第20章 女神の魂(後編)
セラ
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「セラさん!本当にありがとうございます!感謝すぎて言葉もありません。」
『そう。よかったね。』
「ファイター君。ひとつ聞きたいんだけどさ、キミ……そんな牢屋から出たかったの?」
『……えっ?ピット君、どういう意味?』
「牢屋から出られたのはいいけど、その割にガリガリじゃないし。食べ物ぐらいは与えられてたんじゃない?」
「……まぁ、三食昼寝つきではありましたね。」
「『三食昼寝つきぃ?!』」
自由の身になったファイター君は、牢屋から出るなり真っ先に私の両手で自分の両手で包み込み大袈裟に礼を述べた。余りの勢いに思わず苦笑いを浮かべる私。こう言って難だが、どう対応していいのか分からなかったのだ。そんな折、その光景を間近で見つめていたピット君が心底不機嫌そうに とある質問を彼に投げ掛けた。質問内容を耳にした私は、ファイター君を見遣る。天使二人の視線を一心に受けている彼は、目線を顔毎ずらし頬を指で掻きつつしどろもどろに話した。余りにも驚愕の内容に、私達は叫ぶしかない。まさか、食べ物を与えられていたとは。しかも、昼寝付きで。環境は、結構整っていたのだ。逆に、開放されたい理由はなんなのだろう。そこ迄、してもらっていたのに。ファイター君を尊重してくれている。話の状況からも、見て取れるのに。
「いやあ、たしかに至れり尽せりでしたが……。」
「『?』」
「ゴハンが……それほど、おいしくなかったんです。」
納得せざるを得ない理由に、首を縦に頷くしかなかった。
牢屋への方向へ進んでしまったからか道順がずれてしまったが、気を取り直して真下へ落下した地点へと戻って来た。ナチュレちゃんの話では、落下地点から真っ直ぐ突き進めば鍵が落ちているらしい。彼女の言う通り、直進してみる。遠巻きからでも窺えるキラリ光る何か。距離を狭め、ピット君がキラリ光る何かを手に取って拾い上げた。鍵だ。特別な形をしているが、これで中央に構えていた扉から先に進めるだろう。あとは元の位置に引き返すだけだが、周辺にジャンプ台が設置されている筈。鍵を拾い上げ、少し歩くとうねくねした別れ路がある。そこから、左側へ歩み進めれば……何と行き止まりであった。
道順を間違えてしまったか。仕方ない。引き返そうとした刹那、イカロス達&プルトンに取り囲まれてしまう天使二人。ここで倒さなければ先へは進めないお約束展開。ナチュレちゃんに指示されたわけないが、ピット君は目にも止まらぬ速さで浄化を始めてしまう。先に急ぎたい気持ちが、こちら迄伝達されるかのようだ。このまま見守っているのもアリかとも思ったが、ピット君に任せっきりは余りにも良心が痛む。やはり、彼ばかり戦わせるのは嫌だ。私だって戦えるのだから、その力を存分に揮いたい。意を決し、神器を駆使して戦う姿勢を見せる。ピット君はそんな私を見、驚いた表情を纏っていたが瞬く間に表情を一変させ、攻撃を続行させていた。主にプルトン浄化に目を向けていたが。けれど、きっと今から嫌でもパルテナ様と戦う未来が待ち受けているだろう。今の内に構えているべきだ。
二人がかりで浄化に勤しんだのもある。お陰で、手っ取り早く先行く道が開けた。ジャンプ台が出現し、落下する前の地点に無事戻れた天使二人。ペースは、好調。地下で手に入れた輝かしい鍵で、中央に聳える扉を開くべく扉の前へ歩み寄る。彼が手にしている輝く鍵は、錠が外れたと同時に役割を果した認識下スッと消え去った。新たな道が私達の前にゆっくり開けた。これで、私達は更にパルテナ様への距離を縮めたのである。
「おお、クリアしたようだねぇ。」『やったね!』
「見事じゃ!じゃが、砲台が待ちうけておるぞ!」
折角錠を外し、道を開けたのに相も変わらず妨害が凄まじい。まぁ、その分距離が縮まっている事実に繋がるわけなのだが砲撃が私達を待ち受けていた。ナチュレちゃんの助言があったから、うまく切り抜けられたがもう少し反応が遅ければパルテノートの砲撃を諸に喰らっていただろう。感情は持たないから、思う存分攻撃に身を注がれている。ここで会話でもされた日には、攻撃するのを躊躇っていたと思う。パルテノートに感情を入れてあげてください。なぁんてお願いしてしまったが、却下されてよかったと今ここでしみじみ思っている。例の如く、全浄化さえすれば先へ進める仕様になっていたらしい。またしても、鍵が必要に思われていた扉はあっさり開いた。だが、一直線に歩いていけるも長距離が物語っている。そう易々とクリアされても困るのかもしれない。
「これは長い……。」
『直進なんだけどね。』
「滑落注意じゃな。」
「おあつらえむきに この先横風まで吹いているよ。パルテナちゃん、よっぽどピットくんとセラちゃんをいじめたいみたいだね。」
『そうなの?』
「そんなことは……。」
「ありますよ。」
「……。フン。ニセモノめ。おまえは知らないんだ。このパルテナ親衛隊長ピットが」
『パルテナ親衛副隊長セラが』
「『こんな風に負けるわけがないことを!!』」
『そう。よかったね。』
「ファイター君。ひとつ聞きたいんだけどさ、キミ……そんな牢屋から出たかったの?」
『……えっ?ピット君、どういう意味?』
「牢屋から出られたのはいいけど、その割にガリガリじゃないし。食べ物ぐらいは与えられてたんじゃない?」
「……まぁ、三食昼寝つきではありましたね。」
「『三食昼寝つきぃ?!』」
自由の身になったファイター君は、牢屋から出るなり真っ先に私の両手で自分の両手で包み込み大袈裟に礼を述べた。余りの勢いに思わず苦笑いを浮かべる私。こう言って難だが、どう対応していいのか分からなかったのだ。そんな折、その光景を間近で見つめていたピット君が心底不機嫌そうに とある質問を彼に投げ掛けた。質問内容を耳にした私は、ファイター君を見遣る。天使二人の視線を一心に受けている彼は、目線を顔毎ずらし頬を指で掻きつつしどろもどろに話した。余りにも驚愕の内容に、私達は叫ぶしかない。まさか、食べ物を与えられていたとは。しかも、昼寝付きで。環境は、結構整っていたのだ。逆に、開放されたい理由はなんなのだろう。そこ迄、してもらっていたのに。ファイター君を尊重してくれている。話の状況からも、見て取れるのに。
「いやあ、たしかに至れり尽せりでしたが……。」
「『?』」
「ゴハンが……それほど、おいしくなかったんです。」
納得せざるを得ない理由に、首を縦に頷くしかなかった。
牢屋への方向へ進んでしまったからか道順がずれてしまったが、気を取り直して真下へ落下した地点へと戻って来た。ナチュレちゃんの話では、落下地点から真っ直ぐ突き進めば鍵が落ちているらしい。彼女の言う通り、直進してみる。遠巻きからでも窺えるキラリ光る何か。距離を狭め、ピット君がキラリ光る何かを手に取って拾い上げた。鍵だ。特別な形をしているが、これで中央に構えていた扉から先に進めるだろう。あとは元の位置に引き返すだけだが、周辺にジャンプ台が設置されている筈。鍵を拾い上げ、少し歩くとうねくねした別れ路がある。そこから、左側へ歩み進めれば……何と行き止まりであった。
道順を間違えてしまったか。仕方ない。引き返そうとした刹那、イカロス達&プルトンに取り囲まれてしまう天使二人。ここで倒さなければ先へは進めないお約束展開。ナチュレちゃんに指示されたわけないが、ピット君は目にも止まらぬ速さで浄化を始めてしまう。先に急ぎたい気持ちが、こちら迄伝達されるかのようだ。このまま見守っているのもアリかとも思ったが、ピット君に任せっきりは余りにも良心が痛む。やはり、彼ばかり戦わせるのは嫌だ。私だって戦えるのだから、その力を存分に揮いたい。意を決し、神器を駆使して戦う姿勢を見せる。ピット君はそんな私を見、驚いた表情を纏っていたが瞬く間に表情を一変させ、攻撃を続行させていた。主にプルトン浄化に目を向けていたが。けれど、きっと今から嫌でもパルテナ様と戦う未来が待ち受けているだろう。今の内に構えているべきだ。
二人がかりで浄化に勤しんだのもある。お陰で、手っ取り早く先行く道が開けた。ジャンプ台が出現し、落下する前の地点に無事戻れた天使二人。ペースは、好調。地下で手に入れた輝かしい鍵で、中央に聳える扉を開くべく扉の前へ歩み寄る。彼が手にしている輝く鍵は、錠が外れたと同時に役割を果した認識下スッと消え去った。新たな道が私達の前にゆっくり開けた。これで、私達は更にパルテナ様への距離を縮めたのである。
「おお、クリアしたようだねぇ。」『やったね!』
「見事じゃ!じゃが、砲台が待ちうけておるぞ!」
折角錠を外し、道を開けたのに相も変わらず妨害が凄まじい。まぁ、その分距離が縮まっている事実に繋がるわけなのだが砲撃が私達を待ち受けていた。ナチュレちゃんの助言があったから、うまく切り抜けられたがもう少し反応が遅ければパルテノートの砲撃を諸に喰らっていただろう。感情は持たないから、思う存分攻撃に身を注がれている。ここで会話でもされた日には、攻撃するのを躊躇っていたと思う。パルテノートに感情を入れてあげてください。なぁんてお願いしてしまったが、却下されてよかったと今ここでしみじみ思っている。例の如く、全浄化さえすれば先へ進める仕様になっていたらしい。またしても、鍵が必要に思われていた扉はあっさり開いた。だが、一直線に歩いていけるも長距離が物語っている。そう易々とクリアされても困るのかもしれない。
「これは長い……。」
『直進なんだけどね。』
「滑落注意じゃな。」
「おあつらえむきに この先横風まで吹いているよ。パルテナちゃん、よっぽどピットくんとセラちゃんをいじめたいみたいだね。」
『そうなの?』
「そんなことは……。」
「ありますよ。」
「……。フン。ニセモノめ。おまえは知らないんだ。このパルテナ親衛隊長ピットが」
『パルテナ親衛副隊長セラが』
「『こんな風に負けるわけがないことを!!』」