第21章 混沌の狭間(後編)
セラ
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「第十陣!!」
「いくぜッ!」
『あれは……パクンチね!』
「水風船のようなパクンチは他の敵を捕食して強くなるのじゃ。」
「共喰いかッ?!」
「今回喰われておるのは自然軍であるが。普段はなりふりかまわずじゃな。」
『スゴイ喰いっぷりだね。』
「やっかいな相手にならないうちに とにかく早く倒せということだな。」
「楽勝ッ!!」
第十陣に出現した敵はパクンチ、ポコポコ、その他諸々。そのパクンチは敵も味方も関係なく捕食する。周囲に群がる自然軍を捕食しまくっており、見ている者を後退りさせる程。だが、そんなのは何のその。ピット君もブラピ君も構わずパクンチヘ向かって行っている。恐るべし、適応力。魔物同士、見境なく捕食するパクンチを見つめ引き攣った顔を浮かべてしまう私。パクンチに接近戦を仕掛けるのは大ダメージを与えられ、非常に効率がいいのだが反対にパクンチに誤って捕食されてしまうリスクを伴う。可能ならば遠距離から攻撃を仕掛け、ダメージを蓄積させて浄化しておきたいがピット君とブラピ君は相当腕に自信があるみたいで二人で力を合わせてパクンチを浄化していた。私はパクンチが捕食しなかった或いは出来なかった他の魔物達を掃除する意味で浄化する。ブラピ君が加わって、浄化するスピードがグンと加速した気がしてならない。流石と言わんばかりか。いつもはピット君と背中合わせになって戦うのだが、その役割を取られたみたいでちょっぴり膨れっ面。まぁ、私は私なりに頑張るつもりだからこのまま神器を駆使して戦おうと思う。
「第十一陣!!混沌の遣いも息切れしておるようじゃ!」
「あと少し!」
『負けないんだから!!』
パクンチ等を浄化し終えて、瞬く間にペトロン、メーザリオ、ブレイダーが私達の目の前に立ちはだかる。
「石化光線を放つペトロンに要注意じゃな。」
「次から次へとよくネタが尽きないな!」
『当たったら、悲惨なことになりそう。』
「当たらなければ、なんてことはないッ!」
ペトロンの放つ石化光線に当たってしまえば恐らくメーザリオ、ブレイダーからの連続攻撃が待ち受けているだろう。考えるだけで恐ろしい。喰らってしまえば最後、ヤラレはしなくても耐久力がかなり削られるのは目に見えている。慎重に行かなければならない。ペトロンの弱点を衝き、浄化へと繋げる……ペトロンは土台で設置されており、自由に動いたり出来ない特性だ。それでなのか左右に光線を放てるが背後はどうしてもガラ空きになってしまう。その隙を狙う。石化光線を放っている最中、回避して素早く背後に回る。見事な迄に隙だらけだ。これに乗じて、ボコボコ連続打撃攻撃を喰らわせる。その反動で石化光線を放っていたペトロンが浄化された。あとはメーザリオ、ブレイダーを浄化するのみ。余りにもピット君とブラピ君が先走って浄化しに行くものだから、今度は私が頑張って浄化へと繋げてみた。この作戦、我ながら良好である。
「セラちゃん、スゴイね!」
「セラはこうでなくちゃな。」
『えへへ……。』
二人の足手まといになるのだけは御免蒙る。その思いを胸にペトロンを浄化しに掛かった。自身の作戦がしなやかに決まって、妙に誇らしい。二人から褒められてしまうし、何より自分の能力を認めてもらった時の向上心は計り知れないと思う。誰かに認めてもらいたいから戦っている訳では決してないのだけれど、幾多の戦いを経て自分が強くなっている……そう、痛感出来た。その事実だけが本当に嬉しいのだ。自分の選択肢が間違っていなかったのだと思えるから。
「第十二陣!大詰めは近いぞよ!」
『やっとここまで来れたね!』
喜びの感情が尚も過るけれど、気を引き締めて戦闘に臨もう。今私達の目の前に立ち塞がるのは、自然軍メガンタとバカン。天使三人、散り散りに攻撃の機会を狙い様子を窺っている。何処かの虫を彷彿するメガンタは、弱点である足周辺の部分を見せまいとしており苦戦を強いられているが。
「フン。デカブツか。いつまでも転がり続けて……」
「転がって……ないね。」
『それよりも浮いて落ちてる感じ?』
「倒してしまえば同じじゃろう!考えるだけムダじゃ!!」
転がる習性の筈が、ドスドス音を立てて上下運動を繰り返している。相も変わらず弱点を晒していない。以前戦った時みたく弱点を衝く隙を見せてくれているのならば話が早いのだが、そう易々と浄化されてくれないだろう。兎に角、メガンタが隙を作ってしまった所を見逃さずにいなければ。ピット君も同じ考えに至った様子で、弱点を攻撃する機会を窺っており反復運動をしている。機会を窺うのもなかなか難しいものだ。だが、ブラピ君はそんなのお構いなしにどんどん攻め立てている。ある意味、形振り構っていない感じだ。けれど、時にその行動力が功を奏する場合だってある。ブラピ君が攻め立てたお陰で殆どのメガンタをあっという間に片付けてしまった。慎重に状況を探っていた私とピット君は顔を見合わせて肩を竦めている。彼から学ばせてもらうとは思いも寄らなかった。まだまだ鍛錬が必要である。
「いくぜッ!」
『あれは……パクンチね!』
「水風船のようなパクンチは他の敵を捕食して強くなるのじゃ。」
「共喰いかッ?!」
「今回喰われておるのは自然軍であるが。普段はなりふりかまわずじゃな。」
『スゴイ喰いっぷりだね。』
「やっかいな相手にならないうちに とにかく早く倒せということだな。」
「楽勝ッ!!」
第十陣に出現した敵はパクンチ、ポコポコ、その他諸々。そのパクンチは敵も味方も関係なく捕食する。周囲に群がる自然軍を捕食しまくっており、見ている者を後退りさせる程。だが、そんなのは何のその。ピット君もブラピ君も構わずパクンチヘ向かって行っている。恐るべし、適応力。魔物同士、見境なく捕食するパクンチを見つめ引き攣った顔を浮かべてしまう私。パクンチに接近戦を仕掛けるのは大ダメージを与えられ、非常に効率がいいのだが反対にパクンチに誤って捕食されてしまうリスクを伴う。可能ならば遠距離から攻撃を仕掛け、ダメージを蓄積させて浄化しておきたいがピット君とブラピ君は相当腕に自信があるみたいで二人で力を合わせてパクンチを浄化していた。私はパクンチが捕食しなかった或いは出来なかった他の魔物達を掃除する意味で浄化する。ブラピ君が加わって、浄化するスピードがグンと加速した気がしてならない。流石と言わんばかりか。いつもはピット君と背中合わせになって戦うのだが、その役割を取られたみたいでちょっぴり膨れっ面。まぁ、私は私なりに頑張るつもりだからこのまま神器を駆使して戦おうと思う。
「第十一陣!!混沌の遣いも息切れしておるようじゃ!」
「あと少し!」
『負けないんだから!!』
パクンチ等を浄化し終えて、瞬く間にペトロン、メーザリオ、ブレイダーが私達の目の前に立ちはだかる。
「石化光線を放つペトロンに要注意じゃな。」
「次から次へとよくネタが尽きないな!」
『当たったら、悲惨なことになりそう。』
「当たらなければ、なんてことはないッ!」
ペトロンの放つ石化光線に当たってしまえば恐らくメーザリオ、ブレイダーからの連続攻撃が待ち受けているだろう。考えるだけで恐ろしい。喰らってしまえば最後、ヤラレはしなくても耐久力がかなり削られるのは目に見えている。慎重に行かなければならない。ペトロンの弱点を衝き、浄化へと繋げる……ペトロンは土台で設置されており、自由に動いたり出来ない特性だ。それでなのか左右に光線を放てるが背後はどうしてもガラ空きになってしまう。その隙を狙う。石化光線を放っている最中、回避して素早く背後に回る。見事な迄に隙だらけだ。これに乗じて、ボコボコ連続打撃攻撃を喰らわせる。その反動で石化光線を放っていたペトロンが浄化された。あとはメーザリオ、ブレイダーを浄化するのみ。余りにもピット君とブラピ君が先走って浄化しに行くものだから、今度は私が頑張って浄化へと繋げてみた。この作戦、我ながら良好である。
「セラちゃん、スゴイね!」
「セラはこうでなくちゃな。」
『えへへ……。』
二人の足手まといになるのだけは御免蒙る。その思いを胸にペトロンを浄化しに掛かった。自身の作戦がしなやかに決まって、妙に誇らしい。二人から褒められてしまうし、何より自分の能力を認めてもらった時の向上心は計り知れないと思う。誰かに認めてもらいたいから戦っている訳では決してないのだけれど、幾多の戦いを経て自分が強くなっている……そう、痛感出来た。その事実だけが本当に嬉しいのだ。自分の選択肢が間違っていなかったのだと思えるから。
「第十二陣!大詰めは近いぞよ!」
『やっとここまで来れたね!』
喜びの感情が尚も過るけれど、気を引き締めて戦闘に臨もう。今私達の目の前に立ち塞がるのは、自然軍メガンタとバカン。天使三人、散り散りに攻撃の機会を狙い様子を窺っている。何処かの虫を彷彿するメガンタは、弱点である足周辺の部分を見せまいとしており苦戦を強いられているが。
「フン。デカブツか。いつまでも転がり続けて……」
「転がって……ないね。」
『それよりも浮いて落ちてる感じ?』
「倒してしまえば同じじゃろう!考えるだけムダじゃ!!」
転がる習性の筈が、ドスドス音を立てて上下運動を繰り返している。相も変わらず弱点を晒していない。以前戦った時みたく弱点を衝く隙を見せてくれているのならば話が早いのだが、そう易々と浄化されてくれないだろう。兎に角、メガンタが隙を作ってしまった所を見逃さずにいなければ。ピット君も同じ考えに至った様子で、弱点を攻撃する機会を窺っており反復運動をしている。機会を窺うのもなかなか難しいものだ。だが、ブラピ君はそんなのお構いなしにどんどん攻め立てている。ある意味、形振り構っていない感じだ。けれど、時にその行動力が功を奏する場合だってある。ブラピ君が攻め立てたお陰で殆どのメガンタをあっという間に片付けてしまった。慎重に状況を探っていた私とピット君は顔を見合わせて肩を竦めている。彼から学ばせてもらうとは思いも寄らなかった。まだまだ鍛錬が必要である。