第21章 混沌の狭間(後編)
セラ
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一安心したのも束の間、まだまだ混沌の遣いは敵を生成して来る。余裕綽々と言った所か。それはそれで腹が立つが、今は無理でも徐々に追い詰めていけばいい。けれど、オーラム軍まで生成して来るとは思わなかった。混沌の遣いとの根比べでもあって、冥府軍・自然軍まさかのオーラム軍までもが登場する。これを一匹が生成していると思うと、感情を持ち合わせているのか果てしなく謎であるが混沌の遣いの執念さえ感じられて思わず背筋を凍てつかせた。何も考えていない、ノープランだったとしてもかなりの防御壁だ。未知の生命体、得体が知れない上では激しく同意する。だが、それでも必ず混沌の遣いを打倒さなければ。このまま好き勝手されたら堪らない。気合いを入れ直し、目の前に立ちはだかる敵を打ち倒すべく、真っ直ぐ向き直る。カクカクした動きでこちらへ向けて弾を放って来るオーラム軍のポル。ポルの動きを見極めてうまく躱し反撃する私達。あっという間に全浄化した天使二人は、次々出現する敵に神器を構えたのだった。
「第四陣!まだまだじゃ。」
「無数の敵が現れようとも 僕たちは負けない!!」
『うん!!』
それでも無限に出て来る魔物達。これで本当に混沌の遣いの体力を削り、消耗させているのだろうか。ナチュレちゃんの助言に間違いはないが、正直心配や不安が押し寄せてくる。ピット君の宣誓とも取れる言葉で、首を縦に頷く私。そうだった、気をしっかり持たなくては。ここでへこたれていては、混沌の遣いの思うツボだ。ピンチをチャンスに変える。今までだってそうして乗り越えて来たじゃないか。彼の言葉で、弱気な態度が払拭されたみたいだ。さすがは、親衛隊長である。
「メインはホエーラ二頭!アーモスをはき出しとるのう。」
「オェッてね。」
『真っ先にホエーラを倒すのがいいかな。』
「アーモスは側面が弱点。体当たりをかわして攻撃するのじゃ。」
「あんなにいかついのに カラダはガリガリなんだなぁ。」
『ギャップがすごいよね。』
「前後がブ厚い鋼鉄を装着しながらもあの機動性じゃ。あなどれんぞよ!」
陸地上空に現れたのは、ホエーラ。しかも二頭。左右に現れてはアーモスを吐き出し、私達目掛けて突進させている。視界に映している段階では、こちらに勝機がないと思われがちだが囲まれている中でもきちんと戦略はある。勝機を分けるポイントは、いつの間にか陸地に設置されている無数の岩。岩の影に隠れアーモスの攻撃を避けながら、浮遊するホエーラへ射撃を加え先に浄化。あとは、アーモスの攻撃を岩で受け止め気絶したところを背後に回って胴体を攻撃するなり、射撃するなりしてしまえばいい。然すれば、次なる道は簡単に開く。時間は掛かっているものの、着実に前へ進めている気がする。こればかりは気のせいでなければいいが。
「第五陣の登場じゃ!」
「くッ……しつこい!!」
『まだいるの〜?』
「プルトンじゃ!盗まれる前に撃つのじゃ!あ、いやいや。シャッタンもおる。撃つでないっ!」
『ええぇぇッ?!』
「撃つのか撃たないのかどっちだよッ!!」
「打撃じゃ!打撃をうまく使うのじゃ!!」
第五陣は、何とも戦闘に難儀しそうな敵達がうようよ出現し、さ迷っている。ナチュレちゃんの助言にもある通り、プルトンにアイテムを盗まれてしまうと非常に厄介。だが、幸いにも私達はアイテムを取得していない。……ということはつまり、盗まれる心配もなし。思う存分メッタメタに出来る寸法だ。けれど、ここで大事件が引き起こる。私の目の前に一匹のプルトンが接近して来た。いつものように浄化しに掛かるのだが……何と素早い動きでカウンターを自身に喰らわせ、よろついた拍子に背負っていた風呂敷の中へ強引に入れられてしまったのだ。お陰で抵抗すら出来ずに、成されるがままである。本心を言えば、ピット君の足手まといになりたくはなかったのだがこうなってしまった以上やむを得ない。連れ去られたくないので、彼の助けを待つしかない。
『ピットくぅぅん。た、助けてぇ……。』
「セラちゃん?!」
「プルトンめ。セラを連れ去って、どうするつもりじゃ!!」
無抵抗であるのが、本当に恥ずかしい。彼と顔を合わせるのも気まずいし、ここから出たくはないが助かる選択肢を選ぶのならば羞恥よりも救出されるのが優先的だ。恥ずかしさの余り、穴があったら入ってしまいたいが、そうも言っていられない。風呂敷越しに聞こえるは、ピット君の怒声。時折、ナチュレちゃんの怒声も聞こえて来る。
「セラちゃん!だいじょうぶ?!どこもケガしてない?!」
『う、うん。だいじょうぶだよ。助けてくれてありがとう。』
「とりあえず安心したわ。ピットなんか怒りのあまり、打撃コンボをお見舞いしていたのう。セラがかかわると、見境ないんじゃな。」
「うるさいなあ!よけいなこと、言うなよ!ナチュレ!」
プルトンが浄化されたのか私は無事に救出され、その場にストンと登場する形になる。助けてもらえたのには有り難さしかないが、再登場の仕方が何とも気まずい。思わず目を逸らしてしまった。自身の微妙な気持ちなんて露知らず、助けてくれたピット君は心配そうな表情を浮かべこちらに駆け寄ってくれる。
「第四陣!まだまだじゃ。」
「無数の敵が現れようとも 僕たちは負けない!!」
『うん!!』
それでも無限に出て来る魔物達。これで本当に混沌の遣いの体力を削り、消耗させているのだろうか。ナチュレちゃんの助言に間違いはないが、正直心配や不安が押し寄せてくる。ピット君の宣誓とも取れる言葉で、首を縦に頷く私。そうだった、気をしっかり持たなくては。ここでへこたれていては、混沌の遣いの思うツボだ。ピンチをチャンスに変える。今までだってそうして乗り越えて来たじゃないか。彼の言葉で、弱気な態度が払拭されたみたいだ。さすがは、親衛隊長である。
「メインはホエーラ二頭!アーモスをはき出しとるのう。」
「オェッてね。」
『真っ先にホエーラを倒すのがいいかな。』
「アーモスは側面が弱点。体当たりをかわして攻撃するのじゃ。」
「あんなにいかついのに カラダはガリガリなんだなぁ。」
『ギャップがすごいよね。』
「前後がブ厚い鋼鉄を装着しながらもあの機動性じゃ。あなどれんぞよ!」
陸地上空に現れたのは、ホエーラ。しかも二頭。左右に現れてはアーモスを吐き出し、私達目掛けて突進させている。視界に映している段階では、こちらに勝機がないと思われがちだが囲まれている中でもきちんと戦略はある。勝機を分けるポイントは、いつの間にか陸地に設置されている無数の岩。岩の影に隠れアーモスの攻撃を避けながら、浮遊するホエーラへ射撃を加え先に浄化。あとは、アーモスの攻撃を岩で受け止め気絶したところを背後に回って胴体を攻撃するなり、射撃するなりしてしまえばいい。然すれば、次なる道は簡単に開く。時間は掛かっているものの、着実に前へ進めている気がする。こればかりは気のせいでなければいいが。
「第五陣の登場じゃ!」
「くッ……しつこい!!」
『まだいるの〜?』
「プルトンじゃ!盗まれる前に撃つのじゃ!あ、いやいや。シャッタンもおる。撃つでないっ!」
『ええぇぇッ?!』
「撃つのか撃たないのかどっちだよッ!!」
「打撃じゃ!打撃をうまく使うのじゃ!!」
第五陣は、何とも戦闘に難儀しそうな敵達がうようよ出現し、さ迷っている。ナチュレちゃんの助言にもある通り、プルトンにアイテムを盗まれてしまうと非常に厄介。だが、幸いにも私達はアイテムを取得していない。……ということはつまり、盗まれる心配もなし。思う存分メッタメタに出来る寸法だ。けれど、ここで大事件が引き起こる。私の目の前に一匹のプルトンが接近して来た。いつものように浄化しに掛かるのだが……何と素早い動きでカウンターを自身に喰らわせ、よろついた拍子に背負っていた風呂敷の中へ強引に入れられてしまったのだ。お陰で抵抗すら出来ずに、成されるがままである。本心を言えば、ピット君の足手まといになりたくはなかったのだがこうなってしまった以上やむを得ない。連れ去られたくないので、彼の助けを待つしかない。
『ピットくぅぅん。た、助けてぇ……。』
「セラちゃん?!」
「プルトンめ。セラを連れ去って、どうするつもりじゃ!!」
無抵抗であるのが、本当に恥ずかしい。彼と顔を合わせるのも気まずいし、ここから出たくはないが助かる選択肢を選ぶのならば羞恥よりも救出されるのが優先的だ。恥ずかしさの余り、穴があったら入ってしまいたいが、そうも言っていられない。風呂敷越しに聞こえるは、ピット君の怒声。時折、ナチュレちゃんの怒声も聞こえて来る。
「セラちゃん!だいじょうぶ?!どこもケガしてない?!」
『う、うん。だいじょうぶだよ。助けてくれてありがとう。』
「とりあえず安心したわ。ピットなんか怒りのあまり、打撃コンボをお見舞いしていたのう。セラがかかわると、見境ないんじゃな。」
「うるさいなあ!よけいなこと、言うなよ!ナチュレ!」
プルトンが浄化されたのか私は無事に救出され、その場にストンと登場する形になる。助けてもらえたのには有り難さしかないが、再登場の仕方が何とも気まずい。思わず目を逸らしてしまった。自身の微妙な気持ちなんて露知らず、助けてくれたピット君は心配そうな表情を浮かべこちらに駆け寄ってくれる。