第19章 光の戦車(後編)
セラ
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「もしかして、ここは?」
「いわゆる立体迷路じゃな。さほど広くないからなんとかなるじゃろ。」
『(ピット君、迷いそう……。)』
十五階のエリアはどんな造りになっていたか。それは、私達侵入者を困惑する目的で設けた立体迷路であった。私とピット君は、迷路の入り口に立ち尽くしている。ナチュレちゃんは大して心配していないみたいだが、私には不安な要素が一つ存在しその不安に駆られている真っ最中だ。今回はスムーズに行ければいいが、ピット君が迷いに迷ってしまいそうな可能性大だ。パンドーラが居住していたトラップダンジョンでは何度か引っ掛かっていたし、変な所で苦戦を強いられていた。とか何とか思っている矢先にピット君は早くも迷路内に設置されている落とし穴に落ちてしまいそうになっている。慌てて、彼を助けられたが危なかった。右方向に進むのは正規ルートではないのかと思われたが、どうやら間違いではないらしい。落とし穴を避けて、大きく右へ移動しろの意だったのだ。そうと決まれば、善は急げ。落とし穴を避け、大きく右方向に進む。試しに左方向に進んでみたが、何と行き止まりだった。どうやら回り道をするしかないみたいだ。戦車の主もそうだけれど、何故敵対している人物達は仕掛け好きが多いのだろう。侵入者が仕掛けに引っかかる姿を見て楽しんでいるのだろうか。
『(だとしたら、ピット君は格好のエサよね。)』
「……?セラちゃん、どうかした?」
『ううん。なんでもなーい。』
「?」
私が困った顔を浮かべながら見つめていたら、彼はその視線に気が付いてくれた。けれど、自身の表情が何か言いたげであると気が付いたのか質疑されてしまったが応答するのはやめておこう。迷路内を無事通過中。彼が首を傾げているのを横目に十四階から十五階の坂をサクサク進んで行く。
「ここでは冥府軍の歓迎を手厚くしちゃおうかね!」
「どこでもそうであろう!」
「しかし、思う存分戦うのも悪くない。まとめて浄化してやるから覚悟しろ!!」
『さぁ!かかってきなさい!!』
十五階のエリアに辿り着いた。それでも、冥府軍の攻撃は続く。幾ら無数に居たとしても、必ず底は尽きるものだ。派遣するのも限界がある筈。ここで倒していて損はない。円形の中だから、動きやすく身軽に回避も出来る。この場を乗り切るには自分の腕っぷしが大いに関わっているのだ。無論、問題はないが。漢字 早くもピット君は、敵を全浄化すべく神器にて戦っている。行動が早いと言うか何と言うか。ふぅっと息をついて、攻撃を喰らわないように注意を払いながら彼の後に続く。お陰でゴールが視界に飛び込んで来る。どうやら、無事にエリア内を突破出来そうだ。彼が、脇目も振らず行動を起こすものだから一時はどうなるかと思ったけれど、何とかなりそう。その前に、彼はナスビ使いの攻撃に寄って真っ先にナスへと変貌を遂げていた。この攻撃のせいで、彼はますますナスが嫌いになってしまっただろう。はぁっと何だか溜息。
「グラインドレール!!」
「これで一気に上昇じゃ!!」
「おぉ。みるみる登っていくねぇ。」
『ずっとこうだといいのに。』
「ありがたみが身にしみる!!」
ゴール地点から上の階に登るべく、坂を歩行しようとしたがふわっと宙に浮く感覚が自身を襲う。と思えば、今度は何もしていないのに勝手気まま大きく移動しているのだ。一瞬状況が飲み込めず、何事かと思ったが落下している訳ではない。何を隠そう私とピット君は、グラインドレールに乗って移動しているのだ。十六階から十七階の移動である。またせっせと坂を登らなければならないかと思っていたからレールが設置されていて心底ホッとしている。ずっとこうであれば苦労はしないのに。
「スパパパパーンと!!」
『これ、なにッ?!』
「雅だねぇ。」
『そうじゃなくて、どっから出てきたの?!』
大きく移動しているグラインドレール。上の階に移動しているのが分かるけれど、それにしても大きく移動している。これで上の階へと登る時間短縮なるのだろうか。それならば全然構わないのだが。そんな考えを余儀なくされていれば、急に異国人が使用する襖が現れた。このままだと、ぶつかってしまう。条件反射で身を屈めてみるが、襖は勝手に開き私達にダメージを与えず通してくれた。ほっと安堵の溜息。本気でぶつかってしまうのではと身まで屈めてしまったからちょこっとだけ拍子抜けしてしまったが慌てている私をよそに冷静なピット君には……言える筈もなかった。
グラインドレールが天使二人を運んでくれたのは、ギガスが設置されており戦闘が有利になるエリアだった。おそらくここは、十七階だろう。
「お。ギガス!」
『やった!』
「乗り込むのじゃ、ピット!セラ!」
ナチュレちゃんの言葉を機に、ギガスに乗り込む私とピット君。フロートリングやビートルだけではなく、まさかギガス迄あるなんて戦車の主もそこそこサービス精神がある。折角だし、ギガスを有効活用させてもらおう。
「いわゆる立体迷路じゃな。さほど広くないからなんとかなるじゃろ。」
『(ピット君、迷いそう……。)』
十五階のエリアはどんな造りになっていたか。それは、私達侵入者を困惑する目的で設けた立体迷路であった。私とピット君は、迷路の入り口に立ち尽くしている。ナチュレちゃんは大して心配していないみたいだが、私には不安な要素が一つ存在しその不安に駆られている真っ最中だ。今回はスムーズに行ければいいが、ピット君が迷いに迷ってしまいそうな可能性大だ。パンドーラが居住していたトラップダンジョンでは何度か引っ掛かっていたし、変な所で苦戦を強いられていた。とか何とか思っている矢先にピット君は早くも迷路内に設置されている落とし穴に落ちてしまいそうになっている。慌てて、彼を助けられたが危なかった。右方向に進むのは正規ルートではないのかと思われたが、どうやら間違いではないらしい。落とし穴を避けて、大きく右へ移動しろの意だったのだ。そうと決まれば、善は急げ。落とし穴を避け、大きく右方向に進む。試しに左方向に進んでみたが、何と行き止まりだった。どうやら回り道をするしかないみたいだ。戦車の主もそうだけれど、何故敵対している人物達は仕掛け好きが多いのだろう。侵入者が仕掛けに引っかかる姿を見て楽しんでいるのだろうか。
『(だとしたら、ピット君は格好のエサよね。)』
「……?セラちゃん、どうかした?」
『ううん。なんでもなーい。』
「?」
私が困った顔を浮かべながら見つめていたら、彼はその視線に気が付いてくれた。けれど、自身の表情が何か言いたげであると気が付いたのか質疑されてしまったが応答するのはやめておこう。迷路内を無事通過中。彼が首を傾げているのを横目に十四階から十五階の坂をサクサク進んで行く。
「ここでは冥府軍の歓迎を手厚くしちゃおうかね!」
「どこでもそうであろう!」
「しかし、思う存分戦うのも悪くない。まとめて浄化してやるから覚悟しろ!!」
『さぁ!かかってきなさい!!』
十五階のエリアに辿り着いた。それでも、冥府軍の攻撃は続く。幾ら無数に居たとしても、必ず底は尽きるものだ。派遣するのも限界がある筈。ここで倒していて損はない。円形の中だから、動きやすく身軽に回避も出来る。この場を乗り切るには自分の腕っぷしが大いに関わっているのだ。無論、問題はないが。
「グラインドレール!!」
「これで一気に上昇じゃ!!」
「おぉ。みるみる登っていくねぇ。」
『ずっとこうだといいのに。』
「ありがたみが身にしみる!!」
ゴール地点から上の階に登るべく、坂を歩行しようとしたがふわっと宙に浮く感覚が自身を襲う。と思えば、今度は何もしていないのに勝手気まま大きく移動しているのだ。一瞬状況が飲み込めず、何事かと思ったが落下している訳ではない。何を隠そう私とピット君は、グラインドレールに乗って移動しているのだ。十六階から十七階の移動である。またせっせと坂を登らなければならないかと思っていたからレールが設置されていて心底ホッとしている。ずっとこうであれば苦労はしないのに。
「スパパパパーンと!!」
『これ、なにッ?!』
「雅だねぇ。」
『そうじゃなくて、どっから出てきたの?!』
大きく移動しているグラインドレール。上の階に移動しているのが分かるけれど、それにしても大きく移動している。これで上の階へと登る時間短縮なるのだろうか。それならば全然構わないのだが。そんな考えを余儀なくされていれば、急に異国人が使用する襖が現れた。このままだと、ぶつかってしまう。条件反射で身を屈めてみるが、襖は勝手に開き私達にダメージを与えず通してくれた。ほっと安堵の溜息。本気でぶつかってしまうのではと身まで屈めてしまったからちょこっとだけ拍子抜けしてしまったが慌てている私をよそに冷静なピット君には……言える筈もなかった。
グラインドレールが天使二人を運んでくれたのは、ギガスが設置されており戦闘が有利になるエリアだった。おそらくここは、十七階だろう。
「お。ギガス!」
『やった!』
「乗り込むのじゃ、ピット!セラ!」
ナチュレちゃんの言葉を機に、ギガスに乗り込む私とピット君。フロートリングやビートルだけではなく、まさかギガス迄あるなんて戦車の主もそこそこサービス精神がある。折角だし、ギガスを有効活用させてもらおう。