第20章 女神の魂(後編)
セラ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いつでもパルテナ様は 僕たちにムチャばっかり押しつけていた!正直、死にそうになったこともいっぱいだ!」
『そうよね。』
「オイオイ。」
「パルテナ様の行動は すべて納得できるものだった!そうでなくても、僕はパルテナ様が好きなんだ!」
「お、言いおった!」
「れ、恋愛的な意味ではない!」
「あたり前じゃ。」
「それに僕はセラちゃん一筋だし!」
「あー、ハイハイ。」
『な、なんのハナシ?』
「不届き千万ね。相手は神様よ?」
「あーもう!それはいいから!!パルテナ様をこんなにしたものよ!僕の好きなエンジェランドをこんなにしたものよ!パルテナ様を元にもどしてくれ!お願いだ!!」
『私からもお願い!!あの優しかったパルテナ様を返して!!』
「ピット……セラ……。」
「……。」
ゴツゴツした道程を真っ直ぐ突っ切り、見慣れた建造物が視界に映り込んで来る。言わずもがなあの建造物は、神殿内部に入れる入り口。妨害して来る者達が居ない今、楽々内部に侵入できる。と思いきや、入り口付近にはイカロスマッチョが筋肉をムキムキにして待ち構えていたのだ。そのまま、ピット君に向かってくるのが分かる。そう簡単に侵入させる訳がないの意味。パルテナ様で頭が一杯なのか、注意力が欠落している気がする。一刻も早く、パルテナ様を助け出したい。その気持ちは、痛い程よく分かる。でなければ、わざわざここ迄赴いたりしない。皆一緒なんだ。だが、急いては事を仕損じる。落ち着いて前を見据え戦うのが妥当な判断だ。彼へ“落ち着いて行こうよ”と伝えれば、真剣な面持ちで首を縦に頷いてくれた。イカロスマッチョに関しては、ピット君が何かと冷静さを取り戻しパワーボムを諸に受けてたものの何とか挽回。イカロスマッチョへ打撃を加えては浄化させていた。一つ気になる点があるのだが、エンジェランドは当然私達の他にイカロス達が生活している。あとは“天使の降臨”に出場する場合認可で住まいを貸し出ししているのだ。その者達やイカロス達がいるのは合点がいくが何故か冥府軍の魔物も入り込んでいるのだ。この混乱に乗じて、入り込んだのかもしれないがパルテナ様が冥府軍の侵入を許すとも思えない。やはり、背後には何者かが潜んでいる。そう思えてならない。
「甘いのですね。」
「『あぁ、パルテナ様……。』」
「あなたがたのそんな甘さにどれだけ助けられたことか。しかし、昔には戻れないことを覚悟なさい。」
「……はい、パルテナ様。そこまで言うなら仕方ありません。パルテナ親衛隊長ピット!」
『パルテナ親衛副隊長セラ!』
「『あなたと戦います!戦って、あなたを助け出します!!』」
様々な考えが脳裏に駆け巡る中、私とピット君の意志は静かに固まった。“パルテナ様と戦い、尚且つ彼女を助け出す”。今はそれしかないように思う。私達が不在の最中、パルテナ軍が人類の敵になろうと俄に信じ難い。パルテナ様や我が軍を知り尽くしているからこそ、そういう考えに至るのだ。まさか、今会話しているパルテナ様は偽者で本物は別の何処かに幽閉されているのでは。なぁんて一瞬考えもしたが、そんな気配は何処にもなかった。明らかにパルテナ様は神殿内で私達を今か今かと待ち構えている。イカロスマッチョからの手厚い攻撃があったものの、漸く神殿内へ侵入できた。神殿内へ足を一歩踏み入れれば、薄暗くジメッとした雰囲気が漂っている。エンジェランドだけではない、神殿内さえも変わり果てた姿へと変貌していた。
「神殿内部かのう。」
「パルテナ様の神殿がこんなに痛んでいるなんて……。」
『……ヒドイね……。』
余りにも荒んでいる光景に心は痛む。美しく保たれていたエンジェランド、神殿は何日間か復旧作業に取り掛からなければ、とても元には戻せない状態になっていた。あんなに住みやすかった神殿は、居心地の悪さを感じる。薄暗くジメッとした雰囲気を好む冥府軍の魔物達が簡単に神殿内へ侵入を許していた。そこには当然、イカロス達が弓を構えている。まさか共闘してこちらを陥れる算段かとも思われたが、やはり敵対しているらしく、こちらそっちのけでイカロス達は魔物等へ矢を射る攻撃を繰り出していた。冥府軍が入り込んでいても、排除するのは忘れていない模様だ。イカロスと冥府軍の戦いの行く末はどうなるか。互いに一歩も引かず攻防している。このまま勝利した側を透かさずピット君は叩く訳なのだが、勝敗がつく前に痺れを切らしてしまったのか彼は冥府の魔物を背後から回って浄化。流れゆく動きで、イカロスさえも浄化していた。漁夫の利状態になるのでは?と予期していた展開には一切発展せず天使二人は更に先へ進むべく再度歩き始めたのだった。
『そうよね。』
「オイオイ。」
「パルテナ様の行動は すべて納得できるものだった!そうでなくても、僕はパルテナ様が好きなんだ!」
「お、言いおった!」
「れ、恋愛的な意味ではない!」
「あたり前じゃ。」
「それに僕はセラちゃん一筋だし!」
「あー、ハイハイ。」
『な、なんのハナシ?』
「不届き千万ね。相手は神様よ?」
「あーもう!それはいいから!!パルテナ様をこんなにしたものよ!僕の好きなエンジェランドをこんなにしたものよ!パルテナ様を元にもどしてくれ!お願いだ!!」
『私からもお願い!!あの優しかったパルテナ様を返して!!』
「ピット……セラ……。」
「……。」
ゴツゴツした道程を真っ直ぐ突っ切り、見慣れた建造物が視界に映り込んで来る。言わずもがなあの建造物は、神殿内部に入れる入り口。妨害して来る者達が居ない今、楽々内部に侵入できる。と思いきや、入り口付近にはイカロスマッチョが筋肉をムキムキにして待ち構えていたのだ。そのまま、ピット君に向かってくるのが分かる。そう簡単に侵入させる訳がないの意味。パルテナ様で頭が一杯なのか、注意力が欠落している気がする。一刻も早く、パルテナ様を助け出したい。その気持ちは、痛い程よく分かる。でなければ、わざわざここ迄赴いたりしない。皆一緒なんだ。だが、急いては事を仕損じる。落ち着いて前を見据え戦うのが妥当な判断だ。彼へ“落ち着いて行こうよ”と伝えれば、真剣な面持ちで首を縦に頷いてくれた。イカロスマッチョに関しては、ピット君が何かと冷静さを取り戻しパワーボムを諸に受けてたものの何とか挽回。イカロスマッチョへ打撃を加えては浄化させていた。一つ気になる点があるのだが、エンジェランドは当然私達の他にイカロス達が生活している。あとは“天使の降臨”に出場する場合認可で住まいを貸し出ししているのだ。その者達やイカロス達がいるのは合点がいくが何故か冥府軍の魔物も入り込んでいるのだ。この混乱に乗じて、入り込んだのかもしれないがパルテナ様が冥府軍の侵入を許すとも思えない。やはり、背後には何者かが潜んでいる。そう思えてならない。
「甘いのですね。」
「『あぁ、パルテナ様……。』」
「あなたがたのそんな甘さにどれだけ助けられたことか。しかし、昔には戻れないことを覚悟なさい。」
「……はい、パルテナ様。そこまで言うなら仕方ありません。パルテナ親衛隊長ピット!」
『パルテナ親衛副隊長セラ!』
「『あなたと戦います!戦って、あなたを助け出します!!』」
様々な考えが脳裏に駆け巡る中、私とピット君の意志は静かに固まった。“パルテナ様と戦い、尚且つ彼女を助け出す”。今はそれしかないように思う。私達が不在の最中、パルテナ軍が人類の敵になろうと俄に信じ難い。パルテナ様や我が軍を知り尽くしているからこそ、そういう考えに至るのだ。まさか、今会話しているパルテナ様は偽者で本物は別の何処かに幽閉されているのでは。なぁんて一瞬考えもしたが、そんな気配は何処にもなかった。明らかにパルテナ様は神殿内で私達を今か今かと待ち構えている。イカロスマッチョからの手厚い攻撃があったものの、漸く神殿内へ侵入できた。神殿内へ足を一歩踏み入れれば、薄暗くジメッとした雰囲気が漂っている。エンジェランドだけではない、神殿内さえも変わり果てた姿へと変貌していた。
「神殿内部かのう。」
「パルテナ様の神殿がこんなに痛んでいるなんて……。」
『……ヒドイね……。』
余りにも荒んでいる光景に心は痛む。美しく保たれていたエンジェランド、神殿は何日間か復旧作業に取り掛からなければ、とても元には戻せない状態になっていた。あんなに住みやすかった神殿は、居心地の悪さを感じる。薄暗くジメッとした雰囲気を好む冥府軍の魔物達が簡単に神殿内へ侵入を許していた。そこには当然、イカロス達が弓を構えている。まさか共闘してこちらを陥れる算段かとも思われたが、やはり敵対しているらしく、こちらそっちのけでイカロス達は魔物等へ矢を射る攻撃を繰り出していた。冥府軍が入り込んでいても、排除するのは忘れていない模様だ。イカロスと冥府軍の戦いの行く末はどうなるか。互いに一歩も引かず攻防している。このまま勝利した側を透かさずピット君は叩く訳なのだが、勝敗がつく前に痺れを切らしてしまったのか彼は冥府の魔物を背後から回って浄化。流れゆく動きで、イカロスさえも浄化していた。漁夫の利状態になるのでは?と予期していた展開には一切発展せず天使二人は更に先へ進むべく再度歩き始めたのだった。