第21章 混沌の狭間(後編)
セラ
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墜落して行く混沌の遣いを追いかけ、戦闘に最適とも言える広々とした陸地に着地する天使二人。陸地には既に魔物等が犇めいており、こちらの出方を窺っている……のは目の錯覚で只単にその場で犇めいているコーラルは攻撃する術を持っていないためにその状況を作り出したと言える。
「パルテナ様は?!」
「ここにおるのは間違いない。じゃが、こやつらを倒し切らなければ話にならないようじゃな。」
「相手になってやる!パルテナ様!無事でいてください!!」
『パルテナ様のために、がんばらなくっちゃ!』
だがピット君は浄化しながらもパルテナ様の魂が断然気になるみたいで、状況の攻略よりもパルテナ様に関する情報を聞き出している。当然と言えば当然であるが。気持ちは大いに分かるが、態度が露骨過ぎて何とも言えない思いに支配される。せめて、せめて私だけは戦闘状況を見つめていようと周囲を見渡し、コーラルに打撃を加え始めた。周辺を見渡してみて思ったのだが、どうやら陸地にジャンプ台が三ケ所設置されているらしい。誰が設置したのか皆目見当もつかないが、これで回避に繋げられる。それだけではない。どうやらこのジャンプ台……回避に使用出来るだけではなく、ジャンプ台からジャンプ台へ移動可能みたいなのだ。試しに左端のジャンプ台に乗ってみたら、あら不思議。あっという間に右端へ移動出来てしまった。これならば回避するだけではなく、接近して真っ先に倒してしまいたい敵へ一気に距離を狭められる。戦闘フィールドを我がモノとし、大いに活用させるのは最早鉄則と言えるだろう。
「見慣れた敵どものようじゃが軍勢にかかわらず混在しとるのう。」
「怪しい動きだ……。」
『いったいどこから来たんだろう?』
「あの者どもは恐らく、混沌の遣いのイメージから生み出されておるのじゃろう。」
「まさか、無限に湧いて出るとか?!」
『それは、イヤ!』
「それはありえんじゃろ。幻影ではないからのう。退けることは可能じゃ。また、生みだしには相応のエネルギーが必要であろう。
混沌の遣いとの根比べじゃな。」
「ならば、全て浄化し尽くす!そして混沌の遣いを闇から引きずり出してやるッ!!」
『無限に出てこなくてよかったわ。そうと決まれば、コテンパンにしてやるわよーッ!!』
そんな考えに至っていれば、ナチュレちゃんとピット君の会話が聞こえてきて思わず耳を傾ける。話からすると今、目の前に立ちはだかる敵達はハデスが面白がって派遣している訳ではなく、全て想像の産物から創られるモノ。それにしたって精巧に創られている。では、飛行している際に向かって来た敵達は混沌の遣いが創り出したのに過ぎなかったのだろうか。正直な心境、一瞬でもナチュレちゃんが嗾けているのでは?なんて嫌な考えを過らせてしまっていた。確かにあれは、自然軍であった……間違いない。けれど嫌な考えはたった今払拭され、迷いは捨て去った。これで、思う存分戦えるだろう。疑念の余地は最初からありはしなかったのだけれど、こちらが勝手に疑ってしまったのだ。ナチュレちゃんは全面的に協力してくれていたと言うのに。内心、ナチュレちゃんに謝罪を述べながら無数に散らばるコーラルを浄化して行く。ジャンプ台を大いに活用し、ピット君がフィールドに浮遊する最後の一匹コーラルを打ち倒すと不気味な音が耳を掠める。攻略不可能。唯一出逢いたくない冥府の敵。
「第二陣、来るぞよ!」
「まだまだッ!!」
『かかってきなさいッ!!』
「中央のオーンに触れれば即アウトじゃ。」
「その周囲をオーラム軍のシールド敵が回っている……。」
「ラスダじゃ。触れたらいかにも面倒なことになりそうじゃのう。」
『うわぁ、想像したくない。』
触れた時点で一発“ヤラレチャッタ”。三種の神器、ライトアローでしか浄化不可能な敵“オーン”。久々のご登場である。幾ら想像の産物と言えども性質は同じ。不気味な音を出しながら、こちらに接近しようとしている。何が何でも距離を狭まれる訳にはいかない。ゆっくりゆっくり接近するオーンを遠巻きに、周囲を囲むオーラム軍ラスダを浄化しに掛かる。混沌の遣いは、オーラム軍と交戦交えた実績がないのに完全な姿で生み出している……これはまさかパルテナ様の記憶からヒントを得たのだろうか。そう考えれば辻褄は合う。兎にも角にもラスダを浄化さえすれば、突破口は切り開ける気がする。ピット君と共に散り散りに最悪な状況へ展開されぬように遠距離から射撃を加え、難無く浄化を完了させた。ラスダを浄化さえすれば、この場を切り抜けられるなんて考えたがどうやら外れではなかったらしい。オーン以外を倒せば、不気味な音を立て接近していたオーンは突如爆発。何が起こったのか分からないが、オーンを相手にする必要はなかったみたいだ。ホッと一安心。
「第三陣!」
『これくらいじゃ、へこたれないよね。』
「攻撃はまだ続いておるのう。」
「オーラム軍のポルがゲーム&ウォッチみたいに動いてる……。」
『えっ?いま、なんて?』
「お。ゲーム&ウォッチを知っておろうとは。意外。」
『……隠す気ないのね。』
「それより、カーカーに注意するのじゃ。ちっこいのが散らばっておるぞよ!」
「アレ、うっとうしいなあ。自然軍だろう?どうして作ったんだ?!」
「そんなのカーカーの勝手じゃろう!!」
「パルテナ様は?!」
「ここにおるのは間違いない。じゃが、こやつらを倒し切らなければ話にならないようじゃな。」
「相手になってやる!パルテナ様!無事でいてください!!」
『パルテナ様のために、がんばらなくっちゃ!』
だがピット君は浄化しながらもパルテナ様の魂が断然気になるみたいで、状況の攻略よりもパルテナ様に関する情報を聞き出している。当然と言えば当然であるが。気持ちは大いに分かるが、態度が露骨過ぎて何とも言えない思いに支配される。せめて、せめて私だけは戦闘状況を見つめていようと周囲を見渡し、コーラルに打撃を加え始めた。周辺を見渡してみて思ったのだが、どうやら陸地にジャンプ台が三ケ所設置されているらしい。誰が設置したのか皆目見当もつかないが、これで回避に繋げられる。それだけではない。どうやらこのジャンプ台……回避に使用出来るだけではなく、ジャンプ台からジャンプ台へ移動可能みたいなのだ。試しに左端のジャンプ台に乗ってみたら、あら不思議。あっという間に右端へ移動出来てしまった。これならば回避するだけではなく、接近して真っ先に倒してしまいたい敵へ一気に距離を狭められる。戦闘フィールドを我がモノとし、大いに活用させるのは最早鉄則と言えるだろう。
「見慣れた敵どものようじゃが軍勢にかかわらず混在しとるのう。」
「怪しい動きだ……。」
『いったいどこから来たんだろう?』
「あの者どもは恐らく、混沌の遣いのイメージから生み出されておるのじゃろう。」
「まさか、無限に湧いて出るとか?!」
『それは、イヤ!』
「それはありえんじゃろ。幻影ではないからのう。退けることは可能じゃ。また、生みだしには相応のエネルギーが必要であろう。
混沌の遣いとの根比べじゃな。」
「ならば、全て浄化し尽くす!そして混沌の遣いを闇から引きずり出してやるッ!!」
『無限に出てこなくてよかったわ。そうと決まれば、コテンパンにしてやるわよーッ!!』
そんな考えに至っていれば、ナチュレちゃんとピット君の会話が聞こえてきて思わず耳を傾ける。話からすると今、目の前に立ちはだかる敵達はハデスが面白がって派遣している訳ではなく、全て想像の産物から創られるモノ。それにしたって精巧に創られている。では、飛行している際に向かって来た敵達は混沌の遣いが創り出したのに過ぎなかったのだろうか。正直な心境、一瞬でもナチュレちゃんが嗾けているのでは?なんて嫌な考えを過らせてしまっていた。確かにあれは、自然軍であった……間違いない。けれど嫌な考えはたった今払拭され、迷いは捨て去った。これで、思う存分戦えるだろう。疑念の余地は最初からありはしなかったのだけれど、こちらが勝手に疑ってしまったのだ。ナチュレちゃんは全面的に協力してくれていたと言うのに。内心、ナチュレちゃんに謝罪を述べながら無数に散らばるコーラルを浄化して行く。ジャンプ台を大いに活用し、ピット君がフィールドに浮遊する最後の一匹コーラルを打ち倒すと不気味な音が耳を掠める。攻略不可能。唯一出逢いたくない冥府の敵。
「第二陣、来るぞよ!」
「まだまだッ!!」
『かかってきなさいッ!!』
「中央のオーンに触れれば即アウトじゃ。」
「その周囲をオーラム軍のシールド敵が回っている……。」
「ラスダじゃ。触れたらいかにも面倒なことになりそうじゃのう。」
『うわぁ、想像したくない。』
触れた時点で一発“ヤラレチャッタ”。三種の神器、ライトアローでしか浄化不可能な敵“オーン”。久々のご登場である。幾ら想像の産物と言えども性質は同じ。不気味な音を出しながら、こちらに接近しようとしている。何が何でも距離を狭まれる訳にはいかない。ゆっくりゆっくり接近するオーンを遠巻きに、周囲を囲むオーラム軍ラスダを浄化しに掛かる。混沌の遣いは、オーラム軍と交戦交えた実績がないのに完全な姿で生み出している……これはまさかパルテナ様の記憶からヒントを得たのだろうか。そう考えれば辻褄は合う。兎にも角にもラスダを浄化さえすれば、突破口は切り開ける気がする。ピット君と共に散り散りに最悪な状況へ展開されぬように遠距離から射撃を加え、難無く浄化を完了させた。ラスダを浄化さえすれば、この場を切り抜けられるなんて考えたがどうやら外れではなかったらしい。オーン以外を倒せば、不気味な音を立て接近していたオーンは突如爆発。何が起こったのか分からないが、オーンを相手にする必要はなかったみたいだ。ホッと一安心。
「第三陣!」
『これくらいじゃ、へこたれないよね。』
「攻撃はまだ続いておるのう。」
「オーラム軍のポルがゲーム&ウォッチみたいに動いてる……。」
『えっ?いま、なんて?』
「お。ゲーム&ウォッチを知っておろうとは。意外。」
『……隠す気ないのね。』
「それより、カーカーに注意するのじゃ。ちっこいのが散らばっておるぞよ!」
「アレ、うっとうしいなあ。自然軍だろう?どうして作ったんだ?!」
「そんなのカーカーの勝手じゃろう!!」
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