり悪戯心が読み取れる細工をしている事実。二つの箱が設置されているのを見るとどちらかが当たりなのだろう。だが、ブラピ君は宝箱に興味を示した様子はなくパンドーラへ接近戦を持ち掛けている。パルテナ様からの助言をこっそり聞いたのだが、どうやらパンドーラへ距離を狭め打撃を喰らわせるのが一番最適策らしい。パンドーラはワープを使用して別の地点に移動出来るそうだが、ワープした地点に透かさずダッシュ出来れば道は開けるそうだ。なかなか高い運動能力を有するが、私もブラピ君もその点に関しては問題ないだろう。